26/Ⅱ.(日)2012
世界の総合格闘技で一人勝ちをしている「UFC」がついに日本に上陸した。それを観戦に行く、さいたまスーパー・アリーナ。
アメリカ本土の放送時間に合わせるために、日本での試合開始は朝の10時だった。僕は、前の晩、徳田さんと寿司屋で呑んでいたから、起きるのが大変だった。寿司屋の話しは、後にするとして、まずは「UFC」である。
正直言って、僕は「UFC」のことをあまり気に入らないのであるが、本場のオクタゴンをそのまま持ってくるみたいだし↓、
つまり、名物リングアナや↓、
ラウンド・ガールもそのまま来るし、↓、
それに馴染の日本人選手も沢山出場するし、批判するためには観ておかないと何も言えないし、つまりこの位、理由を重ねないと、自分を肯定できないほど、僕は「UFC」に否定的な立場なのである。
今の「UFC」は、合理的なマニュアル化された戦略が必須で、選手の個性が活かされてなくて、つまらないのである。
もっと言えば、そもそも総合格闘技そのものの礎は、アントニオ猪木の一連の異種格闘技戦からスタートしたと言っても過言ではなく、それをリアルタイムで観続けている我々日本人の目は肥えている。騒ぎたいために集まる客層向けのアメリカンなエンターテイメントに満足できるかな。喩えれば日本のプロ野球は好きだげど、メジャー・リーグは面白くない、みたいな雰囲気に近い。
だけど、去年くらいから、日本のプロ野球でも、「S」と「B」と「O」の表示の順番をメジャーに揃えて、「B」「S]「O]の順番になっていて、ビックリというかガッカリした。
「巨人の星」や「ドカベン」で、野球を覚えた世代からすると、緊迫した場面の表現は「9回裏、二死満塁、カウント、ツー・スリー」だろう。それを「カウント、スリー・ツー」なんて言われると、普通に<三振じゃん>と突っ込んでしまうぞ。あれ?喩えたら、かえって判らなくなってしまいましたね。…よくあるんだ、僕には、そういうとこ。
そんな「UFC」は超満員でパンフレットも完売で買えない人もいたみたい。クリニックのフィギュア棚の脇の本棚にあるので、興味のある人は見て下さい。↓。
結果、「UFC」はどうだったかと言うと、悔しいが、面白かったのである。奴らは、図に乗って、また年内に来るらしい。今度は東京ドームかな?。調子、こいてんなぁ。どうせまた朝早いんだろうから、近い方がこっちは有り難いけど。…って、もう行く気になっていますが。
ところで、前の晩の土曜日は、外来が珍しく早く終ったので、徳田さんと奥沢の寿司屋に寄った。そこで僕らは、「UFC」に勝るとも劣らない、もうひとつの戦いを繰り広げたのである。
発端は僕で、<‘涙’というのは人間の‘喜怒哀楽’のどんな感情でも出るでしょう?。人間の心の奥底には雑多な感情がオリみたいに溜まっていて、それが日常生活の中で色々と悪さをすると仮定しよう。だとするなら、‘泣く’という行為はとりあえずは良いことなのではないか?。なぜなら、‘涙’が意識下に沈殿するオリみたいな感情を、活性炭の役割のように吸着させて除去してくれるから>、みたいな話しを振って、そこから話題が展開して、<このマンガの最終回は必ず泣ける、とかってのない?>って話しになり、だったら、<お互いにそういう話を言い合って相手を泣かせられるか勝負をしよう!>と僕が挑んだのである。徳田さんは、それを受けて立った。
まさに「UFC」前夜にふさわしい、戦いの火蓋が切って落とされた。ルールは(泣ける話)で自分が泣いたら+3ポイント、相手を泣かせたら+7ポイント、がゲットでき、ポイントの合計得点が多い方を勝者とする。
結果は、徳田さんの圧勝で、彼女が+21ポイント、僕が+3ポイントだった。つまり、僕は自分で話して1回泣き、徳田さんの話で3回泣き、彼女は僕の話にビクともしなかった。因みに僕が自分で話して泣いたのは、「ジャイアント・ロボ」の最終回である。
だけど、今考えたら、僕の方がたくさんお酒を呑んでいたから、涙腺が緩みやすいというハンディがあったな。ハンディ・ポイントとして、熱燗1本を3ポイントとしたら「サブ・ロク、ジューハチ」で18ポイントゲット。合計+21ポイント!あっ、同点だ。
徳田さんには、後日、「UFC」にはちゃんと間に合ったと報告をしたら、「ちょっと、心配してました」と喜んでくれた。そこには勝者の余裕が見え隠れしていた。次回、リベンジを果たすべく、ネタを仕込もう。
泣ける話、募集しようかな。