かい。

28/Ⅲ.(月)2011
先日、寿司屋で巻貝という長っぽそい貝を醤油焼きにしてつまみにした。
韓国で買ったアワビの賞味期限もギリギリなので、毎日食べている。
クリニックの飲み会でも、僕は「サザエの壺焼き」を決まって頼む。
そんな、貝好きである。
僕が医者になり母がまだ生きてる頃、寿司屋に連れて行ってやると、
必ず「貝の盛り合わせ」か「サザエの壺焼き」を頼んだ。
母が貝が好きだったから。
徳田さんは、「先生は貝が好きですね」というけど、僕が貝を頼むのは「好み」でなく「習慣」なのだ。
徳田さんはおそらく、自分では絶対気付いていないと思うが、「サザエの壺焼き」を食べる時、
「おっ、すごい!サザエの中からワカメが出てきました~!」と必ず言う。
毎回言う。徳田さんの日常はあまり聞かないから知らないが、きっと「団らん」だ。
貝といえば、「かい」という名の女ナースがいたな。
僕らはよく仲間で呑みに行った。「かい」は名字で、下の名前は知らない。
彼女は、僕のことを「たつじん」と呼んでいた。
丁度、「料理の鉄人」という番組が流行ってる頃で、「達二」と「達人」をかけて、発音は平仮名で「たつじん」。
「鉄人」や「達人」を「てつじん」や「たつじん」にすると途端に骨抜きみたいになって、
意味内容を形骸化させる効果があって、僕は気に入っていた。
僕は、カラオケやディスコというのが嫌いなのである。
何か、歌ったり踊ったりってちょっと自己陶酔の世界だから、そんな姿を他人に見られたくない。
だったら、白昼堂々真っ裸で銀座の歩行者天国を口に生魚を加えて猫のポーズで四つん這いで歩いた方が百倍マシだ。
…何、言ってんだ?俺。
そんな僕でも、「かい」達とはカラオケに行って歌ったりした。
平たく言えば、心を許してたってこと。
西城秀樹の「君よ抱かれて熱くなれ」や郷ひろみの「寒い夜明け」や野口五郎の「グッド・ラック」や
トシちゃんの「ラブ・シュプール」やマッチの「情熱☆熱風・せれなーで」を歌った(ヨッちゃんのは歌わなかった)。
午前3時を過ぎると、園まりの「逢いたくて逢いたくて」、渚ゆう子の「京都慕情」、
黛ジュンの「天使の誘惑」などの女性歌手の歌を歌った。
何度か歌うと、彼女らがそれを耳で覚え、いずれ歌ったりした。
やっぱり、女の歌は女性が歌った方がいい。
「かい」は元気でやってるかな。
ちゃんと生きてるかな。
一緒に遊んでた、セイコやT先生は死んじゃったもの。
俺は、割とうまくやってるよ。
死んだ2人に申し訳ないな、って思うことが、何故かたまにふっとあるよ。
BGM. 郷ひろみ「寒い夜明け」


4 Replies to “かい。”

  1. 「今すべき日常を大事にして下さい」
    その親族はいずれ近いうちに遺族になる可能性が高い。
    なのにそういう言葉をもらった。
    うまくやって、貝の習慣もどうか続けてください。
    それが日常で、脳内ハードディスクに残る彼らが存在した事実なのかなと。
    ♪「携帯電話」

    1. walts(以下、敬略)さん
      いつもコメントありがとうございます。全然関係ありませんが、4月から「日常」というアニメが始まります。

  2. ニコ動が観るのに適切な時間な気がするので観てみようかな。
    頑張らなくても「日常」に戻れるように。
    ♪「DUGOUT」

    1. waltz(以下、敬略)さん
      いつもコメントありがとうございます。「日常」は京都アニメーションが製作するらしいです。京アニは、「ハルヒ」や「けいおん」を作った会社なので、期待です。

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