17/Ⅲ.(木)2016 はれ、あたたかい 花粉飛ぶ
カワクリ心理部門で「下克上、コンテスト」というのを行った。
今のシステムでは、カウンセリング希望者は、1回診察を受けて、適応を僕が見定めて心理に依頼することになっている。
カウンセリング希望者は年々増加しているが、僕が考えている「カウンセリング」と希望されるそれは少し異なってる印象だ。
男性用カツラのCMでも、「まずは無料カウンセリングから」などと謳っているし、
こないだドラッグストアの貼り紙に「カウンセリング化粧品」などという物を見つけ、思わず、写メを撮ってしまった。↓。
そこで我々は、まずこちらが考えているカウンセリングというものを説明しようということになった。
パンフやホームページにも大々的に、打ち出して行こう!と決起した。
そのため、経験年数や年令は関係なく、ガチ勝負でアイデアを出し合う。
それを名付けて、「カワクリ心理・下克上、コンテスト」と呼んだ。
前回の記事「診察とカウンセリングのちがい」を受けて、心理の4名に皆さんのハートを掴むような記事を書いてもらいます。
そう思ったきっかけは、うちのクリニックに来てくれる人の8~9割は、ネットからです。
事前にカワクリのホームページをみてくれたり、ブログを読んで来てくれてる人が多いです。
でも、うちは川原色が強いから、たとえばカウンセリングを希望していても、あれを見たら敬遠した人もいたかもしれない。
川原色が良いと言ってくれる人と、そうじゃない人は当然、評価が分かれると思う。
それはそれで良いと思う。
一生懸命やっていれば、いつか分かってもらえると思うから。
漢字で書くと、「分かれる」と「分かる」って同じ字なのですね。
川原色のバイアスを排除して、個々のカウンセラーやそこで提唱されるカウンセリングに惹かれて訪れる人がいた方が、
裾野も広がり、クライエントもカウンセラーにも双方にとって良いと思うのだ。
ちなみに、カウンセリングを行う相談室は刺激が少ないし、防音も出来る限りしています。
心理の4人が書きやすいように、簡単に前置きを書いておきます。
カワクリのカウンセリングは、「精神分析的な心理療法」という共通認識を持ちました。
しかし、この「精神分析的な心理療法」というのがよく知られていない。
我々は「常識」のように口にするが、心理の常識は世間の非常識、という場合だってあると思う。
実際、カウンセリング(精神分析)の「常識」を知らない人は多い。
それは、こんな背景があって、どうも先進国で精神分析運動が根付いたことがない国は日本くらいだというのだ。
中国や韓国やインドでもあるらしい。
我々が掲げている精神分析的なオリエンテーションとは、まるで小学校のドッジボールのルールのように、そこでだけ通じて、
学校が変わると通じない「常識」みたいなのだ。
「何故、保険でやらないのか」とか、
「何故、キャンセル料が発生するのか」とか、
「何故、毎週同じ時間にやるのか」とか、
「何も話す事がない時は休んでも良いと思う」という意見とか、
それはカタルシスだけを目標にしているのではなく、自己探求とか自己洞察を目的にしているから、という理屈なのだが、
純粋に援助を求めてる人には、余程、説明しないと伝わらないと思う。
「お時間をとらせているから、キャンセル料をお支払いしないと」っていうのは少し違うのである。
これはとても難しいところで、たとえば精神科医の世界では、「精神分析」はマイナーもしくは異端に近い。(言い過ぎか)
同業者にさえ、「精神分析は金持ちしか相手にしないから駄目だ」とか、
「本人のやる気や必死さを何でも金に換算してやる考え方は貧しい発想だ」とか批判的な声も多いのが事実だ。
同業者の中でも理解を得ていないのに、「素人」にそれを求めるのは、どうか。
こちら発信で、我々が教科書的に習ったことを、患者さんにも真摯に伝える労力が必要なのじゃないか。
そういうことを、啓蒙、って言うんじゃないかな。
まぁ、偉い人はそういうことをやっているのだろうが、全然浸透してないのが現実で、
最近では「精神分析的な心理療法」と「精神分析」はまったく別物だ、と国際基準の精神分析にしがみつき、
まるで伝統芸能保存会みたいに、それを理解してる患者(ごく少数そういうインテリは存在する!)と、
閉じた社会でやっている人が声高に叫んでいて、「精神分析を受ける人の義務は精神分析家を食わせることだ」、
というジョーク(マジ?)もある程だ。だけど、日本の伝統芸能じゃないと思うんだけど、精神分析。
これは立川談志が27才の頃に「現代落語論」で、「このままでは落語は能と同じになる」と警鐘を鳴らしたのとよく似ている。
談志曰く、能はかつて大衆芸能のトップだったが世の中の移り変わりに対応出来ず、伝統芸能に成り下がった。
落語もそうなる運命にある。
それではいかん、と訴えて、談志は「伝統を現代に」をスローガンに、落語と大衆と戦い続けた人で、
それが今の落語ブームに続いてると言っても過言じゃないと思う。
そういうことをしていかないと、一人相撲みたいなカウンセリングは皆からそっぽを向かれる。
日本は元々、「赤ひげ幻想」があり、医療に露骨にお金が絡むのを嫌う。
「先生、今日は治療費がないので、どうかこれで…」と頭を下げて、畑でとれた大根を差し出す人に優しく微笑む、
医は仁術である、という文化だ。
そりゃぁ、精神分析は根付きにくいだろうと思う。
そういった土壌で自分達が仕事をする。
そこでどうやったら自分達のやってることを理解してもらえるか努力や工夫をすることが最優先課題だ。
日本の消費者は馬鹿じゃない。
高くても質の良い物を選ぶ。その質を見極める力もある。
そこをちゃんとアピールすることも、心理の仕事だ。
それをコンテストの課題にした。
皆さんのコメントや反響でコンテストの結果とさせていただこうと思う。
全然、話しは変わるけど、コンテストと聞いて、思い出すのは、「きりきり舞い、ダンス・コンテスト」です。
これは、近田春夫&ハルヲフォンが「電撃的東京」というLPを出したことを記念して、
当時、近田春夫がオール・ナイト・ニッポンの火曜深夜のパーソナリティーだったから、
その番組で生で行われた収録です。
「電撃的東京」は歌謡曲のカバー・アルバムだったのですが、選曲やアレンジが滅茶苦茶かっこ良かったです。
前年に吉田拓郎が「ぷらいべぇと」というカバー・アルバムを出していますが、
例えば、郷ひろみを両者がピックアップしてますが、拓郎が「よろしく哀愁」であるのに対し、
「電撃的東京」は「恋の弱味」です。このセンス、伝わるかなぁ。
その「電撃的東京」からシングルカットされたのが山本リンダの「きりきり舞い」で(ヴォーカルはベースの高木)、
その曲に合わせて、ダンスを披露して、ナンバーワンを決めようというのが、「きりきり舞い、ダンス・コンテスト」です。
近田春夫をはじめとした審査員のワルノリした嬌声が、深夜の3時から5時の間、ラジオから流れ続けていました。
聞いてるこっちは、ラジオなので誰がどんなダンスをして盛り上がってるのかが判らないし、伝えもしないから、
さっぱり意味不明な番組でした。番組の私物化と呼んでもよいくらいリスナーを無視した回でした。
これを延々、2時間、やってるのだから、馬鹿馬鹿しいと言われてもしょうがないと思いました。
そう言えば、落語の小噺で、こんなのがあったのを思い出しました。
<1番、馬鹿な奴、知ってる?>
「なんだい?」
<あいつ。釣れもしないのに、もう2時間もああやってるんだ>
「なんで、2時間もやってる、って判るんだ?」
<だって、俺、ずっと見てたもん>
「お前が1番、馬鹿だ」
なんかそれと似てますね。
そんなのを放送する方もする方だけれど、聴いてるこっちもこっちで。
でも、高校生だったから、そこはひとつ。
しかし、カワクリのコンテストはそれとは大違い!
透明性が高いですよ。
リレー性で行くんでしょ?
トップ・バッターは誰?
BGM. 近田春夫&ハルヲフォン「きりきり舞い」
なんか難しい話ですが、カワクリコンテストやるんですね。
頑張って下さい。
我々も参加できるのかな?
そういった告知もこれからですかね。
期待しています、先生!
sinさん、こんばんは。
これも難しい内容ですよね。書いててそう思いました。
カワクリコンテストの「優勝者」は、コメントの数や診察での反響などを得点化して決めるつもりです。
そうです、皆さんの声で、今後のパンフやホームページに何を載せるかのリーダー的な存在が決まります。
是非、参加して下さいね。
具体的な事はついでなので、今、決めました。
診察で話題に出たら1ポイント、そしてその評価を5段階にして、「普通が0ポイント」で「良いが1ポイント」「とても良いが2ポイント」、
「期待外れが-1ポイント」「かなり期待はずれが-2ポイント」にして集計します。
そして、コメント欄には皆さんが「5段階評価の点数」を書いてくれれば、それを合算します。
誰が何ポイント入れたかは、匿名にしますから、忌憚のないご意見を!
おぉ、なんと公明正大な審査基準でしょう。
こんな告知で、どうでしょうか?
よろしくお願いしますね~!!!
sinさん、こんにちは。
ポイント制で順位をつけるのは、患者さん参加型で、皆さんを置いてけぼりにしない良いアイデアだと思ったのですが、
「順位」をつけるのは、心理にプレッシャーがかかり、記事がブレそうなので、廃案にしました。
白紙撤回です。
何かご意見があったらお寄せ下さい。
先生、色々ご思案頂いてお疲れ様です。
ポイント制はいいと思うのですが、プレッシャーがかかる事も予想されますね。
先生がそうと決めたらそれでいいんじゃないでしょうか。
引き続き頑張って下さい!先生!
sinさん、こんにちは。
了解しました!
頑張りマッスル、マッスル!
先生、こんばんは。東京に帰って来ました。
カウンセリング化粧品、私の世代の女性なら耳にしたことのある名前だと思いますよ。
談志の言葉もありますが、京都の狂言師、故・茂山千之丞も15年くらい前の本で「僕はそういう能と一緒に野垂れ死にはしたくない」という文章を書いてますね。茂山家の狂言は笑いとして面白いですよ。
能も狂言も室町時代から生き残っている様式美としての強さがあり、それを現代にも根付かせ、いわばアップデートしながら、守るものは守っていこうとしている能楽師も沢山います。
つまらない時ははつまらないですが、現代にはないゆっくりしたテンポ感やおおらかさかが私は好きです。
心理士さんのことは、患者の私にはよくわからないのが正直な気持ちです。
川原クリニックの「入り口」が幾つかあるのは良い事だと思いました。
トモトモさん、お帰りなさいませ。
カウンセリング化粧品、って知っていたのですか?
その他、様々なジャンルの話も興味深く読みました。
やはり技芸に熟達した人の言葉は、ジャンルは違えど、共通するというか、参考になりますね。
川原クリニックへの「入り口」が幾つかあると良い、と言って下さると、心理もやる気になるでしょう。
ではまた。
川原先生こんばんは!
らぷおです。初投稿です。らぷおが誰なのかは次回の診察時にらぷおですと紹介します。
心理士側からの発信はとても良い案だと思います!私は以前、先生も心理士さんもたくさんいらっしゃる大手チェーンみたいな病院でお世話になってましたが、先生はコロコロ変わるし、心理士の先生とはなんとなく相性が悪く、この病院はあってないなと思い、カワクリに転院してきました。
心理士さん側からの発信があると、「あ、この人なら私に会いそう!」とか分かるかもしれないし、大変良い案だと思います。
楽しみにしています〜
カワクリの雰囲気私は最初からこの病院の雰囲気良さそうとホームページ見て思いましたが、そう思わない人もいますよね…何回か来ると馴染んできて、すごく居心地が良くなるんですけど、人それぞれですかね…
らぷお
らぷおさん、こんばんは。
初投稿、ありがとうございました。
このコメントは、心理にもとても励みになり、コンテストがより盛り上がるでしょう。
それから、最後に、さりげなくフォローを入れてくれて、受診を避けてしまいそうな予備軍にも語りかけてくれてありがとうございます。
次回の診察を楽しみにしてますね。
今のところ、らぷおさんが誰だか、まるで、「?」です。
おはようございます。 無料?カウンセリング経験者のワタシです。 でも。
アレは何だったのかと。 いまだに整理が出来ぬまま現在に至ります。
きっと必要だったのだろう・・・とか。 なんでそうススメられるのかも解らぬままに。
時間ばかり気にしてました。 でも、いっぱい話しました。 出来るだけ簡潔に、出来るだけ全てを。
結果、全然足りませんでした。時間。でも。
そこそこには網羅していたと思います。ココに至るまでの自分紹介。
説明がとても上手だと、お褒めの言葉も頂戴しました。光栄です。
でも。 コチラでのレスは南海ホークスだと不評です。
そんな簡単に理解されたり分析されているようでは、先が知れますから。
・・・なんちゃって♪
来週半ばに伺います。 3月2回目。 でも4週目。 そのような”324”って、どんな数字だと思われますか。
ワタシは好きな方です。 にょろり。
散文気分さん、こんばんは。
僕の方針で、心理には体力作りが必要で、1日7~8ケース受け持って、聴き取りが落ちては困るので、
そこで、空いている時間枠には、お話をして下そうな方に、打診して、OKを貰えたら、面接を行わせていただいていました。
単発だから「カウンセリング」的要素は少ないですし、こちらから頼んでいるので、「無料」なのです。
ちゃんと説明していなかったですね。すみません。
他にも同じような体験をして、「アレは何だったのか?」と思ってる方はいるかもしれませんね。
そういう方への、説明にもさせていただきました。ありがとうございました。
ところで、‘324’の語呂合わせを幾つか考えてみました。
・「身にしみる」
・「見るに忍びない」
・「皆にしあわせ」
・「サルにシンバル」
・「桜に夜桜」
・「散文気分、にょろり、数字」
・「酒に酔う」
などです。最後のが1番ですかね?
はい。 恥ずかしながら、最後の部分は目下のところ一番の課題です。
そして、いよいよ自身での克服を迫られているように感じております。
・・・でも。
そんなコトは ずっと前から分かっていたのだとも言えましょうか。
要するに。 ワタシは幸せになりたいのかどうか。
そこに尽きるのかな。
遅ればせながらも。 ようやく目指し始めています。 多分。
もっとゆっくりとか。もっと丁寧にとか。
そんな風にブツブツつぶやきながら、物事に相対する機会が増えてきましたから。
やはり、誰かと一緒に生きていたいし。 そう願われていたいのだなと。
ココまで随分と遠回りしてしまいましたが。 誰かのために生きていたいと感じています。
散文気分さん、こんばんは。
酒に酔う、ですね。
奇遇ですね、僕も同じ課題ですよ。
以下、同感です。