見ないふり

17/Ⅵ.(木)2021 時々激しい通り雨 7月からの新ウルトラマンの敵役のボスに上坂すみれ。

ワクチン接種後から体調が悪い。体がだるく調子が出ないのだ。もう1週間以上たつから医者たちは「副反応ではない」と口をそろえる。ひどい奴は「仕事したくない病だ」という(笑)。

こないだの日曜の総合格闘技「RIZIN」の東京ドームマッチは後日録画でみた。しょこたん(36)がユーチューブでコラボした人気の朝倉兄弟の弟・朝倉海(27)の試合のリングアナウンサー役をやってたからビックリした。総合格闘技は潜在的なプロレスファンで占められてる世界だから迂闊に入って来ない方がいいぞ。全盛期のビートたけしでさえ物を投げられたし、下手すりゃ山田邦子の二の舞だ。そんな人気の朝倉兄弟の兄は、柔術家に失神負け。日本の総合格闘技がグルっと一回りして柔術にスポットが当たりそうな予感。それは中量級のタイトルマッチの決まり手も「三角締め」だったから。とは言え、この試合はチャンピオンがアゼルバイジャンの選手でこないだまで志願して兵役に出てた選手。対するチャレンジャーは日系人で浜松に拠点を構えて練習を積んでいた。今はコロナだから外人は来日後2週間隔離生活でアゼルバイジャンのチャンピオンはそんなハンディを背負って試合に挑み負けた。そしてそういう裏事情をテレビでは言わないのだ。卑怯だと思った。

女の子が親戚が死んだけど「なんとも思わない」という。対象喪失の直後はそういうものだ、と諭すが、「それとは違う」という。「自分には人間的な感情が欠落してるのだ」と淡々と言う。そこで僕は大学2年の時に、父が死んだ時のエピソードを話した。棺桶に花などを入れた後、釘を打つのだが、僕はたまたま台所に「イトーヨーカ堂」の商品券があるのをみつけ、茅ケ崎の北口にあるイトーヨーカ堂へ行き、別にすぐ必要でもない靴下を何足か買い、大事な儀式に遅刻した。女の子はそれを聞いたら大笑いして、「なんで靴下?センセーはサイコパスですね」と2度笑った。精神分析の祖・フロイトも自分の父親の葬式に床屋に行って待たされたために遅刻したというエピソードがある。フロイトはこのことから、「無意識に父の死を認めたくない気持ちが行動をコントロールしてしまう」失錯行為と言う無意識の作用を発見した。でもあの子に言わせりゃ「フロイトもサイコパス」だ。

僕のおじさんが先日、死んだ。コロナ禍だから葬儀は簡素に。参加しなくても良い。僕はそのおじさんには親しみを持っていたから、お通夜に行こうと思っていた。告別式だとちゃんとした格好をしないといけないが、お通夜ならフダンのTシャツ&ジーパンでも良いはずだから。でも知らせを聞いた土曜の夜、睡眠薬を規定量の倍飲んだら、二日間寝続けてしまい、お通夜も告別式も出れないどころか寝て過ごした。おじさんは僕が子供の頃に宮前平のペットショップで「ワニ」を買ってくれた。うちの家族は僕以外は皆、爬虫類や両生類が嫌いなので、おじさんくらいしか買ってくれる人はいなかった。僕が池にワニを放したら、父が池で飼ってる鯉が食べられてしまう、と大騒ぎして怒っていた。僕は子供の頃、俊足だったがそれは同年代の中でのこと。父は結核で足を悪くしてるから走るどころかビッコをひいてたから相手にならない。だからおじさんが遊びに来るとかけっこの相手をしてもらった。おじさんは足が速かった。何度やっても勝てなかった。「タッちゃんには無理だよ」と余裕で笑っていた。子供相手に手を抜かなかった。僕は大人げないなと思ったが、大人ってそうあるべきなんだと教わった気もする。

母の日ばかりが母に感謝すべき日ではないように、通夜や告別式以外の日に弔いに行っても良いことにさせてもらおう。しかし、体調がすぐれない。患者に心配されるほどだ。困ったものだ。おじさんのせいかもしれない。迷惑な話だ。合掌。


16 Replies to “見ないふり”

  1. 川原先生、何もしらずに我儘を申し上げてすみませんでした。

    親戚のおじさまが天国で安らかでありますように。

    お別れは辛いですね。

    わたしは父方の祖父が亡くなった時、祖父が亡くなっても冷静に振る舞いそうな自分を恐れていたのに、実際は心が割れました。
    亡くなってからしばらくして、フラフラとコンビニにタバコを買いに行き、2箱買うつもりが何故か2カートン渡されても、言い直す気力も無く、帰ってベランダでタバコを吸っていました。

    あれからずいぶん時が流れて、祖父が時々、「佐保はやっぱり頑張り屋だなあ」と励ましてくれているのを感じます。
    精神科のお医者さまにこんなことを申し上げるのはおかしいかもしれませんが、喪う悲しみは時間が癒してくれるような気がします。

    それまでお大事になさってくださいね。

    1. 佐保さん、こんばんは。

      おじは僕の結婚式の時に「オーソレミオ」をアカペラで歌ってくれました。
      おじはバンドをやってたらしく大好評で、僕の大学の友人は感激して自分の結婚式の時にも呼んで欲しいと言ってました。
      おじは兄の結婚式でも「オーソレミオ」を歌ってくれましたが、兄はアメリカにいたので日本での披露宴は僕より後です、おじは僕の時よりちょっと下手に歌ってました。僕の方を大事にしてくれたからでしょう。

  2. こんにちは。 不調、続いてましたか。
    くだんのお医者様方ではありませぬが、ワクチン接種で何かのスイッチでも入っちゃったのでしょうか。 または反応? そう訊かれましてもねぇ。 困ったものだな。 応答せょ、応答せょ。

    さて。 診察室にはもちろん、待合室にも妖怪を取り扱った書籍が色々とあるようでしたが、震災の少し前から訪れ始めて以来、ただの一度も『手に取って見る』ほどの関心を持ちませんでしたし、多分・・・話題にもしなかったと思います。

    妖怪を創作して一人笑いするの、けっこう好きです。

    で、先日の休暇に自転車散歩しながら隣の隣町にある図書館で、背表紙を眺めながら書棚の間をくねくねして、みうらじゅんの本を一冊取り出してから席で閲覧し、 ・・・まもなく爆睡してて。

    なんだか残念な時間の過ごし方を取り戻そうと、水木しげるの『愛蔵版・妖怪画談』(岩波書店)をちゃんと手続きして借り受け、席に戻ると 隣の女の子は首が前に折れんばかりに爆睡してました。

    すごいなぁ・・・と思いながらも構わず数頁めくると、『ぷっ!』と吹き出しかねない その内容に危険を感じ、図書館を出ました。

    帰宅してご飯作って食べて片付けてからシャワーを浴び、自室でゆっくりと、ニヤニヤしたり、お構いなしに独り言を言ったり、『はっはっはっは!』とカラカラ高笑いしながら、今も少しずつ大事に読み進めています。

    何が楽しいかって、怖いことなんです。 あるいは解らないこと。
    自分の人生の尺度で経験してきたような、そんな物事の中の。

    それらが痛快に『何かのせい』として解説されていることに、安堵しているのかと。年長者からこうした話を聞かされた子供らは怖がるけども、(本気で)笑い飛ばせる年代になってしまったことは、それはそれでなんだか。はぁ。

    そう、怖いというよりは。
    子供らとは違い、『話し聞かせてくれる』年長者が徐々に。

    そうだ、注射打ってもらったら初心(健やか?)に帰れますかねぇ。
    ・・・それはそれで 回春願望とか言われてしまいそうで怖い(汗

    P.S. ウルトラセブンが ぎりぎりでリアルに間に合わず。
    帰って来た・・・方に興奮していた世代です。
    そんな当時から、怪獣よりも地球外侵略者・系統に怖さを感じていたものでして。必然、セブンが好みでした。

    精神的に迫ってくる?そんな脚本とモノ作りだったのでしょうか。
    セブンが登場しないお話もありましたねぇ。

    ※たろーわ冷めました。戦闘中のBGMとかも。 あ~あ・・・って。

    1. 散文気分さん、こんにちは。

      僕の好きなアニメ「化物語」も、登場人物に起きる精神現象を「精神病理的にも説明出来る」のに、それを「怪異」のせいとして、説明し解決(退治)して行きます。
      何が正しいかはその時代時代で違うでしょう。当時は「狐憑き」とされていたものが今は「ドパミン過剰」に変わっただけ。狐とドパミンの差だけで、「原因不明が怖い人」に原因の仮説を与え不安をとり、手立て(油揚げかトランキライザーか)を投与します。きっと親や祖父母の世代の「業」のせいでしょう、などというあたり、からくりは同じです。案外未来も同じ図式で「原因」だけが「ポンポコピー」に取って代わるだけでしょう(笑)
      しいたけ占いによると僕の星座の獅子座の今年の運気は「初心に帰る」でした。
      ちなみに牡牛座は「私が見たかった景色がようやく見られる。赤ちゃんパワーですべてを乗り切る」だそうです。
      ちなみに、しいたけ占いは中学生に教わった最近ブームの占いらしいです。

      1. こんにちは。コチラは勤務明けの帰宅時あたりから本降りです。
        レスのレスで恐縮です。昨日はすぐ応答して戴いていたのですね。
        もはやpc前でウトウトしていました。 で、即・出勤。
        なので。勤務も落ち着き、シャワした後に職場で拝見しました。

        さて。やはり(笑) 気になったのが『しいたけ占い』で。
        速攻 なぞって、右クリ&Google大先生!と尋ねてみたところ。
        あぁ、入り口までは行ったんですょ? 本家の。

        なんだか私に対する”結界”のようなモノが敷かれているらしく、随分と長く 悶々と考え込んだ末、ついに入らず終いでした。

        なんとなく、次の機会を待つことにします。
        動物心理学も そんな誤嚥 げふぉっ、げふぉっ、・・・でしたから。
        ふぅ。

        P.S. こうした(拒絶?)反応への解釈は。
        やはり己の世界を狭くしている・・・と思うのが一般的なのでしょうか。今さら感が強固すぎて『ならいいや』と思うことが殆どです。『殆ど』って辺りが肝なのですが。 まぁいいのかな。

        この春の、がらけぇ様 → スマホ・乗り換えにおいても、大変に難航しました。その距離感が災いし。 まさにそんな事例です、ハイ。

        P.S.2 今ではワリと仲良くしてます。スマぁ・・・  適度にゎ。

        1. 散文気分さん、こんにちは。

          うちは家電を入れ替えるシーズンらしく、僕の部屋もある日帰ったら、電気をつけたら白い壁がプロジェクターになっていて自動的にテレビが映し出されました。
          リモコン操作で、ユーチューブやアマゾンプライムもみれる仕組みだそうですが、あまりの機械の発展に恐ろしく、電気をつけられず、消灯して暮らしています。
          そのうち慣れるでしょうか。
          しかし、雨上がりの宮迫博之がテレビを追放されユーチューブで活躍したり、さんまや松ちゃんがテレビ愛を公言してるようにテレビのライバルはユーチューブだと思っていたら、テレビでユーチューブをみれるってどうなってるんですか?
          そうそう格闘家でユーチューバーは多いですが、格闘技が強くてユーチューブも面白いのは、朝倉兄弟とシバターだけです。
          シバターは去年の大晦日、紅白の裏の「RIZIN」で瞬間最高視聴率を取った人気者です。
          朝倉弟はしょこたんとユーチューブでコラボして中野の中華料理屋へ行ったり、それに嫉妬したシバターがユーチューブでしょこたんにプロポーズして「朝倉弟は童貞だから痛いですよ」と言って、朝倉弟を怒らせユーチューブで本気で殴られてました。
          しかしやはり圧巻なのは朝倉兄です。元少年院上がりの路上のファイター出身ですが、ユーチューブは面白いです。特に大阪のぼったくりバーに潜入する回が面白いです。
          これが好評のあまりそれを真似する人が多いですが、全然桁違いに面白いです。オリジナルだという理由以外にも、企画構成の緻密さ(総合格闘技の格闘戦略にも通じる)そして「出オチ」感のないゲテモノキャラ(亀田3兄弟の父や前田日明など)とは違う、正体を明かした時のドッキリのありがたさは、水戸黄門に通じます。「朝倉未来 ぼったくり」でみれるはずです。良かったらどうぞ。

  3. 川原先生 コッチー!
    随分前から気になっていたのですが、今回お兄さんのお話が出たので聞いてみます。子どもの時は、家庭の価値観(母親がメイン)に影響されるし、同姓の2人兄弟姉妹だとライバル心が大きいと思います。それがウチの夫は今でもとても顕著なのですが、そこからの卒業ってあるのでしょうか。私は自立して社会人になる時や結婚して家庭を築く時には、過去から脱却してもいいと思うのですけど。体調が良くなったら、いつか教えて貰えると嬉しいです。

    1. エコさん、こんにちは。

      昔、「日本一美しい母への手紙」みたいのが流行った後、その二番煎じで「日本一醜い母への手紙」というのが出ました。
      その中に、正確にはよく覚えてないのですが、こんなのがありました。
      「お母さん、もうどうでも良いんですけど、お母さんは弟の方が好きだったんですね。もう、どうでもいいことだけど」というのがありました。

      人類最初の殺人は、カインとアベル、兄弟殺しですね。理由は嫉妬。カインとアベルは、アダムとイブの子供です。
      同胞葛藤って個人差も大きいと思いますが、歴史的にも拭い去れないんじゃないでしょうか。
      もし期待出来るなら、「そういうのってみっともないから人目に出さないようにしよう」という抑圧ではないでしょうか。それを卒業とか脱却といってもいいのかな?

  4. 考えたら、わたしが先週、行った時、先生が調子悪そうだったのもワクチン接種のせいだったのかもしれませんね。
    「うぉーし、これから、睡眠の時間帯治してくぞー」といいつつ、いつもの声の張りは今一つ。そして「哲学だよ、哲学」ってわけのわからない意味不明の言葉・・・・。
    まあ、いいですが。次週の火曜日に診察の予約をしました。薬でちょっと・・・・。

    1. papaさん、こんばんは。

      晩年の談志は調子の良し悪しがものすごく波があり、追っかけのファンはそれを楽しんだのですが、それは談志が、「ドキュメンタリーだと思ってみろ」と言ったからで、8代目桂文楽の引き際の美学に対するオマージュというか、落語家らしさを見せたのだと思います。そんな雰囲気を真似したいですね。
      薬は直接相談しないとね。しいたけ占い面白いですよ。ではまた~

  5. 川原先生、こんにちは。

    体調悪かったんですね。全然気づかなくてごめんなさい。この間の診察で、あの眠剤、効くよな…って言ってたけど、患者さんで効く人多いって言う意味だと思っていたんだけど、先生自身が飲んでたんですね。具合悪すぎて眠れなくなっちゃったんでしょうか…心配してます。
    休日前に飲んで休んでくださいね。大切な方を亡くされて、お辛いと思いますが、また診察の時に先生が少しでも元気になってますように。

    1. タモさんが好きさん、こんにちは。

      精巧で寸分の狂いもなく機械にまで例えられた桂文楽は、毎回どこの会場で同じ演目をやってもレコードのように1秒と狂わなかったそうです。
      その桂文楽の最後の高座は「大仏餅」。文楽は途中で神谷幸右衛門という人物の名前が出て来ず絶句してしまいます。
      そして「申し訳ありません。もう一度、勉強し直してまいります」と深々と頭を下げ舞台の袖に姿を消し、それ以来一言も「落語」を口にしなかったと言います。
      そして驚くべきは、晩年の桂文楽はいつ来るかもしれないそのおそろしい日にそなえて、「申し訳ありません。もう一度、勉強し直してまいります」というわび口上の稽古までしていたそうです。
      引き際の美学ですね。

      一方、そんな桂文楽のライバルと言われる古今亭志ん生は、天衣無縫で、ある侍の名前が出て来ない時も、「その侍の名はっていうと…」としばらく絶句して「ううん、どうでもいい名前」と言って客席を大爆笑させました。
      志ん生さんのエピソードで有名なのは、志ん生が酔っ払って高座に出て落語の途中で寝てしまう。すると客席から「志ん生、起きろ~」、すると横から「バカやろ、志ん生が寝るの初めて見るじゃねぇか」って話しのわかる客が制止して、みんなで黙って志ん生が寝るのをみてた、って話をよくビートたけしがしてて、「俺が寝たら大変だよ」って志ん生の凄さを、自分がすごいのに、そのたけしが凄いって言うんだから凄いんだろうなぁ、と我々の世代に教えてました。そんな風になれるといいけど、それは夢ですね。

  6. 川原先生、こんばんは。

    暗い思い、寂しい思いは、朝の拝神の柏手の音に打ち消しましょう。清々しい気持ち、朗らかな気持ちで、楽しく倖せにすごしましょう。

    って、今日神社で引いたおみくじに書いてありました。明日から、朝起きたら、リビングで柏手をしようと思います。

    非公開。

    1. いずみさん、こんばんは。

      困った時だけの神頼み、信じる者は救われる、ですね。

      僕の毎日は「物語シリーズ」を副音声で聴くのが日課です。今日は土曜なので呑みながら観ます。羽川さんの小学生時代が出る「傾物語」にしようかな。
      今日、「物語シリーズ」を観だしたという患者さんに「なんか聞いたことあるな?と思ったらここでかかってる曲でした」と言われました。
      物語シリーズの円盤の特典についてる伴奏曲をクリニックで流してるのを気づいてくれたのは嬉しかったです。
      ではまたね~

  7. 今日、「もしかしたら」と思い、通販見に行ったら、談志30歳のCD2枚、廃盤なれど、マケプレで入手。滑り込みセーフです。
    談志の若いころの「源平」は最高ですわね。

    1. papaさん、こんにちは。

      談志に「源平」を教えたのは、先代の昭和の爆笑王・林家三平さんだと言います。その時、談志は手ぶらで来たそうです。
      後に、三平さんが高座で語っていました。それも「源平」の枕で、です。
      三平さんは「源平」をやろうとしたが忘れてしまい、何の因果か人の世は回りまわって、談志に教えにもらいに行った、その時、羊羹を持って行ったと話、爆笑をとっています。
      話の途中で客が入ってきたら、話を途中でやめ、「今、いらっしゃるんじゃないかと噂してたところです。」と言って、その客にこれまでのあらすじを教えるという客いじりの元祖みたいなことをしてるビデオが残っていますね。

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