F.の開院祝い

F.が、このGW開けにクリニックを開業した。随分、準備に手間取っていたから、もう開業しないのかと思っていたよ。
F.との付き合いは長くて、お互い19歳の時から。
初対面で、大学の近くのオートテニスに行き、俺はテニスは下手くそで、F.はやたらと上手かったから、俺は頭に来て、
外から鍵を掛け、テニスコートにF.を閉じ込め、F.の財布から金を出して、何時間も強制的にテニスを続けさせた。
右に左にボールを操作できるレバーがあったから、そのレバーでずっと左右に振り続けた。
F.も止めればいいのに、自分の金だからもったいなかったのか、アスリートの血潮なのか、必死で打ち続けていた。
俺は、そのF.の姿が面白くて、ゲラゲラ笑いながら、F.の財布が空になるまで続けた。帰りのバスで、F.はじっと目を閉じて、
いくら俺が話しかけても無言だった。
そして翌日、奴は俺のことを、「初対面なのに、ゲラゲラ笑って、人の金を使って、テニスを続けさせた」と周囲に吹聴して、
俺の話しかけには無視を決め込んだ。
俺は、<執念深いやつだなぁ>と思って、‘しゅうねん’というお坊さんのようなあだ名をつけて、<‘しゅうねん’、怒ってんの?>と
話しかけ、<怒ってたって、何も変わりゃしないよ>と軽く肩を叩いたら、余計、腹を立て、結果、1年間、俺と口をきかなかった。
まさに、‘しゅうねん’でしょ。
でも、1年経ったら、電撃的に和解して、それ以来、親友になった。僕らには、僕らしか知らない共通の思い出が山ほどある。
一緒に遊んでいた、T.先生やセイコはもう死んじゃったね。
彼には、僕は何十万円かの借りがあり、それは積もり積もったもので、もう2人とも正確な金額が判らないと思う。
いや、判らないのは僕だけで、F.は言わないだけで覚えているかもしれない。‘しゅうねん’だから。
4月の終わりに、F.を誘って、「きたやまおさむ&杉田二郎」のコンサートへ行った。
行きのバス賃を僕が払ったら、帰りのタクシー代をF.が払い、ホープ軒のラーメン代を僕が出したら、その後の呑み屋の代金をF.が払う。
どうやらF.は借金の返済を受け取るつもりがないのかもしれない。
俺に、ずっと貸しを作っておきたいのかな。そんなことしなくても、友達でいるのに。
F.のクリニックの内覧会は、残念ながら土曜日で、僕は外来が終らず、見に行けなかった。お花だけ、贈っておいた。↓。

F.の開業後、F.の勤めていた病院では、F.の悪い噂をあることないこと流してる奴がいるんだって。(あることも、あるのか?)。
意外と医者にはそういう奴が多いんじゃないか?。喧嘩の仕方を知らない奴、…なんて言ったら、多くの医者を敵に回しますね、すみません。
でも、いるよなぁ、そういうコスイ奴。面と向かっては言って来ないんだよ、コソコソしやがって。
表面的には人格者みたいな振りしやがって、女々しい奴でさ。あっ、女々しいなんて言ったら、男女差別だと怒られそうですね。すみません。
でも、嫌な奴だったなぁ、今、思い出しても、腹が立つ。ひょっとしたら、今でもコレ見てるんじゃないか?。揚げ足とるために。
見てんじゃねぇよ!。あっ、すいません、つい…。でも、本当にいるんだよ、せこい嫌がらせをする奴が。小学生レベルの。
あっ、そんなこと言ったら小学生に怒られそうですね、「一緒にすんな!」って。
まぁ、細かいことは気にせずに行こう。俺の経験上、卑怯な奴は必ず自滅するから。
火のない処にも煙は立つけれど、大丈夫だよ、俺がついてる。


10 Replies to “F.の開院祝い”

  1. そういう関係、いいですね。内覧会に行けなかったのは残念でしたね。
    立派な胡蝶蘭。そうか、先生は院長だったんでしたっけね。
    先生は開業がもっと早かったわけだけど、先生くらいの年齢だと開業されるかたが多いのかな。
    なんだって!?そんなコスイ、意地の悪いクズ野郎がいるんですか。
    オイ!オメエだよ!見てんじゃねぇよ!!もっと他にやることがあるだろう?
    ったく!この卑怯者がっ!恥を知れ!ボケっ!!
    あ!乱暴ですいません、つい…。F.先生には先生がついてるから、先生には私がつきましょう。大丈夫!

    1. 花の香りさん
      心強いコメントありがとうございます。
      しかし、口悪いですね(笑)。あっ、伝染したのか。

  2. 先生はいいお友達がたくさんいるんですね。というか先生みたいな愉快な人は周りが
    放っておかないはずです。いやでも寄ってくるでしょう。しかし、監禁オートテニスプレイ
    は良いですね!しかも相手のお金を全部使っちゃうなんて粋ですね!さすが生粋の
    江戸っ子ですね!前から思っていたのですが、川原先生にはビートたけし的なアナーキーさ
    を感じます。

  3. 先生は湘南育ちだったのですね!失礼いたしました。
    実はサーファーでヨットにも乗って葉巻をくわえながら
    ヘミングウェイの小説を読んじゃったり・・・・・・・・・・
    してないですよね?

    1. やられメカさん
      「湘南育ちが、サーファーでヨットに乗って葉巻でヘミングウェイの小説」、というイメージは、
      「インド人が皆、カレーを食べてる」とか、「日本人は皆、髷(マゲ)を結ってる」ってのと似てますね(笑)。
      サッカーの下手なブラジル人もいるでしょう?。僕は、そんな感じです。

  4. 内覧会に行けなかったのは、残念でしたねぇ・・・。
    知人のおめでたい出来事には、何はなくとも一升瓶片手に駆けつけたいのが、男って奴ですよね。
    そんなおめでたい出来事に対して、なんで陰で悪口言う奴とかいるんだろ。あまりテレビなんか観たくないの
    ですが、なんか最近、世の中全体がセコくなってるような気がします。偉そうにしてる奴ほど、セコいような
    気がする。お前、偉いんじゃなくて、エロいだけじゃねぇのか、っていう。
    私が言ってはいけないのでしょうけど、ココロが病んでいる人、苦労を重ねた人、真面目にコツコツ努力した人
    ほど、むしろ真実が見えているような気がします。
    それにしても、テニスの件・・・それができる人って、談志師匠とたけしくらいしか思い当たりません。(笑)

    1. passnetterさん
      尊敬する2人の名前をあげられて、恐縮です。それも、テニスの件で…。
      しかし、世の中を憂うキモちは似てますね。

  5. 30年来の友達っていいものですよね。蘭の花も立派です。F先生も喜ばれているでしょう。
    ただ、テニスの件は、川原先生十代の頃かなりのお茶目さんでしたね。
    先生だから、Fさん許してくれたんですよ。

    1. あんころもちさん
      昨日、F.から「ブログ、見たよ」というメールが届きました。胡蝶蘭、まだ頑張って咲いているそうです。

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