憬れのハワイ航路③´

 飛び起きた悪夢。(『憬れのハワイ航路③』を先にお読み下さい)
@夏休み明け、クリニックは大混雑。救命救急センターのような母屋に改築。僕は週刊誌に原稿を書き、                                               研究所の偉い人も挨拶に来たり、新入女子職員の集団身体測定が別室で行われてもいるようだ。                                                    僕の旧友が、今度開業するので勉強させて欲しいと診察に陪席する。僕は研究所の人たちに「彼が今度、開業する藤巻です」と紹介し、仲を取り持ってあげる。
ところが、僕は長い休暇明けで、診察の仕方がわからなくなり焦る。たくさん、患者さんも待たせてしまう。                                              苦情が来たので、受付の女子職員(おきゃんぴー?)を呼んで「もっと、まいて!」と指示を出す。                                                      すると1人は糸のようなものを巻き出し、残りの1人は診察室にラッシュアワーの車両のようにどんどん患者を詰め込んでいく。
僕はまた、おきゃんぴーの2人を呼びつけ「まいての意味がわかるか?」と、それに対し2人は「わかんな~い」。                                            わからないでやってたのか!と一喝。1人は泣き出す。もう1人は「私は知ってました。でも、別の意味かも」。 
前の1人が「すご~い、知ってたの?」。もう1人「うん、でも知らなくてもいい言葉だよ」。それを聞いていて、僕はカチン。                                    「知らなかったら聞け!わからなかったら確認しろ!君達のスキルアップのためだぞ!君達の力が必要なんだ!」                                             と僕は熱く「叱った」。すると2人揃って、大あくび。僕はもうそれ以上、言うのをやめた。
外来に戻ると患者が1人もいない。太った黒人の事務員が「誰も来てませんよ」と無愛想に冷たく言い放ち別の仕事をしている。旧友も、何も言わずに姿を消した。外来は閑古鳥。あれだけいた患者はどうしたんだ?急に不安になる。
すると、はっぴを着た呼び込みが「お一人様、ご来店~」と威勢のいい声。良かった。しかし、その客はすぐに店を出ようとする。呼び込みはその客に「今、来たのはラッキーです。これから松坂の特訓がみられます」と松坂人気で引き止めた。                      球場のオーロラビジョンに松坂のアップ。
僕はユニフォームに着替えダッグアウトに駆け上がり、「よし!日本人対決もあるな」と気合を入れる。                                                 すると忙しい事務員は呆れ顔で、「あの人(俺)は、いつもこんな時にだけ偶然やってくるのよね」と溜息をつく。
幸せの絶頂から、一転して不幸のどん底へ。人気者から、誰にも相手にされない存在に。                                                          栄光を一度味わったが故に、落差でかえってつらい。本来なら不安にかられて当然なのに、俺は松坂と対戦する気になって、超お気楽。
何故って?。ここはチャンスの国、アメリカ。アメリカン・ドリームが掴める国。そしてマンガはいつだってそうした設定だもの。                                            俺が主役の野球マンガ。
BGM.A面 フランキー・レイン「OK牧場の決闘」/B面 植木等「俺は売り出し中」


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