親切

30/ⅩⅠ.(金)2012 寒い
今日で11月もおしまい。もう明日からは12月ですよ。
歳を取ると、1年は早いものだと言いますものね。
こないだ、父の歌の本を紹介したので、今日は母にします。
母の誕生日も11月だったから。11月の最後の日に親孝行。
これは、母の最初の歌集「あしたの風」。↓。

僕が中学に上がると僕と兄は東京に住み、母がその面倒を見に来ていたから、父は茅ヶ崎でほぼ1人で暮らしていた。
僕が医者になると、兄はアメリカに留学して、もう父は死んでいるから、母は茅ヶ崎で1人暮らをしていた。
父も母も、1人で暮らしてる時間が長くあった。
1人はさびしかったのかな。僕は1人になったことがないから、わからない。
母は‘1人暮らし’の頃、時々、手紙を寄こしたり、短歌の雑誌を送って来たりした。
それは同人誌みたいなもので、僕もそこに入っていたのだけれど、歌などまるで詠んでいなかったので、
母が僕の名で歌を作っては、勝手に投稿していたものだから、その雑誌には、毎号、僕の歌が載っていた。
僕はあまりそれが気に入らなくて、母を怒ったこともある。
「著作権の侵害だ!」、みたいに。正確には意味が違うけれど、言わんとしてるニュアンスは判るでしょう?。
僕は比較的若くして結婚して、妻がいて、子がいて。
母はどんな気持ちで、僕と妻に手紙を寄こしたのだろう。
封筒の宛名には必ず、僕と妻の両方の名前が書いてあった。
僕は手紙を読んだら、そんな時は茅ヶ崎に帰って、顔を出してあげればよかったのにな。
そう遠くもないんだし。
そして、これが第二歌集にして遺歌集「海桐花さく道」。↓。
海桐花は、とべら、と読みます。海岸に咲く花ですね。
さて、問題です。
この表紙の絵、どこかで見覚えはありませんか?。※正解は、この記事のラストに。


本を開くと、まず始めに「自宅前にて」というタイトルで、母の写真が著者紹介として載っています。
良い表情をして綺麗な訪問着を着て写っているのでこの写真を選んだのですが、
しかし、これは「自宅前にて」ではなく、よその御宅を訪問した時に、その玄関先で撮って頂いた写真なのです。
校正のミス。
この本は、関係者にはお配りしたので、その御宅にも当然、贈らせて頂いた。
きっと、開けて、ビックリされただろうな。だって、自分家が知らぬ間に知人の「自宅」になってるんだから。
あわてて、権利書、確認したりして。なんて、すみません。素人が急いで作ったものなので。失礼しました。
この本の、「あとがき」は僕が書いています。兄がそう言うもので。
母には、もう少し、やさしくしてあげればよかったな、と思う。
でも、もう死んじゃったから、今さら言ってもしょうがないですね。
その代わり、これから関わりのある人には親切にしていこう。
罪滅ぼしというのかな、利己的な理由だけれど。
「人の為」と書いて、「偽り」と読むのは、こういうことを言うのかな。
でも、それで誰かが損をするとか、他人に迷惑をかけると言うのでなければ、責められる筋合いでもないはずだ。
自己満足だって自覚してる分、無自覚な善人よりは無害なんじゃないかな?。完全に開き直りだ。
つまり、なんだな、まぁ、これからは、縁のある人には、出来る限り、親切にしようと思った訳です。
口先だけ、みたいに聞こえるかもしれないけれど、なるべく、そうしようと努力するつもり。
BGM. 大上留利子「嫌われ者の恋」
※文中の問題、表紙の絵の答えは、心理相談室の額縁の絵でした。↓。


6 Replies to “親切”

  1. 先生にとっての11月とは考えることがたくさんあって、疲れたのでしょうか。
    先生はもっと自信もって堂々としていいと思います。
    気にしすぎなんじゃないかな。先生は元々、親切なのに。

  2. 一人になったことがないというのは、ある意味、幸せなことかもしれませんね。
    嫌でも望まなくとも、一人にならざるをえないこともありますもん。
    親切にしようと思われたこと、口先だけなんて思いません。
    先生はご自分が思っておられるよりずっと誠実です。
    「あとがき」を読んでみたいです。
    では一首。「連名の ふみしたためし 我れひとり 心なぐさむ とべら真白く」
    お粗末。

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