こんにちは。とくだです。
夢については、カウンセリングの中でも話題になることがあります。
夢を見た人、夢主が、その夢を通じて、どんなことを連想するか、ということを私たちは考えます。
今回の企画の発端に、川原先生がおっしゃるように、
そもそも夢を意味のあるものと思っていない、
という人も多いのではないかという点があります。
ならば、夢をどんな風に考えるか、そこのところを共有できたら、カウンセリングでも、より話しやすいかもしれない。
あるいは、カウンセリングはしていなくとも、自己分析をする上で、自己理解を深めるための参考にしていただけたら嬉しいです。
ただ、夢にとらわれすぎてしまうのは要注意です。
不安が高まりすぎてしまっても逆効果なので、そういうときにはいっそ忘れてしまう方がよいこともあります。
その点はお忘れなく。
そうはいっても、『夢』というテーマはなかなか難しいです。
先生の夢シリーズの分析というのもハードルが高い気がします。でも、ご自分の夢を題材に、と提供してくださる先生の思いにも応えなくては、と思いながら葛藤していました。
そんなときに、私が見た夢、
① 突然導かれた部屋で、半裸の男女が何人か寝ている、それを目撃してしまった。でも妙に冷静。
② 銀河鉄道999のような世界で、何かから逃げている、ブラックホールのようなところに吸い込まれていきながらもがく。
ほかにも共に逃げながら吸い込まれている人はいるけど、その流れを楽しんでいるよう。そういう楽しみ方もあるのか、と驚く。
③ 知らない人に、たまたま手が当たってしまって、怒られる。逃げる夢。
ざっくりというとこんな風でした。
『夢』というのは、精神分析の世界では、クラシカルなテーマです。
フロイトの業績の中でも、大切な位置づけになるもので、「夢は無意識への王道」といわれています。
私たちは普段意識することのない無意識の世界、を想定したフロイトは、自分の夢も含め、その他にも多くの夢を検証しながら、
夢から、心のありようを科学的に示そうとした、それが『夢解釈』(1900)です。
そこには、フロイトが自分の夢を例に、一つ一つ構成されているものを挙げ、そこから連想されるものを分析していくことが度々出てきます。
自分の抱く嫉妬心や野心、さらには、私たち人間に普遍的にあるであろう同性の親へ向ける敵意や
異性の親への愛情の葛藤(エディプスコ ンプレックス)へと辿り着いていく大作です。
そんなわけで、私にとっての『夢』というと、なんだか教科書的で、権威的なイメージがわきやすく、
勝手に恐れおののいていたのが①の夢には現れているかもしれないです。
夢は無意識的な願望の充足、という側面もあるから、ショッキングなことも冷静に見ておける自分でいること、がある意味願望充足かもしれない・・・。
フロイトは、夢というものは、その人それぞれによってどういったものが連想されるかが重要であり、
紋切り型には解釈できない、という姿勢でした。
それでも、多くの人が見たことがあるという夢の存在は否定できない、としていて、それが「類型夢」とか、「典型夢」と呼ばれる夢です。
【類型夢】
・ 裸で困惑している夢
・ 近しい大切な人が死ぬ夢
・ 試験で苦しむ夢
【準類型夢】
・追われて逃げる夢
・落下する夢
・火事の夢
・ 空を飛ぶ夢
・ 水におぼれる夢
・歯が抜ける夢
私の②、③の夢もこの辺に当てはまる、いわゆるよくある夢でしょう。
「追われて逃げる夢→親への恐怖、性的衝動の活動による不安」、と教科書に書かれています。
なるほど、それはそうかもしれない。親のイメージ、権威のイメージ、この『夢』というテーマとリンクするなと感じます。
性的衝動の活動による不安というのはどうでしょう?
こういった説明から、精神分析、夢、というと何でも性的なものに還元されるイメージがある、という人も多いかもしれないです。
無意識、というのは意識の世界とは違って、もっと原始的な、生きる、とか、死ぬ、とか、生まれる、とか、そういう人間の根本的なエネルギーのようなものではないだろうかと思います。
それを踏まえて、性的な衝動、という言葉に含まれるのは、生きることにまつわるエネルギー、それが親愛の情のようなものだったり、やさしさだったりするかもしれません。
単純に、いわゆる性的なものだけを指すのではなく、どういったものの表れかを吟味する余地があるんだと思います。
こういった形で、①~③の夢には、私の中にある葛藤が、様々な形で表れているんだなということを改めて認識しました。
短い夢でも、一つ一つ吟味してみると6~8倍の量になる、ともいわれます。
そのくらい夢の中にはたくさんのものがつめこまれている可能性があるんですね。
次回はいよいよ「先生の夢シリーズ」について、インタビューをしたいと思います。 乞うご期待!?