1/Ⅹ.(木)2020 朝、小雨。中秋の名月なので、受付のスーちゃんに、水晶を月光で浄化指令。スーは恥ずかしそうに夕暮れの大岡山北口商店街でクリスタルを満月にかざす。
芸能人の自殺者が続く世の中なので緊急提言。皆さんは、エロスとタナトスって知ってますか?
簡単に言うと、エロス=「性衝動」とタナトス=「死の本能」です。ベクトルが逆だと思うといいです。なので、タナトス(死)に傾いたら、エロス(性)を増やそう!という企画です。
こないだの、タモリ倶楽部は、あいみょん、と、かまいたちをゲストに迎えて、春画、の特集でした。
あいみょんは、春画のコレクターでもあり、官能小説の回にならって、かまいたち、との共演です。
春画は、放送できませんから、一部、「タモリ倶楽部のマーク」で隠してました。
春画とは現代で言う漫画みたいなもので、性行為をみてる第三者が存在し、その一言が、画面に記されています。
たとえば、夫婦の性行為をみてしまった乳母は、愛液がしたたりおちる、と言いながら興奮しそれの象徴のように画面右で茶釜が沸騰しています。
その解説に、あいみょんは思わず両手を頬にあて体を左右に振ります。
年下の男児を誘惑する女の性行為を覗くのは、女の友人2人で、わたしもあんな子ならしたいは、と言い、画面には初体験の象徴の梅の花弁が舞います。
この解説にも、あいみょんは満面の笑みでご満悦。
そして、あいみょんが選んだグランプリ作品を「お見せできる部分だけ」三角形に切り取って、Tシャツにプリントして、かまいたち山内が着ます。
あいみょんはタモリに「これいい!私、Mステ、これ着て出ます」と大興奮。タモリが適当に流すと、同じセリフを二度言いました。
きっと本当に着て出るのでしょう。その時、タモリがどう対応するかが見物ですね。
ちなみに、あいみょんが選んだ春画は、亡くなった夫の墓石の前で犯される未亡人。犯人は寺の住職です。
下は、10年前のいくつかの記事の編集です。↓。
僕が小さい頃、父親は雷おやじだったので~父は大正生まれで戦時中は樺太や満州などで苦学したらしい~いつも怒ってたので、僕は「早く死ねばいいのに」といつもいつも思っていた。
ただ、父が死ぬと生活が困るのは判っていたから、あの世から送金されるシステムができないものかと考えた。
逆に、母が死んだら僕はどうやって生きて行っていいか判らない。だからカルメン・マキの「時には母のない子のように」というヒット曲を聞くとやるせない気持になり、母が死んだら後を追おうと決意した。母が死んだら死ねる場所をいくつかみつける。僕は泳ぎが出来ないので、海や川は候補から外した。死ぬことより溺れることの方が恐ろしいからだ。茅ヶ崎駅から少し離れた所に開かずの踏切があり、そこなら確実だと考えた。何度か下見に行った。
ある日、線路の脇の草むらにエロ本が捨ててあった。中味を見た。オバさんがセーラー服姿で載っていて、吐き気をもよおしたが、掲載されてるマンガがシュールで面白かった。誰かが定期的にエロ本を捨てる場所だったらしく、僕は「エロ本の墓場」と名付け、いつしかそこに本を読みにいくのが愉しみに変わっていた。
エロスがタナトスに勝利したのだ。
後日、茅ヶ崎ライオンズクラブあたりが「有害図書ポスト」みたいなものを設置してエロ本の不法投棄はなくなった。小学校低学年の頃である。そして僕はその頃には、あまり真剣に死について考えなくなっていた。
話は父に戻るが、父は胃癌でリタイアしてから僕に歩み寄った。
僕が普段着ていたつなぎ(ダウンタウン・ブギ・ウギ・バンドが着てたような奴)を自分も着たいと言うから、藤沢の東急ハンズで買ってきてあげ、そろいで着て喫茶店に行ったりした。医者に止められてるはずのタバコも、僕が吸ってる銘柄のsometimeに変え、
「メンソールは茅ヶ崎に合う」と僕のチョイスを絶賛した。
父が死ぬ直前~兄はもう医者になっていて僕は医学生だった~僕は毎日、学校の実習を終えるとお見舞いに通った。
父には「癌だ」と言わない約束だった。母も兄も、内緒にしておくのがよいと判断したのだ。僕は医学校で「尊厳死」なんてものを習ったばかりだったし、大体嘘をついてるのが嫌だったから、ある日、2人きりの時にすべてを教えた。
父も医者だったから判っていたようで、
「達二、告知というのは大事なことだ。何でも告知をすればいいものでもない。
その時、その人によって、告知すべきか、すべきでないかと考えるのも医者の仕事だ。
主治医が告知しない方がいい、と言うのだから、今の話は聞かなかったことにする」
というようなことを言われた。
父が死んだのは、進級を左右する大学の定期考査の直前で、まったくもって迷惑な時期に死んでくれたものだと恨んだものである。
いつの世も、クラスにはアイドル的存在な子がいるもので、AZもその1人だった。
AZは外見は可愛いいが、あまりブリブリ・キャピキャピしてなくて、さっぱりした親切な人だった。性格的には男っぽいのかもしれない。
だから、恋愛の対象として大ブレークすることはなかったが、隠れファンは多かった。
AZ人気がブレークしない別の理由は、もう何年もつき合っている彼氏がいることだ。
AZは自慢するでもなく、かと言って秘密にもしてなかった。
AZが21才の頃。AZの誕生月は11月なのだが、その誕生日の前に彼氏と別れたらしい。この噂は一瞬にしてクラス、学校中に広まった。もうじきAZの誕生日、ここはひとつ「バースデー・テープ」を作りAZに贈り誰のテープが心を射止めるかという恋のレースが始まった。で、このレースの行方がどうなったかというと、AZは僕らのプレゼントをとても喜んでくれ、「ありがとう」と感激してくれた。どのテープが一番良かったかを聞いたら、AZはやんわりと「人に順位はつけられない」みたいなことを言っていた。
そんなAZは1年後の11月、僕の父親のお通夜に試験直前にもかかわらず顔を出してくれた。医学部の生徒は優しい人が多い。友人が気を利かせてAZを引っ張ってきてくれたのだ。
「喪服が色っぽいね」と僕が言ったら、AZはとても優しい笑顔で「無理に明るいふりをしなくていい」みたいなことを言って、
それから何かを思いついたらしく、ファッションショーのモデルみたいにクルっと一回転して喪服姿をサービスしてくれた。