2/Ⅳ.(火)2024 はれ 大谷翔平、第3打席で“超速”二塁打。打球速度186・3キロは「球団最速」の安打!
青春プレイバックは、80年代に「3チャンネル」で糸井重里が司会でやってた「YOU」のコーナーのひとつ。毎回ゲストが、自分が青春時代を過ごした街を今、「YOU」のアシスタントと一緒に歩き思い出を語る。今回はそれをパクって、僕が中2~大2まで住んでいた東中野をプレイバックします。アシスタントはあなた。
大岡山から東中野は30分以内です。渋谷で山手線に乗り換え。渋谷で大谷翔平の看板たちと遭遇。
渋谷はコロナ禍で工事が終わったんですね。山手線が内回りと外回りが同じホームになって便利になりました。
新宿に着いたら、目の前の電車に乗ればいいです。15番線側の人は山手線だから「みどり」で、16番線側の人は総武線の「黄色」でプライバシーを保護。
中野に行くときは中央線に乗っちゃうから東中野駅に降り立つのは何十年ぶりの来日です。外タレ気分です♪
東中野ホームからみんなに見せたいのは、骨法、の道場です。これは僕が中3の頃に出来ました。「なんだろう?」と思っていたら、「UWF」や新日本プロレスの山田(獣神サンダーライガー)や船木が通い出しました。
ここの3階の塾は僕の頃は「東大進学塾」と言いました。僕も通っていました。母がおっちょこちょいで「ここに通えば東大に入れる」と思ったらしいが、先生に聞いたら「東大生が教えてる塾」だそう。僕の先生は東大を落第しまくってる8年生でした(笑)
僕の住んでたのは北側ですが、まずは逆側に降りてみましょう。ちょっとだけ。
東中野と言えば「日本閣」は今や昔。派出所で若いおまわりさんに「日本閣はどっちですか?」と聞いたら、「日本閣??」って3人くらいおまわりさんがいるのに誰も知りませんでした。これが派出所。
僕は東中野と言えば「つけ麺大王」です。しかし、僕の同期には「両国予備校」の全寮制に通ったいた一派がいて、やつらの寮は東中野にあり、この店がうまい、と言って譲らないから「どっちがうまいか」でつかみ合いになったものです。
勿論僕は「つけ麺大王」派ですが、ここもよく利用しました。鉄板で焼いた肉とラーメンセットが売りでした。確か、少年マガジンとヤンジャンとヤンマガを置いてありましたね。「花平バズーガ」とか毎週ここで読んでた。
僕の友人が一時期モデルと付き合っていて、3人でちゃんこ鍋を食べに来たことがある。その後、僕のマンションに寄るのだが、彼女は短期間、モデルばかりを寄せ集めた「アイドルグループ」にいて、シングル2枚とLP1枚を出していた。僕はそのグループがテレビで歌ってるビデオを録画してたからみせたら、彼氏も知らない過去だったらしく「今すぐ消して。レコードも今すぐ捨てて」と照れてて可愛かった。その後、彼女は友人と別れて、そこそこ名の知れた芸能人と結婚したから、今やちゃんこ鍋など奢っても有難くも思わないのだろうな。
僕が住んでた北側に出ましょう。はじめて降り立った日に、最初に目に入った中華料理屋に入ったのですが、今は「ケバブ」の店になってました。
駅前に本屋がありました。健在でした。
ここは喫茶店もやってたケーキ屋。
つぶれちゃうみたい。
僕が中3の頃、異常なスペースインベーダ―のブームが来た。ゲームセンターだけではなく、喫茶店のテーブルもみんなゲーム機だった。東中野の駅前のパチンコ屋の2階もゲームセンターになった。僕はそこでスペースインベーダーをやっていたら、後ろから不良に椅子を蹴られ「順番変われ」と脅された。僕はそんなに喧嘩が強い訳でもないし、相手の学校の縄張りだから席をどいた。家まではすぐ。でも帰り道に段々腹が立ってきて、「これはおかしい!」と思い、家まで走って帰り、何か武器を探した。あまり役に立つものはなく、かと言って包丁を持っていくのも違うから、丁度、お風呂の湯船の栓をするのが、黒いまん丸い球状のものでそれが鎖のようなものにつながってるから、それを引きちぎり、ゲームセンターに逆戻りをしようとした。その時、家には母がいて、「どうしたの?」的なことを聞かれたと思うが、僕は頭に血が上ってたから、何も言わずに家を出た。ゲームセンターにつくと不良の二人組がゲームをやっていた。僕はそいつらのところに行き、風呂の栓をブラブラさせて相手を威嚇して、「席を返せ」とすごんだ。不良たちは「なんだよ!」と声を荒げてこっちをみたが、おれの形相におじけづいたのか、あっさりと退散した。僕はいささか拍子抜けだが、ゲーム機が空いたからそこに座ってスペースインベーダーを再開する。何か店の隅に異変を感じたから振り向いたら、母がこっちを見守っていた。不良たちがビビって去ったのは、僕の武器にではなく、背後で睨みつける母にだった。
駅から僕の住んでたマンションまで歩こう。
そうそう、こんな三叉路があった。
微かに色気づく桜を見つけた。
持ってたバツ丸&グッドはな丸と。
こんな店が出来ていた。
欽ちゃんのTシャツが売ってたから、夏フェスみたく、着替えて街歩きへ。
ここら辺に古本屋があった。そこにはすっぴんで簡素な服を着た薄幸そうな痩せた未亡人(勝手にそう思っていた)が正座して、会計をしていた。その店はエロい本も売っていてドキドキした。僕はわざとエロ本を手に取って、未亡人に出した。未亡人は本を紙袋にしまい代金を払うと丁寧に三つ指ついて「ありがとうございます」と無表情なままお辞儀した。僕はそれがクセになり未亡人が店番の時にはエロ本を必ず買った。「ありがとうございます」と丁寧に礼を言われたいために。僕はどんどんエロくなり買う本も「人妻もの」とか「喪服の女」とかばかりで、お金を払って「ありがとうございます」と言われると、目的は8割以上かなってるから本などロクに読まないで隠し場所に困った。僕が中2か中3の頃で、川原史上最もターゲットが高年齢な時だった。
ここら辺には喫茶店があり、そこのインディアントーストが僕の好物で、野菜嫌いの僕もここのサラダはドレッシングが野菜に流れてひたひたしてしなるから好きだった。ある日、めちゃくちゃ可愛い子が1日アルバイトという日があって、これから芸能人になるという。僕が天地真理以来たくさんのアイドルを見て来たから好みはともかくその子が芸能界で生き残れるかどうかの直感には自信があった。僕のアンテナでは彼女は「生き残る」。その子は誰かというと、デビュー直前の島崎和歌子でした。
東中野は脇道や坂道が多くて、僕はまっすぐ家に帰ったことはまずなく、だからこんななんでもない横道たちがなつかしい。名前でも付けとけば良かったな。
さぁ、ついにお見えになったレンガのマンション、ここが僕が住んでたマンション。
一階にレストランとスーパーマーケットがついてました。三越東中野マンション、と言います。まだあった。
正面にマンガがたくさん置いてある喫茶店があって、当時は「漫画喫茶」などはないけれど、僕はよくここでドライカレーを食べてマンガを読んだ。カワクリにいっぱいマンガを置く発想の原点はここかも。よく覚えてるのは、柳沢きみおの「スクランブルエッグ」。僕にしては珍しく、決して自分で買わず、何回もこの店で読み返した。今は沖縄料理屋になってましたが、面影は残っていますね。
三越マンションには当時の横綱・輪島もいて、付き人の相撲取りがたくさんいました。僕は母から「お金がなかったらここでツケにしてもらいなさい」と言われてた目の前の寿司屋で一人で穴子や納豆巻ばかり食べてたのですが、ある日の寿司屋のカウンターは僕(中2)と相撲取りだけという異様な組み合わせでした。そして、その寿司屋、まだありました!
スーパーは、まいばすけっと、になってました。
マンションの横道もレンガ。
これはマンションの正面ののぼり坂。
僕の1番好きな坂道は、その一本隣のこの道。
急勾配を上がるとまるで分度器のカーブのようにすぐ下り坂。
脇に登る階段がありそこをあがるとテニスコートでした。
僕は学校をサボっては天気の良い日に、ダブルスでテニスをする近所の奥さんのテニスの試合を見物してました。当時はまだ世の中に変質者がいるという認識が少なかったから、僕は友好的に見物させてもらい、白いテニスウエアと白いスコートでラケットをスマッシュする瞬間に見える見せパンツも白で、僕はめぞん一刻の音無響子さんを見るまなざしで健康的に日光浴をしながら不健康に不登校をしていた。奥様方は途中からわざと、意図的にパンツを見せてくれてたような。白昼夢ですね(笑)。今は駐車場。
その階段を戻って、坂を下ると、そこは思い出の場所。何度かすれ違った母に連れられてバイオリンのお稽古に行く少女。顔なじみなので、お母さんの方が僕と会釈する。でも、少女はいつも僕の目を見て訴えた。「助けて」。彼女が無理矢理、バイオリン教室に連れて行かれ、どんな破廉恥な「試練」を受けてるのかは知らないが、中学生になんとか出来る問題でもなかったから助けられなかったこと、許してくれ。
坂を下りきると小学校だったはずが。
現在工事中。日傘をさした黄色いブラウスを着たおばあさまがいたから声をかけた。僕はもう何十年も前にこの辺に住んでおり懐かしくなってここに来たものです。ここは小学校ではありませんでしたか?するとおばあさまは、僕を怪しく思わず、色々とここがどういう風に変わってどうなって行く計画なのかを教えてくれた。そして派出所のおまわりさんは「日本閣」を知らなかったとチクると、日本閣ならあそこよ、と背の高い3つの塔を指さした。冒頭の派出所からみえた奴ではないか。
僕はここまで友好的に話してくれるおばあさまにちょっとピンときて、あなたはもしかしてテニスをしてた方ですか?と尋ねると、「私はテニスはしないわ。日本閣のプールなら入ったけど。水の冷たいプールでね」。
なにやら障害児の施設か何かになるらしい。
この坂も思い出深い。
公園もあった。
真夜中に遊具で遊んだ。
月夜にブランコをした。
この坂も好き。
この石段は駆け上げるのは得意だが、駆け降りる時によく転んだ。一段の石段の幅が広いから普通の感覚で走ると日本基準じゃないから調子が狂っちゃう。
イチゴの家のような不思議な店があって水森亜土を太らせたようなオーバーオールを着て茶色いカーリーヘアーの女の人が店の前にいていつも何かしていた。僕はここは何をするところだろう、といつも不思議で、時々目が合うと、その女性(年齢不詳)に呼び寄せられるのが怖いから目を合わせないように、なんならちょっと走って前を通ってた。少年の直観として、何か誘い込まれて青い果実をむさぼり食われてしまうような被害妄想におびえていて、毎日毎日、店の前を走って逃げた。行かなくて済む場所なのに。今はマンションみたい。
この坂の長所は素直なこころ。
この道を進むと、
下り坂になっていて、
急な勾配を注意しないと、
転ぶぞ、なぜなら、
見晴らしが良いから見蕩れてしまうのもあるが、
この坂は石段のひとつひとつのスペースが大きく、リズムが狂わされてしまう、
さっきの坂を下った坂だから。
ここさえ転ばなければ、
あとは道なりに、
正面にはこんな飯屋があった。僕が高2の時に、とんかつ屋があり、僕はうっかりとんかつ屋なのに、「焼肉定食」を頼んでしまった。メニューにあったから。しかし、そこで出されたのは、ただ肉を焼いただけのものでそれとご飯。僕は仕方なくお醤油をかけて肉を食べた。そのことを学校で話したら笑い話になったから良かったが、ただで置かなかったのは唐川君のお母さんだ。唐川君は亀有に住んでる江戸っ子だが、お母さんは「川原君が可哀想だ」と家に呼んでくれ家庭料理を食べさせてくれた。気持ちはありがたいが、僕は偏食なのと、ひとの作ったものは余程の例外(心を許したものが作ったもの)以外は食べれないから苦心した思い出がある。人情には心を打たれたが、舌は別だ。
ここを進むとマンションの裏に出る。
この平坦の道を僕はズックをひきづって歩いていた。この道に面した家の2階に女学生の自室があり、夏には窓が開け放しだから中が丸見え。ただし、彼女の部屋には全身が映る姿見があり、部屋を見上げて覗く僕と彼女が鏡越しでよく目が合った。彼女の家の一階はお風呂で今考えるとこんな物騒な間取りもあるまい。
カノジョは入浴中には必ず歌を歌っていて、窓を少し開けていた。当時、寺山修司がお風呂を覗き捕まったニュースがテレビで騒ぎになっていたから、多分、僕は自制出来たのだと思う。そう思うと、有名人が見せしめに捕まるのは一定の社会的意義はあるのだと思う。
僕はカノジョの歌が聞こえるとざわとスックの音を大きくひきづった。するとカノジョは窓は開けっ放しで歌をやめた。
僕はカノジョのお母さんと顔見知りになり、確かカノジョが一個下だったから、どこかへデートにいったことがあるが、それが映画だったか遊園地だったかは全く記憶にない。そもそも、カノジョは僕の部屋にきたことあるのかな?近いから来ててもおかしくないけど。健康な高校生男女ってもし二人っきりでひとつ部屋にいたらどうなるのだろう?
答えは、ムンクだけが知っている。
この先を曲がると広い駐車場。
僕は夜に行き詰まると何故かここに来た。四方から、知らない家族の会話やテレビの音や喧嘩などが開け放たれて聞こえて来ると、僕はずっとここにいたんだ、と、生まれる前からここにいたんだ、とヘンテコな呪文を唱えて自分を落ち着かせた。
道を戻り、最後の上り坂。
高校時分は毎朝、ここをダッシュ!
すると東西線落合駅。学校にすぐだった。
そこをまっすぐ行くと大通り。
この辺に「つけ麺大王」があった。高校生の頃、兄貴に彼女が出来たらしく、「達二、何時間か外にいてくれ」と千円札を渡された。そんな夜中に行く場所もなし。仕方なく「つけ麺大王」で野菜つけ麺を食べながら、少年チャンピオンを読んでたら、1時間もしないのに兄貴が隣に座り、ギョーザとビールを頼み、僕の分のコップとギョーザを分けてくれるから、二人とも無言でつけ麺とギョーザでビールを飲み、一緒に家に帰った。ネットでは「つけ麺大王」は現存するが移転したらしく、探してみたが見つからなかった。まぁ、そういうことならそれでいいのだろう。
ぐるっと回って東中野に戻りました。
スタンプラリー企画では、「東」が櫻になっています。
折角だからスタンプするか。
そう言えば、近所のマンションに高校の先輩が住んでいた。ある日、「これから遊びにおいでよ」と招待された。地下の駐車場にはジャガーというアメ車があって、先輩はそれを乗り回してると言った。良いのか?高校生がジャガーに乗ってて。「巨人の星」の花形満じゃあるまいし。
先輩は「俺はこれから家庭教師と勉強。彼女が来るから相手してて」と言い残して部屋に消えて行った。僕はだだっ広いリビングのソファに一人でいると、その彼女という人が入って来た。大理石のように冷たい表情の美人で、僕は軽く挨拶をした。彼女は、「隣に来ない?」と誘ったり、「吸う?」と吸いかけの薄紅いタバコを手渡そうとしたりした。「いえ、煙が目にしみるから」と僕はプラターズのヒット曲のように断った。が、何だ、これは?誘惑してるのか?
そもそも、あの先輩は何のつもりだ?家庭教師なんか来ないじゃないか。
そうか、きっと僕たちのやりとりを部屋からこっそり見てて、こっちが女に手を出したら、「俺のスケに何してんだ?」って美人局みたいに出てくるつもりか?
それとも、倦怠期のカップルが刺激を求めて、チェリー・ボーイを交えて倒錯的な趣味に走るつもりか。3Pとか。「ん~、弱ったものだ」と頭をフル回転させてると、先輩が部屋から出て来て、驚いたことに後ろに家庭教師がいた。
「あれ?本当に勉強してたの??家庭教師、いつ部屋に入ったの?あっ、先にいたの?じゃ、3Pは?なし?」よく聞いたら、ジャガーも父親が運転するのに同乗してるだけなんだって。普通じゃん。馬鹿みたい。
BGM. 杉田二郎「君住む街」