14/ⅩⅡ.(土)2019 寒い。田中みな実の写真集(本日発売)が届く。
茶番劇が行われていた。それは権力者の「寝床」のようなものだ。↓。
そこに正義感の強い、シラノ・ド・ベルジュラックが乱入し、即興の詩で圧倒した。
♪ゴアが出るのは~ミラーマンじゃなくて~マグマ大使なり~♪。↓。
皆の前で恥をかかされた権力者は、シラノをうらんだ。権力者の隣には娘の美女・ロクサーヌ。お花の冠をしてる方です。↓。
シラノはかねてから、ロクサーヌに恋心を抱いていたが…シラノにはコンプレックスがあって、告白できなかった。それはシラノがとても醜い鼻の持ち主だったから。↓。
手塚治虫の「火の鳥」シリーズの猿田みたいだ。下が、猿田。↓。
ある日、ロクサーヌに呼び出されたシラノが聞かされたのは、シラノにとってショッキングなことであった。↓。
ロクサーヌが好きなのは、美男のクリスチャンだった。両想いだった。↓。
しかし、このクリスチャンは顔がいいだけで、中身はからっぽ。ボキャブラリーに乏しく、ロクサーヌに恋の告白をするラブレターの文章も書けないのだ。
そこでシラノは、自分がラブレターを代筆するから、それをクリスチャンが書いた事にして、ロクサーヌに送るように提案した。↓。
心理豆知識。ここでシラノがクリスチャンにとった行動は、心と態度が裏腹ですね。これを心理学では、「反動形成」と呼びます。↓。
それからロクサーヌとクリスチャンは恋仲になりますが、ある夏の夜、ロクサーヌの家のバルコニーで恋を語りあう時、クリスチャンは平凡なセリフしか出ません。たとえば、野菊の墓、の名台詞が「民さんは、野菊のような人だ」をパクろうとして間違って、「君は、春菊のような人だ」とスキヤキの具みたいなことを言ってしまいます。これでは、バカボンのパパと同じです。ロクサーヌが幻滅し始めてますね。↓。
そこにシラノが駆けつけた。辺りは幸い薄暗い。木陰から、クリスチャンになりすまして、美しい愛の言葉を代演します。
♪忍び逢う恋をつつむ夜霧よ~わかっているのか二人の仲を~晴れて逢えるその日まで~隠しておくれ~夜霧~夜霧~♪
ロクサーヌはうっとり聞き入ります。↓。
そしてその言葉に酔いしれたロクサーヌは、クリスチャンに、令和はじめてのチュウ、を許します。↓。
シラノも自分の恋文がロクサーヌに喜ばれ嬉しくなります。投影性同一視という心理機制です。投影性同一視は、分裂(スプリッティング)をベースにした未熟な防衛機制だと言われています。↓。
少し、説明が必要ですね。
ある女の子がお母さんに叱られて家を出されます。↓。
そこで捨て猫をみつけます。猫に自分の姿を投影します。↓。
そしてお小遣いで食べ物を買って与えます。「ほら、お食べ」。↓。
ヌニャヌニャ。猫が喜んで食べます。↓。
そして捨て猫の心を満たすことで自分の孤独を自分で癒してることになるのです。これを投影性同一視と言い、シラノがクリスチャンを使って、ロクサーヌに愛されたと喜んでるのも同じ心の働きですね。
未熟な防衛機制だと言われるが故に、未熟であるからこそ純粋さを感じさせますね。↓。
ここで物語りは新展開です。
権力者がシラノとクリスチャンを戦場に送ります。↓。
いとしのロクサーヌは、「戦場へ行っても必ずお手紙をちょうだいね」とおねがいします。↓。
シラノは約束通り、戦場から手紙を送ります。危険な中、必死にロクサーヌとの約束を守ります。↓。
クリスチャンはいくら阿呆でも気付きました。ロクサーヌが愛してるのは自分じゃなく、恋文の内容なのだと。ヤケになったクリスチャンは無謀にも前線へ飛び出して、銃に撃たれて死にます。まるで、ロバート・キャパの戦場写真のようです。↓。
下が、ロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」。↓。
クリスチャンの死を知ったロクサーヌは修道女になります。お花の冠も捨てました。↓。
毎週毎週、シラノはロクサーヌを訪問する習慣になっていました。1週間の習慣です。↓。
ところが、ここでまた急展開。ある日、ロクサーヌの元に向う途中のシラノを、シラノのことが気に入らない権力者が背後から襲いました。致命傷か?。↓。
命からがら、ロクサーヌの元に向ったシラノ。ロクサーヌは、クリスチャンの手紙を読み返していました。↓。
そこでシラノが、ロクサーヌに、「クリスチャンの手紙」を読んで聞かせることにします。↓。
ロクサーヌはクリスチャンから貰ったラブレターをシラノに始めて見せて、シラノに読ませました。
スラスラと読むシラノ。♪忍び逢う恋をつつむ夜霧よ~今夜もありが~と~う~♪。
そこでロクサーヌは気付きました。こんな真っ暗な中で、しかも怪我を負ったシラノが手紙を読めるなんて。そして決め手は、この声です。この声は、かつてバルコニーで聴いた声。あなた、だったのね。シラノ…。↓。
シラノはさっきの打撲でもう死にます。でも、死ぬ前にシラノは自分の言葉でロクサーヌに告白できました。シラノは、ロクサーヌの腕の中でしずかにしずかに死にました。↓。
こうしてシラノは死にましたが、最期に、いとしのロクサーヌの肌にふれたことが、シラノはとても幸せだったといいます。おしまい。
BGM.吉田拓郎「夜霧よ今夜もありがとう」
シラノ・ド・ベルジュラックは、日本でも新国劇で上演されています。その際、シラノは、「白野弁十郎」。クリスチャンは「栗栖(くるす)生馬」。ロクサーヌは「千種(ちぐさ)姫」といったそうです。ダジャレですね。
日本プロ野球の黎明期に、巨人軍に沢村栄治と並んでスタルヒンというロシア人投手がいました。色んな理由でスタルヒンが日本名にした時、「須田博」と名乗ったのと同じですね。
『あなただったの?』ラストのシーンでそうとり交わされていた作品に、チャールズ・チャップリンの『街の灯』があります。中学生の頃に見たっキリなのですが、母親の近くで涙を抑えるのが超・大変だったという苦行を強いられ、あんまいい印象は残りませんでした。
私は安得烈と彫(ほ)り付けた小さい墓の前で、「これは何と読むんでしょう」と先生に聞いた。「アンドレとでも読ませるつもりでしょうね」といって先生は苦笑した。 《夏目漱石『こころ』より》
こころはもう何度読み返したか判りません。 ワリと好き嫌いの分かれる作品らしいですね。 村上春樹は難色を示していました。
旭川スタルヒン球場では今でも公式戦の巡業が執り行われているのでしょうか。札幌円山にはチケット貰ってよく行ってました。
BGM. The Police 『Roxanne』
P.S. 兵士の白黒写真が出て来たので?思い出したようです。
プライベート・ライアンの狙撃手が好きでした。
銃身を構えて狙いを定め、胸元に下げた十字架にキスして引き金
を引くんです。 彼はもぅ殆ど外さなかった。
戦車の砲撃でヤラれちゃったけど。
散文気分さん、こんにちは。
街の灯、のパロディで原作漫画「おそ松くん」とアニメ「おそ松さん」に、「イヤミはひとり風の中」という作品があります。
これのオチは、原作を凌駕しています。興味があったら昔の記事をどうぞみてやって下さい。
・山川合作(マンガ) 、と、・ゴミ箱③(アニメ) です。
ポリスのロクサーン、懐かしいですね。これは娼婦の歌ですね。
僕は「マグダラのマリア」の影響が強いのかな、娼婦と修道女とナースは似てると思っています。
ペストが流行って医者が逃げ出しても看取ったのは教会の修道女だと言うし(メメント・モリ、って言う奴ですね)、
最近の看護の教科書にも「治療できない病気はあるが、看護出来ない患者はいない」と書いてあります。
僕が高校生の時に塾で「誰にでもやらせる女」というのがいました。「公衆便所」と陰口を叩かれていました。
僕にエッチな周期表の覚え方を教えてくれた上級生です。
僕はどちらかというと「性に」潔癖症でしたが、彼女の評判とは違う側面=やさしさ、とか、さびしげ、に魅かれていました。
彼女も年下の僕の好意を知ってたはずです。僕は将来、彼女と結婚しようとも思ったのですが、それは受験の大変さからの現実逃避だったのかもしれません。
そして彼女は誰にでもやらせる「天使」みたいな慈愛を持った女性でしたが、僕にはそういうことをさせませんでした。
そういうことでまた美化してしまうから、男ってバカですね。