何、ここ?

何で今更と思われるかもしれないが、訳あって、今回はクリニックの紹介です。
川原クリニックのコンセプトは、狭い意味での病気の人だけでなく、日常の色々な悩みや相談も受けるので、なるべく病院っぽくしないで、<川原先生のお家に来る>みたいなイメージにしました。
精神科・心療内科のクリニックの環境は、教科書的には刺激を少なくすべきなのだけれど、お家っぽくするためにあえて僕の好きなものを飾ったり貼ったりしているので賑やかな空間です。カワクリの電話番号は03-6240-7255ですが、初めて来院された方は、7255の語呂合わせのように、<何ここ?>って思うかもしれません。
日常に疲れてる人が多いので、<カワクリに来た時は非日常。ここでは何を話してもいい、タブーもない、守秘義務もあるから安全だよ。でも、ここを一歩出たら日常に戻るのだからね>みたいな非言語的なメッセージも含んでいたり。
カワクリは大岡山北口商店街にあります。↓。

盆踊りのシーズンは、カワクリの真下にヤグラが組まれ、太鼓の音が診察室に鳴り響きます。↓。

入り口は階段を昇って二階。ビートルズの「ゲットバック・セッション」のポスターが張ってあります。これは「屋上」つながりということで。↓。

入り口を入ると、回転する地球儀を持った猫がお出迎えします。横にあるのがフィギュア・ケース、エヴァやハルヒや「ひぐらし」や「つげ義春の漫画」などが飾ってあります。↓。

猫の持ってる地球儀は光が当たると地球の自転を利用して回るもので不思議です。↓。

待合室には、待ち時間に勉強やお仕事ができるようカウンターを作りました。以前に務めていた外来で、膝の上にテキストを開いてテスト勉強をして待っている子が印象に残っていたので。↓。

受付の絵は、シャガールの「ラ・フォンテーヌの寓話より女易者」。中村心理療法研究室の中村伸一先生、紀子先生に開業祝いにいただきました。受付正面に飾ってあります。↓。

受け付けカウンターには、「寝釈迦」のポーズをしたグッズが並んでいます。僕がこのポーズを気に入ってるのは、「悟り」や「反抗」や「満足」や「怠惰」や「挑発」や「お色気」を同時に発信する記号だからです。↓。

他にも、その時の気分でフィギュアを置き換えます。今は、ブースカ&チャメゴン。↓。

壁には、ポスターを貼ってあります。これはローリング・ストーンズの「ロックン・ロール・サーカス」のポスター。ジョン・レノンがゲスト出演しています。左から2番目でピエロみたいな格好でトランペットを吹いてるのがそうです。このビデオは永い事「お蔵入り」していたもので、一説によるとゲストのザ・フーの演奏の方が自分達よりもすぐれていたからストーンズが出し渋っていたと聞きます。それが時を経て、発売されることになり、その特典についてきたポスターです。ミックやキースも大人になったのですね。↓。

これは僕の好きな映画「地下鉄のザジ」の1シーン。↓。

「大岡山北口商店街は節電中です」というポスターは、去年の東日本大震災以来、商店街の各店舗に貼ってあります。カワクリでは、ウルトラマンのお面の下に貼りました。これは、ウルトラマンが地球上では3分間しか戦えない、という設定と省エネをひっかけました。受付の吉田さんのアイデアです。↓。

カワクリには、喫煙室があります。世間は嫌煙ブームで喫煙者は肩身が狭くなっています。<いつでも少数派の味方でありたい>という意志のもとに、時代に逆行して喫煙できるスペースを確保しました。ここで半日くらい談話してるグループもいます。↓。

ちなみに喫煙所の天井の壁紙は、青空に雲の絵柄です。開放感を表現するとともに、煙がモクモクモクモク→クモ→雲、というダジャレでもあります。ストーンズの1973年のツアーのポスターとともに。↓。

ここからは、クリニックの通路です。正面の絵はバスキアという画家の「ビタホーン(バイタホーン)」という絵です。よく見ると、中央にバックス・バニーが寝転んでいます。↓。

これも、クリニックの通路。「中川翔子」のポスター群です。僕は、今年の1月、しょこたん・日帰りバスツアーに参加してきました。あっ、そのブログ記事、まだ書いてなかった。↓。

ゴジラは、玄関を入るとすぐにいます。結構でかいです。↓。

ゴジラに襟巻きをつけた怪獣がジラースと言って、初代ウルトラマンに登場します。何も悪いことをしてないのに、ウルトラマンに殺される哀愁の漂う怪獣で、僕の好きな怪獣№1です。下が、ジラース。診察室で僕の身近にいつもいます。↓。

話しは変わって、原が巨人に入団した時の報知新聞の号外です。この時は、西武に石毛、中日に中尾(キャッチャー)、ロッテがY校の愛甲、広島が川口和久(のちにジャイアンツに移ったサウスポー)。だから、どうしたかと言うと、<こういうのも持っている>という自慢です。↓。

これは1988年に話題になった「RCサクセション」の「カバーズ」というLPのポスター。チェルノブイリ事故が1986年ですから、その2年後の作品です。これは「反戦・反核・反原発」をテーマにしたカバーアルバムだったのですが東芝EMIの親会社の東芝が原発の機器開発メーカーだったため、東芝の圧力で発売中止。東芝EMIは全国紙で「素晴らしすぎて発売できません」との広告を打って、世間は話題騒然となりました。結局、キティ・レコードから1988年8月に発売されます。このポスターは、メンバー全員が牛乳を飲んでいて、「原発反対、安心して牛乳を飲みたい」とのパフォーマンスです。清志郎も死んでしまいましたね。東日本大震災からは、もうすぐ1年経ちますね。復興はまだまだですね。↓。

入り口すぐにいる、このカエルを「初代院長」という設定にしています。だから、設定上、僕は二代目院長ということになります。勿論、ジョークです。↓。

ジョークの続き。初代院長の訓示、<お前は器量が悪いから愛嬌だけでもよくなさい。お前はからだが弱いから心だけでもよくなさい。お前は嘘がうまいから行いだけでもよくなさい>、と書いてあります。これは、太宰治の「晩年」の中にあった僕の好きなフレーズで、太宰治が祖母から言われた言葉だったと思います。↓。

若い子は色んな人と関わって話をするのが大事なので、その小道具として「なぞなぞ」を作ってそこら辺に貼ってあります。話すきっかけが判らない人のために、なぞなぞの答えやヒントをスタッフに聞くようにしています。この問題は不定期に更新しています。受付には、答やヒントを教えてあります。これは、大岡山の「牛角」のトイレになぞなぞが貼ってあるのを見て、<これだ!>と思って取り入れました。しかし、意外やこれは大人の患者さんや付き添いの家族に好評のようです。↓。

テクノロジーが発展すると、季節感がなくなるので、季節の風物詩を飾ります。これは、辰年のひな祭り、丁度、今ですね。↓。

無機質なものばかりだとギスギスするので、生花を飾ることにしています。お花のチョイスは、受付が当番で選びます。これは、去年の夏、「ひまわり」です。阪神淡路大震災を体験されている神戸大学の中井久夫先生の本に、<皇后陛下が皇居の水仙を持って見舞いに来られたように、瓦礫に合う色は黄色しかなかった。その年の園芸学会に呼ばれてゆくと、『今年はなぜかヒマワリがよく売れる不思議な年です』とのことであった>と書いてありました。↓。

まだまだ色々あるのですが、キリがないのでこの辺で。下は、受付の岡田さんが旅行のお土産にくれた仮面。ファーファの人形に被せて、診察室で待っています。↓。

以上、カワクリについて、参考になれば。おしまい。


三鷹で狂気

11/Ⅱ.(土)2012 建国記念の日
今日は三鷹市芸術文化センターという所に、立川志らくの落語をききにゆく。
三鷹駅南口から、商店街を突っ切って、連雀通りにぶつかったら右に折れて、250メートル先にその会場はあり、徒歩で20分位で着くのだが、<そう言えば、この辺はあの子の地元かな?>と思いながら、色々と寄り道しながら歩いていたら1時間もかかってしまった。余裕をもって出たから良いものの、開演ギリギリに着いた。店頭で売っているいなり寿司や焼鳥や鯛焼きを買い食いしたり、古本屋や古道具屋などをのぞいてみていて面白かったのが原因。
去年の11月に談志が死んでから、立川流の落語家たちには『談志バブル』が起こっているそうで、志らくは「談志の言葉」という名言を集めたものや「談志の懐メロ100曲」という本の執筆を依頼されてるそうだ。談志の死後、志らくの中に談志をみようと落語会には‘談志信者’が駆けつけて満員御礼。ちなみに、談志ファンのことを‘談志信者’というのに対し、志らくのファンを‘志らく右翼’と呼ぶ。談志の「作品」を好む人は、談春のところにゆき、志らくは談志の「狂気」を受け継いでいると言えるようだ。
談志の「狂気」とは一般に浸透している乱暴さのようなこととは少し違う。たとえば、モーニング・ショーのゲストに呼ばれて、カルガモの親子が並んで道を横断をしてる映像を見させられ、司会の田丸美寿々から「談志さん、どうですか?」と聞かれた時に、<腹へった猫、放せ!>などと発言することを指すのとは違う。志らくによると、談志の「狂気」とは、どうでもいいことにこだわる、というところだという。
昔、新橋演舞場で志の輔と二人会をして、綺麗な着物を着たご婦人がたくさん来て、そこで志の輔が新作落語でドカーンと笑いをとる。そうしたら、普通なら談志は『芝浜』や『らくだ』などをやれば、「さすが!談志!」となるのに、<キムジョンイル、マンセー!><オ○ンコ~!>と叫び、『金玉医者』という噺で客席をシーンとさせ、怒って楽屋に戻って来て、<あの客は馬鹿だ!><何も判っていない!>と言うようなところが、たとえば一例だ。
三鷹市芸術文化センターは、250席で丁度いい大きさで(もっとも、談志は落語の高座に似合う人数は100人がいいところだと、昔、言っていたが)、クロークもあり荷物やコートも預かってくれ、誘導も親切で、係の人も皆丁寧でいいサービスだった。
この日、志らくは昼の部と夜の部と二回公演をし、僕は夜の部に行った。たとえば、志の輔とか談春だと昼も夜も同じ演目をやるのだが、志らくは昼3席と夜3席の題目を全部違えて6席用意したという。
客によってききたい演目が違うから、本来昼も夜も同じにした方がサービス精神だとも言えるが、マニアックな人は昼・夜両方来るからという理由で6席用意するところが談志流のこだわりで、その照準の当て方が、志らくが談志の「狂気」を受け継ぐと言われるゆえんでもあろう。

最後にどうでもいい話だが、JR三鷹駅のホームに流れるメロディは、♪めだかの学校は~♪という曲なのだが、なんで「めだかの学校」なのだろう?。まさか、空耳アワー?。


新しい仲間

10/Ⅱ.(金)2012 
これが診察室の新しい椅子(キャスターなし)です。後ろから見るとこうです。↓。

前から見るとこうです。前の椅子よりちょっと座高が高めです。↓。

これは、ポケモンの指人形。ガムかラムネのおまけについていたもの。↓。

ピカチュウのアップ。↓。

はしゃいでるピカチュウ。↓。

ダブル。↓。

ウインク。↓。

口を開けてるピカチュウ。↓。

ニコニコ。↓。

V字開脚。↓。

波乗りピカチュウ。↓。

ピチュウが進化するとピカチュウになります。↓。

これは、ゴロザウルス。「キングコングの逆襲」でキングコングに一方的にやられた。その後も、ゴジラ映画には脇役でよく登場した。たとえば、キングギドラを倒す怪獣チームの一員に加わったりとか。あんまり強くないところと、爬虫類っぽい色が好き。↓。

これはベビーゴジラ。「ゴジラvsメカゴジラ」に登場した。名前は、ベビーゴジラだが、ゴジラの子供ではない。これも恐竜っぽいので好き。↓。

ベビーゴジラには、フリスク係を任命。↓。

とまぁ、古い玩具箱から気に入ったものを診察室に運び入れた訳です。それで、新しい仲間。
※しょこたん・バスツアーの記事は、もうしばらくお待ち下さい。


へんそく?

3/Ⅱ.(金)2012 寒い
昨日の話。ナースの塚田さんが髪の毛を、‘片側ポニーテール’にしていて、よく似合っていた。
それは塚田さんの持ち味である「やさしさ」や「忍耐強さ」や「奉仕の精神」とマッチして、さながら「白衣の天使」のようであった。僕は思わず、<それ、可愛いね。やばいんじゃない?>と言ったら、「何、言ってんですか?」と苦笑していた。昨日のこと。
髪型と言えば、涼宮ハルヒとキョンの間で初めて会話が成立したのも、キョンがハルヒの髪型を指摘したのがキッカケだった。もっとも、ハルヒは翌日に自慢の長い髪をバッサリと切ってくるのだが。
それで思い出したのだが、僕の大学時代の友人Fがクラスの女子Mとドライブに行った時のことだ。Mは、普段は男子とも冗談を言い合えるフランクな性格であるが、実は繊細で周囲に気を使う人だった。Fは車中で、ビリー・ジョエル(当時、大流行していた)の『素顔のままで』というバラードをBGMに、「君も俺の前では素顔のままでいいよ」的なことを告白したらしい。
翌朝、教室で僕はFの報告を聞いて、<うまく行くといいね>と話していた。だから授業開始ギリギリにMがバッチリとお化粧をして教室に入って来た時には、僕らは腰を抜かした。乙女心はむずかしい。くわばら、くわばら。
そんなことも思い出したので、塚田さんが今日、どんな髪型をするのか気になっていたが、‘片側ポニーテール’だった。
良かった。
BGM. 柏原よしえ「乙女心何色?」


模様替え怪獣

2/Ⅱ.(木)2012 夕方から寒い
しばらくブログの記事を書かなかったのには訳があり、それは1月22日に中川翔子のファンクラブの日帰りバスツアーに参加したからで、それについて書こうと思っていたら、盛り沢山ゆえ文章が中々まとまらないのです。もう少し、練ってから公開します。下がバスツアーのチラシ。予告代わりに。↓。

さて、気がつけばもう2月ですね。クリニックも少し、模様替えをしました。まずは診察室の椅子を新しくしました。↓。

これは座り心地がいいのですが、下にキャスターが付いているのが失敗で、座ると動いてしまうので、机にしがみつく人もいて、不評でした。なので、返品してキャスターなしのと交換することにしました。今週中に新しい椅子(キャスターなし)が到着します。お楽しみに。
診察テーブルの上も一新。↓。

この写真の左上にみえるフィギュアは、ウルトラマンに登場するジラースという怪獣です。ジラースはゴジラに襟巻きをつけただけの気グルミです。ゴジラもウルトラマンも、どちらも円谷プロの作品で、映画はゴジラでテレビはウルトラマンと住み分けされていて、だからジラースがゴジラから転用されてもおかしくはないのですが、ゴジラが強くて凶暴な性格であるのに対し、ジラースは哀愁が漂うのです。
ジラースはモンスター博士によってネス湖から連れて来られた恐竜が怪獣化したもので、湖におとなしく棲んでいた。それを釣り人が見つけて騒動になり、ウルトラマンがやって来て退治するというストーリーで、子供心に、<これ、ジラース、悪いか?>と思ったものです。
おまけにジラースはものすごく弱いのです。それに対して、ウルトラマンはジラースの襟巻きを剥ぎ、ジラースは痛々しい姿になり、それなのにウルトラマンは剥ぎ取った襟巻きを闘牛士のようにヒラヒラさせて挑発し、ジラースはよせばいいのに、攻撃技がないから、ただ突進して、すれ違い様にウルトラマンの「ウルトラ霞斬り」を喰らい、口から血を吐いて死んだ。切ない最期だ。
判官贔屓というのか僕は、ジラースがウルトラ怪獣の中で一番好きだ。同情を好きと勘違いしているのかもしれないけれどね。これがジラースのアップ。↓。

この話しを徳田さんにしたら、彼女は「ウルトラマンって時々、ひどい話がありますよね」と渋い顔をして、<それはないだろう?ウルトラマンよ>と言いたくなる酷い逸話を教えてくれた。僕らは、少しだけ、「正義」について考えた。
話しを模様替えに戻すと、受付の前にも怪獣のフィギュアを置いてみた。怪獣といっても、ブースカである。ブースカもやはり円谷プロの作品で、年代的には「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」の間にやっていた。でも、正義の味方が怪獣や侵略者を倒すのではなく、もしも普通の生活に怪獣がいたら?、というコンセプトでほのぼのとした番組だった。下の写真の左がブースカで、右が弟のチャメゴン。↓。

ブースカは1999年頃、12チャンでリメイク版もやっていて、当時、向ヶ丘遊園には「ブースカランド」というアスレチックなコーナーがあった。下が、その時のテレフォン・カード。↓。

下が、巨大ブースカ。隣に、「夢の中のスネ夫」が写っているが、そういえば閉園した向ヶ丘遊園の跡地に「藤子不二雄ミュージアム」があるそうだ。いみじくも、新旧・向ヶ丘遊園並びになっている。↓。