湘南ボーイ〜日刊ムンク⑱

僕のルーツは湘南ボーイ・茅ケ崎生まれです。小学校卒業が昭和49年で長嶋が引退した年。僕は受験をして東京の中学へ。兄が同じ学校に行ってたから母と3人で東京のマンションに二重生活(土日は茅ケ崎に戻る)。中1は五反田、中2~東中野に住んだ。父の死後、茅ヶ崎に戻りますが色んなことがありもう実家に帰ることもないし、墓参りにも行きません。僕は自分の歴史から茅ケ崎時代を削除しました。母・母の親と三代東京にいるから、東京に三代住めば「江戸っ子」と名乗って良いそうなので僕は江戸っ子を名乗ることにしました。今回はそんな惜別の念も込めて記事を書きます。

 

~前回までのあらすじ~

 

中1の頃から川原のそばにいるドールの名前は「ムンク」。

テディベアの第一人者の作家さんにリペアをお願いしたら、川原の「守護」を祈るクマ「抱き熊スーティー」をくれる。名前をラスプーチンにする。

生まれ変わってムンクが帰って来た。

ムンク・川原・ラスプーチンのトリオ名は「SS♡T」。成長して行く「SS♡T」の成長譚「日刊ムンク」の第18弾。

 

・日曜日

サザンオールスターズが中心に行なった1982年の夏のイベントのビデオを見ながら、「湘南」という酒を呑む。

このライブ番組のオープニングはサザンの「来いなジャマイカ」です。会場に来るカワイイ女の子たちがアップで抜かれます。

場所は西武球場。屋外です。雨の中、トップバッターの山下久美子は赤い水着で歌います。

続いて、ラジオっ娘、が「茅ケ崎サンライズ」を歌います。酒のつまみにケンタッキーを買って来ました。たま~に、食べたくなるのです。

ラジオっ娘はアーティストだと「Lady oh!」になるのですが、この番組では「ラジオっ娘」で表記されていますね。

その他、ハウンドドッグとかシャネルズ(後のラッツ&スター)も出ます。トリはサザンオールスターズで「いなせなロコモーション」で全員がステージに集まります。

雨の中、桑田佳祐は上半身裸になり、右が山下久美子で左がシャネルズのリーダーです。

ラジオっ娘も浴衣に着替えて手を振ります。

カワイイですね。

そしてみんなでジャンプしてエンディングです。

「湘南」ってお酒は裏をみると茅ケ崎で作られてるみたいです。

BGM. サザンオールスターズ「来いなジャマイカ」

 

・月曜日

自分用に買ったお誕生日プレゼントが届きました。

箱の中身は何でしょう?

箱を開けます。

箱の中から箱が出て来ました。

「ダンダダン」のモモのフィギュアです。

モモは、人や妖怪や物体のオーラを掴んで自由に動かせる超能力を持ってます。

綾瀬桃。いわゆるギャルです。

セルポ星人に誘拐されたことで超能力に目覚めました。この手がそれ。

横からのアングル。

後からのアングル。

モモの耳飾り。

 

・火曜日

後輩の女医さんがお誕生祝に何かくれるというから「じゃ、ハム!」と答えたらハムが今日、届きました。

僕の誕生日は7月24日なのですが、あえて「肉の日」の29日に贈ってくれるなんてニクい演出ですね。
暑き日に宅急便よりハムの愛。

箱開けて「わぁ」と声出す診察室。

肉の日にハムの笑顔が届きけり。

ありがとう。公にしたのは、ハムだけに。

と、後輩のNさんに感謝を川柳で並べてみました。

そして火曜日は週初め、ムンクの髪のお手入れです。

帽子を外すのも慣れてきました。

これはお誕生日頂いた「ReFa」の櫛です。これを早速使ってみましょう。

櫛が絡んだ髪の毛に入りやすいです。

さすが人気の商品ですね。

帽子をセットします。

今日はいつもより上手に出来ました。思わず笑顔がこぼれます。

まぁまぁの出来です。

仕上げは受付の羽田さんにやってもらいました。今日のお花と一緒に。

 

・水曜日

今日は津波で横須賀線が止まる。
うちの実家は眼科の開業医でたくさんの従業員がいて、僕は末っ子なので、大人たちから可愛がられていた。僕とよくキャッチボールをしていた男の人は野球とギターが上手な好青年だった。僕が淡い恋心を寄せていた女性とその人が付き合っていると知った時には、お似合いだと思った。だけど、彼女の国籍か家柄がネックで、結婚は出来ないという話を聞いた時にはショックだった。僕はもうハイティーンだったので、ある程度の事情も理解できるつもりだった。僕は彼女と茅ヶ崎の海岸を海水浴場から辻堂の方向に話しながら遊泳禁止区域まで歩いて来た。江ノ島が僕らに近づいて来る。僕は僕なりに良いアドバイスをしたつもりだったが、彼女は「タッちゃんは、まだ子供だから判らないのよ」と馬鹿にした。すると、急に雨が降り出して、まるで彼女の涙雨みたいで、僕らは濡れネズミみたいになったから、大慌て。海辺から近くのパシフィックホテルに駆け込んだ。家に帰ったら、父がパシフィックのことを、「昔は一流ホテルだったが、今は連れ込みホテルになった」と嘆いていて、少し焦った。

後にサザンが「夏をあきらめて」で同じような光景を歌っていたから、僕は桑田にこのこと喋ったっけ?と頭をひねったものだ。

 

・木曜日

茅ヶ崎の海には、潮から町を守るように松林が立っていた。そこのある区域に、ホモの浮浪者がいて、僕が通りかかると、「坊ちゃん、こっちへおいで」と自分の物を露出させて不気味に笑った。僕はムシャクシャしていたから、騙された振りをして、松林の中に入って、油断した男の顔面に膝蹴りして逃げた。そうしたら、その晩、複数のホモの浮浪者に追いかけられて蹂躙される夢にうなされた。どっからどこまでが夢なのか、判らない。

 

・金曜日

この金土はクリニックの前の商店街で夏祭り。
診察室に、盆踊りの太鼓の音が、ドンドンドンガラカツタ♪と、鳴り響きます。

恒例のカワクリも提灯を出しました。

夜の提灯だっピよ。

 

・土曜日

僕は茅ヶ崎時代の過去を捨て、今は江戸っ子を名乗っていますが、7月は誕生月だったこともありちょっとノスタルジックになったりします。古いアルバムを漁って茅ヶ崎の実家の写真をみつけたので載せてみます。題して「ジ・アーリー川原達二〜湘南ボーイ編」です。

そう言えば、青い象の置物がありました。

家にはプールがありました。

だけど僕は泳げません。

白いブランコもあったようですね。

これは七五三でしょうか。

看護婦さんと。

お気に入りの看護婦さんと怪獣たちと。

怪獣たちと。

ウルトラセブンが町にやって来た。「ノンマルトの使者」という回がありました。地球人が海底に進出して行くと怪獣が現れます。地球防衛軍が出動して怪獣をやっつける用意をします。そこに少年がやって来て、彼こそが「ノンマルトの使者」なのです。少年は「元々、人間が来るずっと前からノンマルトは海底で静かに暮らしていた。そこに侵略して来たのが人間だ」と抗議します。ウルトラセブンは地球防衛軍に所属してますから、地球の平和のために戦う使命があります。しかしその時ウルトラセブンの心に何かがよぎります。
「これは地球の海底に住む先住民・ノンマルトと人間の領土問題じゃん。俺、巻き込まれてねぇ?」と苦悩しながら怪獣を倒します。この回の背景には「ベトナム戦争」がありました。当時は大人たちが真剣に子供たちに時事問題をぶつけていたのです。僕は子供ながらにウルトラセブンの葛藤を理解しました。
数日後、茅ケ崎の電気屋にキャンペーンでウルトラセブンが来るという。残念ながら「セブンの葛藤」を知っているのは僕だけでした。大人たちはいい気なもんで記念写真を撮ってくれます。僕は、セブンに何と声をかけていいのかわからず、ソッポを向くことしか出来ませんでした。

怪獣に媚びられる。

野球道具もたくさんありました。

雪の日もグラブをはめて登校します。

中1は茅ケ崎から東京の学校まで通っていました。

父と。

母と。

これは夏服です。

うちの親は長電話は注意せず、こうやって写真を撮影しました。なんか恥ずかしくて、早く切ろうと思うから、親の上手い作戦だったなと思います。

浪人時代は実家に帰されました。多分、吉田拓郎のマネをしてカーリーヘアにしたり、

自分で髪を切ったりしてました。右の白い小屋は父の書庫。

8月になりました。台風も避けていきましたね。もうこれで僕は僕の中の「湘南ボーイ」に会うことはしないでしょう。
だから明日に向かって走れ!次号へ続く。


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