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28/ⅩⅠ.(土)2020 くもり 鳥インフルエンザ兵庫県で発生、業界悲鳴。
聞いた話ですが、「鬼滅の刃」のことを一切知らない人に、登場人物が揃ってる一枚絵をみせて「どんなストーリーか?」想像させる動画があるらしい。
斜め上からのとんでもない話を語るのが面白いとのことだが、このご時勢に「鬼滅の刃」のことを一切知らないでいられる生活というものに興味が湧く。
去年の「M-1」で、かまいたち、が「トトロをみたことがないという自慢話」のネタをやっていて共感したが、今年はステイホームもあり(およげ!たいやきくん、現象)、何年かに一度の社会現象になっているこの作品はネットでもテレビのワイドショーでも取り上げられてるから全く知らない、というのは奇跡だと思う。
しかし、時代に取り残された人というのは探せば結構いて以下に今週出会った味のある人物を紹介したい。
①ひきこもり、一人暮らし。久々に来た診察室で世間話をしたら、「安倍総理がやめたことを知らない」人がいた。
②昭和のプロレスと酒しか興味がない僕と同い年。「ウイルス、すごいですね。何て名前でしたっけ?ニコルだ!」だって。コロナだよ。ニコルは藤田。
③これも僕と同学年。「センセーはロックが好きでしょ?俺はソウルだから。何を聞くかって?平井堅」。平井堅ってソウルか?ってか、まだいるのか?
そういう僕も時代には取り残された人たちで、バブル期は医大生と研修医だったから、恩恵も実感もない。この頃に流行った番組や歌やスターもまるで知らない。
そんなことはいつの世にもよくあることらしく「あの時代は学生運動」などというが、庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」などを読むと主人公は学生運動のせいで東大が入試をとりやめたため浪人生活をするという書き出しで、世間の大半は学生運動と無縁な生活をしてたのがわかる。
つげ義春の漫画に闇米を売る商売についた話があるが、警察の検問のために手前の荷物だけにクルミを入れておくという描写がリアルだったが、ラストシーンで年配の男が若者に「おい、アンポって知ってるか?」「アンポ、何ですか?」「ははは、実は俺も知らねぇんだよ」とやりとりの後に、「世は60年代安保で混沌としてる時代だった」というナレーションで終る、生活に精一杯な人間達を描写してる。
だから今この瞬間にも、「コロナ」や「鬼滅」や「嵐の解散」をまるで知らない人がいても何ら不思議はないのかも。
さて、心の護美箱(27)もいっぱいになったので、(28)を作りました。
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BGM. 中村雅俊「時代遅れの恋人たち」