9/Ⅴ. (土)2020 はれ 日テレ「イッテQ!」、東スポスクープ(!)に振り回される。多分、例によって東スポがガセネタ。
初期のRCサクセションは3人組のフォークスタイルでした。と言っても使用してる楽器がアコギだったというだけで、曲はキヨシが作って歌はキヨシが歌ってますから内容的には、ロックであり、ソウルでありました。そんな初期のRCの佳作に「去年の今頃」という歌があります。
♪僕のうちにおいでよ、二人でコタツで紅茶を飲もう、オーティスのレコードでも聴きながら、ガッガッガッ、去年のように、去年の今頃のようにだよ~♪という歌です。
オーティスとは、キヨシが敬愛するソウル・シンガーのオーティス・レディングのことで、ガッガッガッ、はオーティスが歌の途中でがなる声まねです。僕は中学の頃に日本のフォークソングを時代にさからって遡って聴いていたから、RCのことも知っていて、この曲は特に思い入れがある訳ではないのですが、「もし将来、彼女が出来て、おうちに来たら、とりあえず、紅茶を出して、オーティスのレコードをかけよう」と教科書にしていた歌です。高2の秋、彼女がうちに遊びに来るシチュエーションがありました。ラブコメマンガみたいに、たまたま家族が誰もいない日でした。僕は彼女を部屋に通して、すかさずリプトンのティーパックで紅茶を2杯分作り、二つのコーヒーカップに注ぎ、右と左のカップに分けて置きました。曲は、オーティスと決めてたのですが、急に彼女が「去年の今頃」という歌を知ってたら、「こいつ猿真似野郎だな」と見下される不安が湧いてきて消し去れなくて、急遽、「レコードは別のにしよう」とアドリブをぶちかますことにしました。
ちょっと話は飛びますが、すぐ戻すので安心して下さい。昔、ショーケンと水谷豊がやってた「傷だらけの天使」というドラマのある回で、二人が何かのご褒美で、レコードを1枚買って良い、ことになり、嬉々としてレコード屋に行きます。テレビの画面は二人が、ビートルズだストーンズだアニマルズだモータウンだJAZZだとたくさんのレコードを吟味する楽しい場面を映して、急にカメラがパーンして二人のアパートに切替わります。二人が渋い顔をして腕組みして、レコードプレーヤーを挟んで無言で対峙しています。そこに流れる曲は、なんと、浪花節だったのです。わかりますか?つまり、人間はあまり一つの事を深く考えすぎるととんでもない選択に行き着くという教訓でした。僕はそんなことをちゃんと学習していたはずだったのですが、座学と実戦は違いますね。
僕はオーティス以外のレコードを選ぶのに当たって考え抜いて、あっ話戻しましたよ、なんとピーター・ポール&マリーという3人組の上品な(でも内容は反戦歌が多い)フォークコーラスのベスト盤をかけました。1曲目が、レモン・ツリー。「レモン・ツリーはベリー・プリティー」、という男がボーカルのささやくような歌で、当時でも教科書に載ってそうなモダンフォークです。2曲目は、悲惨な戦争、という歌でマリーという綺麗な歌声の女性ボーカルが、英語の意味はよくわからなくても、なんか戦争の悲惨さを必死に訴えかけてくるプロテストソングでした。今思うと、その子と僕の相性はよくなかったのだと思います。彼女も、ボーイフレンドのうちに呼ばれて親もいない二人きりのベッドもある密室でまさか反戦歌を聴かされるなんて思わなかったのでしょう。世は原宿で竹の子族が踊ってる時代です。何が悲しくて東中野のマンションで若い男女が正座して反戦歌を聴く?何の集会だ?彼女は勇気をふりしぼったのでしょう。悲惨な戦争、の最中に、「(レコード)替えない?」と言ったのです。僕がプレーヤーの針を持ち上げた瞬間、重苦しい雰囲気が溶けて、別の意味で気まずい重苦しさが生じました。そんな状態で、17-8才の子供にどんな処理が出来るものでしょう。自分を正当化するつもりはないですが、仕方なかったと思います。石野真子のライブ盤をかけました。マコちゃんが、未知との遭遇、のテーマ曲で登場し、次いでミュージカル調にスティービー・ワンダーやマリリン・モンローの歌を熱唱し、それに対する野太い声の親衛隊たちの「マコちゃ~ん!」と応援するコール&レスポンス。これもまたカオスでしたよ。僕は独り言のように、「オレはショーケンかっ」とつっこんだものです。
そんな「去年の今頃」という歌の思い出をお届けしました。皆さんの淡い初恋や今なら笑える恋バナや今更笑うしかない傷心や笑ってる場合じゃないトラウマがあったらドシドシ、コメントして下さい。
去年の今頃はどんなだっだか覚えてますか?5/1に元号が令和に変わったばかり。大岡山北口商店街には、鉄腕アトムの顔の部分がくりぬかれた段ボール製の記念写真撮影用のスポットができたり、↓、
GWには中野ブロードウェイに、ハクション大魔王のアクビ娘がやってくるのでそれを観に行き、↓、
ツーショットも撮って。↓。
まさか1年後がこんな世界になるとは誰も想像していなかったでしょう。
BGM. スティービー・ワンダー「愛するデューク」