仲良し

7/Ⅲ.(木)2013 はれ、暖かい
ここのところ、ブログで「焼肉ハンター」や「ブリしゃぶ」に行ったと書いているから、
「センセーはスタッフにやさしい」と言うコメントを頂く。同様に、「スタッフといい関係だ」とも。
まぁ、確かに仲が悪くはないが、こういう記事で気分を害する人が一定数いるのは承知だ。
内輪の和気あいあいを見せ付けられて羨望する人もいるだろうし、今がうまく行っていない人には不愉快だろうし。
だったら、わざわざ、そんなデリケートな部分を刺激するようなことは書かなければいい、と思う人もいるだろう。
いくらでもブナンなちょっと愉快な記事は書けるのだから。
確かに意図的に「仲良さそう」感を強調してる面は認めよう。
今の世の中は、不況だの、閉塞感だの、ハラスメントだの、人の付き合いもギスギスしている。
気のせいか、道行く人は、皆、疲れているか、不機嫌そうだ。(他人は自分の鏡かな?)
勉強して良い大学に入っても、良い会社に入っても「幸せ」じゃないって皆が言っている。
子供たちは、そんな大人たちを見て、どう思うのかな?
自分達のことは棚に上げて、「勉強しなさい」って言われても、説得力あるのかな?
子供たちの目に、大人は楽しそうに映るのかな?
大人は子供を馬鹿にしてるのかな?
子供は騙されたふりしてるのかな?。それとも、子供は馬鹿なのかな?
そもそも馬鹿って言い方、馬と鹿に失礼だと思わないのかな?
僕は、クリニックの仕事を通して、子供たちに「そうではない」空間もあるのだということを示したい。
それは、カワクリがそういう空間だとアピールしているのとは少し違うのです。
それに僕が伝えたいのは、スタッフと仲良し、ってことじゃなくて、意識やスローガンの共有ということだ。
実際、仲良しのクリニックって、世の中にはあるそうで、休日に皆でピクニックに行ったりするとこもあるそうだよ。
わざわざ、休日に。僕は、そういう「仲良し」はいらないな。
僕がクリニックを開くきっかけは後付でいくらでも出来るんだけど、
その中のひとつに「居場所」っていう概念があった。
不登校の中には、親には心配かけないように、制服を来て、家を出て、行く当てもないから、
山手線にずっとグルグル一日乗っている子も多い。
だけど、そんなものはいずれバレて事例化され、僕と会う。学校で。クリニックで。
思春期の患者さんが行くデイケアというのもある。
僕は、何人かの患者さんが、そういったデイケアから断られているのを知っている。
デイケアと言っても、それはグループ活動だから、輪を乱す1人は、「切る」のだ。
そんな患者たちのガッカリや、主治医である僕のいらだちの受け皿は、この世の中にはなかった。
初期のカワクリは、そんな人達が毎日来て良い場所にしていた。
受け皿がないんだったら、自分で作れば良い。
だから、カウンターも勉強しやすい用に作った。
受付のスタッフにも、関わりや声掛けを依頼した。
だからスタッフの人選も、資格や経歴やマナーではなくて、人柄で選んだ。
内科や外科と比べると、我々・精神科が治療的な戦略に使える道具はあきらかに少なかった。
だから、「人」を治療の道具にするしかないと思った。
「人」で傷ついた人は、「人」でしか癒せない、という人もいるが、僕はそれはよく判らない。
ただ、その空間と、そこに人がいることが大切だと思った。
そのうち人と人とが関わるには、何か媒介するものがあった方がいいと思った。
それで、「なぞなぞ」を作って貼るようにした。
カワクリは、開業して7年目だ。始めのうちは、患者さんの数も少なかったから、ゆっくりした居場所感はあったと思う。
でも、今はどうだろう?
今の受付の仕事は大変だと思う。
「会計」をして、「電話」をとって、「DVDの交換」をして、「待ち時間の苦情」を聞いて、
「カウンセリングのキャンセルや予約変更」をして、
その間に「なぞなぞ」のヒントや答を聞かれて。
こんなことをやらされるクリニックどこにもないよ。割りに合わないかもよ。
朝から夜までクリニックは開きっぱなしで。昼は閉めるところも多いでしょう?
だから、他のクリニックと比べたら、無駄や非効率が多い。
これに意味があると思ってくれる人じゃないと勤まらないよ。
それが僕の目指してるチーム・ワーク。
決して、仲良しじゃないでしょう?
だけど、そんなことを心底、共有する人なんているのかな?
あっ、でも、そんなことを言ったら、頑張ってくれている今のスタッフやこれまでのスタッフ達に失礼ですね。
だけど、自問自答。
「なぞなぞ」とか出してて、本当に意味があるのか?
今、採用面接の最中だから、色々と心が揺れるのかな。疲れてるのかも。
実は、意外にも、親切で助言してくれた仲間の精神科医の言葉が響いてるのかな。
ま、いいや。俺は俺だし。こうやるって決めて、始めたんだし。割とうまくやってる方だし。
ついて来てくれるスタッフもいるんだし。新しいスタッフも加わるし。
近いうちに、「鯛のコース」でも食べに行こう。鯛は今が、シーズンらしいし。
BGM. 南こうせつ「愛する人へ」


12 Replies to “仲良し”

  1. はじめの頃のカワクリを知らないので、その頃のゆったり感みたいなものも味わいたかったかなぁ。
    今の時代、受け皿や居場所は、子どもさんたちだけでなく、大人にも必要なんじゃないか知らん…と思います。
    できれば、先生の当初の目的のひとつであった「居場所作り」を、もう一度、形は違っても、してくれたらなーなんて、思っています。

    1. 花の香りさん
      今、考えてるのは、「居場所作り」をさらに一歩、進めた「ピアサポート」です。
      まだまだ情報収拾の準備段階で、実現まで早くても、最低3年はかかるでしょうね。
      モチベーションを維持させて行かねば。

  2. ※鯛と鯉を読み間違えて書き始めました
    今回の趣旨と関係ないですが、鯉が滝を上る刺青があるということをゲームの中で知りました。
    そのうち、それは鯉が滝を上りきると龍になるという縁起のいいものなのだと知りました。
    そういうのを登竜門というのだと知りました。
    川原クリニックはホームに感じる時もあるし、アウェイに感じる時もあるし、
    たぶん、ここは登竜門みたいなものなのかなあと思いました。

    1. チャールズさん
      そう言えば、世界1弱いと言われるポケモンは、「さかなポケモン」のコイキングですが、
      進化すると龍のような「ギャラドス」という凶悪なポケモンになるのは、「登竜門」からヒントを得たのでしょうね。
      しかし、鯛なのに、鯉で書ききりましたね!。そういうところ、僕は好きです。

  3. 川原先生の『本気』は、つたわります。先生が、誰もが抱える『世の中の矛盾』そして『絶望』と闘いながら、それでも愛を一貫して貫いているから。遅かれ早かれ、子供は大人にならなければいけない。そこには愛が不可欠です。
    それは、スタッフの皆さんも、川原先生でなければならない、多くの患者さんも、意識するしないに関わらず、先生の惜しみない愛情を求め、受け取り、そして、今度は受け取った愛情を周りに惜しみなく返してゆく、その連鎖反応こそが、混沌の中を生きられる、唯一の希望になるのではないでしょうか。
    などと、えらそうな事を申し上げました。当たらずと言えども遠からず、であることを願う次第です。
    あ、ワタクシ未だに受け付けの方の名前、聞いてなかった。。。
    今度こそ、勇気を出して、聞いてみよっと。
    メガネの方が、天明さん、、、かなぁ。

    1. パンタカさん
      応援メッセージ、ありがとうございます。心から、感謝します。
      ちなみに、メガネは「小谷さん」ですね。彼女は、「おめでたい」理由で、こないだ辞めました。
      うちは、名札ををつけてないから、そういう意味では、名前が判らなくて、不親切ですね。反省点です。

  4. 私は先生のクリニックの経営方針について何か言う立場ではありませんが、
    あえて言わせてもらうとしたら、カワクリは既存の精神科・心療内科に対する
    アンチテーゼだと捉えています。待合室の名言集、DVD、ポスター、コミック、
    その他色々な書籍やグッズ・・・・。オンリーワンですよ!

    1. やられメカさん
      勇気りんりんなコメント、ありがとうごまいます!
      マイウエイを、ゴーイングする覚悟がつきました。

  5. よくカワクリに行って勉強してる人や何か書いてる人、色々いてこの人達は何しに来てるんだろうと思っていたものですが、こういう意味があったんですね。
    なるほど、居場所は大事ですもんね。
    私にとってもカワクリはとっても良い居場所です。

    1. Sinさん
      僕は、最近、治療的な環境、というものに力点が移っています。
      勿論、僕の技術やスタッフのパーソナリィティーが、その因子にもなる訳ですが。
      「良い居場所」の、「質」を問いたいと考える今日この頃です。

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