番傘買い

20/Ⅴ.(木)2010 雨
5年以上、前の話。
僕は雨具として番傘を使っているのだが、それは浅草の決まったお店で買うことにしている。
その頃、丁度、‘中国製’の番傘をお店で取り扱うようになった頃だという。
中国製と比べるとどこが違うのですか?、尋ねてみると店主は暗い面容ちとなり
「中国製は千円。日本製は五千円です」という。
値段以外の差は?、その問いに店主は、見た目も軽さも使い勝手も何らかわらないですね。
何もかわらない?、はい。違うのは値段だけです。「どうしますか?」と店主は地面をみながらそう言った。
僕はまるで‘人間性クイズ’でも出されてるような気分になり、
そこは判官贔屓というかナショナリズムというか伝統文化保存の意味からも日本製を購入した。
粋じゃない、と判断されるのを畏れたのかもしれない。
5年以上も経つものだから、結構傘はボロボロだがよくもったものである。
先日、新しいのを買いに浅草まで行った。いつもの店に行き、店主と話す。
中国製は千五百円、日本製は八千円だという。もう日本には作り手が少ないらしい。
値段以外の差は?、見た目も軽さも使い勝手も何もかわらないですね。
違うのは値段だけか…と僕が地面を見る。
そこで店主、ちょっと明るいトーンの声で「でもね、5年使うと差が出るんですよ。もちが違う!」だって。


なんか、人生が肯定された気がした。
BGM. 沢田研二「カサブランカ・ダンディ」


4 Replies to “番傘買い”

  1. 先生、番傘なんてカッコいいね。私は結婚するまで、歌舞伎鑑賞が趣味でした。私は一度でいいから「花魁」の着物を着てみたいと思っています。万が一、もう一度結婚式をするなら「花魁」姿であげてみたい。そんなことを許してくれる旦那さんと結婚すれば良かった。私の好きな役者はやっぱり勘三郎。役者としても見事だが、人柄も魅力的。心配りを忘れないで、いつも新しいことにチャレンジして。人望も厚くて、誰からも好かれてしまう。独身の時に、勘九郎みたいな人と付き合いたいなぁ~と思って、一人でも歌舞伎座に通っていました。私の理想の男性像は勘三郎です。
    先生、ちなみに私はどんなに高くても高いものは保ちが違うと思います。
    私は同じもので価格が違っていたら、高い方を選びます。
    先生ぐらい、高収入な方は迷わず高い方を買うべし。

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