ほこり

20/Ⅷ.(土)2011 くもり、時々雨
夏休みに入るちょっと前の話です。
大学病院の先生に報告書を書く用件があって、それは僕と徳田さんの共同作業でした。始めに徳田さんが、叩き台みたいなものを作ってくれたのだが、ちょっと厳しいけど、<これじゃ、駄目>って書き直しして貰った。徳田さんと話していて解ったのは、彼女はむしろ逆の方がいいと思っていたようだ。つまり、あまり、しゃしゃり出ない方がいい的な謙虚さ。
僕はそうじゃなく、どう見立てて、今後どうしてゆくのが理想で、それを阻むものがあるとしたらそれは何で、それに対する今出来る対処はこうだ、という風に書いて欲しいと話した。
彼女は、勘とセンスと呑み込みがよく、一日で完璧な修正版を作ってきたのには驚かされた。文章もエレガントなんだ。これなら、自信をもって大学病院に送れるね。よろしい、大変良く出来ました。
僕の父親は眼科の開業医で、僕が大学2年生の時に癌で死んだから、父親と「医者とは~」みたいな話をしたことがない。兄はギリギリあるんじゃないかな?。代わりと言ってはなんだが、僕が小学生の頃に父親が呟いていた独り言みたいなもので、それはオペが必要な患者さんをオペが出来る病院に紹介状を書く時の意気込みみたいなものだった。開業医だから、オペをする施設がないだけで、それ以外は全部出来るんだということを、紹介状に詳細に記すことで、大病院からも一目置かれるんだ的なニュアンスの内容だったと記憶している。それは、開業医のほこりみたいなもので、僕も同様のことを実感する。


2 Replies to “ほこり”

  1. ふ~む。
    やはり、医者の世界は権威やプライドがあって、それにはまってしまうと大変ですよね。
    でも、先生。前にも言ったかもしれないが、先生みたいな精神科医はどこにも居なくて、これからは先生みたいな精神医療が必要とされるのです。以前、先生はN先生は今日本で一番見立てが良い医者と言ったけど、川原先生の方が見立てが良いと思いますよ。(これも、コメントに載せてくださいよ。)
    古いタイプの精神科医は初診だけ話を聞いて、ろくすっぽ患者を診ないうちに薬だけ出して、「また2週間後に来てください。」とか言って、3分だけで終わってしまう。これがいわゆる「薬物療法依存医師」。
    これからは、「心理療法」「精神療法」「心理カウンセリング」と対話療法を取り入れないと、正しい診断名が付かないし、
    薬もそれによって違ってくるし、心に溜まったはけ口がないと一向に回復しないと思う。
    精神科に来る患者さんは、誰にも言えなかった「寂しさ」「悲しさ」「怒り」「不安」など、いろいろ鬱積したものが沢山あるんだと思う。それを受け止めて解消してくれて、周りの人の理解も変えてくれないと心の病は治らないと思う。

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