川原達二の回想~カワクリ、カウンセリングの歴史

5/Ⅳ.(火)2016 はれ、少し寒い
志ん生さんのエピソードで、2つの依頼が同時に来た。
1つはギャラが安く、もう1つのギャラは高い。
さて問題です。びんぼう自慢で有名な志ん生さんは、どちらを選んだと思いますか?
こう質問されたら、安い方なんだろうな、と思いますよね。
正解です。
志ん生さんの言い分は、高い方のギャラなら誰でも行く。
しかし、安い方には誰も行かないだろう。(だから、自分が行く)
僕はこの逸話が好きです。
これが粋だと思ったし、これがプロだと思ったし。
臨床心理士のカウンセリングは保険が利かず、相場は結構、高い。
一概にそうとも言えないが、お金を持ってる人ほど保険外の診療を望み、
お金のない人ほど保険内で済ませようとする傾向はあると思う。
しかし、お金のありなしと、カウンセリングの必要のありなし、は当たり前だが違う。
うちの場合、中高生の受診も多いから、そもそも自分で稼いでいない患者も多かった。
だから、初期の僕は、正規の金額を払える人は外へ紹介して、払えない人をうちでみた。
志ん生イズムで、カワクリの初期のカウンセリングは始まった。
しかし、これは心理を混乱させた。
うち以外では正規の値段でカウンセリングをやっているカウンセラーは、うちの料金を不公平に思った。
だから、「ここではカウンセリングはしない。診療の補助だけをする」とぬかしやがった。
つまり、うちでは本気を出さない、と宣言したのである。
<ふざけんな、ばか。てめぇ、何様のつもりだ。どんだけの力量があんだ!>
とムカついてクビにした。うそです、話し合いの末、円満退職。
しかし、話しはこれだけで済まなかった。
外部の公的機関の心理士と連携のためのミーティングを持った時、
「この患者はカウンセリングをしてるそうですが、お金を払えないでしょう?
いくらで?ホホー、その値段ですか。その程度ですね」と小バカにされた。
ある中高生は、親に内緒で通っていたから、保険内で心理のカウンセリングを受けさせていた。
それが親にバレて、親からは、「ちゃんとした料金を払ったら、もっと違うカウンセリングをしてくれますか?」
と言われた。
でも、これは世間の一般的な目でもあった。
何のカラクリもなく、安い訳がない。
俺はいいが、徳田さんとか一生懸命やってる人の力量が低く見られるのは許せなかった。
こっちのエゴで心理の業界の中で肩身の狭い思いをさせても可哀想だし。
そこで苦渋の選択…。
結果的に、うちもカウンセリング料金を標準的なものにしました。
そんな流れがあったなぁ、と、カワクリ下克上・心理コンテストの実施にあたって回想してました。
本来なら、もう心理の個々のブログ記事が掲載される時期なのですが、彼女らは本気度アップ、推敲を重ねたい、と。
3/31締め切りを、一週間延ばして欲しいと、4/7までにしました。
さぞや立派な物が書き上がるのでしょうね。皆さん、キリン気分で待ちわびて下さいね。
BGM. 森尾由美 「天気予報はi luv u」


10 Replies to “川原達二の回想~カワクリ、カウンセリングの歴史”

  1. 先生、こんばんは。
    カウンセリングの料金にそんな流れがあったのですね。
    いろいろ大変ですね…。
    キリンと言えば、「初雪や キリンの首の 没る(もぐる)まで」という談志の句を思い出します。
    今夜の志らく一門会の下剋上は、二つ目の志獅丸が真打のらく朝を抜いてトップでした。
    あと、BABYMETALの2ndアルバムは、昭和歌謡ぽい曲あり、クセになる行進曲あり、「ゆいもあが大きくなっても、この道があったか!」と私は支持してます。
    “No Rain, No Rainbow” も収録されてます。
    明日からまた帰省して、どうにかしてやって行きます。

    1. トモトモさん、おはようございます。
      まさかの診察前コメント返しです。
      キリンの句、ありましたね(笑)
      この季節で談志の句で思い出すのは、「では、春雨で」というお題に、
      「船底を ガリガリかじる 春のサメ」
      というのが忘れられません。
      BABYMETAL、出ましたね!
      昨日、アスマートから届きました。
      まだ聴けてませんが、トモトモさんのレビューによると期待大ですね。
      しかし、昭和歌謡っぽさはベルハーの、行進曲と言えばすみぺの、持ち味だと僕は思っているので、
      ひょっとしてひょっとすると、BABYMETALの1人勝ちの時代になるのでしょうか。
      勿論、僕の中で、ですが。
      明日から、また帰省ですか。色々と大変ですね…。
      応援の念を送っておきますね。
      ではまた~

  2. 先生、応援の念ありがとうございます。
    おかげさまで、昨夕と夜中(今朝)の3時頃には爆発しましたが、一線を越える事態には至りませんでした。
    それに、自分の日程変更せざるを得なくなったのですが、2週間後に上手く入りました。
    カワクリは予定通りに行くことが出来そうです。というか、行きます。
    今日は一旦東京に帰ります。
    新幹線から見える桜はきれいですが、お花見する人々や桜そのものまで憎いと思ってしまいます。
    (先週も往復しているので)
    あ〜あ…という気分です。

    1. トモトモさん、こんにちは。
      まさかの診察の合間の隙のコメント返しです。
      色々と大変そうでしたね。詳しくは今度、聴きますね。
      無事、東京に帰って来て下さいね。
      念、届きましたか。良かったです。本当に送っていましたよ。
      実は僕は桜はあまり好きじゃなくて、お花見はしません。
      好きな桜は「さくら学院」くらいです。
      すーちゃんの桜の歌がありましたね。
      ♪だから、キライさ~♪って奴。
      近頃は、あれがずっと頭の中でリフレインしていました。
      頭と言えば、あたま山、というシュールな落語も好きです。
      べビメタの読売新聞の記事、良かったです!ありがとう。

  3. カワクリ創世記にはそんな事があったんですね。
    知りませんでした・・・・・
    先生も色々苦心されているんですね。
    心理の人にも色々考えはあるでしょうし。
    先生の考えと価値観に共感してくれる心理の人じゃないとだめですよね。

    1. sinさん、こんにちは。
      sinさんは、いつもスタッフによくしてくれますね。
      これから心理のコンテストが始まります。
      応援のほど、よろしくお願いしますね。
      これは嬉しいコメントでしたよ、ありがとうございました。
      ではまた~

  4. カワハラ先生
    この話題は
    近い未来の自分に通ずる、
    とても意味のある話題でした。
    なぜなら、アロマの料金の世界も
    カウンセリングの料金の世界に通ずるものがあるからです。
    私としては、アロマテラピーを志ん生さんのような志で料金設定をし、
    美容だけの目的でなく、むしろ、ホームケアやセルフケアの一つとしての
    トリートメントになってほしいと思っていて、
    アロマテラピーがもっと土くさい感じで根付いていくようにしていきたいと思うのですが、
    料金を安くすると、「材料や技術は大丈夫なのか?」「安全なのか?」と思われてしまいがちです。
    受けやすい価格にしたいけれど、でもそうは思われたくない、、
    ちゃんと学んだ者だからこそできるアロマテラピーを提供したい。
    自分の本音と日々向き合いながら料金について考えています。
    そしてそんな中
    今回の記事。
    この偶然は、どんな決断を私にもたらすか、、
    自分に乞うご期待です(笑)
    でも何よりまずは勉強と試験合格なのですが(笑)
    ではまた〜

    1. ネロリさん、こんにちは。
      ネロリさんも、僕と同じ様なことを考えていたのですね。
      何事も、初心が大切だと思いますよ。
      そして、このタイミング!シンクロですね。
      シンクロが起きた時、僕はその考えは正しい、と神様が教えてくれてるのだと思うようにしています。
      勉強と試験、まずは頑張って下さいね。応援しています。

  5. 先生、こんばんは。
    普段たっぷり寝ている私なので、外的要因で眠れないと、ブレーキきかない状態になりますね。まだ、他人の目は意識出来るので、通報されるようなことはしていません。
    何とか家に着いて、旅のアレコレ片付けて、食事しました。
    「あたま山」といえば、この落語をもとにした新作狂言で「さくらんぼ」というのがありますよ。(狂言の「新作」は明治以降に作られたものです。)
    狂言は小道具、大道具アリですから、頭の上に小さい桜の木を付けて主人公が登場します。
    ひと目見てぶっ飛び、内容も面白いです。
    すぅさんの「桜色のアベニュー」は、実はちゃんと聴いたことないのです。もっぱら動画をただ見しているせいか、全員で歌っている曲を見て(聴いて)います。
    BABYMETALは日本の紙媒体にも沢山出て来ましたね。
    別冊カドカワと、日経エンタテインメント読みました。
    彼女らのスランプ時期とか、ゆいもあが背が伸びて身軽にジャンプ出来なくなったけど、徐々に筋力が付きパワフルに跳べるようになった話とか、「ああ、そうだったのか!」と思いました。
    次の診察日まで、もう一度東海道往復になるのですが、こういう世界に触れると、暗いだけの世界から浮上出来ますね。エネルギー配分も考えながら、休みつつ進む、という感じです。

    1. トモトモさん、こんにちは。
      新作狂言「さくらんぼ」って面白そうですね。
      しかしながら、いつも思うけれど、よく知っていますね!
      BABYMETALの記事、面白そうですね。
      紙媒体なら馴染みもあるから、さっそく探して読んでみます。
      日常は色々と大変そうですね。エネルギー配分と、ブレーキ機能、大切に頑張りすぎないように頑張って下さいね。
      ではまたね。

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