11/ⅩⅠ.(金)2016 冷たい雨
精神療法のテクニックで、「ヒア&ナウ」(今ここ)というのがあります。
カウンセリングでは、「何を喋ってもいいですよ」と自由に喋ってもらいます。
すると、例えば、「あの時の、誰々は、話が通じてるのかどうか判らなくて不気味だった」とか、
逆に、「あの時の、彼々は、みんなが自分の敵だったのに、味方をしてくれて嬉しかった」など、
とその場で思いついたことを語ります。
「ヒア&ナウ」では、数ある話題の中から、わざわざそれを選んだには、無意識的な意味があると考えるのです。
大抵は、「ゼァ&ゼン」(あの時、あそこで)の話題です。
それを「ヒア&ナウ」(今ここ)で考えてみるというのは、こういうことです。
つまり患者さんは意識では、「昔」とか「どこか」の話をしていますが、
無意識的には(今ここ)での治療者との関係を語っているのでは?、と仮定してみる技法です。
そうすると、先にあげた例文の前者は、治療者に話が通じてるのか?と不安になっているのでは?となり、
後者は、ここでは味方をして貰っているとお礼を述べているのだとか、
或は、味方をしてくれますよね?とそう釘をさしている、となり、
治療関係を関わりを持ちながらも俯瞰的に観察してみよう、という第三者的な視点を持つことの推奨なのです。
「ヒア&ナウ」が上手になるためには、トレーニングも必要です。
コツは、相手の他愛もない話を一々「被害関係妄想」的に<自分のことを言っているのでは?>と勘繰ってみることです。
「ヒア&ナウ」は厳密な設定をした上で有効な物なので、皆さんは日常生活に取り入れない方が良いでしょう。
たとえば、デート中に、「あの映画のセリフはうそ臭い」などと言われて、一々、<俺がうそ臭いのか?>
なんてハラハラしてたら、身がもたないですからね。
なんでいきなり、こんな話をしてるかと言うと、話は数日前に遡ります。
しばらくご無沙汰をしてるお店の大将とバッタリ外で会いました。「お久し振り」みたいな挨拶をしました。
そんなことがあると、お店に顔を出さないと気まずいじゃないですか?
それで、今日のお昼に受付のソネさんを連れて大将の店にランチに行きました。
大将は、陽気で楽しい人物です。
しかし、時々、<そんなこと聞くか?>という侵襲的な質問をして来ます。
僕は少し、苦手だったりします。良い人なんですけどね。
案の定、大将はソネさんに質問攻撃です。
以下、「」が大将のセリフ。<>がソネさんのリアクションです。
「休みの日は何をしています?」、<家にいます>
「ひきこもり?」、<ひきこもり、です>
「今日は家にいたいって時に、友達に誘われたら?」、<断ります>
「グイグイ来る友達だったら?」、<グイグイ来る人は友達じゃありません>
「電話でグイグイ来られたら?」、<切ります>
と、大将の包丁さばきも見事だが、大将の質問攻撃をいなせにさばくソネさんも牛若丸のように見事でした。
っていうか、大将、気付けよ。これ、「ヒア&ナウ」だろ。
BGM.ビートルズ「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」
この大将こそ正にグイグイ来てますね!
ソネさん曰く、<グイグイ来る人は友達じゃありません>ってやつですね。
この会話、傍で聞いてたら、おもしれ~。(失礼かな・・・・・)
ソネさんと是非この店に行きたいですね。
でもあまりソネさんにグイグイ行くと切られるので止めておきます。
そういえば今日電話した時ソネさんだったよね?確か。
少しグイッとしてたかもしんない、御免ねソネさん。
今度クリニックに行ったとき誤ろう。
でもソネさんにいなせに捌かれるのもちょっといいなぁ。
sinさん、こんばんは。
二人のやりとりは面白かったですよ。真昼の決闘、でした。
電話をとったのは、ソネさんです。
何か言っていましたが、何だったか忘れました。
悪いことじゃなかったです(笑)
ではまた~
ソネさん、今日はお疲れ様でした。
クリニックは相変わらず急がしそうで、そんな中でもお話できました。
このブログを読んでどんな店にいったのか気になっていたのだけど、
今日話を聞けて、納得しました。
大将といったらやっぱりそうだよね。
でも大丈夫?今日の俺グイグイしてなかった?
sinさん、こんばんは。
このコメント、ソネさんにも公開前に、見せました。
「すごくグイグイ来てた」って、ウケてましたよ。
笑ってたから、大丈夫だと思いますよ(笑)
ではまた~