2/Ⅸ.(月)2024 台風去る 晴れ
さてお騒がせののろのろ台風も去り、ここのところ一部で評判の大岡山デートの新作です。男も身だしなみです。あなたとデートに行く前に美容院に行く。
今日の髪色のテーマは「焼き芋🍠」。
ジョンの眼鏡をかけて、
出来立てのホヤホヤ(ホカホカ)であなたを迎えに行きます。(これはあくまで架空の妄想デートです)
ご飯は何を食べましょう?最近僕の食べたリストから候補があれば言って下さい。次の5つから選んで下さい。
①大岡山からも頑張れば歩ける自由が丘の天麩羅屋。目の前で揚げてくれます。コース料理ですね。下は、若鮎。
②大岡山から歩いて行ける奥沢のイタリアン。ワインをボトルで頼んだら、アイルトン・セナのTシャツをくれました。下は、冷製コーンスープ。
ボンゴレビアンコ。
イカ墨のピザ。
ベスコングルメ(TBS)で紹介されたTボーンステーキはひとりじゃ多いから二人で分けて丁度ですね。
③寿司屋では一足先に秋の味覚を。新さんま刺身。
松茸土瓶蒸し。まだ中国産ですが。
④昼から呑むなら蕎麦屋ですね。蕎麦屋は「アテ」が多くて昼呑みには好都合。下は、賑わい天丼。海老天が2本です。
⑤鰻屋。肝焼きから行って、
鰻重。
肝吸いも付けます。僕は「お子様」みたいにスプーンをつけてもらいます。あなたも欲しければ頼んであげます。
と、ご飯はいいとして何をしましょう。
今回の大岡山デートは何にしようかと考えて思ったのですが、カップルで「共通の好き」があればそれに行くと楽しいでしょうね。情報も共有出来るし補完も出来るし、何より同じ「好き」の話題で盛り上がるし。
でも、相手の好きに付き合うのも乙な物ですね。彼女が好きなビリー・ジョエルのコンサートに行った友人を横目でみていた大学生時代を思い出します。そう言えば、ユーミンが好きな子に誘われて葉山マリーナにライブを彼女の運転する車で(僕は運転が出来ない)行ったこともありました。
今回は逆のパターンにしようかと思います。彼氏が波乗りが趣味な女の子は自分はしないから彼が海にいる時、自分は砂浜で本を読んだりサーフィンする姿をみたりして待ってると聞いて「大和撫子だなぁ」と感心してちょこっと憧れた気がして、そう言えば、舘ひろしや岩城滉一が在籍していた暴走族バンド「クールス」の曲「ミスターハーレーダビッドソン」は、彼女目線の歌で、私の素敵な彼ったら私とのデートの時も夢中でハーレーダビッドソンの話をして憎らしいけど好きよ、だったり、90年代「アイドル冬の時代」に活躍したCoCoの「はんぶん不思議」の歌詞でも、図書館の帰り道に夕日のにじむ川べりに肩を並べてしゃがんで草野球をみてるとあなたはルールの説明ばかりして私はちょっぴりすねていつも喧嘩になるのよ馬鹿みたい、というラブコメ感も捨てがたいですから、今回はあなたの好きなことを考慮せず、僕の好きなことに付き合ってもらうデートプランです。ビデオを一緒にみます。
広島vs近鉄の日本シリーズの第7戦、勝った方が日本一。広島1点リードで迎えた9回裏近鉄が無死満塁と江夏を追い込む。この両チームの攻防を当時「ナンバー」という雑誌に山際淳司が「江夏の21球」という文を書いた。その映像化。
試合のポイントは、江夏が追い込まれた場面で古葉監督がブルペンで北別府と池谷に投球練習をさせるのであるが、これにはプライドの高い江夏が腹を立てる。「1年間、自分を抑えの切り札として使っておきながら、最後の最後で信用していないのか!」と。これも実に江夏らしい。マウンドで怒りが収まらない江夏のもとに衣笠が近付き、「俺もお前と同じ気持ちだ」と耳打ちしてグラブで江夏の尻をポンと叩く。それで冷静になった江夏は、この絶体絶命のピンチを抑えるのである。江夏はサウスポーだから、三塁走者が見えない。そこで同点スクイズを試みる近鉄の作戦に対し、江夏はなんとカーブでウエストしてスクイズバントを失敗させるのだ。
・江夏で思い出すのは、他にもあって、延長11回をノーヒットノーランに抑え、延長11回の裏に自らの決勝サヨナラホームランで試合を決めて、「野球は1人でもできる!」という名セリフを放った。僕は、この試合はよく覚えている。巨人戦のラジオが途中から、甲子園の阪神vs中日に変わったからだ。江夏のサヨナラホームランはまさに劇的で、僕はその後に発売された「週刊ベースボール」の江夏がバンザイしてホームインするピンナップ写真を部屋に貼った。記録に残る選手より記憶に残る選手になりたい、とよく人は言うが、江夏は記憶にも記録にも残る劇的な選手だった。当時は、巨人・大鵬・玉子焼きの時代だったが、江夏は阪神タイガースのエースで生意気でふてぶてしく不良っぽいから好きだった。ギッチョっていうのも、何か不良っぽくみえたな。江夏の劇的なシーンといえば、他に以下のようなものが有名。
・オールスターの9連続奪三振。
オールスターは、1人の投手の投げれるイニングの上限が3回だから、対戦打者全員を三振に斬ってとった。これは、オールスター史上、江夏しかいない。
・江川がはじめてオールスターに選出された時は8奪三振をとった。その試合は、2-0とセ・リーグがリードした9回裏、パ・リーグは1点を返し、尚も無死満塁。そこで、リリーフ・江夏が登場。1人でもランナーを出したら「セ・リーグの勝ち」はなくなる。そんな大ピンチを江夏はここでも、3者連続三振に斬ってとり、またもや伝説を作る。この試合の「プロ野球ニュース」は、βビデオの時代だけど今でも持ってる。
・そんな輝かしいエピソードのどれよりも、僕が一番、江夏らしくて好きなエピソードがある。それは、TV中継が途中で終り、ニッポン放送のショーアップ・ナイターに切り替えた直後に起きた。審判の「ボール!」の判定を不服とした江夏が、アンパイヤを殴ったのである。それが、ラジオで実況中継されるのだが、映像がない分、想像力を掻き立てる。江夏がゆっくりとマウンドを降り、肩で風切るようにアンパイヤを睨みつけながら距離をつめ、アンパイヤは何故、面を外しちゃったんだろう?つけとけば良かったのに。至近距離から的確に審判の顔面にパンチをお見舞いした。江夏、退場。湧き上がる会場のコールに興奮した。その試合の結果がどうなったのかの記憶はない。ただただ、江夏が審判を殴る姿だけを何パターンも頭の中で想像した。左ストレートかな?フックかな?それともアッパーかな?野球で、パンチをするシーンって滅多にないもの。田淵は止められなかったのかな?
江夏は、ピークを過ぎた頃、メジャーに挑戦するが、惜しいところまで行って駄目だった。江夏は、あれだけの選手だったのに、監督もコーチもやっていないと思う。一度だけ、12チャンネルで野球解説をしてるのを聞いたことがあるが、あまり面白くなかった。その後、覚せい剤でパクられたりした。「英雄失格」という梶原一騎世代の僕らにとっては滅びの美学というのだろうか、江夏の生き様に哀愁を感じた。ONを擁して9連覇中のジャイアンツに対して、真っ向から向かっていったタイガースのエース・江夏に、少年時代、心を惹かれた。それは反骨の象徴で、ロックのスピリッツにも通じるものがあった。「江夏の21球」は、野村克也の解説でNHK特集で放送され、今はDVDが販売されているが、この番組でも江夏は実にふてぶてしい。NHKの番組なのに、チンピラみたいなシャツで登場して、インタビューに答え、煙草をプカプカ吸って回想する江夏。これは、必見です。
今日のデートプラン、100点満点で何点ですか?
BGM. CoCo「はんぶん不思議」