ベン・ジョンソン

陸上選手のベン・ジョンソンをご存知だろうか?
カール・ルイスのライバルみたいだった人です。
僕が、ベン・ジョンソンでいまだに忘れないのは、ソウル・オリンピックで金メダルをとった日の朝日新聞の夕刊の記事で、

「子供の頃、ジプシー占いをしてもらって、そうしたら、【あなたは歴史に名を残す人になるでしょう】と言われたことがある。
それがこれのことだったとは」というような喜びのメッセージだった。まだドーピングが発覚する前のインタビューである。

ベン・ジョンソンをネットで検索したら、

【1961年、カナダの生まれで、
1984年、ロス五輪に出場し、カール・ルイスが優勝した100mと、4×100mリレーで銅メダルを獲得。
1987年の世界選手権男子100mでカール・ルイスを破って9秒83の世界新記録(当時)を樹立。
1988年ソウルオリンピックの100m決勝で9秒79の世界新記録(当時)を樹立して優勝。
しかし、競技後のドーピング検査で陽性反応が出たことで、世界記録と金メダルを剥奪された。
2002年にティム・モンゴメリが9秒78を出すまで幻の記録と呼ばれ、
ギネスブックには「薬物の助けを得たにせよ、人類が到達した最速記録」と掲載された。
1992年のバルセロナオリンピックの100mに出場したが、再びドーピングで陽性反応が出たため、
公式の陸上競技大会からは永久追放され、IOCの第1種ブラックリストに登録された】、とあった。

歴史に名を残す、ってこういう意味なのだ。

僕も、ジプシー占いに凝ったことがある。
住まいの一室を、占い専用の部屋にして、結構本格的な儀式的なお清めをした。
そのせいか僕のジプシー占いは良く当たると評判だった。
中でも思い出深いのは、A君とB君のことだ。

A君は高校時代の仲間だったが、A君は現役で医学部に入り、
浪人生の僕を尻目に外車を乗り回し、青春を謳歌していた。
灰色の浪人生活とは、もう別の世界の住人なんだな、とイジケタものだ。
そんなA君が遊びに来た時、占ってやったら、「長いお別れ」というカードが出た。

僕は、こいつは彼女とドライブでもして、こっちとの付き合いを切るつもりなのだ、とカードを読んだ。
そうしたら、そのわずか数ヵ月後、A君はその外車で交通事故で即死した。
「長いお別れ」とは、それだった。

B君は、僕より賢かったが、受験運がなく、2浪していた。
B君は、秋頃、「今年は大丈夫!」と余裕をかましていて、「占ってくれ」とえばって言った。
「苦しみからの解放」と出た。

結果に喜んだB君は、「実はオヤジのコネでC大学に入学出来そうなんだ」と打ち明けた。
僕は、このご時勢に、裏口入学なんてあるかな?と疑ったが、B君の成績を知っていたから、
正面突破でも受かるのだろう、と得心した。
しかし、その数ヵ月後、大人の事情があったらしく、そのせいでC大学の入学はペケになり、B君は自殺した。
B君は、背負ってる物が大きかった。「苦しみからの解放」とは、そういう意味だった。

僕はつくづく思った。
ジプシー占いは当たるけれど、リーディングは、ほぼ不可能だ。
後になって、「そっちの意味かぁ」と判るもので、僕の出した結論は、「だから、やっても意味がない」、だった。
僕はそれを機に、ジプシー占いを封印した。はたちの時分だ。

人生は出たとこ勝負。だから占いは受付の占いくらいが丁度いい。↓。結構、当たるし。

最後に、漫才のナイツ風のギャグを考えたので、それを紹介して、しめくくりにします。

「ヤホーで調べたんですが、皆さん、ベソ・ジョソソソ(べそ・じょそそそ)って知ってますか?」
<あぁ、「ン(ん)」を「ソ(そ)」って読んじゃったのね>

BGM.加藤和彦「それから先のことは 」


6 Replies to “ベン・ジョンソン”

  1.  カール・ルイスとの一騎打ちはリアルタイムで見ていました、
    それ以前の陸上競技に関しては年齢的によく分かりませんが、
    当時の彼らは、アマチュア競技である筈の「陸上」を「金のなる木」
    にした、言わば「主役」達でしたね。
    (勿論、仕掛け人や取り巻きの連中は当然の様にいましたが、、)

    「ベン・ジョンソン」は日本人がいじり易い名前で、よく
    「ジョン・ベンソン」なんて言い方もされていました。(笑)
    ドーピング問題でよりいじられたのでしょうが、
    ドーピング問題がなくても、多少は言われたと思います。
    (オヤジギャグ好きとしてはそう思うのです、、、冷汗)

    なので、
    「ベン・ジョンソン」の名前を見ると、まず
    「ベン・ジョンソン」なのか?「ジョン・ベンソン」なのか?
    確認する癖がついてしまい、
    更に、今は普段馴染のある名前として、ジャズギタリストの
    「ジョージ・ベンソン」
    がいるので、実際に数秒間、頭の中で確認作業を要しました。(笑)

    ベン・ジョンソンと日本企業のエピソードで、
    自動車メーカーのマツダがベン・ジョンソンに当時マツダが誇ったスポーツカー「RX-7」
    を贈ったのですが、ベン・ジョンソンは普段フェラーリに乗っており、
    RX-7に乗っている姿を見たことがない、とマツダの担当者が嘆いていたとか。

    時を経て、もう引退しましたが、「ウサイン・ボルト」が陸上界を沸かせてからまだ記憶が新しいと思いますが、
    このボルトは頼まれてもいないのに、日産スカイラインGT-R(R32型)(1989年-1994年)
    を好んで日本人的に「改造」までして乗っていたらしく、
    そのニュースに日産が驚喜したのは言うまでもなく、
    その後当然の様に日産からボルトに非常に高価になった新型「日産GT-R」を贈呈した経緯がありました。

    この記事を読んでいて、また、それにまつわる話等も思い出したりすると、
    やはり「人生の縮図」だなぁ、と、またまた思った次第です。

    思う人に思われないで、思わなわい人に思われる、
    なんてのは、珍しくもなく日常的にあちこちで起こっていることですし、
    「人間万事塞翁が馬」の引用もまた然り。
    ただ、それらのことを「人生の縮図」だなぁと、しみじみ思えるには、
    ある程度の人生の長さが必要だなぁ?と改めて思いました。

    無料の占いはいいですね、名実ともに何もうらない、のですから。(笑)

    1. ボクシングファンさん、こんばんは。

      ジョン・ベンソンね(笑)
      確かに、あの時代は華やかでしたね。
      世界陸上だっけな、ミスターがスタンドから、「ヘイ!カール!ヘイ!カール!」と呼びかけて、無視されるシーンのビデオを持ってます。

      ボルトは、サッカーをやると聞いたけど…。
      ハリスの旋風、じゃないけれど、運動神経のいい子って、どんなスポーツやっても、1番になりそうで、
      室伏とかイチローとか佐山サトルが他の競技をやってたらどうなるんだろう?と考えるけど、
      100m走だけは、本当に100m走で1番になった人が世界一なんだろうなぁ、と思いますね。

      占いのダジャレ、面白いですね~ではまた~

  2. ジプシー占いはやりたくないですね。暗示していて怖い…
    占いといえば昔あまりに運がないので新宿の母を訪ねたら定休日で、冷めた気持ちになったのを想い出しました。今はせいぜい水晶玉子のネット占いをちらっと見る程度です。

    1. トカゲのしっぽさん、こんにちは。

      新宿の母、懐かしいですね…
      今もいるかしら?
      占いはどうしても気になっちゃうから、深入りしないようにしてますよ。

      ではまた~

  3. なんか先生のその二人の友人の話は切ないですね。
    交通事故は状況が解らないと過失なんだか、被害者なんだかわかりませんが、その年で友人の死は中々受け止められません。

    もう一人のほうがもっとショックです、なんで相談してくれないんだ、なんで気づけなかったんだ、と日々自問自答するでしょう。

    人間いつかは死にますが、死に方が大事ですね、もし、自殺するにしても。

    1. sinさん、こんにちは。

      A君とB君のことは、かたとき忘れていたとしても、きっと必ず、思い出します。
      談志は、生前、希望する死因について、「ふとした病い」がいい、って言ってました。

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