ファンファーレ

こんにちは、受付の大平です。
最近暑くなってきましたね。もうすぐ5月だし、ゴールデンウィークも始まるし
クリニックがお休みになってしまう前に、先生が予告していた
心理の皆さんの記事が完成したそうです。
タイトルは『カワクリ下克上・心理コンテスト

私は上の写真のカウンセリングルームでどんな事をしているのか
臨床心理士とは何をするのか、今だに謎なところが多く、
以前、先生がブログでカウンセリングと診察の違いを説明していましたが
それでも私にはよく分からず、その謎が少しでも解ければいいなと、
今回の心理の皆さんの記事を待っていたうちの1人です。
なので心理の4人がどんな記事を書くのかこれから読むのがすごく楽しみです。

カワクリのカウンセリングルームは診察室より奥にあります。

部屋の中はこんな感じです。
さて、ここで1つだけお伝えしておきたいのですが、
今回の心理の4人の記事へのコメントは大歓迎なのですが
臨床心理という職業上の理由からコメントを個別に
お返事を返すことができないのでご理解くださいね。
BGM. お好きな「ファンファーレ」を聴きながら記事をお読みください


カワクリ下克上・心理コンテスト 第1枠

心理部門のコンテスト、告知があって楽しみにしてくださっていた方々もいらっしゃる中、更新が遅れまして、すみません。
お久しぶりです。とくだです。
クリニックの開院当初からカウンセリングを担当させてもらっています。
私は学生時代に精神分析、それを実践している人たちに触れ、心理臨床家(カウンセラー)の仕事に魅力を感じ、
今自分も心理の仕事をやっています。
心理の仕事と一言にいっても幅広いのです。カウンセリングもやり方がたくさんあります。
その中でも、精神分析の理解を中心に、私はカウンセリングをしています。 
精神分析では、無意識の心の活動を仮定します。
今困っていること、意識にのぼっている問題は、無意識の葛藤が影響しているかもしれません。
そういう視点を持って、今ある問題をみつめていきます。
診察とカウンセリングって何がちがうか?
例えば、こういう症状があります、といった時に、診察では、先生から診断について説明があったり、お薬が出たりしますよね。
カウンセリングでは、それをふまえた上で、どういうところから自分の症状がきているのだろうか?
その症状って自分にとってどういう意味があるんだろうか?そういったことを考えたり、感情的に体験したり。
そういうことを通して、その症状をよく理解したり、
似たようなことが起こったら対処できるようになっていく自分になったりすることを目指していくのだろうと思います。
それは再発予防になることもあると思います。
 
ちなみに、診察とカウンセリングの違い、一般的な説明もちょっとしてみます。
精神科医は、精神医学的な疾病論(生物学的、記述的、といった)に立ちます。
医学的な診断は、客観的な病状を中心になされます。お薬も処方ができます。
カウンセリングで臨床心理士は、臨床心理学的な理解に立ちます。
その人の心の中にある生活史や、時には心理検査という客観的な指標を使って、
心の問題を、主観的にも客観的にも理解しようとします。
お薬の処方はできず、お話をうかがいます。
治療態度も精神科医は、管理的立場でチームワークのリーダー的役割を担います。
心理士は、共感的、非指示的傾向が強く、チームワークでは調整的役割を取ることが多いとされます。
これはどちらが良いかといったことではなくて、一長一短がそれぞれの役割にあるものだろうと思います。
 
ところで、日本の武道や茶道、その道を究める修行においては、守・破・離(しゅはり)という考え方があるそうです。
まずは型を覚える、型を「守」る。
次にその身につけた型を「破」る。
そして、初めて型から「離」れ、自分の中にその道を修めることができる。
サッカーでもそうらしいです。
元日本代表監督の岡ちゃんこと、岡田監督が言っていましたが、
ヨーロッパの強豪チームには、そのチーム毎のメソッド(戦術)が確立しているそうです。
それをジュニアクラスから叩き込まれる。
向こうのチームは育成制度がしっかりしているので、一貫したメソッドを確立しやすいようです。
そして、プロになる頃には、そこから少しオリジナルなやり方を試しながら、型を破るわけですね。
これは、心理療法においても似ているところがあるんだろうと思います。
その基本の型があるからこそ、型を崩していくことができるという。
型がない中で、崩しているとそれはそれで自分が何をしているのか、迷ってしまう、見えなくなってしまうと思うのです。
そういう中ではカウンセラーもクライエントも迷ってしまいかねないと思うのです。
私たちのこころは常に動いているし、その動きをみていくには、一つの型を自分の中に持ち、
守ることは大切なことだと思っています。
川原クリニックでは開院当初はカウンセリングもまだ今のような形ではなく、
15分〜20分程、診察の前にお話をうかがうことから始まりました。
そこから少しずつ、心理面接の設定をさせてもらえるようになりました。
面接を設定できる、というところはカウンセリングにおいて大切なところです。
精神分析では治療構造という考え方があり、どのように面接を設定するかで、
その治療関係も大きく影響を受けるからです。
意識も無意識も含めて、じっくりと心の中を探求するには、まずは安心してのぞむための環境が必要です。
その素地を作っていくことを大切にしてきました。
治療構造という考え方は、外的にも内的にも構造を作り、カウンセラーとクライエント、双方がそれを守る努力をしていきます。
外的な要素には、時間や料金や頻度といったものが含まれるし、部屋の広さや座る位置や角度も含まれます。
内的な要素というのは、面接をしていく上での約束ごとや、守秘義務についてなどが含まれます。
同じ曜日、同じ時間の設定を維持していくことで心の中に一定のリズムを作るというか、
心理療法のスペースを作るというか、そういったイメージ。
そうすることで初めてそのリズムとずれてくる部分が出てきたり、
それについて検討することができたり、と意味を持ってくるのです。
診療補助であっても、その指針を自分の中に一つ持ちながらやっていました。
そういった視点をもって関係性をみていくことで、関わりを続けていくことで、
少しずつその関係性も変化していきます。
ここはこういった時間なのだ、という感覚というか体験が重なっていくことで、診察とはまた違った、
カウンセリングでの治療関係ができていきます。
関係性ができてくるに伴って、少しずつ時間の設定が変わり、
今は50分、有料といった形で設定することができるようになりました。
そして、この変遷には、やはり共にその関係性を築いてきてくれた人たちがいたことで、
心理面接のスタンダードな基準と同じようにやれるようになってきたところがあります。
じっくりと自分の心と向き合うにはやはり50分というのはちょうど良い時間のようです。
 
今、心理のメンバーは4人います。
相談室は一つしかないので、曜日によっている人が違います。
月に一度、心理のメンバーで顔をあわせる定例会があり、このクリニックでの心理はどういったものなのか?
案内やホームページを作成していこうとディスカッションを重ねているところです。
私たちそれぞれが考えるカウンセリングはベースの部分は共通しているとはいえ、
人が違えばもちろん大切にするところも違ってくるものです。
案内やホームページではそれぞれの色は分かりにくいかもしれないですが、
こうして各メンバーが書いたものをみるとなんとなくわかってもらえる部分もあるかもしれません。
次は、土曜の担当、谷田さんにバトンを渡そうと思います。
谷田さん、よろしくおねがいします


カワクリ下克上・心理コンテスト 第2枠

はじめまして。
土曜日担当のやつだです。
心理のメンバー4人はそれぞれ来ている曜日は違うのですが、4人でも何を目指しているのか、話し合いながら、
書きたいことを書こう!ということにしました。
大変お待たせしました。では、ブログ上でバトンを受け取って走っていきますね。
私が思うカウンセリングについて思うことを書いてみます。
川原先生は「診察とカウンセリングの違い」というテーマの中で、「魚の獲り方」をあげていましたが、
「自転車の乗り方を身につけること」で考えてみました。
自転車に乗る練習で、初めは補助輪を付けてやっていて、次には補助輪をはずして、
でも最初は怖いから後ろでそっと支えてもらって、転んだりと繰り返す中で、だんだん一人で走ることを学んでいく。
ある日、後ろには手を添えてもらっていると思いながら実は一人ですいすいと乗れるようになった・・・
後ろにいる人が自分を支えてくれると思う関係性があるから、一つペダルを踏んで、前に行ける。
自転車に乗るスキルを教えてもらうことではなく、転んで痛かったときの気持ちをきいてもらったり、
走り出した時の感覚を言葉にしたり、テンポをお互いに合わせたり、時には合わない感じを確認しながら、進んでいく・・・
カウンセリングでも同じようなことがあるのではと思います。
「百聞は一見に如かず」ということわざがありますが、英語だと“Seeing is believing”ですけど、
逆の、“Believing is seeing”「信じることは見ること」の方がしっくりくる感じがします。
あと、もう一つ。
生きていく上でさまざまな「こころの痛み」があって、あまりにそれが重いと苦しくなって生きづらくなるのではと思います。
その人個人というよりは、環境であったり、人との出会いや死、天災や事故であったり、
人生には一人ではどうしようもないことがあります。
見たくないことはないことにして(最近の言葉で言えば、スルーして)、自分の人生から消してしまえればいいですけど、
なかなかそうはいきません。
生きることはタフなことですが、一度落ちたところから、「再び」生きようとすることの方が、パワーが必要だと思います。
そこから生まれるものは、きれいなものではないかもしれませんが、自分の手で掴んだ実感があるのではないでしょうか。
カウンセリングは、時間や曜日が決まっていたり、当日休んでも料金が発生したり・・・と約束事があるからこそ、
守られた場となると思います。日常生活から離れることで少し自由になり、パワーを溜めていけるのかもしれません。
カウンセリングには100以上のやり方があるそうです。
川原クリニックでは、その中でも精神分析の考え方を大切にやっていこうと、言っています。
心理士も曜日が違ってなかなか会えないのですが、同じような考えを共有できることも、
私の支えになっているなと感じるこの頃です。
次は高橋さんです。バトンを渡します!


カワクリ下克上・心理コンテスト 第3枠

心理のブログ、ずいぶんとお待たせしてしまいましたね。
私の思う心理療法について、ですね。
挑むにしては恐れ多いテーマではありますが
今考えうる限りで書いてみます。
私たちは臨床心理士という者で
こころの専門家なわけですが、
こころというのはおそらく人間に固有のものです。
(人間以外の生き物にこころがあるかという議論は置いておきます)
「生きる意味」を考えるのは人間くらいのものでしょう。
すると、人間にとって、「生きる」というのは2つの面があると思います。
身体的に生きているということと
心理的に生きているということです。
つまり、心臓が動いていて、ご飯を食べて、寝る、お風呂に入る、とか、
生きていても「生きている」ことになるかは人それぞれなのではないかと思います。
仕事をして、家庭を持って、
他人から見たらいわゆる成功した人生を送っているような人であっても
こころの中はひどくからっぽで、
なぜ自分は生きているのかと
問い続けている人も在るかもしれません。
ここはクリニックという場所ではありますが、
明確な症状がなければ心理療法は受けられない、
というものではないと私は思います。
“自分が病気かどうかを知りたい”と初診でおっしゃる方によくお会いしますが、
こころの問題では正常と異常のラインは必ずしも明確でないこともあります。
悲しいことを悲しいと感じること
嬉しいことを嬉しいと感じること
生き生きと生きることができるようになることを望むとするならば
心理療法は多くの人に開かれているのかもしれません。
とはいえ、何らかの症状に困っている人がいるのもまた事実です。
そして、何をもって「なおる」「よくなる」と言うかも
また一つの考えどころだろうと考えていたりします。
が、それはまた次の機会に譲るとして
ひとまずこれで私は終わります。
さて、ラストはいつも素敵なあの方です。


カワクリ下克上・心理コンテスト 第4枠

はじめまして。
カワクリ心理部門の原です。
待合室と、カウンセリングを行う相談室を行ったり来たりしています。
見かけたら気軽に声をかけてくださいな。
カワクリに来ている以外の日に、私は学校で講師をしています。
ある日のできごと。その日はテストでした。
私は学生たちに「テストを受けさえすれば、何とか単位をあげられるかもしれないから、
とにかくテストだけ、テストだけは受けてね」と伝えていました。
それにもかかわらず、テスト当日、ある学生が遅刻してきたのでした。
「すいません、最寄り駅まで来たんですけどー、家にスマホを忘れたんでー、取りに帰ってましたー」とペコリ。
うーーん、気持ちはわかるけど、学生課では決して納得してもらえないこの理由。
テストは受けることができませんでした。
そうか・・・。単位よりも、卒業よりも、君はスマホが大事だったんだよね。
いまや多くの人にとって日常生活に欠かせないモノ。
携帯電話やスマートフォンの人口普及率は約140%だそうです。
この数字のからくりは、ひとり2台以上の携帯端末を持つ人が増えていること。
小中学生やシニア世代にも、かなりケータイやスマホが普及していることも考えられるかな。
今後は、犬や猫などペット用にも携帯端末が普及するかもしれませんね。
ケータイやスマホはもちろんのこと、インターネットを使って私たちの生活は信じられないぐらい手軽で
便利になりました。
探しものをするときにはインターネットはとても便利ですよね。
「○○○ってどういう意味?」
「欲しかった△△、オークションで見つけたんだよね」
「次の女子会、どこのお店にする?」
「この部屋の間取り、よさそうだね」とか。
そして共有する。
友人が食べたおいしそうなランチや新しく飼い始めたペットに「いいね」。
自分と同じような意見や考えを表現している人に「いいね」。
海の向こうの悲しいニュースや遠い国で起こった痛ましい事件もインターネットで共有する。
そうそう、東日本大震災では、被災地からのツイッターを共有したことで救われた命もあったそうですね。
もはやインターネットのない生活なんて考えられない。
インターネットを全く使わない1日、なんて私はムリ、たぶんムリ。
そうそう、これを書いているブログも、インターネットを使って、より多くの人たちに、
カワクリ心理部門を知ってもらいたいから、であるわけだし。
私たちの生活は、「いつでも」「どこでも」「誰とでも」つながるインターネットなしでは、
もう考えられない時代になりつつあるのかもしれません。
思い出の「写真」も、
心に残る「音楽」も、
懐かしい「映画」も、
年末年始の「買い物」も、
新しい「仕事」も、海の向こうの「友だち」も、
まだ見ぬ「結婚相手」も。
私たちの生活に必要なものは、みんなすべてインターネットで見つかる、のかもしれない。
そんなインターネット全盛の流れとは一線を画している場所。
それがここ、カワクリのカウンセリングだと思っています。
クリックひとつで、「いつでも」「どこでも」「誰とでも」つながるインターネットから、
すこしだけ、離れてみませんか。
そう、ここは「今だけ」「ここだけ」「あなただけ」の空間です。
カウンセリングは「今だけ」「ここだけ」「あなただけ」の時間です。
カウンセリングには様々なやり方があります。
精神分析的な心理療法では、人の心には、表面に現れていること(意識)だけでなく、
その下に無意識の水準があると考えます。
「学校・会社に行きたくない」「人間関係が苦手」「自分が好きになれない」などの
「困りごと」をとらえるのは意識レベルですが、その原因や背景になっているものは
無意識レベルに眠っていることも多くあります。
それをたったひとりで探していくのは時には困難なこともあるでしょう。
カワクリ心理部門では、困っていることや悩みごとを単にお聴きするということだけではなく、
あなたの困りごとはどこから生じてきたことなのかを一緒に探します。
その過程で「今」「ここ」で起こってくる様々なことについても一緒に話します。
「もしかしたら、こういうことなのかな」という気づきに出会うことを期待して、
あなたと一緒にカウンセリングをすすめていけたらと思っています。
「今だけ」「ここだけ」「あなただけ」。
私は今、ここでブログを書いています。
そして、「あなただけ」をお待ちしています。
それでは、また。
追伸:
スマホを取りに帰って遅刻してテストを受けられなかった君へ。
よかったらカワクリに相談に来ませんか。
忘れ物をしたり、遅刻したり、きっと困ってると思うんだけどな。


すぐ書け、よく書け

23/Ⅳ.(土)2016  はれ、暑くはないが、半袖の人もいた。
先日、お昼を食べて、午後の診察開始まで、13分、時間があったから、なぞなぞ、を一枚作りました。
これです。↓。

昔、糸井重里が「萬流コピー塾」で、コピーの秘訣を「すぐ書け、よく書け」と言っていて、
これをカワクリのモットーにしようと思っているのですが、中々、難しく、院長自らが実践してみた、という訳です。
なぞなぞ、はいつもはクリニックに実際に来る人しか、やりとり、が出来ないので、
今日は普段、クリニックに来れない遠くの人にも参加出来るように、ヒントや答えまで教えちゃいます。
答えは、記事のラストにあるので、見たくない人も、最後だけ、読まなければ安心です。
まずは、Q1、はこれです。↓。

ヒントは、化物語の忍ちゃんは、元は、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード、です。
これが何かがヒントです。
アニメに詳しくない人にも判るように、消しゴム、が大ヒント!
次いで、Q2、はこちら。↓。

ヒントは、4のライオン、や5の虎、に惑わされないことです。答えの動物は、猫族じゃないです。
5で考えないで、4と6の間、と考えるのが大々ヒントです!
Q3とQ4は、続けて行きます。こちらです。↓。

Q3のヒントは、ガイコツを別の言い方に変えましょう。簡単な言い方です。
Q4のヒントは、本当、を若者言葉で。あっ、でも、キムタクもよく使いますね。それを女言葉で。
今回の、なぞなぞ、のタイトルは、4/15の大平さんの記事、「センスを磨け!」のオマージュでした。
面白い言い回しをするなぁ、と思ったからです。↓。

大平さんに聞いたら、これは、しずかちゃんの「女を磨け!」から取ったそうです。↓。

変なドラえもんフィギュア・シリーズを紹介する記事だから、
ドラえもん、つながりで、しずかちゃんを持ってくるとは、センスが良いですね。
さすが、センスを磨け!、と上から目線で言うだけあります。
さっきも言ったように、今回のなぞなぞはここから参加出来ます!
全問正解者(自己申告)には、大平さんの妹さんが描いてくれた「川原先生・美化・似顔絵」画像をプレゼント!
コメント欄から、「全問解けた」と送って下さい。そこに画像をお送りします。
もらった人は、一週間以内に、5人にその画像を送って下さい。
うそです。それじゃ、不幸の手紙ですね。俺は、志らく、か。
最後になりました。なぞなぞ、の答えです。
クリニックで解きたい人は、ここから先は読まないで退室して下さいね。バイバイ~
それでは、正解の発表です!
A1.消しゴム、なので、「ゴ」と「ム」を消して暗号を読みます。
 すると、「まいにち いいち のんでます」→「毎日、良い血、飲んでます」になります。吸血鬼っぽいでしょう?
A2.「4」と「6」の間の檻にいる動物だから、「四」と「六」の「間」です。
 「し、ろく、ま」→「白熊」です。
A3.ガイコツを簡単に言うと、骨、です。それを見て言った悪口だから、「あっ、骨」→「アホね」です。
A4.本当は、マジ、です。女言葉で言うと、「マジよ」になります。つまり、正解の外国のおばけ(?)とは、「魔女」でした。
いや~、なぞなぞ、って本当に良いものですねぇ~。皆さんは、4問中、何問解けましたか?
BGM. ガス・バッカス「恋はスバヤク」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
おまけ、だよ~ん。
以前の、「おそ松さん、なぞなぞ」(2/15作成)のQ2、の答えも教えましょう。問題はこちら。↓。

sackyさんへ。これの正解は、「十四松だから、野球」ではないです。
「ろうかのはしにいる」ので、「はし・ろうか」→「走ろうか」です。十四松が考えそうでしょう?(笑)
十四松ついでに、ご紹介、僕は今、こんなリストバンドをしています。
第9話、十四松の恋、で‘彼女’がラストシーンでしてたものを商品化したものです。↓。

リストバンドの下にチラッと見える、右手のネイルは‘彼女’の暗いモヤモヤを、
左手のネイルは十四松と出会って吹っ切れた心境の変化を表しているように見えませんか?
親指だけ比べると、よりそう思いません?。↓。

いよいよ、次回から、心理部門の記事がアップされて行きます!
大変長らくお待たせ致しました。
あっ、今回の記事のタイトルは、皮肉じゃないですからね。念のため。


川栗☆カワクリ

22/Ⅳ.(金)2016 はれ、夏い!
今は、本来は、ブログの記事は、心理のコンテストのはずなのですが、
ハードルが上がってしまったのか、心理の記事が遅れています。
そこで、受付に時間稼ぎをしてもらおうと、大平さんの記事から、新メンバーの紹介へと進むはずでした。
大平さんも前の記事のラストで、
「あっ!!!!診察室の先生の横の壁に貼ってあったポスターもかわったのですが・・・・
こちらは次のブログで受付のエース紹介してもらいましょう!!」
と、上手に小森さんにパスを出しました。
そこで、小森さんが新メンバーを、診察室の横のポスターと絡めて、紹介するリレーでした。
ところが、スランプとは、流行するものらしく(?)、あるいは、エースのプレッシャーと心理のそれは似てるのか、
伝染してしまい、まさかの小森さんも記事が書けません。
これでは、一体何が遅れているのかさえ判らなくなってしまいます。
そこで、ここは一つ、僕が自ら、新メンバーとポスターの紹介をしようと買って出ました。
小森さんは、写真は撮ってあるみたいだから、後で、それを拝借しよう。
さて、まずは大平さんの言っていた、診察室の僕の横のポスターとか、これです。↓。


「メソ部」とは、僕が昔、子どもや思春期の病院に勤めていた時に作った、病院非公認のクラブ活動です。
その病院は、学校のように毎日、午前と午後に治療プログラムがありました。
どのプログラムにも医者が責任者として参加してました。
僕は、「美術」と「ソフトボール」を担当していました。
この活動は、通常看護婦さんの協力も必要なので、10時から4時くらいまでの時間で行われていました。
ところが、病院には、これらの時間帯には起きてこない、いわゆる夜行性の患者もいました。
そこで、僕はその子らをターゲットにした「マンガ同好会」を作りました。
夕方から、一室に集まり、各々好きなマンガを勧めあったり、リレーマンガをしていました。
「メソ部」とは、「マンガ同好会」の名称を決めようとなった時、誰からともなく言い出して、
盛り上がって決定しました。
メソ、とは、「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」、に登場する謎の生物のことです。
見た目は、この通りです。↑。
これは今は、勿論やっていませんが、僕にとっても思い入れ深い部活なので、そのポスターを診察室に貼ってあるのです。
だから、皆さんも目にしたことがあって、「これ何だろう?」と思った人もいるかもしれませんが、そういう訳です。
「メソ部」の勢いはスゴくて、さすがオタクを舐めてはいけません、我らはコミケに出店したこともあるのです。
しかし、病院非公認の部活ですから、引率が必要なのと、僕以外の大人は関わっていないので、僕が引率しました。
メンバーが作った同人誌やラミカを机に積み上げて、メンバーは会場に行くと異様に盛り上がり、各々好き勝手に動きました。
そして、「先生、店番、よろしく~」と言い残して。
僕は両隣のブースの少女から、「マンガの先生なのですか?」と聞かれ、まさか病院から来てる、とも言えず、<まぁ>などと答え、
僕はマンガの先生ということになっていました。
話しはちょっと変わりますが、米ビルボードで39位に入ったBABYMETALは、元は「さくら学院」の重音部という部活でした。
そこで、カワクリでも、色々と部活を作ってみました。
タイミング的には、受付が1人立ちすると何か部活を作ってました。
文化部・写真部(ともに廃部)、普通部(ディスプレィ部に昇格)、水晶浄化委員会などがありますが、
これらの源泉は、「メソ部」にあると言っても良いでしょう。
今週から、受付の栗原さんが1人立ちしました。
皆さん、よろしくお願いします。忌野清志郎の本名と同じ、栗原、です。
栗原さんは、おっとりした性質で、受付が患者さんとお話していると邪魔にならないように、スッと気配を消します。
でも、これからは皆さんにも覚えてもらわないといけないから、話に加わって欲しいのですが、しゃしゃり出るタイプではないのです。
じゃ、真面目か?と言われると、結構、ボソっとおかしなことを言います。
自分からは言いませんが、あしたのジョー、のクロスカウンターのように良い返しをします。
そこで、栗原さんには、その特性を活かして、小森さんや大平さんの話にも加わって欲しいという願いをこめて、
「ボソ部」という部活にしました。「メソ部」に似てるでしょう?
なので、ポスターも栗原さん仕様で、「ボソ部」にしてみました。
これが、前回、大平さんが予言していた「診察室の横のポスターもかわった」の正体です。↓。


ちなみに、モキュ、とは、メソの基本的な泣き声です。
もう一つ仕掛けを明かしましょう。
それは、4月7日の記事、「エースをねらえ!」で、
「未来、って単語も覚えていて下さいね。直に判るから。」としつこく言ってたことの種明かしです。
実は、栗原さんの名前が、未来、なのです。
でも、読みは、みらい、じゃなく、ミク、といいます。
そこで、メソの泣き声のモキュを栗原さんっぽく、ミキュ、に変えてみました。↓。


これで、「ボソ部」の完成です。
それでは長らくお待たせ致しました。
「ボソ部」の栗原さんの登場です。
はじめまして、先生にご紹介していただきましたボソ部の栗原です。
受付に立たせていただいて丁度1ヶ月ほど経つのですが、まだまだ出来ないことが多く、
先生や小森さん大平さんはもちろん、皆さんにフォローしていただいてやっと・・・といったところです。
受付でバタバタと変な動きをしていたら私です。
自己紹介をしようと思ったのですが、私はあまり特徴的なところがありません。
見た目はエイの裏側に似ていると言われます。(海の生き物です。)
※潤っているエイと乾燥しているエイの顔は相当違うのですが、私が似ているのは潤っているほう・・・と信じています。
先生にいくつか質問を作っていただいたのですが、
その中から小森さんリクエストのものを3つ載せたいと思います。
Q1.もし鳥類と仲良くする為に人間の代表としてお嫁に行くなら、どの鳥がいいですか?
A.フクロウ。もふもふだから。
Q2.大岡山商店街に自分の好きなお店を移転させて持って来れちゃいます。どこの店にしますか?
A.猫カフェ。もふもふだから。
これから皆さんのお話にボソッと加わっていけたらと思います。
診察室のポスター、是非見てみて下さいね。ミキュッ
BGM. 西城秀樹「恋の暴走」:川原選!
でんぱ組.inc「さくらあっぱれーしょん」:栗原選


すき

20/Ⅳ.(水)2016 はれ、あたたかい、暑い?
女の子も大変だ。
登校時、痴漢にあって、保健室でそう訴えると、「あなたに、すき、があるんです!」と怒られたり。
品行方正で利口な美人には、何故か男の子が近付かなくて、「モテる女は、すき、がある」なんて言われたり。
<じゃぁ、どうしろって言うんじゃあ~!!>
と、女子の声を代弁してみました。
そこで今回は、すき、について考えてみましょう。
上の2つの例文は、あまりに短絡的過ぎるかもしれませんね。
なぜなら、本当にすごい人とは、すごそうに見えない、らしいですから。
達人同士の真剣勝負とは、刀をかかげて、にらみ合い、お互い一歩もゆずらず、
その間を自転車がスーッと通って行くものだとか。すごさが、誰にも判らない(笑)
現役当時の長嶋茂雄も、そうだったそうです。
六大学から鳴り物入りで巨人に入団した長嶋と、初めて対戦した時の稲尾(西鉄ライオンズ)がそう言ってました。
その前に、稲尾の紹介をしておいた方が良いですね。すぐ終わります。
稲尾和久は西鉄ライオンズの黄金時代のエースで、ものすごくコントロールの良いピッチャーだったらしい。
ある日の稲尾は絶好調で、ギリギリの球を2球続けて、ボール、の判定を受けた。
それで頭に来て、ド真ん中にストレートを投げ込んだら、これも「ボール」と言われて。
稲尾は、審判に歩み寄り、「なんで今のが、ボール、なんだ」とアピール。
審判は、「俺がルール・ブックだ」で有名な名審判の、二出川延明。
二出川は、「大投手の投げる球にド真ん中のストレートはない」と答えて。
すると稲尾は、ニヤリと笑い、残りの3球を外角低めいっぱいに投げ込んで、三振に切って取った、というエピソード。
そんな稲尾が長嶋を打席に迎えた時、「なんだ?これが噂の長嶋か?すき、だらけじゃないか」、と驚き、
外角低めいっぱいに自慢のストレートを投げ込んだら、難なく、ライト前にヒットを弾き飛ばされたという。
稲尾はそんな、すごそうに見えない長嶋をすごいと恐怖した、という回想をしてたのを昔、読んだことがある。
そう考えると、すき、があるから痴漢にあう、とか、すき、がある女がモテる、ってのはちょっと浅い議論なのではないか。
たとえば、数学で半径「1」の円を単位円、という。
x座標とy座標がともに、「0」の位置を、角度を「0」とすると、その座標は下の黒丸だ。↓。

これを反時計周りに、90度動かすと、こういう座標になる。↓。

さらに、90度動かすと、90+90で180度動いたことになる。
これまでと大幅に方向を変えることの表現として、180度の方向転換、などと言ったりするが、図示するとこうだ。↓。

つげ義春の「噂の武士」の主人公は、宮本武蔵のふりをする偽者だが、誰がみても、すき、のない人間に描かれている。
0度が、すき、だらけだとすると、この武士は180度の座標にいるのでしょう。↓。

そして、グルっと一回転すると、360度。
360度は、0度と同じ座標になる。
つまり、ものすごく考え抜いた人と何も考えない人が同じ立場だったりする、ことを数学的に意味しているのだと思う。↓。

ブッダに出てくる、ナラダッタ、は、修行を重ね、到達したのが、動物と同じ姿で、これは360度まで行っちゃいましたね。↓。

さて、皆さん、お忘れかもしれませんが、今は、カワクリ心理部門のコンテストの最中です。
本当なら、心理のメンバーが順々にブログの記事を紹介して、広く心理療法を啓蒙したり、
自分のカウンセリング・スタイルやポリシーを競い合う場のはずなのですが、皆、推敲に熱が入り過ぎ、
タイムラグが生じています。
それを埋める為の記事を書いてみました。
すき、について考える、なんて了見も心理療法には大切な資質かなと思いまして。
しかし、心理の皆さん、いくら考えても、結局、グルっと回って、360度、1番最初の思い付きに戻るだけじゃないかしら?
BGM. 柏原よしえ「第二章・くちづけ」


センスを磨け!

皆さんこんにちは、大平です。
本日はなぞなぞの更新ではなく、クリニックの模様替えをお知らせいたします。
アニメのおそ松さんは終わってしまいましたが、カワクリではまだまだ熱いおそ松さん!!
そんなおそ松さんが診察室へ入った正面と喫煙室前の廊下の壁にもいるんです。


みなさん診察室前のおそ松さんコーナーには気がついて写真を撮っている方もお見かけしますが、
今後こちらも見ていってくださいね。
ちなみに診察室前のおそ松コーナーはこちら

そしておそ松さんと言えば原作のおそ松くんもカワクリには少し前から漫画コーナーに置いてあります!

アニメのおそ松さんは見たけど「原作は知らない」という方は
アニメの原作となったお話をピックアップしたPOPも作ったのでピンポイントで読んでみてくださいね!

そして4/8の先生のブログでも紹介した受付のドラえもんフィギュア!
こちらの原作も新たに漫画コーナーに仲間入りしました!

きれいなジャイアン ↓↓

原作がこちら ↓↓

夢の中のスネ夫 ↓↓


美男子のび太 ↓↓


かっこいいドラえもん ↓↓


どれも原作そのままですよね。
私はジャイアンの穏やかな表情が気に入りました。
こちらも原作のお話が分かりやすいようにPOPを作ったので要チェックです!

いつの間にか私はディスプレイ担当になっていたようですね。
名前は先生の提案したディスプレイ・バンバン・ビガロだけは却下と宣言しておきます。
バンバン・ビガロをGoogleで調べたら私の好みではなかったので・・・
気になる方は調べてみて下さい
あっ!!!!診察室の先生の横の壁に貼ってあったポスターもかわったのですが・・・・
こちらは次のブログで受付のエース紹介してもらいましょう!!
BGM.Phillip Phillips 「HOME」


スーパービジョン考

14/Ⅳ.(木)2016 はれ、暑い(朝は小雨)
精神療法のトレーニングの中に、「スーパービジョン」というものがある。
主に、精神分析学派を中心に、治療者がもっと力のある先生にケース検討をしてもらい今後の治療の指針にするのだ。
僕も大学院の4年間は「精神療法班」に所属したから、ケースを持っていて、スーパービジョンを受けていた。
ところが、現在進行形のケースをスーパービジョンに出すと、必ず、その直後の治療の流れがおかしくなるのだ。
それにはいくつかの理由があると思うので考察してみたい。
1番大きいのは、そもそもうまく行ってないから、スーパービジョンに出している、ということ。
それでも、何とか患者さんと二人三脚でやっていた共同作業なのに、自分だけ外から知恵をつけて貰おうとする不誠実さ。
2番目は、数あるケースの中から、スーパービジョンに出すというのはそれだけ思い入れがあるケースだが、
言ってみれば実験台みたいなもので、失敗が成功のもとだ。
案外と、スーパービジョンに出したケースよりもその助言を活かして、新たに関わったケースの方がうまく行ったりする。
 (これは、子育てにも似てるかもしれない。
  第1子は試作品のような宿命を持っていて、第2子以降の方が親も上手にやれたりして。
 僕は第2子だから、得をしてる面はいっぱいあるが、親の第1子に対する愛着には嫉妬する。
  つまり試作品ほど、作り手の愛情の熱量が大きく感じられるのだ。)
3番目は、そもそも患者にとって「響いた言葉」と、こちらが<上手い事言ったと思う言葉>に差があるのだ。
よく患者さんから、あの時先生にああ言われた言葉が印象に残る、と言われるが、大抵、言った覚えがない。
精神療法は、心を扱うから、非言語的なやり取りの時間を共有する体験だという側面もあり、
あえてそれを言葉にすると齟齬(そご)が生じてしまう可能性がある。
言葉は相手に自分の気持ちや心を伝える便利なツールだが、言葉は気持ちや心と数学的にイコールではない。
つまり、体験を共有していないスーパーバイザーにケースを提出する時点で、もう近似値的になってしまっている。
それをきちんと理解しないまま、スーパービジョンを絶対視してすがってしまうと、自分だけ楽になって、目から鱗、感が、
患者には、「なんかこいつ、こないだまでと様子が違うな」という違和感を感じさせてしまう。
しかし、余程でない限り、患者はそんなことは意識化出来ないから、空気だけがギクシャクするのである。
大体、この3つが原因ではないかと思います。
それを踏まえて、僕が編み出した方法があります。
それは、患者に正直に、<実は、今度、スーパービジョンに出すからね>と話しておくのです。
そうすれば、スーパービジョン前後の不連続性があっても、患者は「ははーん、成程、そのせいか」と
察しもつく。そこを黙っておくから、ズレの原因が判らないまま、ギクシャクするのだと思うから。
具体的には、スーパービジョンには、まとめ、を用意するから、それを患者にまず見せて、添削してもらう。
すると、患者は、「ここは私はそう思わない」とか「私はこんなことは言っていない」とか「私はこう感じていた」とむしろ
下手なスーパーバイザーより役立つことを言ってくれて、<スーパービジョンに出さなくてもいいや>なんて思ったりもした。
このケースのまとめを患者に訂正させる作業は、患者にとっては治療同盟という意識を強化させる効果があり、
こちらには患者への非治療的に働いている治療者の個人的な思い入れに気付かされる。
そして、そもそも非言語的な体験を言語化する時に生じる齟齬を、患者側の言葉に寄せて紡ぎ直すことを、
患者目線に立つ、というのではないだろうか。
スーパービジョンには結構、お金がかかる。下手したら、患者からもらってる料金よりも高い。
それは我々のトレーニングの一環だから、支払って当然のコストなのだが。
しかし、この作戦だと患者にも、<結果を全部、教えるから、君も少し出しなさい>、とか言える(笑)。
まぁ、出さないけれど。
精神療法は薬物療法と比べると定まった成功のパターンが読めないので、治療者も不安になり、誰かにすがりたくなる。
実はそれこそ、患者が治療を受けようと思った気持ちやモチベーションと似通っているのだと思う。
だから時として、我々が患者から理想化されるのと同じように、スーパーバイザーを神格化してしまうことがある。
そもそも、それだけの力量の先生がスーパービジョンをするのだから、十分、想定内のことだ。
僕は自分が精神分析的な精神療法をやっている時に、こんな実験をしたことがある。
それは、一つのケースを別の4人の偉い先生に1ヶ月以内に続けてスーパーバイズしてもらい違いを浮き彫りにするのだ。
松茸の季節に松茸を何万円分も買ってたらふく食べると、もう翌年から、松茸を有り難がらなくなる、のと同じ効果を狙った。
精神療法班の先輩からは、「悪趣味だ」と言われた。
僕の選んだ4人の先生は、当時、最前線で活躍・指導をされている先生方だった。
僕はケースを通して、先生方に<精神療法でもっとも大事な物は何か?>という本質的な問いもしてみた。
一人目の先生は、米国帰りの先生で、「それは、共感、ですよ」と仰った。
生き生きとした心の交流だそうだ。
しかし、その先生のオフィスの花瓶には精巧な造花が活けられていた。葉っぱの水滴まで、イミテーション。
二人目の先生は、「それは、構造、だ」と言った。
構造とは、いつ・どこで・何分間・いくらでやるか、などの条件を厳密に決めて、それを忠実に守る事だそうだ。
しかし、その先生はサービス精神旺盛で、約束の時間をオーバーしてもスーパービジョンを続けてくれて、有り難かった。
三人目の先生は、「それは、正直さ、だ」と言った。
なるべく、治療者・患者関係に、嘘が少ない方が良いと力説された。
しかし、その先生の趣味は、手品、だった。
四人目の先生は、僕の尊敬する先生で、「それは、治療者の責任と覚悟、だ」と言い切った。
そこで僕はこれまで同じケースを別の3人の先生にスーパービジョンに出した事を打ち明けた。
<共感が大切だと言った先生の花瓶には造花が、構造化が大切だと言った先生は頼みもしないのに時間を延長してくれて、
正直さが大切と言った先生の趣味は種も仕掛けもございます。
僕はそこで重要なことに気付いた。
どんなに優秀な先生でも、人間だから、パーフェクトということはない。
その上で、自分の弱点と関連したところを大切だ、と気付くのではないか。
たとえば、人間が生きるのに必要なものは何か、という問いと似てて、普通にしてることをあげたりはしないだろう。
空気、なんて真面目に答える人は変人だ。皆、意識しないで、酸素を吸って二酸化炭素を吐いているのだ。
お父さん、息を吸って!、なんて言う時は、もうヤバイ時だ。
僕の大学の先輩に、精神科治療でもっとも大切な物は何ですか?、と尋ねたら、「愛だよ」と答えられた。
その先生は、離婚歴3回だった。
そんなことは良いとして、僕の尊敬する先生は、本当に、責任と覚悟がある、のに、何故、「責任と覚悟」、と答えたのだろう。
このままでは、せっかく僕がたどり着いた仮説が間違っていたことになってしまうではないか。
どうして、先生は責任と覚悟があるのに、治療に大事なのは、責任と覚悟、だなんて言うのですか?>
と聞いたら、すごく嫌そうな顔をして苦笑いをされた。
どうですか?悪趣味ですか?
話しは変わるが、最近、スーパービジョンをあまり神格化しない方が良い、という意見を聞いた。
その理由が、患者についてはスーパーバイザーより治療者の方が知ってるからだ、という事だが、僕はそれは解せない。
それなら、患者の事は治療者より患者自身の方が知ってるじゃないか、という理屈も成立しないか?
それとも、患者は素人だからこの理屈は当てはまらないのかな。
自分で自分を判ってれば、そもそもセラピーなんて受けないか。
自分が一番自分を判っていない、というのが人間か。
誰かが言っていたが、「スーパービジョンとは質の良い岡目八目だ」と。
岡目八目とは囲碁の言葉で、岡目とは傍で見てる人のことで、つまり囲碁を打ってる人より8手先まで読める、ことから、
当事者より第三者の方が物事を正しく判断出来るというたとえだ。
クイズ番組をテレビで見てると全部解けるのに、いざ自分が出演したら全然解けないという、のに似てるかもしれない。
それは、ただ、あがってるだけか?
そう言えば、囲碁ではなくて、将棋だが、天才バカボン、に似たような場面があった。
昔は、町の通りで将棋を指してる人がいて、それを通行人が取り囲んで見物という風景があった。
娯楽の少ない時代の話だ。
天才バカボン、のその回では、町の将棋で、王手、でもはや参ったしかないか、と追い詰められた局面が展開されていた。
岡目たちも「つんだ」と思っていた。
その人垣には、バカボンのパパ、もいて、バカボンのパパは、将棋など判らず、脇で流れるプロ野球の中継を横見していた。
時代は、巨人・大鵬・卵焼き、だ。
プロ野球中継と言えば、巨人戦で、相手チームのバッターがファースト・フライを打ち上げた。
当時の巨人の一塁手は王貞治だ。
テレビに向って、バカボンのパパは、「王が捕る」、と言った。
人垣は、バカボンのパパ、のこの一言にハッとして、
「その手があったか!」
王手の駒を、王が自ら取れば良いのである。
人々は、バカボンのパパを、「あなたは将棋の名人ですね」と勘違いして騒動が巻き起こるという話。
スーパービジョンの記事なのに、バカボンのパパ、の話なんかを出したりすると、「一緒にするな!」と怒られるかな。
バカボンのパパ、に。
BGM. 薬師丸ひろ子「あなたを・もっと・知りたくて」