15/Ⅵ.(火)2010 はれ
僕はまったくサッカーを見ないが、さすがに日本がカメルーンに勝ったというニュースは見た。
戦術やゴールがどのくらいスゴいのかはわからないが、詳しい人に聞くと「作戦勝ち」らしい。
作戦にも色々あろうが、圧倒的な兵力の差がある相手と戦う時に有効なのは頭脳戦である。
おそらく頭脳戦とは、
①心理的な罠を仕掛け
②精神的に苛立たせ
③相手の持ち味を封じ込め
④攻撃を空回りさせ
⑤動きが雑になったところを仕留める、クレバーな兵法である。
かつて僕は、頭脳戦のお手本みたいな試合を観たことがある。
それは、ジャイアント馬場vsスタン・ハンセンの一戦だ。
全盛期を過ぎた馬場は勢いに乗るハンセンに破れPWF世界ヘビー級ベルトを奪われた。
リターン・マッチが組まれたが、もう誰も馬場が勝つとは思わなかった。
しかし、馬場はここでハンセンにものすごい頭脳戦を仕掛けたのだ。
タイトルマッチが決まった日から、報道陣に「次の試合に秘策がある。
ハンセンがウエスタン・ラリアートを仕掛けて来た時に‘16文ラリアート’を打つ」と言うのだ。
それを伝え聞いたハンセンは慌てた。
「ナニ?‘16文ラリアート’だと?16文は馬場の足のサイズだろ?ラリアートは腕を使う技だ。
どうやってやるんだ?そもそもラリアートは俺様の得意技だ!」と激高し、記者たちに八つ当たりした。
ジャイアント馬場は余裕しゃくしゃくに
「ま、当日を楽しみにしてよ」と太い葉巻を吹かし、記者たちの質問を煙に巻いた。
ハンセンのイライラがピークに達した頃、決戦の火蓋は落とされた。
普段のスタン・ハンセンの試合ではなかった。
いつものハンセンらしい破壊力が陰をひそめた。
‘16文ラリアート’を恐れるばかりに踏み込んだ攻撃ができないからだ。
その為、馬場に決定的なダメージを与えられないのだ。
一進一退の攻防の中、正直ここまで馬場が善戦するとは思わなかった、
不用意に飛び込んだハンセンをクルっと馬場が「小包固め」に丸め込んで3カウントを奪って勝利した。
「小包固め」とは、
相手の首に自分の腕を巻きそのまま自分の足を相手の足にひっかけクルっと前転させエビに固めるセコイ技である。
馬場は勝利者インタビューで、「16文ラリアート?そんなモン無いよ。16文は足のサイズ、ラリアートは腕を使う技。
出来る訳ないだろう」と笑い飛ばした。
ハンセンは‘16文ラリアート’という亡霊に負けたのである。
馬場の談話を伝え聞いたスタン・ハンセンは「ガッデム!」と悔しがったという。
お昼に、徳田さんからトゥーリオが日本に来て仲間と溶け込むまでの苦労話と
トゥーリオは実は日本に帰化していて「〇〇〇」という漢字の名前であることを聞いた。
「〇〇〇」は覚えていない。
そう言われて思い出したのだが、
沢村栄治と並ぶ戦前の巨人軍のエースだったスタルヒンは戦時中は
「須田博」という漢字の名前にしたそうな。
BGM. ザ・プラターズ「16トン」
馬場は、ラッシャー木村と組んだ時、馬場の「十六文キック」 と 木村の「ラッシングラリアット」というコンビネーション(通称:十六文ラリアット)を披露していますね。
サッカー、次のオランダ戦にも、監督は、「陽動作戦」をほのめかしていますが、楽しみですね。
コメント、いつもありがとうございます。なんか~、色んなことが異常に詳しいですね。
そうですか~ 「Ota-ku」 ですかね。