5/Ⅴ.(木)2015 はれ
会場の空気が出来上がっていた。前説にもアンコールがおきる程。
あばれる君は、「前説でアンコールいただくのは、はじめてです」とマジで言っていた。
志の輔がパルコの何ヶ月連続公演をやる時、必ず千秋楽に、
「今日のために練習を重ねてきました」と言うギャグを言う約束があるが、そういうのはあるのかもしれない。
仕上がり度で言うと、二日目の昼(つまり今回)が1番だったと思う。
今回の席は2階席の前の方、3回目の公演にもなると、なるほど、ここはこういうことかと判ったりもした。
僕の周りは、20代の女子達に囲まれ、左隣の一人で来てた女の子が、お誕生日ソングのサビの、
♪願いをこめて、リボンをかけて♪
の歌詞の時に、サイリウムをクルクルしてリボンをかけるみたいな仕草をすると良いとレクチャーされた。
こんな可愛い子(普通の子)がしょこたんのライブに来るんだぁと思った。
BGM.中川翔子「make a wish」
つづく
しょこたん30才のバースデー・ライブ~5/5-②
5/Ⅴ.(木)2015 はれ
しょこたんは雨女で、爆笑問題の田中も雨男。
二人で降水確率0%の沖縄にロケに行ったら、見る見る晴れ間に暗雲たちこめて台風が来たという逸話がある。
しょこたんのライブやバスツアーはいつも雨だった。
それが、いつからかしょこたんは、雨女じゃなくなった。2日間快晴だったし。
4公演ラスト。WOWOWの放送が入ってた。
開演前にファンの代表からメッセージカードが座席に配布されて。アンコールの際の「おねがい」。
そう言えば、しょこたんと言えば、アンコールの際に、客席が「空色デイズ」を歌うのが定番だが、
昨日の夜の部は一切、「ソライロ」のコールがなかった。
これは、今回、僕もすごく思ったのだが、客層が変わったのだ。しょこたんが雨女じゃなくなったように。
今回の記事では、そこを少し掘り下げてみたい。
4公演をやり通したしょこたんは感動して、「ぼっち卒業」宣言をした。
10代はひきこもりで、ぼっち星に生まれたと思わないとやってこれなかった。
20代はライブ。皆との出会い。夢がかなった。
30になり、この2daysたくさんのファンとゲストに囲まれての、ぼっち卒業宣言、だ。
でも、これ大丈夫かな?
ファン、離れないのかな?
「もうオレ(ワタシ)はいらないのね…」みたいな。
でも、今日の様子を見ていたら、それもないね。
皆、しょこたんの自己実現に我が身を投影してみているみたいだし。
特に20~30くらいの若い女性ファン、それも非オタクっぽい普通の感じ、が多かった。
しかし、年を重ねたアイドルに若いファンが新たにつく、というのは珍しいことだと思う。
今日のファン代表からのメッセージは、昔を知らない新しいファンが外来種のように増殖してる危機感ともとれる。
なぜ、しょこたんなのか?
その鍵は、「今を生きる」ではないだろうか。
精神医学的には、我々は、今を生きる、のを前提とすると、過去に生きる人を、うつ、未来に生きる人を、不安と定義する。
うつ、の人は時間軸が過去へと向いてるから、何でも「あの時ああしとけば」「あの時ああしなかったら」と発想する。
一方、不安な人はそのベクトルが未来へ向いてるから、「この先どうなるのだろう」「こうなったらどうしよう」と、
先取り不安になる。
だから、精神科医は「我々は今を生きるんです!」と言うが、
その背景には「過去があるから今があり、今をしっかり生きることが未来に繋がるのです」ということがセットなのです。
しかし、今の若い人達(若くない人もそうだが)は、今を生きるのが精一杯で、過去も未来もみてる余裕がない。
「今を生きる」のではななく、「今だけを生きている」。
今回の2daysで、予定調和的に結論めいたものは、
水木一郎の言う「今が一番楽しい」(水木はしょこたんの倍の年)、
小林幸子の言う「年をとればとるだけ楽しい」、
「しょこたんは、今を一生懸命生きてるから素晴らしい!」は非の打ち所がなく、
ゲストにその点をリスペクトされ、「年齢なんか考えないで!」と激励されて、
(これだけ、30、30、とあちこちに書いてあるから、それはそれで矛盾してて面白かったが)
「いつまでも自分らしく」「好きなことをして」みたいなことを言われていた。
そんな生き方の啓蒙が、どうも腑に落ちなかったのだが、これが実際にはスムーズに受け入れられていて、
オタク系ファン代表が警告を出す程、ファンは新陳代謝されていて、
それも若い女子が多くて、ある種、「しょこたん的生き方」みたいなものに皆が惹かれ出している。
これは危険なものを背負わされることになるのではないか?
そんなことしたら、しょこたん、おなか壊しちゃうぞ。
そんな「自己実現」とか「ぼっちが陽の目をみる」とか「こんな私だって、いつか報われる」なんてサクセス・ストーリーは、
AKBの指原さんとか、でんぱ組にまかせておけばいい。
しょこたんが背負わされて走らされようとしてる道の先に、言っとくけど、水木や幸子はいないぞ。耳など貸すな。
そんなものを、しょこたんに背負わせてはいけない。オレが阻止する。
今回は、しょこたんの30才のバースディ・ライブのレビューだったが、実はしょこたんは、32、という数字を何度も口にしていた。
32、はしょこたんがとても大切にしてる数字で、敬愛するブルース・リーが死んだのが32才。
そして、しょこたんの父親が死んだのも、32。
もう正直、今回でしょこたんのコンサートはやめようと思っていた。
去年のバスツアーは、ベルハーの2ndワンマンと日程がダブり、ベルハーをとってしまった。
しょこたんは、ぼっち卒業、だって言うし、もう見届けたと一瞬思った。
しかし、何やら雲行きがおかしい。
今回、ライブで流されたVTRで、中川翔子の歴史みたいなものを振り返る映像があったが、
それをみたしょこたんの感想が、「走馬灯」。
走馬灯、って死ぬ時にみる、思い起こすものの表現じゃん。
にわかによぎる悪い予感。しょこたん、32才、死亡説。
僕はしょこたんの応援をここで一区切りにしようと思っていたのだが、33までは見守ろうと思い直した。
33、って女の本厄じゃん。
BGM.中川翔子「愛いっぱい、せいいっぱい」
つづく
談志生誕80周年、パート2
14:00くらいに終わったから、一階下のお好み焼き屋で、コースとボジョレーヌーヴォーを頼んだ。
解禁後3日目らしい。
奥まった席だったが、僕の近くの席には、美人の女とその子供(小1、聞いた)と安岡力也みたいな男が3人で、
和気あいあいとしていた。
どんな関係かはどうでもいいが、うるさい。
そのうち、ガキが、「これ食べるとウンチになるよ」と笑って、何度も連呼している。
小1には、ウンチ、というタームが面白いみたいで、はしゃいでいる。
大人たちはそれを注意しない。
昔、高倉健の任侠映画を観終わった客が肩で風切ったように歩いて行くのと同じで、
僕は、談志まつり、のあとだからか、ボジョレー2本目だったからか判らないが、
その席にまで寄って行って、大人は無視して、子供の目をジッとみて、
<坊や、食べ物屋さんで、ウンチ、なんて言っちゃいけないよ。僕は不愉快な気分になったよ。
あとね、もっと大事な事、それ、つまんないよ>と言った。
安岡力也(似)は、拝むようなポーズですまなそうに謝って、美人は無言で子供を連れてトイレ(?)に消えた。
やっと静かになったかと思ってたら、安岡力也(似)がウエイターにお水を注文して、お店の人が持って来たら、
力也はどうやら常連みたいで、「今日、混んでるね。どうしたの?」と聞いてて、
そうしたら店の人が、
「上で談志さんの会があったんですよ」と答え、そうしたら力也は、「談志かぁ…」と天を仰いだ。
立川談志はみんなの心に生きている。
でもさ、1番話が通じたのが、この小1の子で、ひょっとしたら、この子はこの場を壊したかっただけなのかな、と思ったりした。
BGM. 荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」
充電期間
16/ⅩⅡ.(土)2016 明日は12月の定例会、今月の定例会は忘年会!
クリニックの受付は、今、大平さんと(ソネ)さんの2交替制。
それに加えて、音叉問題の余波もあり、今、新患さんをストップしているので、この頃は待ち時間も少ないでしょう?
それを一番実感しているのは、僕です。
朝9時にスタートして、昼休みをきちんととれ、夜9時に終わることさえある。
そんな日は、すごく楽。
でも、よく考えたら、これがフツーなのかも…
今はカワクリも僕自身にとっても充電期間。
年末年始ということもあり、催し物やイベントが多く、お出かけの機会も増える。
明日は、カワクリの忘年会。
月曜は、志の輔「歓喜の歌」。
祭日は、昼が志らく「芝浜」、夜はベルハーのライブ。
クリスマスも、ベルハーのライブ(あれば)。
最後の月曜は、志らく「シネマ落語」。
大晦日は、ベルハーのライブ(あれば)。
年が明けて、2週目はミュージカル「わたしは真悟」。
3週目、小朝&昇太の春風亭二人会。
4週目、さくら学院「公開授業」、談春「居残り佐平次」。
5週目、志らく&志ら乃親子会。
2月は、1週目がお笑いライブ。
2週目が、当たれば、さくら学院。
3週目は、大学の同窓会。
と、このように予定の詰め込み過ぎが目立つ。
応募する時は、「want~したい」で購入したチケットが、
ライブ当日には、「must/should~しなければならない/すべきである」の気持ちにスイッチすることが多い。
気分転換のはずが義務に変わってる。
コレクションを完全コンプリートする時のモードと似てて、まるで毎日が仕事みたい。
この現象を僕は、「ライブ当日の行きたくない症候群」と名付けて、ひとり、おびえている。
BGM.吉田拓郎「純情」
11月はおとなしくしてよう⑮~さくら学院祭・続
14/ⅩⅠ.(月)2016
昨日の、さくら学院祭、のオープニングは、まさかの夏にやった舞台「秋桜(しゅうおう)学園合唱部」のパロディの寸劇で
始まりました。
これは、さくら学院の制服ではなく、セーラー服だから新鮮です。
11月3日にDVDが発売されていますが、今は売り切れで追加生産中です。
秋桜学園は、人里離れた田舎にある由緒正しいお嬢さん学校で、規律の厳しい寮生活を送っています。
そこに破天荒な少女が転校してから巻き起こるドラマで、「イジメ」が原因で廃校の危機にある学校を、
女生徒達が合唱部を立ち上げ、コンクールを勝ち進むことで学校を救うというストーリーです。
僕はこの舞台を観た時、映画「野のユリ」を思い出しました。
「野のユリ」は母が好きな映画で、子供の頃、何度も何度もテレビの洋画劇場で放映されていました。
その都度、母は、「野のユリ」は良い映画ねぇ、と感嘆していました。
それはこんな話です。
その街にやって来た風来坊を、始めは教会のシスターは嫌っていました。
ところが教会が何かの圧力で潰れされそうになった時に、その男が中心になってシスター達と合唱団を作り、
人々の関心を集め、歌で教会を守るというお話です。
11月3日が「秋桜学園合唱部」DVDの発売日、11月5日が母の誕生日です。
今日の休みを利用して、「秋桜学園合唱部」と「野のユリ」を2本続けて観てみようと思いました。
ところが、うちには2台ブルーレイ・レコーダーがあるのですが、なんと2台ともディスクの再生が出来ません。
ケルト民族やアメリカ・インディアンは、先祖の魂は亡くなった後でも、身近な者のそばにいて、
身近な物に宿って、しるし、を送ってくれると信じていたと聞きます。
母が、何かを伝えているのでしょうか?
現代は昔のように足で映画館を回ったりしなくていいような便利な時代になりました。
その分、「いつでもみれる」、と、「その瞬間」を大切にしなくなったのかもしれません。
母は、「その時その時を大切にしなさい」、ということを伝えたいのでしょうか?
そう言えば、中学でブラバンに入ったら、先輩から最初に教わったのは課題曲のレコードの聴き方で、
「いいか、川原、これを1回しか聴けない、と思って聴けよ」とレコードを渡された時に言われて、
僕は今でも言いつけを守って、そうやってアイドルのCDの新譜などを聴いています。
「野のユリ」ですが、機械が動かないので仕方がないから、ネットであらすじを調べてみたら、
僕の記憶と全然ストーリーが違っていました。
だから上に書いた「野のユリ」の筋は間違っています。「秋桜学園合唱部」も違うかも…。
こういう間違いは、何故起こるのでしょう?
多分、フィーリングで覚えてるからで、細部は自分の知ってる他の作品を組み合わせて構成してるからなのでしょう。
人間の心の営みではよくあることなので、あまり気にはしないようにしています。
それより、ブルーレイを直さなきゃ。
11月はおとなしくしてよう⑭~さくら学院祭
13/ⅩⅠ.(日)2016 今日は舞浜
クリニックは今、カードキャプターさくらフェア展開中です。↓。
さくら、と言っても、さくら違い、今日は、さくら学院の文化祭に行ってきました。舞浜アンフィシアター。
ここは、しょこたんの30才のバースディをやった僕にとっては聖地です。
円形のコロシアムで、どこからでも見やすいです。
僕は、しょこたんの4公演を(2日間2公演づつ)別の席から観てるので実証済みです。
そんな僕の席は、A2列。しょこたんの時もそうでしたが、1列目には人を入れないので「2列」というのは最前列。
日頃の行いが良いのだ。運はこういう所で使いたいものだ。↓。
さくら学院のライブはスタンディングは禁止。皆、着席したまま応援用のフラッグを振る。下が、フラッグ。↓。
僕は最前列だから一生懸命に旗を振ろう。
こないだ友人(女)が好きなアーティスト(男)のライブへ行ったら最前列だったそうだ。
彼女はレアなグッズやTシャツで完全装備して行って一心不乱に応援したら、それにエキサイトしたアーティストが、
ステージ上から手を伸ばして彼女の頭を抱えてギュッと自分の胸に抱き寄せてくれた、という話を聞いたばかりだ。
あわよくば僕も同じ目に…?
さくら学院のステージはメンバーが動き回るから、全員のメンバーが交代で目の前に来てパフォーマンスをしてくれる。
外タレのコンサートなどでは座った席運で、「ずっとベーシストしか見えない」なんて悲劇もあるが、それがない。
至近距離で全員のメンバーを観たのだが、中でも、さすが、倉島 颯良、と、岡田 愛、のオーラは別格だった。
彼女らはステージ上からのぞきこむような姿勢でこちらを見て、目と目が合ったら、ニコリと微笑む。
手を伸ばせば届きそうな距離だ。嬉しさ(?)を通り越した。と・ま・ど・い。ドキドキ。
少女には無条件に「正義」があるらしく、彼女らは絶対的な自信を持っている。正直、ちょっと怖かった。
山道で熊に遭遇したら、下に逃げるのではなく、上に登れという。
そうすると熊より目線が上になり、熊は自分より大きいと勘違いして逃げて行くそうだ。
そんなエピソードを思い出して、後日、大平さんに話したら、「じゃ、センセーが、熊ですか?」と笑われた。
スタンディングは禁止、にはそういう効果もありそうだ。
太宰治の「女生徒」の一節ではないが、もしこの中から誰か一人を選んで結婚しなくてはならない、としたら…、
などと考えたら、僕は、新谷 ゆづみ、にします。
彼女は僕の好みの風貌で、かつ、前に立たれても心に非侵襲的だったからです。
下は、当日の販売グッズの生写真。左から、2番目が、新谷 ゆづみ。↓。
文化祭は、寸劇で始まり全員での歌の他、部活ごとの歌もあったが、中でも、面白かったのは、「さくらデミー女優賞」。
6人のメンバーがエントリーされていて、ラブコメっぽいシチュエーションに合わせて、男がグッと来るセリフを
(女でも可)各自が考えて、女優になりきってセリフを言う大喜利風の好評企画だ。
ちなみに男役のセリフは会場の観客が全員で声を揃えて(揃わない)担当する全員参加型。
お題のシチュエーションは、
ヤンキーにからまれてるところを先輩が助けてくれる。ところが先輩はヤンキーにボコボコにされる。
そこに駆け寄って、「センパイなんでそんなに無茶をするんですか?」とメンバーが言う。
すると先輩(観客)が、<それは、俺はお前のことが、す…す…なんでもねぇよ>と答える。
ここまでがシナリオ。
それを受けて、どんな歯の浮くようなフレーズを言うかを競い合うのだ。
そこで何が面白かったかと言うと、コンテストの形式をとっているから、一人づつが前に出て演じる時に、
残りのメンバーは後ろで待機して、順番の子のセリフを聞いているのである。
僕は席がステージに近かったので、センターで演じてる子より、残りの5人のリアクションがよく見えた。
後ろに控えてる彼女たちは、「off」で、スクリーンにも、セリフを言う順番の子のアップしか映らない。
つまり、後ろの彼女らの「素の顔」が見えたのだ。
それは、たとえば、ある者は「キャー」って叫んで嬉々として両手で自分の頭を抑える、とか、
ある者は、凍えるように自分で自分を抱きしめるようなポーズで目を閉じたまま俯いて顔を左右に振る、とか、
ある者は隣の者と手を取り合って地団駄を踏む、とか、
ある者は幼稚園のお遊戯の小鳥のダンスのように両手を羽の様にして、チュンチュンと飛び跳ねる、とか。
しかし、彼女らは、アイドルだ。
だからファンに見られてることを意識してステージに上がってる訳だから、その時点で「素」とは言えない、とも言える。
しかし、そこは反論したい。
お笑い芸人の誰かが(フジモン?)、アイドル全盛期の小倉優子のことを回想して、こんなエピソードを言っていた。
それは公開番組の収録で、お笑い芸人が下ネタを言ったら、小倉優子は大笑いしたのだが、
カメラが小倉優子の顔をとらえた瞬間に、不機嫌そうな表情に切り替えたそうで、そのタイミングがバッチリで、
「この子は、プロやわぁ」と思ったそうだ。
そんな、「公開番組の収録中に小倉優子が下ネタで笑う」、を「素」だとカウント出来るのなら、
さくらデミー女優賞のこの子らのリアクションも同じ次元のものとして「素」と呼んでも許されるのではないだろうか?
つまり何を言いたいかと言うと、「素」の顔が見れて良かった、というお話でした。
BGM.さくら学院「目指せスーパーレディー2016」
絶望という名の果実
7/24(日)は、渋谷WWWでベルハーの「絶望音楽祭2」。
もともと、どこかのバンドと対バン予定だったらしいが、相手がみつからず、ワンマンになったとか。
それでもって、急遽、この日はオタさん(ファン)の生誕祭になった。
通常のチケットが、2-3千円だが、生誕祝いをして欲しい人には1万円のチケットが売り出された。
アイドルの生誕祭は今や必ずあるが、ファンの生誕祭は聞いたことがなく、珍しい。
タイムリーにも僕は、7/24生まれだから、そのチケットを買った。↓。
申し込み時に、似顔絵の写真を送れ、とのことだから、似顔絵を描いてくれることは薄々勘付いていた。
渋谷WWWは、スペイン坂を登り切った所の、パルコ・パート3の対面の地下にあるライブハウス。
確か、昔、単館映画を上映してる映画館だったところだ。
客席も段々畑みたいになっていて、3-4フロアあるが、どの席からもみやすくて、綺麗な会場だ。
ベルハーのライブは、盛り上がると、モッシュやダイブが多発して危ないから、僕は2段目で観てた。
オープニング・アクトの、ヤなことそっとミュート、に続いて、ベルハーが登場。
気合の入ったライブ・パフォーマンスと、音響の不具合が荒削りで、エッジが効いていた。
ライブも盛り上がったところで、ビッグウェーブ担当のブッチが登場。
「ヨォ、ヨォ、ヨォー!どーよ。今日は何の日か覚えてる?」
みたいなことを言って、ファンの生誕祭をまさかのここでブチ込んだ。
今日の生誕チケットを買った人は僕を入れて全部で13人だった。
それぞれ名前を呼ばれて、ステージに上げられた。
我々は、ベルハー・メンバー手作りの画用紙で作った冠をかぶせられ、後でメンバー全員とのチェキを貼って、
記念のアルバムをくれるとのこと。
そして、みずほが「前日に買った」という白いリコーダーで、♪HAPPY BIRTHDAY TO YOU~♪を吹くから、
「皆さん、正座して下さい」と、13人はステージに並んで正座させられた。
一生のうちで、観客が凝視するライブハウスの舞台で正座をするなんて滅多にない貴重な体験をした。
当日は僕のトモだちも会場に来てて、こっそり僕のステージ上の写真を撮ってくれていた。
これこそ、本当の誕生日プレゼントですね。
トモだち、ありがとう。
下が、手作りの冠をかぶってステージで正座して、みずほのリコーダーを聴く僕の醜態。↓。
そして、昨日の夜、メンバーが愛を込めて作ったという、ミルクレープ、も2ホールお出ましした。
クレープと生クリームがシンプルに何層にも重ねられている。
壇上にいる生誕祭のファンは皆、筋金入りのようで、ケーキが出てくると、メガネを外し出した。
僕が<?>と言うと、彼らは「お約束でしょう」と笑った。
<えっ?パイ投げ?>と僕はちょっとゾッとした。
しかし、結局は、そんな過激なことはなく、ライブ終演後に、切ってくれることになって、僕らはステージを降りた。
なんか他のお客さんに悪かったですね、普通の誕生祝いになっちゃいました。
後半のライブも盛り上がって、アンコールを2回もやった。
ライブの後は、チェキ会。13人は、メンバー全員とケーキと記念撮影。
その時、ケーキをくれるのだが、お皿とか用意してないから、僕らは手の平にケーキを置かれて。結構な大きさだ。
どんな好きな人のでも、手作りって口に入れるのは少し抵抗があるのだが、そんな潔癖症も、
手の平にケーキを置かれたらぶっ飛んでしまって、あわてて、頑張って食べた。
みずほが、「たつじさん」と書いたプレートをミルクレープの上に飾ってくれたが、僕の携帯の写メは壊れてるので、
ケーキの写真はとれませんでした。まぁ、記録より記憶に残しておきましょう。
そして、これがベルハー・メンバーからもらった愛に満ちあふれた手作りの記念アルバムです。
表紙を、みずほ、が書いてくれました。↓。
中をめくると、似顔絵をメンバーが1人づつ描いてくれてました。
受付の大平さんに撮影してもらったので公開しましょう。
1ページ目の、甘楽(かんら)が1番、送った写真に忠実です。↓。
6ページ目は、皆の寄せ書き(カイちゃんだけ書き忘れ)の中央にさっきの全員チェキ。↓。
メンバーの寄せ書きにも書いてありましたが、ネイルを誉められたので、翌日25(月)美容院に行きました。
ネイルのテーマは、「トロピカル・フルーツ・ポンチ」にしました。
親指と中指と小指がフルーツで、人差し指と薬指がポンチです。↓。
こんなデザインのネイルにすると、実際にフルーツ・ポンチを食べたくなりますね。
そこで、その足で新宿小田急の千疋屋へ行きました。
今のシーズンは桃のパフェが美味しそうでしたが、フルーツ・ポンチ・パフェを食べました。↓。
さて、なんやかんやで、僕は1レベルアップした訳です。
ところで「地下アイドル」の地下とは、まだメジャーに認知されてない、とか、地下のライブハウスを根城にしてるの他に、
距離が「近い」の「ちかアイドル」という意味があるのも皆さんは知ってました?
「絶望音楽祭2」はまさにそんな感じでした。
最後の物販コーナーで、みずほのチェキを撮りました。
みずほは白いリコーダーで、♪HAPPY BIRTHDAY TO YOU~♪を吹いてくれたのですが、途中で、
「わかんなくなっちゃった」と言って、笑いました。可愛かったです。おしまい。↓。
中の人
1/Ⅶ.(金)2016 はれ、暑い
しょこたんの30才のバースディ・ライブが、東京ディズニー・リゾートで、2日連続計4公演行われる。
寝坊をしてしまってはいけないので、ディズニー・オフィシャル・ホテルに前乗りで2連泊する。
GWの最中に部屋を確保するのは大変だったが、たまたま高額な部屋にキャンセルが生じたというので、
そこをキープした。
その部屋はサービスも豪華で、お部屋にミッキーやミニーなどお馴染みのキャラクターが訪問してくるらしい。
ちょっと前、テレビで田原俊彦のファンクラブのお泊りツアーで、トシちゃんが一部屋づつ訪問して、
ファン(オールド)はお部屋にいっぱい飾り付けをし、トシちゃんをもてなす、という番組をみて、
<この世にそういう空間があるのも、誰に迷惑をかけるでもなし、いいんじゃないか>
と何故かしみじみと思ったものだ。
何を言いたいかと言うと、ディズニーのファンは、ジャニーズのファンに負けず劣らず、熱狂的だ。
もし、ミッキーやミニー達が部屋に来るとなったら、それなりのもてなしというか、それ相応の覚悟を持って、
迎えるのだろう、ということで、僕にそれが出来るだろうか。
この与えられた至福のシチュエーションで、ミッキーやミニーちゃんをガッカリさせるのはすごく悪いこと、と
今の日本で国民投票をしたら、そう言われそうだ。
あ~あ、なんで会いたくもないディズニー・キャラクターの着ぐるみに悩まされなきゃいけないんだ。
僕はただ純粋に、しょこたんのバースディを祝いたいためだけなのになぁ。
着ぐるみで思い出したのだが、小倉優子が、中居くんと、とんねるずの石橋が司会をしてた「うたばん」に
ゲスト出演した時、「オンナのコ オトコのコ」を歌うバックダンサーに、ウサギやクマやリスやネコ、などの
動物達の着ぐるみが出てきて一緒に踊った。
歌い終わったあと、喜んでウサギの着ぐるみと抱き合う小倉優子に中居くんが、
「ゆうこり~ん、気をつけろ~!そいつ、中身、男だぞ~」と言っていた。
それと同じことが言えないだろうか。
いくらディズニーが夢の国とは言え、しょせん着ぐるみ、中身は人間だ。
僕の部屋に訪れるキャラクター達にも、中の人、がいる。
そんなことに思いを馳せて、妄想力を駆使して、イメージ・トレーニングしてみる。
ホテルの部屋の扉にノックの音がした。
ミッキーとミニーが軽快でコミカルな挨拶をしてくれている。
あの落ち着きのない独特な動きと低身長の正体は、林家ペー、だ。
そうなると、ミッキーのおどけたポーズに両手で口をおおって笑うミニー・マウスの中の人は、林家パー子だ。
この調子でシュミレーションを続けてみる。
ノックの音がした。
扉を開けると、そこには、グーフィー、がいた。
グーフィーの面をとると、首に手ぬぐいを巻いて、額いっぱいに汗をかき、
「いや~、川ちゃん、仕事は選ばないとダメだね~」と、満面の笑みの、ポール牧が。
また、ノックの音がした。
そこには、何の着ぐるみも着てない、蛭子能収、がいた。
「あの~、この部屋へ行け、って言われたもんですから~」と聞き慣れた、なまり口調で、頭をかいている。
僕はエビスさんを部屋に招き入れ、ルーム・サービスで、お酒とつまみをとって、夜景をみながら差しで呑む。
<エビスさんの初期のマンガは天才的ですが、途中から明らかに手抜きになりましたよね>と僕の言葉は上の空、
エビスさんは、
「いや~、只の酒はウマイですねぇ」と無邪気に笑った。
念のために言って置くけど、これ全て、ファンタジーですからね。IT’s ディズニー・マジック!
またまた、ノックの音がした。
そこには急いで駆けつけて来たような荒い息づかいの、ドナルド・ダックがいた。
ドナルドの面をとると、それは、しょこたん本人だった。
しょこたんは、ドナルドが好きだから、それで選んだのかな?
僕が<どうしたの?>と聞くと、しょこたんは「来ちゃった」と笑う。
僕は、<ウチくる?>と部屋の中を指差して言うと、しょこたんはシンバルを叩くように、肘を折って、
両脇をしめる動作を早いスピードで2回繰り返し、「行く!行く!」と答えた。
そんな妄想と戯れながら、当日、ディズニー・ホテルに行くと、僕はメカ音痴だから、ネット予約の仕方が間違っていて、
特別室ではなかった。
でも、全然いい。
そういうサービスは本当に好きな人のところに行ってあげるべきだと思うし。
さて、いよいよ、次回は、「しょこたんの30才のバースディ・ライブ2Days」(1年前)のレビューです。
BGM.さくら学院(クッキング部ミニパティ)「ハッピーバースデー」
みらくる(大スキ)LUCKY POP
11/Ⅹ.(日)2015 Zepp DiverCity(TOKYO)
今日はお台場に中川翔子のライブに行き、ゲストが小林幸子でした。
春の、でんぱ組とのコラボ(パンチライン)に引き続き、秋は小林幸子とのコラボだからです。
しょこたん&さちこ、とスリーショット写真を撮りました。
ライブの後の撮影会は、普通は「チェキ」なのですが、今回は「写メ会」でした。
これはブログに使っても良いという意味かしら?
顧問にも相談して、アップすることにしました。
紅白に出れるように応援(宣伝)したいというファン心理からです。↓。
紅白に出れるといいな。
皆さんも余力があったら応援して下さいね。
あっ、しょこたんのバースディ・ライブ(GW)の記事、書かなきゃ。
BGM. しょこたん❤さっちゃん「無限∞ブランノワール」
予告ブログ④~「BELLRING少女ハート」のライブのレビュー
29/Ⅳ.(水)2015 はれ
近年はアイドル戦国時代と呼ばれているが、僕はかねてからベルハーの「朝倉みずほ」に注目している。
それは、「朝倉みずほ」のパフォーマンスにではなく、「朝倉みずほ」の持つファンのキープ力が、
我々の臨床にも通じるものがあるのではないか、とニラんでいるからで。
この日のライブ、「あくび」~BELLRING少女ハート&川本真琴withゴロニャンず~では、
みずほのそれを説明するのに、うってつけのエピソードがあったので紹介しようと思います。
今日の記事は前日の記事、「GWはライブ三昧~今日は新宿LOFT」の続編です。
これを最後まで読んでくれて、みずほ、を知らない人は、みずほ、を理想化するかもしれません。
断っておきますが、僕が言いたいのは、みずほ、の持つキープ力の高さと洗練さが我々の日常臨床にも参考になるのでは?
という点で、アイドルとして朝倉みずほの歌唱力とかダンスとか演技力とかが卓越しているという意味ではないですからね。
ユーチューブで、
「2014.2.15 BELLRING少女ハート 朝倉みずほちゃん生誕特典」という動画をみつけました。
「夏のアッチェレランド」と「ボクらのWednesday」の2曲を無人の会場でピンで歌い踊っています。
どう感じるかは人それぞれですが、とりあえず、ぶっ飛ぶと思います。
3回みると中毒になるから要注意です。
話を4月29日(水)の「あくび」~BELLRING少女ハート&川本真琴withゴロニャンず~のツーマンライブに戻します。
ベルハーのオープニングは、旧メンバー4人で「ライスとチューニング」。
いきなり、みずほ、のラップ!
その後、新メンバー3人が加わり他3曲を披露した。
詳しいセトリを知りたい人は、ベルハーのホームページから「もえち」のブログへどうぞ。
「もえち」は、いつもライブの様子やセトリを詳しく書いてくれているので、それを参照すると楽しいです。
そして、川本真琴withゴロニャンず、にバトンタッチ。
僕はそこでライブハウスの後方に移動。
ツーマンの良い所はお互いのファンが出番によって場所を譲り合う所だ。
川本真琴は何曲か歌った後のMCで、
「今日のお客さんはベルハーのファンですか?それとも川本真琴の目当ての方ですか?」
と客層の大体の分布を把握して、
「大丈夫です。川本真琴のファンでも知らない曲ばかりですから」
と言って会場の笑いを誘った。
それが川本真琴の現役感で、単なる懐メロ歌手とかアニソン歌手ではないというプライドにもみえた。
気が付けば、僕の陣取ったすぐ横にベルハーのメンバーとプロデューサーが立っていた。
彼女らは、こうやって日夜、客席から、先輩達の芸を観ているんだ。
やっぱり、芸は盗め、って言うのが正しい姿勢だな。
教育カリキュラムなんか充実させたって、逆に甘えが生じて、後身は育たないのかもしれないな。
そんなことを思って、僕も川本真琴のステージを観賞した。
しかし、ステージがブレて見える。ベルハーのオープニングで暴れた時に、メガネを落としてしまったようだ。
僕はお客さんには失礼して、床に這いつくばって、往年の横山やすしのギャグの様に、メガネ、メガネって探してたら、
ベルハーや川本真琴のファンは親切ですね、一緒に暗がりの中、僕のメガネを探してくれました。
そして、川本真琴の演奏中なのに、川本真琴のファンが僕のメガネを発見してくれました。
その瞬間、周囲には小さな拍手も起こって。ありがとう。皆、やさしい。
しかし、僕は大森靖子ちゃんのコンサートの時もメガネを忘れて行くなど、眼鏡関連の失錯行為が多すぎる。
きっと、これは物の見方が狂ってるぞ、とか、正しく物を見直せ、という「しらせ」に違いない。
御眼鏡にかなう、って言い回しもあるな。
目上の人に気に入られたり、実力を認められたりすることの意味だったと思う。
御眼鏡にかなわなくなって来たのか?
色々と思うことはある。
だけど、まずは、メガネの度数を調べ直す所から始めてみよう。
タロット占いと同じで、深読みは危険だ。
ステージでは、川本真琴はトロピカルな曲調の曲を中心に披露して、自分の出番を終えた。
そして、一旦、引っ込んだと思ったら、ベルハーのメンバーを呼び入れ、お約束の、コラボ・タイム。
「FNSうたの夏まつり」では、川本真琴はしょこたんと競演したそうだから、ここで「1/2」を期待した。
だけど川本真琴、しょこたんとのコラボで何かトラウマでも受けたのかな。
川本真琴は、言行一致、コラボでも、徹底して自身の代表曲をやらなかった。
かと言って、気合は十分で、ベルハーと川本真琴はこの日のコラボのために、練習を積んで来たと明かした。
その選曲は「男女」という、可愛いにも程がある、ベッキー・クルーエルが世に出た曲と、
ローリング・ストーンズの「サティスファクション」の2曲だった。
「サティスファクション」は「満足」の意味だが、予定調和的に言えば「1/2」をやらないのは少し「不満足」だったな。
ちなみに、「もえち」のブログのセトリには、「サティスファクション」のことを、「サディスファクション」って書いてあった。
「もえち」はベルハーの中では年長な方だが、そうは言っても若いから、ストーンズのこと、よく知らないみたいで。
きっと、攻撃的なロックな姿勢=ドS=サディスティック、とサティスファクションが混ざっちゃったんですかね。
そんな誰の得にもならない考察をしてみました。
「サディスファクション~」。
そして、ライブはベルハーが再登場して、大いに盛り上がった。
ベルハーは、ライブ会場でグッズを買うと、スタンプカードにハンコを押してくれる。
下が、ベルハーのスタンプカード。アストロモンスのフィギュアに持たせてみました。
ちなみに、アストロモンスは「ウルトラマンタロウ」の初回に出て来た怪獣。↓。
上のベルハーのロゴ・マークをネイルに取り入れてみました。↓。
僕は「あくび」の記念Tシャツを買ったら、30ポイント溜まって、メンバーのコメント入りDVDと交換可能になった。
僕はてっきり、あらかじめ録画されているものをくれるのかと思ったら、1枚づつ作ってくれるらしく名前を聞かれた。
そして、「誰のDVDにしますか?」と聞かれて、これもてっきり全員が揃ってメッセージをくれるのかと思ってたら違う。
推しメン、を選んで、そのメンバー1人がメッセージを吹き込んでくれるみたいだ。
僕は、ベルハーという特異なアイドル・ユニットに興味があって、特にこの子を推している、というのではない。
でも、不意打ちで、誰か1人を選択しなければならい場面になった。
後ろには行列が出来ている、考えている時間はない。
僕は、「ソフィーの選択」の、メリル・ストリープのように反射的にメンバーを選ばなければならなかった。
その場面で、咄嗟に僕の口から出たメンバーの名前は、「みずほ」だった。
スターに必要なのは、こういう引きの強さだ、とよく言われる。
そして僕はコインを2枚、もらった。これ何に使うの?
僕はベルハーのライブは久し振りで、セカンド・ワンマン以降、物販のやり方がよく判らないので、
詳しそうな人に聞いた。
すると、そのコインは1枚でチェキを、もう1枚でそのチェキにコメントを入れてくれるらしい。
ライブが終了してから、チェキ列が出来る。
僕はコインを2枚握り締め、「みずほ」の列に並んだ。
みずほ、の列だけ異様に長く、みずほの列はすぐ受付終了になっていた。
僕が始めてベルハーを知ったのは、新宿のタワレコのインストア・ライブだった。
その日、何かの用事でたまたま寄ったのだが、それは運命なのかしら、彼女達のステージに出くわし、
衝撃を受けた。
黒いセーラー服にカラスの様な羽根をはやした衣装は、アイドルらしくない。
メンバーは6人とクレジットされているのにも拘らず、ステージ上には3人しかいない。
音程は外れ、踊りもバラバラ。
そして、1曲歌い終わる度に、お互いの立ち位置が違うとか歌詞を間違えてるとか注意しあっていた。
今時の若い子は器用だから、素人でも、もっと達者だ。学芸会以下のステージだった。
しかし、楽曲は良くて心に沁みて、ハラハラさせられるパフォーマンスは目を離せず、
結局、最後までライブに釘付け。
勢いでCDも購入して、握手会にも参加してみた。
ベルハーのファンは握手をする時に長くメンバーと喋るから、自然と時間が押していた。
タワレコのインストア・ライブは時間きっちりに終らせないといけない。
ベルハー関係者は焦っていた。
約束を破って、2度と使えなくなったら困るからだと思う。
僕は後ろの方の順番だったが、途中から、ベルハーのスタッフが長いファンを打ち切るように介入して行った。
そして僕の番になった。
僕はその時は誰が誰かも判らなかったから順番に握手して記念にチェキを撮って帰るつもりだった。
今思うと、その時の3人は、じゅり、と、もえち、と、みずほ、だった。
順番に握手をして、彼女達が何か言うのに相槌をうつだけだったから、スピーディーだった。
僕はベルハー・スタッフから「早くして」とお願いされる事態にはなりようがなかった。
そのはずだった。
ところが、みずほ、である。
最後の、みずほ、は前の2人と違って何も喋らない。ただニコニコしている。
僕が握手を終え、その場を去ろうとしたが、みずほ、は手を離さないのである。
僕は戸惑った。みずほ、の力はそんなに強くはなかった。しかし、その手は解けなかった。
つかまった、という感じだ。キャッチされた、という感覚だった。
ジョン・レノンを射殺したチャップマンの愛読書としても有名な「ライ麦畑でつかまえて」で主人公は、
将来なりたい職業などはないが、もしなるなら、ライ麦畑のつかまえ役だと語っていた。
それは、広いライ麦畑に大人は自分しかいなくて、後は皆、子供で、子供は夢中で走り回っているけれど、
ライ麦畑の向こうは絶壁みたいな崖で危なっかしい。
なのに子供達は走ってる時は、どこを走ってるかなんて見やしない。
だから、そこでの仕事は、崖から落ちそうになった子供を見つけたらさっと素早くつかまえてあげること。
そんなことを1日中やるのが仕事。本当になりたいものはそれしかない、と言う。
僕は常々、精神科の仕事は、ライ麦畑のつかまえ役に似てるなぁ、と思っている。
そんな「ライ麦畑でつかまえて」の原題は、
THE CATCHER IN THE RYE
だ。英語に詳しい人に聞いたら、CATCHには、捕獲して捕まえたらしっかりと離さない、
という意味があるらしい。
何を言いたいかと言うと、みずほ、の握手は、そんなCATCH、だったのである。
そのせいで、僕はベルハーのスタッフから、
「すみません。時間が押しているんで下がってもらっていいですか」と催促されて。
僕は<すみません>と恐縮して下がろうとするが、それでも、みずほ、はニコニコした顔で手を離さない。
すごい度胸だ。
僕はベルハーの運営スタッフからは離れてと言われ、ベルハーのメンバー(みずほ)からは離してもらえない。
どっちにすればいいんだ?という、ダブル・バインド状況。この初対面のインパクトは強烈だった。
僕の毎日の診療も、タワレコの握手会と同様に、時間との戦いだ。
なるべく1人の診察時間は長くしたいが、他の患者さんの待ち時間は短くしたい、と云う絶対的矛盾を併せ持つ。
精神療法的に云えば、絶対的矛盾が発見されたら、それはその人のテーマである、と言われている。
なるほど、まさにこれはカワクリのテーマだ。
僕はその解決策に、タワレコ体験を応用できないかとあれこれ考えたりもした。
強面のスタッフを雇って、
「もう時間だ、早く切り上げろ!」と診察室に乱入させ、僕はニコニコして、
<大丈夫、大丈夫>と面接を続ける。
みずほ、の真似をして診察場面でダブル・バインド状況を人工的に作ってみる。
でも、よく考えたら、ダブル・バインド・セオリーって精神病を作る親の態度だって、ベイトソンは言ってるから、
反治療的だ。
従って、却下。
「何をもって治療的か?」という議論もあるが、精神科で治療的だと言われている概念に、
ホールディング、というのがある。
holding
は、「抱えること」とか文字通り「抱っこ」と訳されることもある。
それは治療環境の提供とか、安全な環境のお膳立てとか、心理的な支持とか、
患者さんの抱える問題を丸ごと抱えるとか、多様な意味がある。
ホールディング、は「抱っこ」って訳があるから、母親的でやさしくフワッとした毛布でくるむような印象を持たれるかもしれない。
でも、これも英語に詳しい人に聞いたら、holding、にはcatching(捕獲する)の意味もあるらしい。
子供がライ麦畑の崖から落ちそうになった時に、つかまえるやり方は、やさしく抱っこするようなやり方では無理で、
手を引っ張って、力ずくで抱きしめて、安全が保障されるまで決して離さないことが大切だ。
ちょっと荒っぽくてもね。
それで思い出したのだが、ビートルズの初期の代表曲「抱きしめたい」は結構な意訳で、原題は、
I Want To Hold Your Hand
だ。
直訳すると、君の手を握りたい、だ。
ホールディングの文脈で云うなら、握りしめて離さない、って感じかな。
そうそう、みずほ、の握手ってそんな感じだったんですよ。
レノン=マッカートニーと意味的に一緒なんだから、ね、すごいでしょ?、みずほ。
そんな、みずほ、と握手するのは、随分と久し振りだ。
なんか最近は、ついついBABYMETALや上坂すみれや大森靖子に気が散っていたから。
さっきも言ったが、みずほ、の列は長くて、ライブが終ってかなり時間も経っていた。
明日は仕事だから、僕はササっとチェキを撮って帰ろうと思っていた。
すると、みずほ、は僕を見て、「あっ、久し振り~!」と手を振った。
そして、その手の平を僕の目の前に差し出して、「ちょっと待って」と言って、「かわはら、さん!」と名前を当てた。
名前を覚えててくれるのは、ファンとしては嬉しいものだ。
だが、人の名前を覚えるのが得意な人は一定数いる。
だから、これだけをもって、キープ力、と言っているのではない。
それは、つまり、こんなことなのだ。
僕は、みずほ、とチェキを撮り、それにコメントを書いて貰うのだが、みずほ、は「どうする?」と言う。
僕が<?>と応えると、みずほ、は「今度の時に渡すので良い?」と聞く。
みずほ、の列は長蛇の列だからね。
僕は、<今度って言われても…いつ来れるかな?>と優柔不断に迷っていると、
みずほ、は「じゃ、今度、渡すね」と次回予約をとってしまった。
しかも、それが営業的でもなく、強制的でもなく、お願いでもなく、おねだりでもなく、マニュアルでもなく、自然なのだ。
「じゃぁ、またね」って感じで。
僕は仕事柄、逆の立場になることはあって、なるべく、予約をとってあげるようにしてあげてる。
ただ、臨床の難しいのは、そう云う患者さんもいれば、逆に「もう来なくて良いよ」と言って欲しい人もいる訳で。
そういう人を見損なって、無理矢理に繋ぎ止めると、金儲け主義、とか悪口を言われそうだし。(笑)。
ま、そこの見極めはセンスですね。
我々の仕事は、営業色が出るのは致命的だけれど、お金と時間を使う価値がある、と思ってもらう説得力がなくちゃね。
経済原則の中で暮らしてるから仕方ないけど、お金が絡むと、縁とか誠意とかを証明するのは難しいけど。
そこもアイドルと僕らの仕事と共通する点があると思う。
みずほ、のキープ力の高さとは、僕のように1回離れかけたファンがフラッとやってきたワンチャンスを決して逃さないことで。
これは勉強になった。
アイドルのファンをやっていると複雑な心境になることが多い。
家で動画や音楽を聴いてる分には、自分とアイドルだけの2人の関係だけなのだが、
ライブ会場に行くと、自分より断然、気合の入った、年季の入った、ファンを見かける。
そうすると、何故か、ひどく落ち込むのである。
<俺の入り込む余地はないな>とか。
ファン同志の仲間に入ることも出来ないし、ついつい弱気になってしまうのだ。
それは、アイドルとの物理的な距離と反比例するのだ。
近いほど、そうなる。
だから、BABYMETALやきゃりーちゃん(アリーナ・クラス)では味わわない。
上坂すみれや大森靖子(中サン)でも、感じなかった。
しかし、ベルハーは近い。だから、実感してしまう。
そういうのが無意識的に働いて、ベルハーのライブから遠のき、他のライブに手を広げ、濃度を希釈していたのかもしれない。
サザンオールスターズの「シャ・ラ・ラ」じゃないけれど、
♪えり好みなどばかり良い訳ないじゃん、目移りがクセなのさ。あなたの事が頭にチラついて、シャ・ラ・ラ。♪
僕は想像するのだが、患者さんの中には、僕が今、言ってる事と似たような事を診察に対して思ってる人がいる気がする。
僕の臨床スタイルは、<入り口は病気の症状でも、結局は、人生での色んな相談事は事欠かないから、
診療は終わりがあるようで、明確な終わりはない>、というスタンスだから。
狭義の病気以外の人も、たくさん来ている。
だから、待ち時間が長かったり、待合室に患者さんが沢山いると、ライブハウスの時の僕の様に、「来てて良いのかな?」、
と考える人も多そうで。
僕にとってのベルハーのライブのように遠慮したり、いじけたりして、足が遠のく人も結構いると思う。
「僕みたいな相談で来てて良いんですか?」とか「もう良くなったから来なくて良いと言われるのではないかと不安です」
などと実際に言われることもある。
そんな風に直接、言える人はまだ良い。
思ってても、言えなくて、理由を語らないままに、自然とフェイド・アウトして行く患者さんもいる。
そういう人が何かのきっかけで、1年くらいして、フラっと再び、訪れることがある。
そこで肝心なのは、そのフラッと来たワンチャンスを、しっかりつかまえることで。
きっかけなんて、何だって良い。川本真琴くらいの理由で良い。
むしろ、しばらく来なかった理由を喋れるように話を持っていけると良い。
今さらって話かもしれないけど、今だから言えるって話もあるし。
と言う訳で、僕はベルハーのライブに再び、通うことになると思います。
月1定期公演「第一回消エル赤血球」に行くことにしました。
その報告は、また今度。
ちなみに、出会いの関係性は普遍的で、この日の僕も混んでるから、気を遣ってサッサと帰ろうとした。
すると、みずほ、は「早いよ、まだ行かないで」と僕を引き止めた。
「早いよ、まだ行かないで」と言うフレーズが、なんかセクシャルな意味を含んでるような妄想をしてしまい、
<こいつは魔性か?>と僕はそれで頭が真っ白になり、その後、みずほ、が何を喋っていたのか、全然、覚えてない。
さて、いよいよ、シリーズ、GWはライブ三昧~、は残すところ、しょこたんのバースディ・ライブ2Daysのみとなりました。
5月中に書き上げるぞ!
BGM. BELLRING少女ハート「ボクらのWednesday」