27/Ⅸ.(金)2024 雨 受付&NSの新制服の試着、始まる
映画「ベルリン天使の詩」で、広場にいる「天使の像」は退屈です。それを表現するように映画は中盤まで白黒で風景が流れます。みてるお客さんにも「天使の退屈さ」を共有させる狙いか?と思うような退屈さです。それが急展開、「空中ブランコの美女」が出てから映画の世界はカラーになります。このように、男の子のモノクロームの世界を総天然色に代えてくれるのは古今東西、女子の存在だというお話です。
高校の時の教室は校舎の1番上の階で、僕の席は窓際の1番後ろだったから、授業中にぼんやりと眺める無人の校庭は殺風景だった。僕は、ある日、その風景が白黒に見えて、体育の授業で走ってる生徒達もカラクリ人形みたいに見えた。今思うと、「離人症(りじん・しょう)」だったのだと思う。
離人症:現実感が失われること。①内界意識離人症。自分は変わってしまった。自分だという実感がない。②外界意識離人症。周囲のものに実感がない。外界と自分の間にベールがあるようだ。景色や花を見ても美しいと感じない。③身体意識離人症。自分の身体、手足、顔が自分のものだと感じられない。自分の身体が生きていないようだ。(精神科ポケット辞典、弘文堂。より一部引用)
離人症は、精神科の症状の中で唯一と言っていいのではないか、自己申告の症状なので、誰からも気付かれなかった。むしろ、僕は明るく騒がしい人気者だったし。そんな頃、僕が考えたのは、この世はひょっとすると、猿山のちょっと頭の良い一匹の猿がみている夢で、その猿が目を覚ますと、僕も友人も家族も総理大臣も、みんないっぺんにこの世から消えてしまう、人類とは猿の夢の中の登場人物で、猿が目を覚ますと、跡形もなく消えてしまう世の中かもしれない、などと考えたりしていた。
そんな時代の話である。
僕は離人症を抱えてはいたが、授業中はうるさかったから教師達が参ってしまい、僕は島流しのように、教室の1番後ろの廊下側に移された。右側には真っ白い壁があった。僕は、授業は半分上の空で聞いていて、ふと頭によぎった考えや、思いついた発想を、その白い壁に書いて行った。ポエムや4コマ漫画や不条理な絵で、クラスメートからは「面白い!」とか、「もっと書いて!」と言われ、休み時間には皆が僕の周りに集まって、授業が始まると、皆は席について前を向き、僕1人、横を向いて壁にずっと何かを書いていた。これは他のクラスの生徒の間でも評判になって、見学に来る人も増えた。僕の学校は中高一貫校で、僕の中学の時の担任が噂を聞きつけ様子をみに来た。そして、「次の授業中、川原は授業を聞かなくていいから、落書きを全部、消すように」と砂消しゴムを2個渡した。仕方ないので、僕は言われた通り、消していたのだが、折角書いたのに、勿体ないなと思った。今みたいに携帯電話がある時代なら、写メとかに記念に撮っておけたのに。授業では、何とか文明の遺跡が発掘されたとか、パピルスがどうとかで、当時の古代人の生活ぶりを解説していた。僕は壁の落書きを消しながら、たった今、隕石が地球にぶつかって一瞬で、人類が滅亡して、偶然、僕の書いた白い壁だけが何億年後かまで残って、未来の歴史学者に発見されて、
「当時の地球人はこんな生活や思想だったらしい」
と推理され、未来人の歴史の教科書に僕の絵が載って、学校で教えられるようになったらいいな、と空想して、そうして、今、ここで一生懸命、勉強しているクラスの連中の努力も水の泡になればいいのにと思ったものです。
その頃の離人症をライカで再現してみました。
離人症の表情。カメラマン・心理の松井さん&監修・心理の徳田さん。

シウマイを食べるが味気もしない。カメラマン・心理の松井さん&演技指導・心理の徳田さん。

美味しい御馳走も砂を噛むようだ。

原因は名探偵ピカチュウでもわからない。ここからのカメラマンは受付の羽田さん。

心配して寄って来るシロウサギ。

2大会連続で金メダルをとったスケボーの堀米くんのマネをしてメダルをかけてもらったカビゴンを抱いても何も感じない。

人の心を見抜くエスパーニャンコに言わせれば、「それは心が虚しいからにゃ」。

ポチタを抱いても、

キメラ長官を抱いても、世界は白黒。

そんな中、未来を予知できる「スパイファミリー」のボンドは、天然色の未来をみせる。

ジャジャーン。それが石野真子でした。

石野真子の登場で僕の離人症はケロッとよくなりました。

下はほぼ当時の僕です。

調べてみたら、石野真子のデビュー曲「狼なんか怖くない」は、1978年3月25日の発売で、サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」が1978年6月25日。真子ちゃんとサザンってどちらも、1978年デビューの同期なんですね。

















































































































































































