12/ⅩⅠ.(土)2016 あたたかい
今年はインフルエンザが早目に流行っているらしく、保育園とかでは学級閉鎖もあるとか。
クリニックでも、スタッフの予防接種はしています。
患者さんにはしてないので、あしからず。
インフルエンザと言えば高熱ですが、今回は高熱の話。ただし仮病。
今回のタイトルは、疾病利得(しっぺい・りとく)、です。
疾病とは病気のことで、利得は得をすることで、「病気で得するの?」って少し不思議に思うかもしれませんね。
これは難しいから専門的なことは最後に書きます。
これから書くのは、仮病の話です。仮病って厳密には疾病利得には含まれないかもしれないですが、そこは雰囲気で。
子供の頃でした。今頃の季節です。
川原家は、兄の進路か何かの話し合いがされていました。
応接間に両親と兄が入って、僕はのけ者です。
それでも、しばらくは、テレビをみたり、一人でおとなしくしてたはずです。
でも、我慢しきれなくなったのです。子供だし、寒い日だったから。
僕は何度か応接間の戸をノックしましたが、話は終りません。
よほど、大事な話し合いらしく、僕はずっと放っぽかされてました。
そして、いよいよ、どうにも我慢できず、親の気をひくため体温計で熱を測りました。
平熱でした。
そこで僕は<もう少し熱を上げなきゃ>と思い、何を思ったのでしょう、ガスコンロで水銀計をあぶったのです。
目盛を見ましたが、よく数字が見えませんでした。
でも触ると熱いから、<これで良いだろう>とそれを持って、応接間の戸をノックしました。
まだ話の途中のようでしたが、母が体温計を受け取りました。
母は、体温計を見て、仰天した顔をしました。
どうやら、直接炎に点けたから、目盛を振り切っていたみたいなのです。
母は、それを父に見せました。ちょっとあきれた顔をしてました。
すると、父はその体温計を見て、両親は一瞬顔を見合わせました。
そして、父が母に言いました。
「達二の看病をしてあげなさい」
母は僕の方に来て、何をしてくれたのかは具体的には覚えていませんが、「良い体験」として記憶しています。
僕は仮病が親にバレタのは、すぐ判りました。
仮病だと判りながら、よくしてもらえると何かが、ストンと心に落ちたのです。
僕はそれ以降、親を振り向かせるために仮病を使う事は、あまりしなかったと思います。
心の芯からの思いやりとか、思いをやる、とか、見透かしてるけど見逃してくれる、とか、親身になるとか、
愛情を感じられる体験だったから、そこに固着せず、仮病を繰り返さなかったのではないかという体験をしてるから、
すぐ「疾病利得」うんぬん、って言う人は、仮病を使う人の気持ちや、したくて仮病をしてるんじゃないよ、って
核の部分の気持ちを感じ取れてないせいで、そこが本当に共鳴すれば、案外こじれないんじゃいかと思うのだけれど。
でも、それはやっぱり、甘いかな?
プロのいうことじゃないですね。
専門家仲間から、「病気をなめてる!」って怒られるのかな。嫌だな、大人になって怒られるの。
参考文献、弘文堂「精神科ポケット辞典」より、P148「疾病利得」。
「患者が精神的あるいは身体的な疾患であることにより得る意識的ないし無意識的で心理的・現実的な利益。
病態や不適応が患者にとり心理的な安定維持の手段になっている場合を第一次疾病利得、
疾病の結果二次的に得られる現実的利益(例えば学校へ行かなくて済む、補償金をもらえる、家族に大事にしてもらえる)
を第二次疾病利得という。
本人にとっては無意識であることが多く、意図的・作為的である詐病(さびょう)とは異なる。
疾病利得はしばしば患者の病態化を促進したり、治療を困難にさせる」
11月は、父の命日と、両親二人の誕生日があるから感傷的になるのです。反省、反省。
先生、こんにちは。
良い体験をなさいましたね。素晴らしいご両親ですね!
(水銀計がよく割れませんでしたね。)
水銀体温計といえば、我が子が通った保育園の0歳児クラスでは、登園してから水銀計で10分検温して37.5℃以上あると受けてくれませんでした。そういう厳しい方針の園長でした。
自分も仕事を休む体制が取れなくて、ヒヤヒヤしながら38℃前後なのに37.4℃と書いて誤魔化したことあります。それで重病にはなりませんでしたが、あの時休んでやれば良かったなぁと思うこともあります。
トモトモさん、こんばんは。
まさかの診察の合間コメント返しを書きかけて、結局、診察の終りになってしまいました。
水銀計のエピソード2つ、「…」と思わずうなってしまいました。
これから、さくら学院の記事を書きます~
ではまた~
カワハラ先生
とても興味深い記事でした。
どうもありがとうございます。
そしてとても素敵なご両親ですね。
先生の素敵さにつながっているのを感じました。
私も見習いたいです。
ところで
アロマセラピスト合格致しました!
とってもとっても嬉しいです!
でも不思議なことに
あんなにいい香りと感じていたネロリの香りを
最近必要としなくなりました。
私の中の何かが変化したのかもしれませんね。
今度からコメントの時の名前を変えなくては(笑)
ではまた〜
ネロリさん、こんばんは。
やりましたね!
おめでとうございます!!
ネロリのエピソード、不思議ですね。でも、そういうことってありますね。
…急に、例は思いつかないけど。
小さい頃、お気に入りだった洋服が、体が成長して着られなくなっちゃう、感じに似てるのかしら?
ハンドルネーム、かわるのですか?
進化が楽しみです。
ではまた~
子供の仮病には必ず理由がありますよね。
それを解ってくれる包容力は大切だと思います。
先生のご両親のような対応が大事なんですよね、すると子供ももう仮病はするまいと思うはずです。
先生が思う甘い考えは是非貫いてもらいたいと思います。
sinさん、こんばんは。
僕は、仮病、って単語が可愛いなと思うのです。
「甘い考え」大事にします(笑)
いつもコメントありがとうございます。
こんばんは、少し前のブログにすみません。
てもインフルエンザは怖い病気なので。
ナースをしている娘は勿論予防接種はしていますが、
インフルエンザの患者さんを集めた部屋の担当になれば
どうしても感染しますよね。夜勤で熱を出し、インフルの検査をしてもマイナス。
すぐに検査をしても出ない場合ありで、翌日も熱で検査、またマイナス。
次の内科で、二回マイナスなら風邪では、とインフルの薬はだされませんでした。
その夜、部屋から這ってきてどこでもいいから病院へ、とふらふら。
救急病院へ行きましたが、48時間以上経ってたため、もうインフルの薬は効かないそうで、
対症療法しかできず、病院で一晩中唸ってました。本人も余程辛かったらしく、死ぬかと思ったそうです。
検査は検体の取り方や検査キットによってはマイナスになる、といわれたので、
十分気をつけくださいね。
にゃーこさん、こんばんは。
アップがおくれてすみません。
娘さん、大変でしたね…
よろしくお伝え下さい。
僕は食あたりしたくらいです。原因は、食べ過ぎです。