1/Ⅵ.(金)2012 はれ
ずっと診察室の机の上に黒いボールペンの跡がついていて、丁度、それが短い髪の毛みたいに見えて、
ほぼ99%の人が髪の毛と見間違えて、取ってくれようと指で触れても取れなくって、「あっ、ペンの跡かぁ」、と気付く、
ということが続いていた。そして僕は、それを放置したままで来た。
今年も今日で6月になり、気分一新、その髪の毛みたいなペンの跡を、消してみようと思い立った。
理由は、今日から6月だから、というたったそれだけ。
普通の消しゴムで消えるかな?、とは思ったけれど、試しにゴシゴシとやってみたら、消しゴムのカスが、
ニョロニョロニョロと、まるで気の良い寄生虫か何かのように、いっぱい湧き上がって来て面白かった。
しかもその効果で、ペンの跡はキレイに消えました。
今はもうだれも、髪の毛だと見間違えることはないでしょう。
僕らの人生は、過去を振り返ると「汚点」というのでしょうか、消してしまいたい記憶が誰にでも有りますね。
そんな汚点を消せる消しゴムがあれば、欲しがる人も多いのでしょうね。
寺山修司の実験映画に、その名もズバリ、「消しゴム」という作品があって、色んな思い出を消して行って、
確か、最後には自分自身を消して終るんじゃなかったかな?。そんなフィルムが有りました。
僕らの仕事は、過去の嫌な記憶を消すことではありません。
どんなに嫌な記憶にも、それぞれにはそれぞれの意味があったのだろうし、消せない事実なのだとしたら、
それらの一つ一つに納得の行く意味付けをしてあげて、心の置き場を見つけてあげる必要があるのでしょう。
そんな作業の手伝いをする。
そういうのが精神科・心療内科・カウンセリングの仕事なのだと思います。
今回の先生のブログは、純粋に心に響きました。
川原先生に会えてよかったです。
BGM:アイズレー・ブラザーズ/心のハイウェイ
(たびたび先生の真似をしてすみません。)
やられメカ
BGM.って、言葉で伝えきれないものを伝えたい時に便利だと思いませんか?
ちなみに、アイズレー・ブラザーズってのも、哀愁ありげなグループですね。
おはようございます。
消してしまいたい記憶が、誰にでもあります。
汚点を消せる消しゴムが、あれば楽ですね。
でも人間には、忘れることが、出来ます。
忘れることを与えてくれた神様に感謝をしなければ、いけませんね!
これ、チューリップの曲のパクリです。
あんころもちさん
当時の歌は歌詞に力がありましたね。
その寺山修司の映画は、面白そう。最後に自分自身を消すっていうのは感覚としてわかる気がします。
人間って、自分がこの世に存在していたことを残したい人と残したくない人とのふたつに分かれるのでしょうか。お墓もいらないし、骨を粉にして、跡形もなく土に帰っていけたらいいなぁ、と思ったりします。
お花を植えてもらったらうれしいかも。先生たちにお手伝いをしてもらって、早く心の置き場を見つけたい。私的に、このエントリーのBGMは「お弁当箱」です。
花の香りさん
なぜ、判りました??
僕は、これを書いてた時、「お弁当箱」が頭の中で勝手に流れていたのです。
過去もそうですが今現在も汚点ですけどね。
mayuさん
そんな自虐的なことは、言わないで下さい。
いつも、コメントありがとう。
私も心の置き場の整理を手伝ってもらいたい・・・・と先生のブログを読んでしみじみ思いました。
Sinさん
日常の生活を送りながら、並行してそういうこともやって行きましょう。
・・・初めて院長っぽい文章を読んだような気がします(←すごい失礼)。
もちろん私にも、消してしまいたい記憶は数え切れないくらいあります。
でも、うっかり手がすべって、消したくない記憶が消えてしまったら・・・と思うと、その消しゴムは怖くて使えない
かな、とも思います。
記憶って、良い記憶も悪い記憶も、すべてが連鎖して、そしていまの自分がある、と私は思うようにしています。
散々悲惨な目に遭ったけど、悪いことばかりでもなかったし、まあ今考えれば自分も相当ひどいことをしたし、
その悲惨な経験があったからこそ、いまの自分がある。そう考えると、少し気分が楽になるような気がします。
先の東日本大震災で被災された方々の精神的ダメージは、間違いなく私たちの想像をはるかに超えるものと
思います。被災された方々にもいつか、心の置き場が見つかることを願ってやみません。
passnetterさん
いいコメントですね!
本当に、いいコメントです。
(最初の一行をのぞけば)。
『消ゴムニョロニョロ』ってけいおんの楽曲にありそうではないですか?
mayuさん
いかにも。文房具の歌は多いですね。あと擬音も。