映画の友

28/Ⅹ.(金)2011 くもり、少し寒い
芸術の秋、なので僕と映画について書いてみる。
僕は、アイデンティティーが危機的になると映画館に行く傾向があるみたいで、つまり映画の思い出話の巻です。
その1。浪人の頃、彼女だけ大学に受かって、僕は代ゼミに通っていた。
今くらいの季節かな、僕は成績が伸び悩み、着々と実力をつけていくライバル達に遅れをとり、
それを偏差値教育や受験戦争に嫌気がさしたと思い込み、「こんな奴らと、一緒にいられるか!。
人間の顔など見たくない」と思い、ある週の始まり、授業をエスケープして、衝動的に動物園に行くことにした。
代々木から上野なんて山手線に乗っていれば、連れて行ってくれる。
もっと早いルートもあるかもしれないが、急ぐ旅でもない。山手線でグルリと行こう。
上野動物園に着くと、月曜日は休園だった。
フラれた気分で、不忍池のあたりを一周してると、ピンク映画館を見つけた。
ピンク映画とは、成人向けのポルノ映画のことである。
「動物に会えないなら、せめて獣みたいな人間を観よう」と古臭い映画館に入った。
ストーリーは、希望に燃えて上京してきた少女が、悪い男に騙され、性に溺れて、あげくには毛じらみを伝染されて、
下の毛を剃って終わるという、確か『毛』というタイトルの映画だった。
観終わった僕は「このままではいけない」と、正気に返り、慌てて家に帰ってモーレツに勉強した。
その2。僕は精神科医になりたくて医学部に入ったが、いきなり精神科の授業はない。
一般教養や基礎医学から始まる。
体中の骨の名前を日本語と英語とラテン語で覚えたりする。
生理学や生化学など、理科の実験の親玉みたいなこともしなくてはならない。
精神科医になりたい僕には、苦行でしかない。
自分だけうまくいかなくて嫌気がさして、「こんなことをしたくて大学に入ったんじゃねえよ!」と1人で切れて、
ある週の始まり、実験をエスケープして、衝動的に新宿に出た。
理由は簡単、高校の頃、よく遊んでた街だから。
新宿をブラブラしてたら、ピンク映画館で「薔薇族映画3本立て」という看板を見つけた。
薔薇族とは男性同性愛者向けの雑誌のタイトルで、つまりホモの映画の特集をやっているという告知であった。
僕は、どうとでもなれ、という気分だったので迷わず入館した。
客は、僕の他は美人の女性の2人組みだけだった。
観客は3人、映画が始まった。
ストーリーは、原爆の被爆者である2人の男がお互いの孤独に惹かれあって、愛し合ってゆくというもので、
全編にしとしと雨が降っていて、憂鬱なフィルムだった。
僕は「安易な気持ちで踏み入ってはいけない領域もあるのだ」とカルチャーショックを受け、学校に戻って、
実験の後片付けに合流した。
その3。上級生になると病院実習が始まる。色んな科を回って実地の診療を見学するのだ。
色んな科には色んな医者がいて、中にはすごくインケンな指導医もいて、ことごとく僕に意地悪をした。
まぁ、元はこっちが生意気だったのが原因なのかもしれないが、もしそうなら大人気ない奴だな、そいつは。
僕にだけものすごい量の宿題を出した。
休みの日も教科書とニラメッコだ。
そんな休日の過ごし方にも嫌気がさし、
丁度、大森キネカという映画館で寺山修司の実験映画の特集をしていたから気分転換に観に行った。
その日は、『書を捨てよ町へ出よう』が上映される日で、僕にはピッタリのタイトルで、
このグッド・タイミングは僕の正当性を立証されてるような気分になった。

映画館は日曜ということもあり、割と混んでいた。
奥の席の手前に空席を見つけそこに座ろうとすると、奥の席の客は若いお洒落な女の子だった。
こんな子が1人で寺山修司の映画なんか観るのかな?と思って、
<隣あいてますか?>とたずねると、丁寧に「どうぞ」と言った。
だから僕も丁寧に、<どうも>と返した。
ストーリーは、最初に主人公が画面いっぱいに正面から映し出され、客席に向かってアジるのである。
何しろ、「書を捨てよ町へ出よう」である、まず行動しろ、ということで具体的な提案を延々と訴えるのである。
すごい迫力である。
そして、主人公は「そこの君、まず隣の女の子の手を握ってみろ!」と言うから、僕は焦って、隣の子の様子を伺うと、
その子もこっちを見ていて、目が合って、二人して同時に笑った。
それから僕はその子と帰りにお茶をして、友達になった。
その4。数日後、彼女から千石の三百人劇場でルイス・ブニュエルの映画があるから一緒に行こうと誘われた。
ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」は寺山修司の年表にも登場するので、寺山つながりとして抑えておこうという訳だ。
タイトルは、『銀河』という異端キリスト教徒の話であったが、やや難解だった。
帰りに、お茶をして彼女から感想を求められたから、
<むずかしかったな>と答えると、「嘘!つまんなかったんでしょう?」と言われた。
図星で、この子は読心術の使い手か?、とヒヤッとしたが、そんなことはなくて、実は彼女も「つまらかった」んだって。

それから僕らは、面白い映画ってなんだ?、という話になり、結構ややこしい方向に彷徨ったりしたが、
最終的には喜劇映画の話になった。
今度の土曜の夜、浅草の六区の映画館でクレージー・キャッツの5本立てのオールナイトをやるから観に行くと僕が言うと、
彼女も是非連れって行ってくれと言う。
前から興味はあったが、女の子が1人で行くにはハードルが高かったというのだ。
その5。その日のラインアップは大したものだった。
一本目が『ニッポン無責任時代』で二本目が『ニッポン無責任野郎』である。
この2本は、川原達二が選ぶ日本の喜劇映画10本に間違いなく選出される作品で、
そんな架空のランキングなどどうでもよくて、
この2本はそれぞれが面白いのだが、話がつながっているから続けて観ると何倍も面白い。
まだ観てない人は、観るといいです。
順番を間違えないようにね。「~時代」、「~野郎」の順です。
当時の浅草はロックスが出来て集客に意欲を見せていたが、僕らの仲間は滅多に行かなかった。
皆、新宿や池袋は渋谷で遊び、お洒落な人が六本木や原宿あたりをうろついていた時代だ。
ビートたけしが、ギャグで「E・T」を観ようと映画館に行ったが銀座も新宿もどこもいっぱいで入れなかったが、
浅草の映画館はガラガラだったと言っていた。
勿論、たけし一流の浅草への愛情表現だと聞くものには伝わっていた。
かつての浅草からは多くの喜劇人が輩出された。
そんな喜劇の本場でクレージー・キャッツの映画を観るのである。
期待は膨れ上がってくる。
この日は、浅草に黄金時代が再現されたようだ。
こんな豪華な企画を放っておく馬鹿もないもので、その日の映画館はオールナイト映画にしては大入りだった。
後で判るのだが、大抵の人はこの2本を観たら帰ってしまった。終電もなくなるからね。
僕らは、朝まで観るつもりだから、まずは腹ごしらえ。
駅構内の焼きそば屋で、焼きそばを1人前とビールを2本たのんで、
焼きそばをを半分づつつまみにして、ビールを飲んだ。
その後、糸井重里がやっている団子屋がロックスにあるから、そこへ行きたいというので行ってみた。
孔雀なんとか、という店の名前だった気がするが、違ったらごめん。
話を映画に戻そう。
映画館は異様な盛り上がりで、彼女も嬉しそうにゲラゲラと笑いころげてて、僕は内心、ホッとした。
2本が終わると、彼女は輝いた顔をして、「スゴイね!」と興奮していた。
それと同時に、ゾロゾロと多くの客が帰って行った。
この映画館で夜を明かすべく残ったのは、僕ら2人と酔っ払って寝てる浮浪者みたいな何人かと、
そもそもここが寝ぐらなのでは?、と疑いたくなる本格的に寝ている何人かだけになった。
空気がガラリとかわり、彼女の表情も同様に変わった。
不安そうだったので、<大丈夫だよ>と僕が言うと、「やっぱり1人じゃ来れないわ」と彼女は苦笑してみせた。
3本目は、「日本一の色男」だったかな?。彼女の反応は、イマイチだった。
4本目は、クレージー・キャッツの後期の作品でドリフの加藤茶が準主役級で出てる映画で、
彼女はついにこの映画の途中で眠り出し、とうとうこの映画館で映画を鑑賞している客は僕1人になった。
ラストの5本目は、『喜劇泥棒家族』という映画で、僕も初めて観る作品だった。
ストーリーは、ある島の住民は全員が泥棒で、時々、船で本土へ行っては集団で泥棒をして生計を立てていた。
その島の泥棒のボスが植木等で、植木は昔、警察に捕まって拷問を受けて片足が動かなくなって、杖をついていた。
警察はいよいよ本腰を入れてこの泥棒達を捕まえようとし、島に乗り込んでくるのである。
圧巻は、男どもが次々に逮捕される中、最後に残った植木等が刑事に追い詰められるシーンである。
なんと、植木等はそこで杖を捨て、動かないはずの方の足をヒョイ・ヒョイ・ヒョイと動かしてみせ、
画面いっぱいに満面の笑みを浮かべ、空を飛ぶ鳥のように、海を泳ぐ魚のように、活き活きと走り回るのである。
植木等、健在!という感じだ。
何だか僕は、この僕以外は全員が寝てる映画館で、1人、感動していたのである。
結局、泥棒は全員捕まり、働き手(と言っても泥棒だが)を失った島は女と子供だけになった。
警察は、泥棒は逮捕したが、盗まれた金品を島から見つけ出すことは出来なかった。
ボスである植木等が、決して口を割らなかったからである。
ラストは、自転車の練習をしている子供に女たちが、気をつけなさいよ、と声を掛ける。
子供は、それでもよろめいて、電柱にぶつかって転んでしまう。
ほら~、言ったばかりでしょう、と女たちが駆け寄ると、自転車の前のライトのガラスが割れて、
中から金銀財宝が顔を出していた。
植木等は警察の目を誤魔化すためにここに隠していたのだ。
驚く女たち。
キラキラと輝く宝石のアップで映画は終わった。
不覚にも僕は感涙して、少し落ち着いてから、彼女を起こして映画館を出た。
犬一匹、猫一匹いない。カラスも鳴いていない。
無人街の浅草六区は、真っ白い朝もやに包まれていた。
僕は朝もやと瞼に焼きついたキラキラの映画のラストシーンの両方を自分の未来と重ね合わせて、
先はみえないけど何とかなる、と根拠のない確信を得て、頑張ろうと心に思ったんだ。
BGM. シカゴ「朝もやの二人」


12 Replies to “映画の友”

  1. 先生、久しぶりに面白い中味だったよ。座布団三枚あげるよ。
    先生はこの若いころからすると、今はかなり猫かぶっているですね。
    でも、よくもまぁ、ぶちゃけた話をしたもんだ!なんか、あったんですか?
    先日、先生に「先生は、ナンパしたことが無いの?先生、草食性なんですか?」と話していたが、
    この映画館でお茶した彼女は先生からナンパしたんじゃないの?
    先生、診察室で「聖人」ぶっちゃダメですよ。
    私、本気で草食なのかと思っちゃったじゃないですか。
    先生は男子校なんでしょ。それなのに、彼女が居たなんて、、、。
    やっぱり、学園祭とかで知り合ったのかな?もう、本当に草食男子だと思っちゃったよ。
    ピンク映画のことも、今まで全然ブログに出てこなったのに、驚きましたよ。
    今も、まだ上野にありますけど未だに通っているんですか?
    先生の学生時代は新宿が遊び場だったんですね。だから、未だにタカノフルーツパーラーとか通っているんですね。
    私の時代は渋谷が遊び場でしたね。高校生になると、六本木のクラブに夜遊びに行くという感じでしたね。
    でも、このブログは最後のオチがないよね。オ^ルナイトで映画を女の子と二人で行って、その後どうなったのか
    一番知りたいよね。まさか、そのまま始発までどこかでお茶していたなんて、冴えないことになっていないよね。
    先生、頑張ってホテルまで行けたのかどうかそこまで書いてよ。
    せっかく、おもろいブログだったから、是非コメントに最後のこと書いて公開してくださいね。
    でも、先生、なんか心変わりするようなことがあったんですか?

    1. Freskさん
      ものすごいパワーのあるコメント、ありがとうございます。
      何も心変わりはしていませんよ。いつか機会があったら、書こうと思っていたことなのです。
      映画が終わった時間には、もう始発電車が走り出していたので、それで帰りましたよ。

  2. 先生、お疲れサマー。
    今日、夕方にコメント入れたんですけど、入っていなかったですか?
    今日、川崎のビックカメラでノートパソコンを買ってきたんで、早速先生のブログに書き込みしたんです。
    でも、前のパソコンのように送った後に自分のコメントが見れたんですが、送信したら消えてしまって、、、。
    ちゃんと、送れていなかったのかな?
    このパソコン、最高~です。
    写真のために、最新モデルの高性能のパソコンを思い切って買いました。
    いろいろ出来て、うれしい~!
    「デジブック」というソフトが入っていたので、簡単に写真集ができました。
    確か「みんなのデジブック広場」というHPから、白子森海という作品者で「親子で被災地を訪れる」という写真集を
    作りました。パソコンから簡単に見れると思うので、これこそ是非見てくださいね。

  3. 先生、今お風呂入りながら思い出したんですが、占い師の芙蓉先生は次の出会いは外国人で、私も外国に住むことになると思います、、、と言われたんです。
    私は外国は遊びに行くところで、住むには怖くて住めないと思っているし、どこの国より日本が一番好きなんです。
    出会った人に連れられて、外国暮らしは嫌なんです。
    先生とも、月に一度会えるか分からないし、、、。
    私、出逢いなんてどうでも良いから早く離婚したいです。
    東京ディズニーランドに行っても、スタッフの人に英語で話しかけられたりすることもあるんですが、私は人が見るより内面は古風な日本人なんです。
    やっぱり、どうせ付き合うなら日本人で私の個性を認めてくれる人が良いです。
    前にも違う占い師で、先生と私は前世は兄妹だったんじゃないか、、、というおばさんがいて。
    そのおばさんも、あなたは海外で活躍すると言ったんです。
    私は元々中学高校で欧米、シンガポールなど行ったので、日本からもう出ないんだと決めていました。
    水中写真を撮るようになってから、再び海外に行くことになったんですよ。
    それでも、今も海外旅行は結構しんどいです。私は団体ツアーとかでは行かないから、、、、。
    では、つまらない愚痴を読んでくださり、ありがとうございます。
    こういうの「杞憂」って言うんですよね。

  4. 「ドクトル川原青春記」って感じですね。悩ましくも素敵な青春時代を過ごされていたんですね。

    1. あんころもちさん
      そんなに大層なものではありませんが…。いつも、暖かいコメントありがとうございます。

  5. 先生が「ものすごいパワーのある」ブログを書いていたんで、それに応えたまでです。
    そっか、始発でそのまま帰ったんだ~。
    その彼女、結構「勝負下着」とか来ていたのかもしれないのに、、、。
    先生が馬鹿みたいに「オールナイト」で5本も映画見ていたんじゃ、彼女途中で眠るよね。
    まぁ、先生らしいよね。まだ、先生も若かったんだろうね。
    今じゃ、また違った対応してるよね。もうすぐ、50だもんね。

  6. 「植木等人形」 11月 15th, 2017
    の記事で二つリンクが貼られており、
    その一つ「無責任男」をクリックすると、こちらに飛んで来た次第でして。。
    「まずは私が落ち着け」 10月 14th, 2017
    の記事で、大平さんから寺山修司原作の「あゝ荒野」の映画が今公開中である情報を頂いて、
    自分の好きな映画館「キネカ大森」でも上映(12月2日〜)することを知って、今、
    原作を読みつつ心待ちにしているのですが、、
    キネカ大森と寺山修司作品、川原先生の医学生の頃のエピソード、
    を、記事にした
    「映画の友」10月 29th, 2011
    更に、「書を捨てよ町へ出よう」が初上映されたのが、1971年、、
    最初はここで、筒井康隆の「夢の木坂分岐点」を気取って?
    縦横無尽に「時空」を旅しようと、目論んでいたのですが、
    当然、所詮、鬼才、筒井康隆の片鱗すらもうかがえず、
    何も書けないでいたのですが、、、
    「ならば「心の護美箱」にでも書けない気持ちでもかいて見ようか?」
    と、思ったら、
    「まぁ、何でもいい、ここに書くことに意味がある、内容や文章がつまらなくてもいいや」
    と開き直って、書いています。
    ここ数カ月、川クリに通院し始めてから割とコンスタントにコメントして来ましたが、
    コメントをなるべくしようと、思った理由、きっかけを書いた、
    「うかいの私が憧れた女たち」 6月 24th, 2017
    の中のその記事は、、
    今はもう既に大御所の風格がある??大平さんが「新人」として登場する
    「ムーン・ヒーリング・エスカレーションッ!!」 1月 23rd, 2016
    の小森さんの記事でした。
    特に前半の「音叉」と川原先生の登場のさせ方や、描写が個人的に
    筒井康隆の「笑うな」を彷彿とさせ、
    小森さんの文章の上手さについての感想を書こうと思っていたけれど、結局書かなかったんです。
    今思えば、あの頃は、、、
    おセージにもエネルギーがあったとは、言えず、
    今は、健康上もエネルギーも両方(療法)お陰様で回復期?にある様で、、
    やはり、色々な意味で「動ける」のはいい、と素直に感じています。
    ちなみに、「笑うな」は、ショートショートで、内容は、
    タイムマシンを発明してしまった男が、友人に笑いをこらえながらそれを告白して、
    その発明したタイムマシンに乗って、その瞬間を一緒に見に行って
    二人して腹を抱えながら二人を見て、笑いをこらえる、と言う、
    スラップスティックな?不条理モノです。(笑)
    まとまりの無い内容になってしまいましたが、(冷汗)
    「あゝ荒野」の映画が公開中だと言う情報はてっきり、川原先生が大平さんを経由して
    報せてくれたのだと、早合点していましたが、
    どうやら大平さんからの機転、啓示だったのですね、改めてお礼を申し上げます。
    やはり、女子力は上司力を上回った?

    1. ボクシングファンさん、こんばんは。
      懐かしい記事に色をそえてくれてありがとうございます。
      しかし、ダジャレ炸裂で、笑うな、というのが無理な相談ですね(笑)
      最後の一文がいいですね!
      大平にも、よろしく伝えておきますね!!

  7. 「あゝ荒野」、キネカ大森で観て来ました。
    予告編をネットで観ただけでもう、涙が流れて来たので、
    色々と揺さぶられたのは、言わずもがな、なのですが、、
    色々と書くと長くなってしまうので、なるべく短く感想を書くと、、、
    改めて、、色々な人生があるけれども、そもそも人生って、生きるって、
    皆んな儚いな、と思いました。
    そんな儚さを持った登場人物でも、魅力的なのとそうでないのと、いる訳なんですが、
    例えば、ユースケ・サンタマリアが演じた「片目(堀口)」は人間に魅力がある様な感じで描かれていました。
    生きることは儚い、人生は儚い、と分かっていても、その人生を自分で生きようとしている、
    そこには情熱はあっても何かを力ずくで捻じ曲げて行く様な強引さはなく、力んでいない、
    自分もこれからそんな感じで生きていけたらいいな、と思いました。
    生きることがあれば当然死ぬことが必然としてある訳で、、、
    「あゝ荒野」は、特に映画版は、様々な「死」が迫って来るのですが、
    人はそんな時、過去でも未来でも無く、今現在の見える範囲内の「希望」を見つめて、
    その「点」に向かって生きて行き、死んで行く、様に思いました。
    どちらか一方だけで無く、その両方がほぼ等しく同時に進行して行く様だ、と。
    いつも、映画館では何も食べたりしないのですが、
    さすがに全編、後編、併せての約5時間、以前から気にはなっていた
    「映画館のにおい」のする「キャラメルポップコーン」を後編から頬張って、
    「長い」一日を存分に味わって来ました。

    1. ボクシングファンさん、おはようございます。
      僕も観たいと思っているのですが、休みの日になると、寝てたくなって。
      でも、DVDではなく、映画館で是非観たいと思っています!
      キネカ大森は、聖地だから、そこで観たいなぁ。
      ではまた~

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です