キミにきめた

こんにちは。受付の大平です。

月曜日、私はやっとポケモンのゲームで四天王を倒し、ピカチュウから小さい花束を貰いました。

その熱が冷めないまま火曜の朝、出勤すると受付に大きな紙袋が・・・

 

中を覗くとポケモンたち!!

 

紙袋の横で杉山さんがその子たちを1体、1体、一生懸命拭いてきれいにしていました。

その様子を見ていた川原先生は「ウーロン茶のCMでこの茶葉は心優しい子達が1枚、1枚摘んだものです。ってやつみたいだね」と言っていました・・・が、そんなCMどこで流れているんでしょうか?

 

私も杉山さんをお手伝いしてルギアを拭く↓↓

綺麗になったポケモンたちは川原先生がゲットしてきた水色のバケツに↓↓

袋の中にはデジモンやからだの一部しかないポケモンもまじっているので分別します↓↓

頭しかないギャラドスは杉山さんの指にぴったり!!↓↓

しかし、これでは生首みたいだと指摘があったので先生にお家で胴体パーツを探してきてもらうことに。

次の日、海老の様な胴体パーツを発見し持って来てくれました↓↓

杉山さんギャラドス組み立て中↓↓

完成!!↓↓

ギャラドスはバケツの中に2体いるのですが、杉山さん曰く触り心地がいいのは透明のギャラドスみたいです。

 

バケツの中にはたまに透明のポケモンもまじっています。

ふつうのよりは少しレアみたいです。

私のお気に入りは透明ロコン。

透明ロコンのほうが顔が可愛いのですが右のふつうのロコンのポーズが好きです↓↓

ポケモンセンターのお姉さんのようにポケモンをなおして綺麗にしてくれた杉山さんのお気に入りはピィとヌオー。ちょっと杉山さんに似ています↓↓

うかいさんは最近テレビで毒キノコの番組を見たようで、毒キノコに似てるからという理由でグライガーとラフレシアがお気に入り↓↓

川原先生のお気に入りはギターを弾くニャースとサングラスをかけたゼニガメ団リーダーのゼニガメ。先生はこの2匹と一緒にたくさん遊んだみたいですごく汚れています↓↓

このポケモンバケツは入口のゴジラのところにあるので皆さんもお気に入りを探して見て下さい。

うかいさんは『ポケモン言えるかな?』を歌い、このバケツの中を探っていましたよ。

川原先生は・・・カラカラを探し中・・・

見つかったのはオコリザル!

また何かを探し中・・・

「イマクニ?がいたよ!」と喜ぶ先生!「イマクニ?は『ポケモンいえるかな?』を歌っていた人だよ」と説明までしてくれました。よく覚えていましたね!

さて、今回のポケモンといい川原先生はどこからこの子たちを持ってきたんでしょうか・・・

クリニックにあるものは先生の集めたコレクションです。このコレクションは皆さんもご存知の通り定期的に模様替えされ、しばらく見なくなったと思ったらそのうちまた登場することがあります。どこに保管しているのか・・・専用の倉庫でもあるのか・・・気になったので聞いてみると、川原先生は3階建てのお家に住んでいて、1階が先生のお部屋兼倉庫だそうです。このコレクション達とともに先生は生活しているみたいです。

どんなところか覗いて見たいですね。

 

BGM.カスミ・ラプラス「ラプラスにのって」


セクソロジー入門

30/Ⅰ.(水)2019 くもり 少しあたたかい 橋本治、死ぬ。70才、ジュリーと同い年。

人間の三大欲求は、食欲・睡眠欲・性欲だと言われ、うつ病では、これらが障害される。
だから、うつ病の評価スケールでは必ずこれらを含めたクエスチョンがされるべきなのだが、何故か、
(というより、わかるが)性欲については、聞きにくいし、喋りにくかろう。

ある大学病院で治験をやってる精神科医と話したことがあるのだが、女性に対して性欲の質問はしづらいと言っていた。
だけど、患者が喋りづらいことを聞くのが、こっちの役目だろうが、と思った。

実際、セックスのことで悩んでる人の潜在的な数は多い。悩みは色々。人それぞれ。
でも、食欲や睡眠より、性欲の悩みを抱えてる人が意外と多いのだということを同業者に言い回っている昨今である。

セックスはタブーである。
たとえば、青少年に見せてはいけない「なんとか指定」は、暴力とセックスの関連だろう。
テレビやお茶の間もあきらかな性的描写を排除する。

それで思い出したのだが、僕が小学校低学年の頃、12チャンネルで「ハレンチ学園」の実写を放送していた。
ハレンチ学園は文字通り、ちょっとエッチなシーンの多い、永井豪の原作のマンガで、それをゴールデンタイムに、
お色気ムンムンで発信してしまったのだ。

それは大評判になり、子供達は夢中になり、PTAは「俗悪番組だ」と目くじらを立てた。
その余波は僕らにも直撃して、
「毎週、木曜、7:30~8:00は、自宅学習しましょう」と学校から命令された。
まぁ、家で宿題をいつやろうがこっちの勝手だから、僕はルールに従わなかったが、結構、その影響力はあって、
その時間帯に勉強させられてる家庭のクラスメートはいた。
だから学校で「ハレンチ学園」の話をしても盛り上がれなかった。
いやらしい、やり方だよな、PTAとか大人って。
「ハレンチ学園」の放送時間を自宅学習の時間にしたのである。

そんな「ハレンチ学園」が文部科学大臣賞をとったそうで、永井豪の作品が続々と再版されている。
なんだか、しみじみするなぁ。「ハレンチ学園」が文科省に認められる時代まで生きてしまったのかと…。

当時、糾弾されてる若き、永井豪は、
「自分は性にめざめた頃、父親のエロ本をこっそり見た。しかし、少年の性への興味と、そのギャップは大きかった。
だから自分はそれを埋めるべく、ハレンチ学園、を描いている」
というような趣旨の事を、当時、PTAなどに吊るし上げられているテレビ番組や雑誌の対談で懸命に反論していたのを覚えてる。
札幌オリンピックの直前だった。

僕は中学1年の夏休み、中耳炎になりほぼ夏休み中、耳鼻科に通った。
そこの医者が良かったとか、そこの看護婦がやさしかった、なんて思い出はまるでなく、何の感謝もない病院だが、(中耳炎は治った)
そこの待合室にある「少年マガジン」に連載されていた永井豪の「イヤハヤ南友」が、なんとも、いやらしくて、楽しみで、
毎週、喜んで、その耳鼻科に通っていた記憶がある。

話を戻そう。
皆さんに、性欲について話をさせるなら、こっちからそういう話を切り出さないといけないのかな?と思い、今回はそういう回にします。
だから、性的な話が嫌な人は、ここから先は読むのをやめて下さいね~

オナニーをいつから始めるかは人によると思う。
時代とか文化とか学校の友人の影響とか大きいと思うが、ネットがある今だと、また違うのかなと思うが、
性的なことに関心を示すのは、やはり本人の目覚めだと思う。

僕が小6の頃、山上たつひこ、の「がきデカ」が人気だった。
僕は週末、東京の塾へ電車で通っていたから、その行き帰りに、「少年チャンピオン」を読んでいた。
「ブラックジャック」や「ドカベン」や「エコエコアザラク」や「よたろう」もあったが、やっぱり一番人気があったのは「がきデカ」だった。

山上たつひこ、は皆さんどのくらいすごいか知らないかもしれませんが、たとえば「こち亀」の秋本治が連載当初のペンネームは、
山止たつひこ(やまどめ たつひこ)だったというくらい、
つまり「宝島」を「宝鳥」とか、「乞食王子」を「乞食玉子」みたいに読み間違えるダジャレにするのと同じくらいメジャーな人で、
そんな山上たつひこ、の「がきデカ」以前のヒット作は、「喜劇新思想大系」で、それは僕らの世代には古臭い、性の啓蒙書だった。

そのマンガの中で主人公が、オナニーに使う道具が、「コンニャク」だった。
コンニャクを人肌に茹でて、そこに割れ目を入れると、女性器と同じような感触になるというのだ。
僕のまわりでそんなことをしたという人に1人もあったことがない。
だが、僕は1回だけ試してみたことがある。

コンニャクを手に入れる時は苦労した。
当時はスーパーやコンビニがないから、町の豆腐屋に行って買うのだが、コンニャク1つだけ買うと、
「さては、この子、オナニーするつもりだな」と見破られそうで、仕方ない、要りもしない、焼き豆腐と木綿豆腐を一丁づつ余計に買った。
丁度、エロビデオを借りる時、「キタキツネ物語」と「タイタニック」ではさんでレジに出すテクニックと同じだ。

この話を受付にしたら、爆笑された。普通に1つ買っても変に思う人はいないって。

「じゃ、あなた達は、八百屋にナス1本だけ買いに行ける?」と聞いたら、「行けますよ。1本でも、10本でも」と答えるから、
「10本なら平気だよ。ナス料理を作るみたいだから。ナスを1本だけ買うんだよ」と念を押しても、「全然、平気ですよ」と一蹴された。
俺が自意識過剰なのか?

話をコンニャクに戻す。
僕の失敗は、コンニャクに包丁で綺麗に縦線を入れてしまったから、おチンチンをコンニャクにさすと、ヌルっと飛び出て、まるで、チビ太のおでんのように、
ウインナーがコンニャクから突き出てるようなマヌケな絵づらで、僕はそれを鏡に映して、我ながらそのアホらしさに、性欲も萎え、
鏡をみながら、コンニャクをさしたまま、フラダンスを踊ったものだ。↓。

 

中2のバス旅行で、ちょっとませた子から、バスの窓から手を出してモミモミすると女のオッパイをさわった感覚と同じだ、と教わって、
クラス全員が代わる代わる窓から手を出してモミモミしていた。それが14才の思い出。

高2の夏、泊り込みの勉強合宿に行った。そこで知り合った女の子が積極的な子で、夜に女子寮に遊びに来い、と、いけない誘惑。
僕は悪い友人と3人で、彼女の誘導の元、女子寮に忍び込んで、それぞれが目当ての女の子の布団に潜り込んだ。
見回りに見つかるといけないから、という理由である。僕らは、布団の中でナイショ話をしていた。それは楽しかった。

すると、その女の子はちょっとエッチで、「ねぇ、川原君、何もしないの?」と言って、僕はドギマギして。
女の子はませてるから、僕の手をとって、自分の胸にあてた。
僕は中2のバス旅行以来、はじめて女の人の胸をさわった。
気が動転してるから、その感触が時速60キロの風圧と同じかどうかは覚えていない。

その女の子とは1回だけ映画も見に行ったことがって、つまりデートである。
僕は初デートだから、ロマンティックな映画にしようと思っていたが、彼女は僕に合わせて、
「がんばれ!!タブチくん!!、でいいよ」と言って、僕らは「がんばれ!!タブチくん!!」を見た。

僕の学校の仲間で、女子とデートしたことのある奴はいなかったから、皆、心配と興味本位と将来の自分の予習のために、
5人くらいがコソコソ僕の初デートを尾行してついて来ていた。

当時の映画は、今みたいなシステムじゃなく、全席自由で入れ替えなしで途中入場できたから、
僕らが入った回は満員で、僕は彼女と後ろの方で立ち見をした。
ちょっと離れた所で、5人組も立ち見をしていた。それが17才の思い出。

彼女は石野真子と誕生日が1日違いで、だから僕は何10年たっても彼女の誕生日だけは覚えてる。
ちょうど、今日くらいのはずだ。

BGM. RCサクセション「エミちゃん おめでとう」


人生が二度あれば

26/Ⅰ.(土)2019 くもり

こないだのセンター試験の話を聞いた。僕らの時代は共通一次と言ったが、内容は断然難しくなっている。
英語はリスニングとかがあるって。
僕は今の時代の学生だったら、テスト、受かんないだろうな。

今の僕は医者だから社会的信用があるけど、医者じゃなくて、こんな格好でこんな髪してたら、近所の陽気なおじさんだ。
僕のような性格が破綻している人間は社会に適合出来るだろうか。
大体、何か仕事につけるか?

メカに弱いからコンビニ店員は無理だ。
力がないから引越し屋もダメ。
車の運転はおろか自転車も乗れないから、ピザの配達も出来ない。

人の言うことも素直に聞けないし、生意気で皮肉屋だから上司にいびられる。
ヤバイ!何の仕事も出来ない。何かないか、特技。
あっ、割と女の人に可愛がられるから、ヒモになるか。

ある女性にこの話をしたら、「ヒモもそんなに楽じゃないわよ」と言われ、
「でも、良い話を聞いた。来て良かった」と笑ってくれたから、皆さんにもお話してみた。

BGM.かぐや姫「僕は何をやってもだめな男です」


僕が精神科医になった訳(コンパクト版)

25/Ⅰ.(金)2019 はれ、寒い かいせさん、髪を切る

以前に書いた記事だが、これはよく聞かれる質問なので、コンパクトに、短くして再録してみる。

僕の家は眼科の開業医で、僕は二人兄弟だったから、将来は、父と兄と3人で医院を大きくすることが刷り込まれていた。
周囲の誰もがそう思っていたし、それをやっかむ人もなく、暖かく見守られていた。
そういう時代だった。
それは仕方がなかった。
こればかりは個人の力ではどうしようもなく、僕は物心付いた時から、医者になることになっていた。
勿論、その後の人生で、思春期や反抗期で、それを修正する機会は平等に与えられた。
だけど、僕は医者になった。
それは医者になる、のではなく、精神科医になろうという強い意志があったのだ。
医者になるには医学部に入り、全教科を勉強して、全教科の国家試験をパスしないといけない。
だから、逆に言えば、医師免許があれば、何科にでもなれた。
僕にとっての将来の約束は、医者になることだった。
親の都合は、家の眼科を手伝うことだった。
しかし、拡大解釈をすれば、医者になれば何をやっても良いとも言えた。
僕の親族には医者が多かったから、僕は専門的に色んな科があることを知っていた。
ここまでが前置き、ね。
僕の生まれは湘南の茅ヶ崎の海側で、そこは別荘地の多い温暖なゆったりとした風土だった。
僕が幼稚園の頃、近所をブツブツと独り言を言いながら、乳母車を引いている貧しい老婆が徘徊していた。
老婆は乳母車に古い赤ん坊の人形を乗せていて、その人形を本当の赤ん坊だと思っているという噂だった。
すずめ、を捕まえて食べてるという噂もあった。
僕は母親やお手伝いさん達に、「タッちゃん、あの人に話しかけてはダメですよ」と教えられていた。
ある日、狭い路地で、乳母車の老婆と鉢合わせになった。
僕は思わず、<すずめ、って食べれるの?>と聞いた。
すると、老婆は「坊や、そんな可哀想なことをしてはいけないよ」とビックリするほど、優しい声で言った。
僕は一瞬で、この人は良い人だ、とピンと来た。
すると、そんな気持ちが以心伝心、彼女にも伝わったらしく、僕らは仲良くなった。
老婆は乳母車から赤ん坊を抱え上げて、「ほら、こうするとお日様が透けて見えて綺麗なんだよ」と僕に教えてくれた。
セルロイドの人形に夕陽が差し込んで、それはキラキラと反射して輝いて虹のように見えた。
しかし、僕はこの事は、親には秘密にしておいた。
同じ頃、似たような事件があった。
僕の実家は診療所の2軒隣りにワンブロックほどの広さを持っている大きな家だった。
だから、時々、「乞食」(←これは不適切な表現なのでしょうが、差別を助長する意図ではないので使用します)が来た。
母親やお手伝いさんは、「タッちゃん、乞食が来たら、食べ物をあげちゃダメですよ。クセになってまた来るから」と言った。
僕は言う通りにしていた。
ところが、ある日、僕しか家にいない時に、勝手口から、女の乞食が、「何か恵んで下さい」と入って来た。
僕は、<お前に、何かあげるとクセになってまた来るから、やらない>とピシャリと言い放った。
すると女の乞食は、「坊ちゃん、もう何日も何も食べてないのです。約束します。今日だけですから」と懇願した。
僕は女乞食の目をジッと観察して、僕にはこの人が嘘をつくようには見えなかった。
そこで、従業員がいつでも、食べれるように台所に置いてある塩むすびを持って来てあげた。
女乞食は何度も何度もお礼を言い、約束は守る、と言って帰って行った。
僕はこの事も、大人達には話さなかった。
代わりに、毎日、<ねぇ、今日、乞食、来なかった?>と聞くのが日課だった。
すると、親やお手伝いさん達は、「変な事を気にするのね。乞食なんか来ませんよ」と笑った。
女乞食は僕との約束をちゃんと守ったのだ。
僕はこれらの事を通じて、大人たちの言う事はなんていい加減なものだろうとあきれた。
そして、こういう「常識」とか「普通」は疑ってかかる必要があると思った。
当時の僕は幼稚園生だったから、実際はそんな風に言語化は出来なかったと思う。
今、振り返って、解説すると、そういうことだと言うことです。
僕はそれ以来、無批判にこの世を支配している「常識」とか「普通」とか「規則」とか「一般」とかを敵視するようになった。
それは、そういう事によって、無力な人が、抵抗する術もなく、不当に扱われてることに義憤を感じると同時に、
「常識」に縛られて、生きている大人たちも決して、自由に見えなかったからだ。
僕は将来、医者になったら、歪んだ「常識」や「普通」で窮屈をしている人達を助ける仕事をしたいと思った。
その頃の知識で、精神科という科があることを僕は知っていた。
僕は医者と言う権威を武器に、差別や誤解を受けてる人や、不自由に生きている大人たちの心を解放するために力を発揮しようと決めた。
そして、それは僕の性質上、とても向いているとも思った。
それが僕が精神科医になった訳で、この初心はブレることなく今に至っている。

BGM. よしだたくろう「今日までそして明日から」


お酒についての僕のルール

25/Ⅰ.(金)2019 はれ、寒い クリニックのバックヤードのカーテンを唯&憂に変える

高橋留美子が、フランスで、マンガの賞をとったというニュースで、昔書いた記事を思い出した。
長い記事で、言いたいことと連想が飛躍してゆくのだが、その中から「お酒についての僕のルール」の箇所だけを抜き出してアップしてみる。

珍しく、マサキから電話があって、この1年で同級生が2人死んだんだそうで。
2人は闘病日誌をフェイス・ブックにアップしてて、別の友人が、自分も癌で闘病中、とコメントしてるそうで。
<なんか壮絶だな>と僕が答えると、マサキはこう言った。
「だからさ、もう僕らの年は、普通に病死する年齢になったんだよ」って。
<まぁ、そうだな。で、だから何?>。
「ところで、君、まだ、酒呑んでから、風呂に入ったりしてるの?」。<もうしてないよ>。
マサキは、「病死なら良いんだよ。病気なら。只さ、君は酔って風呂で寝たりするから、変な死に方はやめて欲しいんだよ」。
<死に方に、普通とか変とかあるか?>と僕が言うと、
「あるよ!こっちが後悔するんだよ。『あぁ、注意しとけば良かった』ってさ。病気なら許すよ。事故死はやめてくれよ」と、
マサキは強い口調で言ってたな。

唐突に思われるかもしれないけど、それには一応、伏線があって。
この位の季節だったから。あの事件は。
それは最初に僕らがA病院に勤務してる頃の話。
僕は過酷な過重労働で肉体的に疲弊していて。
あまりに体調が悪いので、マサキのすすめで内科の先生に診てもらって。
内視鏡検査では異常がなかったけど、血液検査で、「多血症」の所見が出た。
臨床検査技師の話では僕の血の色が真っ黄色で、大変驚いたと、マサキから聞かされた。
「多血症」はストレスでもなるらしく、治療法は「血を抜く」しかないらしい。
なんて野蛮な治療法があるものだ。
その直後、僕は大学の精神療法センターの忘年会に参加した。
疲れていたし、僕の呑み方は破滅的な呑み方をするから、泥酔した。
運が悪いことにその時、僕は何か原稿の作成中でノートパソコンを持ち歩いていて。
会がお開きになり、その店は2階にあり、僕は足を踏み外し、両手をふさがれたまま、急な階段を顔面から落下した。
受け身が取れなかった。
その後の記憶はない。
後で聞いた話では、そのまま大流血したまま、走り出し、また転倒。
起き上がってフラフラしたところに、通りかかったタクシーにぶつかって行ったらしい。
幸い、そこの道は細い路地で、タクシーは徐行していたから、タクシーの運転手に過失はなかった。
僕はそのまま自分の出身大学であり、自分がかつて勤務していた救命センターに搬送されて、ICUに緊急入院となった。
ICUって言っても、国際基督教大学(International Christian University)じゃないですよ。
集中治療室(Intensive Care Unit)ね。
皆さんは、「ICU症候群」って知っていますか?
ICUのような特殊な医療環境に入る人は体も弱ってるため、一過性の精神症状を引き起こすことがあるのです。
僕はそれになりました。
「せん妄」という精神運動興奮を伴う意識障害です。
この間の記憶はまったくないのです。
ICUは基本的に重症の身体疾患の患者さんを診てる訳で、そこで「ICU症候群」が起きると精神科医が呼ばれます。
運悪く呼ばれた精神科医は僕の後輩だったため、僕に罵倒されて帰ったそうです。
その時の僕は暴れるから、ベッドに強力な紐で拘束されていたそうで。
仕方なく上級医の医者が呼ばれる訳ですが、僕は先輩に対しても、「俺より出来ないくせに出しゃばるな!」と悪態をついて。
先輩は、本当のことを言われて、ひどく傷ついたそうです。

そこでも、最後に登場したのは、マサキでした。
マサキは、僕を強力な精神安定剤で数日間、眠らせたそうです。
僕の家族は、後になって言うことには、このままもう僕が二度と目を覚まさないんじゃないかと心配したそうです。
意識障害の回復の仕方は独特です。
まるでトンネルから出るように、ある時からパッと記憶が戻ります。
その瞬間、僕の目の前には、マサキがいました。
マサキは、「起きた?おい、酒は呑むもので、呑まれちゃダメだぞ」と言いました。
<ば~か。『酒は、反省するために呑むものだ』って、立川談志が言ってるぞ!>と僕が言い返すと、
「良かった。君、正気に戻ったね」と答えるマサキの笑顔が見えました。
よく言うよね、てめぇで、セデーションかけといて。
僕の病状は大量の出血と顎の骨の骨折でした。
大量の出血は、僕の多血症の治療に役立ち、血液検査のデータは正常値に戻っていました。
僕は全身状態も回復し、意識も正常になり、拘束も解かれ、形成外科の病棟に移りました。
大学病院に入院したことがない人でも、ドラマなどで、見たことがあると思いますが、教授回診というのがあります。
主任教授を筆頭に医局員が全員大名行列のようにゾロゾロとベッドサイドを回るやつです。「白い巨塔」とかで見ませんか?
僕の部屋にも、教授回診はやってきました。
形成外科の教授はいかにも職人気質の融通のきかなそうな無愛想な男でした。
僕は学生時代にこの人の授業を受けたことがあるので、顔と名前は一致しました。
教授は、僕のレントゲンを見て、「う~む、見事な骨折線だ」と言って、一同が口を揃えて、「見事だ」と賛美しました。
骨折線を誉められても、別に嬉しくもないのですが、誉められて嫌な気分はしませんでした。
後になって知ったのですが、マサキが形成の先生に、「川原君は誉めながら、治療をして下さい」と頼み込んでいたらしく。
頭ごなしだと、治療意欲がそがれるタイプだからって。
僕の治療は、手術ではなく、顎間固定と言う、口が開かないようにワイヤーで上下の歯茎をくくりつける方針になりまして。
骨折線が、美しいから、ね。
顎間固定の期間は、3ヶ月だって。その間は口から物も食べれないので入院生活です。
僕は1ヶ月くらいで退屈な入院生活に我慢が出来ず、点滴を自己抜去し、病院を無断で離院して、家に帰りました。
家族があやまりに病院に挨拶に行き、僕は「傷病手当金」の給付を受けて自宅療養です。
家でなるべく液状のもので栄養がとれるような生活をしました。
しかし、暇でした。
「男はつらいよ」の全シリーズを1作目から全部観たり、太宰治の小説を年代順に読み直したりしました。
いよいよ、3ヶ月がたって、顎間固定が外れました。
まだ、顎の骨がずれるといけないので、頭のてっぺんと顎を包帯でグルグル巻きにして、僕は現場に復帰しました。
その姿は痛々しくて、無理に出なくても良いんじゃないか、という賛否両論も聞かれました。
最近で言えば、フィギュア・スケートの羽生選手のような姿ですね。一緒にしたら、怒られるか。
僕の外来患者さんは、3ヶ月間、マサキの外来で代診してもらって。
マサキは、「君の患者さんはすごいね。まるで手がかからなかったよ」と感心していて。
「薬も、川原先生の出したものをそのままで、って3ヶ月間、何も問題がなかったよ」と言ってましたが、僕は内心で、
<お前に言ってもしょうがない、と思ったんだろう>と思っていたんだ。
その証拠と言っちゃなんだが、復帰後、ある少女からもらったカセット・テープには参った。
彼女は、家族以外で口を利くのは僕くらいで、僕も彼女との診察時間を大切にしていて。
そんな彼女にしてみれば、いきなり僕が怪我で3ヶ月入院と聞かされた時にはショックだったことの予想は出来る。
彼女は気丈にも、僕と会えない日々を、本来なら診察時間が約束されてる時間帯にカセットにメッセージを吹き込んでいて。
初回は、DJ風に、「達二先生がいなくても、意外と私は大丈夫です。今日の1曲目は、Xの紅、です」って感じで。
そして、普段なら診察でお話するような他愛もない話を、明るい口調でユーモラスに独り語りしていて。
1ヶ月が4週とすると、3ヶ月×4週=12回分の収録があった。
最初の方は、そんな感じでDJ風のセッションなのだが、2ヶ月目になると、途端に無口になって行って。
そして、最後の1ヶ月は、泣き声と嗚咽で。
「私は達二先生に会いたいが、患者だから、お見舞いにも行けない。立場が違うから。今までそんなことにも気づかなかった。
そんな自分が馬鹿でくやしい。達二先生に、会いたい」と言って泣いていた。
これにはやられた。おそらく僕の担当の患者さんの代表の意見だと思った。
僕は人生で後悔することはしょっちゅうあるが、反省することは滅多にない。
だけど、さすがにこれを聞いた日には猛省した。
彼女がこのテープを吹き込んでいる頃、僕は家で<暇だ~暇だ~>と文句を言っていたのだから。
あかんたれ、だと思った。
そして、僕はそれから心に誓ったことがある。
翌日に診療のある日には酒を呑むのは、よそう。
酒が残って、患者さんの話を集中して聞けなかったらいけない、と思ったからで、それは今でも続けている。
実際には、ビールの1~2本や、日本酒の2~3合や、ワインの3~4杯が、明日の診療に影響を及ぼすことなどまずない。
でも、そういう決意をしたことで、皆さんに勘弁してもらおうと勝手に1人で決めたのです。
勿論、例外はあるけどね。
たとえば、お通夜に呼ばれて、「故人の為に今日は呑んでやって下さい」なんて遺族に酒を勧められた時とか。
そんなシチュエーションで、<いえ、明日は診療がありますから>なんて断れないだろう。だから、そういうのは例外ね。
僕は多分この時から心を入れ替えたのだと思う。
患者さんがいるから、勝手に死んだりしてはいけないと思っている。
皆を見送ってから、死のうと思っている。
あっ、そんなことを言って、今、思春期の新患をバンバンとってるけど、大丈夫か?俺の寿命。
ま、いいか。人生、成り行き、だ。

BGM.吉田拓郎「明日に向って走れ」


今年最も強運は射手座らしい

 

こんにちは。受付の大平です。
1月の模様替えをお知らせします。

1月9日は川原クリニックの開院日でした。

今年でクリニックは12年目。
12年というとクリニックでもたま~に流れる
ハクション大魔王の主題歌「アクビ娘の歌」を歌っていた堀江美都子が当時12歳だったみたいです。

名前だけじゃなくて年齢、どこ在住かが書いてあるところが今では考えられないですね。

受付では12歳の時に観ていたアニメの話で盛り上がっていたのですが、
何年間も放送しているアニメが多いのか3人とも見ていたアニメがだいたい一緒という不思議なことが・・・

クリニックの12歳コーナー↓↓

こちらは診察室入口横にあるアクビちゃん×ぺろりん↓↓

 

奇数月のイラストも新しくなっています。
タイトルは新年だから「信念」です。
今月もリレーマンガ形式ですが今回は先生から登場人物を指定されました。

・主人公はふつうの少年(実は・・・) 
・魔法使い
・魔法使いの弟子←イノシシです
・シークレット

今回の順番もあみだくじで決めたのですが、なんと前回と同じ順!!

【起】 うかいさん

ウリ坊を助けたところから物語スタートです。

【承】 大平

さて問題です!【起】で、うかいさんが描いたウリ坊はこの3匹の中のどのこでしょう?

【転】 杉山さん

ウリ坊が成長しましたね。
シークレットの登場人物はキングスライムでした。ちなみに杉山さんはドラクエをやったことがないらしいです。

【結】 川原先生

ウリ坊がさらに成長しましたね。
主人公の髪の色が先生と同じってことは、この主人公先生だったのでしょうか?
*魔法使いの書き方を知りたい人はぜひ受付まで*

ウォーターサーバーのなぞなぞも新しくなりました↓

杉山さんと一緒に解いたのですが3番が難しいです。

扉には先生の作ったなぞなぞが↓↓

最後に、マンガコーナーに【an・an】が置かれた事はご存知でしょうか?

みなさんは【an・an】て買って読んだ事ありますか?
よく話題になっている雑誌ですよね。

カワクリにはなんだか置かれないような雑誌がマンガコーナーに仲間入りです。

今回は2019年前半の運勢特集です。

うかいさんの射手座は今年もっとも強運らしいです。
杉山さんの魚座は個性や持ち味が光るらしく、
先生と私の獅子座は恋愛の真価に目覚めるみたいですね。

他の星座のことやいろいろな種類の占いが載っていて時間つぶしにはちょうどいいので
私のように自分では買えそうにないけど興味ある方はぜひ読んでみてくださいね。


夢日記~熱海の誓い~

僕は新婚旅行で熱海に来ている。新婚旅行と言えば、やっぱり熱海だ。
熱海の海岸散歩する。砂浜のギリギリまで波が打ち寄せるが、さらにそこに鉄道の線路がひかれている。
彼女は僕に、「この電鉄、何だかわかる?」となぞなぞを出した。
「波打ち際のギリギリまで来てる電車よ」とヒントも。
僕は、「そんなの江ノ電だろ」と答えると、彼女は「あ~あ」と答え、
「あなたと来たら、ハワイでもグアムでもサイパンでも違いがないのね」と溜め息ひとつ。

実際、僕は香港と台湾を勘違いして、「100万ドルの夜景の感想を聞かせて下さいね」と馴染みの店の女主人に送り出され、
数日たって、この国(台湾)はその国(香港)じゃないと知った前科がある。その位、僕は旅オンチ。
そんな僕でも目が覚めたのは、高くそびえる「ゴジラ城」。
近くの医者の固有財産で、勝手に観てもいいらしい。
早速、登山。山道は比較的楽だが、こんな時に痛感するのは、子供だった頃にはスイスイ登れた獣道が、
今では体が重くてイメージ通りに登れない。
子供の頃に出来なければ大人になってやろうと思わないが、なまじ子供時分に出来たから、脳にそうインプットされてて、
体は脳の指令通りには動かないから始末が悪い。
子供の頃に空を飛べなかったから良かったようなもので、ピーターパンみたいに夜間飛行した自信があったら、
転落死している。

それでも何とか登りついた。
何人かの見知らぬ顔見知りと共同して各々各自行動した。
頂上まで上ると、「ゴジラ城」は大木が数々と嵐のあとのように倒れていて、道は塞がれて、
マーライオンのようなバイクに乗った、イカサマな暴走族が騒音をたてて不恰好に沿岸通りを突き抜けて行った。

僕の体は子供に若返って、マーライオンをキリキリ舞いさせるべく、奴らのバイクのギリギリまで全速力で走って、
ぶつかる寸前でフェイントかけて、ハンドル操作を鈍らせて横転させる、そんな遊びを3回くらいしたら、警察官に注意された。

熱海の1日警察署長はピンク・レディーで彼女らは、
「百恵さんも引退し、チェッカーズもどこに消えたかしれないから、私たちは熱海でビキニでペッパー警部をしてるのです」
と色っぽく言った。
それはまるでイメージビデオよろしく、ミーとケイは、紺と白の縞々のビキニを着て、頬と頬を寄り添いながら泳いで来るから、
息継ぎの呼吸を合わせ、そのタイミングがまるでキスをするようで、そうかと思うと、背泳ぎの格好になって、
水を口からはく、口の形が、大きく口を開け、小さく口をすぼむ、連続運動で、なんかエロチックで、いかにもで、
パクパクと、ピンクレディーの全盛期を知らない人はいなかったけど、晩年にはこんな良い仕事をしてたんだ、と再発見した。

熱海の「ゴジラ城」の前は神殿で、何教かわからないカオスで、女子プロレスや、昭和ポルノや、やくざ映画に、
ゴジラやウルトラマンやスペクトルマンや宇宙猿人ゴリの映画館やアトラクションが、山の奥に隠れている。
東京ディズニーやUSJをキッチュにしたその爆発力とノスタルジーは、熱海でなければ再現出来まい。

スペクトルマンの敵の怪獣の左腕が僕に向って飛んでくるのだ。花火もうちまくる。
しかし、そこにたどり着くのに、所有者である医者の病院の中を通してもらわないといけない。

その医者は坊さんで詩人でプロレス通なアイドルオタクのロリコンで、特撮ヒーローを等身大で作ってしまう桁違いのマニアで
こっそりビデオを見たら、開演パーティーに、森進一、が来て、祝辞を述べ、
ポルノ館の前で、「私もバイブレーターをコレクションしています」とうっかり口を滑らせたため、芸能界を干されかけたことがあるらしい。
それほど崇高な山である。

寺は病院で、迷路のように診察室を忍者屋敷のからくりのように上って行くのだが、チラリと見えた名刺のロゴマークが、
緑色で「K」「川原クリニック」だ。あれ?これ、うちのパクリじゃん?と一瞬思うが、アイデアに特許はないから、
とにかく、もうこの際は、そんなことはどうでもいい。
この病院だか文化遺産をしかと堪能しようではないか。おおそうじゃ。

どうも僕らの医局の先輩とこの熱海の病院の先生は懇意らしく、特別に1日で謎解きを教えてくれ自ら案内してくれた。
僕は特撮物に目を奪われたが、どうもこれらがバッタモンだと見抜き、さほど価値のあるものでもなさそうだ。
アイドル物も、おそらく神保町に行けば揃う品物で、アイドルのセレクトも、
堀ちえみ、や、キョンキョン、や、山口百恵、や、ピンクレディーなど、あっと驚く希少品はなく、
只、山口百恵の乳首が4つ写ってる黒のビキニ写真があったが、あれは月刊・平凡に間違いない。
今からでも、お茶の水で買える筈だ。

病院はお寺で、治療をするのか埋葬するのか、よくわからないポリシーだが、ダメになった時の流れは早そうだ。
僕らは院長に全ての隠し部屋をみせてもらった。なかなかマニアックな本棚だ。
仏教、右翼、ロリコン、プロレス、思想、精神世界、特撮、アイドル、共産党などだった。
僕は本棚とずっとにらめっこ。
館長が「さっさと行きましょう」と言うが、あまりに僕が集中してるから、気に入られ、
「トリプルファイターのブロマイド集」と「野坂昭如の自筆のエッセイ」をあげるから、「もう先に行こう」と促された。

僕は少女ポルノの写真をみつけ、「これは所持していたら犯罪では?」と問うと、
そのお坊さんは僕を熱海の繁華街に連れて行き、シャッターが下りてる店をこじあけ、自らの名を名乗り、
「この人にサービスしてくれ」と紹介してくれ、すると、なんと、その売り子が少女ポルノのモデル本人だった。
「DVDを買って下さい」と言うから、つきそいの坊さんは、「つきあっちゃえばいいじゃん」とそそのかして、
僕はその子と一緒にあうことになった。
彼女は僕が18才の頃にみたビニ本のアイドルで、計算すれば今は65才くらいだ。
なのに、なぜステキなままなのだろう。

解散の時間は刻一刻と迫っている。僕だけ不埒なことをして皆を待たせてる。
手には、トリプルファイターと野坂先生の書物を持っている。

僕はこれから東京に帰って普段通り仕事をする。
熱海の病院(寺)に世話になったが交流が続くかはわからない。
でも熱海の坊主(院長)、僕と趣味がまる被りだったな。

僕はうちのクリニックはちょっと面白いから、いずれ評判になるかもな、と思っていたが、
熱海の病院をみたら、スケールが違い過ぎて、まるであっさりとそんな期待と心配がなくなった。

まじめに仕事をして行こうと思うた。


ガールズ・トーク

川原です。去年のオオトリの記事は、大平さんの「いぬ」で皆さんの意表をつきましたが、
2018年、オオトリの記事は、受付3人の会談にしました。ガールズ・トーク風に今年を振り返ってもらいます。
彼女達は、受付業務や医療事務以外にも、ブログやなぞなぞ作りなど幅広い仕事もしてくれました。

院長として、大いに感謝するとともに、敬意を持っています。
そんな気持ちを形にしたく、ガールズ・トークの前座として、ネタ振りをしてみようと思います。

昔、テレビでビートたけしが、美人が耳にかかる長い髪をたくし上げながら、ラーメンを食べる姿が嫌だ、と言ってました。
おそらく、「食欲」と「性欲」という、2大欲求がぶつかる化学反応で生じるノイズが生理的に拒否感を生んだのでしょう。
そこで、今回は、あえて、これを逆手にとって、数学では、マイナスにマイナスを掛けるとプラスになるから、
嫌な「食べ物」と、変態的な性的シチュエーションの組み合わせでマイナス×マイナスがプラスになるか、個々に実験してみましょう。
2018年はパワハラやセクハラが炙り出された1年でした。まさに、掉尾を飾るにふさわしいセクハラです。

川原「まずは、うかいさん。綺麗に入浴したあと、タオルで体をふいたら、体の上にワカメを置かれます」
鵜飼「わたし、ワカメ、嫌いじゃないです」
川原「では、ピーマンを置きます」
鵜飼「ピーマンは嫌いです。でも、そんなことしてどうするんですか?」
川原「それを2-30人の空腹のホームレスに手を使わずに口だけで食べてもらいます」
鵜飼「やめて下さい!考えただけで、ゾーっとします」

川原「杉山さんには、体中に、カルボナーラを巻いてもらいます」
杉山「?」
川原「それを、2-30頭のアリクイに食べてもらいます」
杉山「怖いです」

川原「大平さんは、体中の、穴という穴、耳の中や鼻の穴にパクチーを刺します」
大平「先生、嬉しそうですね」
川原「そして、それをオリンピックも近いので、あらゆる肌の色のイケメンに食べてもらいます」
鵜飼「えぇぇ!大平さんのはご褒美じゃないですか!わたしのは罰ゲームですよ。わたしもイケメンがいいです」
杉山「わたしも」
鵜飼「杉山さんは、まだアリクイだからいいじゃないですか。私なんて、ホームレスよ」
杉山「じゃ、アリクイでいいです…。でも、アリクイって蟻以外食べるんですか?」
鵜飼「確かに!カルボナーラは食べないね(笑)」
大平「わたしは、鼻にパクチーを入れられた時点でアウトです」
鵜飼「なんで、先生はホームレスをチョイスしたんですか?」
川原「そういう、AVをこないだ見たんだよ」
大平「じゃ、先生には退席していただいて、本来の趣旨のガールズ・トークに入りましょうかね」
3人「お疲れ様でした~」
川原退場。

 

鵜飼「それでは、今年を振り返るガールズ・トークに入りましょう」
大平「せっかくですから、前にやった、質問、の答えを照らし合わせて行きましょうか?」
杉山「皆さんの記事もちゃんと読みました」
鵜飼「ところで、心のクーポン、で1億円の使い道を、大平さんは、寄付、って答えてたじゃないですか」
大平「あれは何にも思い浮かばなかったんです。1日で1億円を使い切らないといけないのかと思って」
鵜飼「困るんですよ、そういうの(笑)私たちのガメつさが際立つから」
杉山「私、金塊、買ってますし(笑)」
大平「それ!思いつかなかったんですよ!その手がありましたね!あと、うかいさんのカジノ。それも一晩で使い切れますね」
杉山「先生の、1億円の使い道、みました?」
大平「みた!みた!ああいうのありなんですね!是非、ユノ、呼んで欲しいです!」
鵜飼「頑張った分、自分へのご褒美として使うってとても大切ですし、私もそうしたいと思いました」
杉山「そうですね。そこまで無理しなくても、自分へのご褒美として、天麩羅、を食べに行くとかですね」
大平&鵜飼「……」
杉山「天麩羅、違いますか…?」
大平「私、天麩羅、好きですよ」
鵜飼「私も天麩羅、好きですよ」
杉山「1億円の使い道でしたね」
大平「ハイ!私は金塊にします」
鵜飼「絶対、勝ち組になるで~」
杉山「二人ともなんなんですか?こわいんですけど」

大平「ところで、杉山さん、天麩羅って言ってたけど、1人で外食、出来るようになったんですか?」
杉山「それがまだ無理なんです」
鵜飼「マックも?」
杉山「マックは、テイクアウトがやっとです」
大平「大岡山のマックは3階の窓越しに座るといい景色ですよ。時々、患者さんが歩いているのがみえますよ」
鵜飼「私は3階までのぼるのが辛くて(笑)2階の窓から車の動きをみていたりします」
杉山「お二人は、どこまで行けますか?焼肉とかも平気ですか?」
大平「焼肉はちょっと…」
鵜飼「行けるには行けるんですけど、1人だと焼いて食べるリズムが難しくて。一皿も一人用の量じゃないですし」
杉山「ラーメン屋は?」
大平「私は制服で、ひるがお、入ってましたよ。『私はちゃんと働いたんだからおなか空いてるんだ』と心で強く言い聞かせて入りました」
鵜飼「私も休憩時間によくラーメン屋さん1人で行きますよ」
杉山「牛丼は?」
大平「お腹が空いてたら入ります」
鵜飼「『どうしても牛丼が食べたい!』と思うことが人生で一度もないので、行ったことないですね」
杉山「1人カラオケは?」
大平「私はしないことにしています」
鵜飼「しています?」
大平「しています」
杉山「何かトラウマがお有りなのですね。でもここではそれは聞きますまい」
大平「私が入った頃は、休憩は外でしないといけないと思っていたんですよ」
杉山「それだったら、私は絶食です」
大平「ある日、○×さんの休憩中に、間違って控え室を開けちゃったら、先生の背もたれ椅子に座って、足を別の椅子に伸ばして、リラックスして紅茶を飲んでたんですよ。それで、ここで休憩してもいいんだ、って知ってからは外食はしてません」
鵜飼「優雅なひと時を盗み見ちゃったんですね。背もたれ椅子があったことが羨ましいです」

 

鵜飼「2018カワクリアワード。それぞれの選んだものの感想はどうですか?まずは、桜の記事は?」
大平「あの記事で先生のカメラ技術がぐーんと成長しましたよね」
杉山「すごく綺麗で、高木さんとのデート気分を味わえました」

鵜飼「私は、これと迷ったのがあるんです。緑色のおじさんのフィギュアを持って外出した記事も印象的でした」
杉山「緑色のおじさん??」
大平「ヘドラですか?」
鵜飼「ちがう、ちがう。人間で、何か、飲み物持ってる人」
大平「(笑)植木等ですね」
杉山「関節の自由を生かしたポージング!躍動感がすごいです。」
大平「あの頃、先生はあの撮影スタイルにはまりましたよね。撮影している先生たちのこと通りすがりの人が撮影してたり」

杉山「わたしの選んだクルズスはどうでしょう?」
鵜飼「先生のシャチハタ、ずーっと“なんだろうこれ?”と思っていたので、謎がとけました!」
大平「あの記事の内容、私は知っているものが多かったのであの時に先生とこの話したな~とか思い返しながら読みました。
クルズスと言えば、杉山さんはこないだ先生のジョークのクルズスを受けてましたね」
杉山「はい。ブログのコメントで、アメリカン・ジョークを、と無茶振りされて困ってたんです」
鵜飼「それで、先生がジョークのクルズスをやってくれたの?」
杉山「5つ教えてもらいました」
鵜飼「最近、先生、あいさつ代わりにジョークを言うから、何かと思ってたらそれだったんですね」
大平「私は今朝、
『その白いドレスはいくらかね?(1000マルクです。)ハー、と男が溜め息。じゃ、そのピンクのドレスはいくらかね?
(お客様、溜め息2つでございます。)』というジョークをいきなり言われました」
鵜飼「まだ、いいですよ。私なんて、
『旧ソ連の選挙会場。(上から3枚目の投票用紙をくれ)(どれも同じですよ)(せめて自分で選んだ気になりたいんだ)』
ですよ。わけわかりますか?」
杉山「私が、採用したのは、(先生、私、自分のことを犬だと思うんです)(いつからですか?)(子犬の頃からです)」
鵜飼「それは可愛い!あれ?でも何か違うかも??」
大平「フフフ…。それは私と先生で共謀して、書き換えたのです」
鵜飼&杉山「?」
大平「杉山さんは、猫派じゃないですか。だから、犬、の部分を、猫、に変えたんですよ」
鵜飼「ははは。そうかぁ。で、杉山さんはジョークのクルズスでどれが印象的だった?」
杉山「難しかったのは、ナースのジョークで、
『ベテランナースが新人ナースに(あなた、新しい患者さん、あそこに入れ墨してるのよ。
アダム、って。後学のために見せてきてもらいなさい)。新人ナース(はい)。ベテランナース(ね?すごかったでしょ?アダム、って彫ってあったでしょ?)。新人ナース(いえ、アムステルダム、って彫ってありました)。』
というジョークで、よく意味がわからなくて」
鵜飼「。。。まぁ、気にしなくていいですよ」
大平「うん、深く考えちゃダメ」

大平「私は、周期表の覚え方にしました」
鵜飼「あ~。これ、考えた人もすごいけど、覚えてる先生もすごいですよね」
杉山「私は初見ではうまく読めませんでした。」

鵜飼「みんなは、他に次点みたいな記事はありましたか?」
大平「私はうかいさんの選んだ高木さんの記事!」
杉山「私もあの記事大好きになりました!」

 

鵜飼「他に、ガールズ・トークでかかせないテーマは、ドラえもんの秘密道具ですね」
大平「先生の2019年の手帳は、ドラえもん、柄でしたよ」
杉山「どこでもドア、と、タイムマシン、は除外して、どんな道具が欲しいですか?」
鵜飼「うぉ~、女子会の定番!」
大平「間違いない!」
杉山「私はもしもボックスです」
鵜飼「わたしももしもボックスです!」
大平「もしもボックスってどんな道具ですか?」
杉山「電話ボックスみたいのに入ってこんな世界がいいってお願いするとそれになるんですよ」
鵜飼「ドラえもんでその道具が出たとき何でも願いが叶ってしまうから最終回が近いんじゃないかって言われたくらいの道具なんです」
大平「おぉ~!良いですね!でも私は翻訳コンニャクが欲しいんです」
杉山「心理の徳田さんもその道具がいいって言ってました。でもなぜですか?」
大平「私は東方神起の言ってることが・・・細かいことまでわかりたい・・・」
鵜飼「それ愛が重すぎますよ!」

 

鵜飼「この間先生が、面白診断ゲームを見せてくれたんですよ」
大平「あ、あれですよね!いくつかの質問に答えていくと、自分が何のキャラかわかるやつ」
杉山「あ~、化物語のですか?」
鵜飼「そうですそうです。皆さんやりました?私は戦場ヶ原ひたぎちゃんでした」
杉山「あ、わたしもそうでしたよ!」
大平「お~。わたしは千石撫子ちゃんでした」
鵜飼「さすが!やっぱり愛が重いだけありますね」
大平「愛が深いと言ってください~。ちなみに先生はアララギくんでしたよ」
杉山&鵜飼「納得」

 

杉山「もっと、しっとりした大人の女性の会話もしたいですね」
鵜飼「う~ん、そうなると、やはり、日本妖怪図鑑、ですかね」
大平「間違いない!」


杉山「この本の中の好きな妖怪を言い合う訳ですね。大人の女性って、そんな話題を語るんですね」
鵜飼「背伸びしなくてもいいのよ」
大平「私は“頬撫で”にあったことがある気がするんですよね。だから今は“頬撫で”が好きです」
↓↓頬撫で(ほおなで)↓↓


杉山「有名どころにはなっちゃいますが、“一反木綿“が大好きで、家に抱き枕もあります」
↓↓一反木綿(いったんもめん)↓↓


鵜飼「私はまだ全部読んでいないんですけど、現時点では“川男”がお気に入りで、怖いなと思ったのは“古庫裏婆”です」
↓↓川男(かわおとこ)↓↓


↓↓古庫裏婆(こくりばばあ)↓↓

 

鵜飼「あ、あとガールズトークの鉄板ネタと言えば“秘密の話”ですよね」
大平「間違いない!」
鵜飼「周りには理解されないけど、秘かに楽しんでることってありますか?」
杉山「食べ物の写真を撮って、SNSにアップするでもなく個人的に見返してニヤニヤすることです。」
大平「この質問難しいですね。私はよくグミ食べてるじゃないですか。そのグミを噛まないで食べきるということを1人で楽しんでいます」
鵜飼「私は、飼い猫がぐでーんと寝てるときに「おもちが焼けました。こちらがきなこ餅でございます」「こちらがゴマ餅でございます」と言いながら、ゴロンと猫をひっくり返すことです」

 

鵜飼「心のクーポン、で、最後に、自分から質問しますよね。あれ迷いませんでしたか?」
大平「迷いましたよ。ついつい答えづらい質問ばかり思いついてしまって・・・」
杉山「私はふんわりとした質問になってしまいました・・」
鵜飼「それぞれの、質問、に答えましょうか」

杉山「私の質問は、最近あったいい事はなんですか?、です」
鵜飼「杉山さんが受付新メンバーとして加入してくれたことですかね」
大平「私もです。私たち〈良い子が入ってくれますように〉って人形に願い事して木の下に埋めたんですよ。
そのくらい新メンバーを待ち望んでいましたし、その願いは叶いましたね」
鵜飼「そういう杉山さんは、どうなんですか?」
杉山「お二人に、そう言ってもらえた事です!」

鵜飼「私の質問は、今、1番食べたい食べ物はなんですか?、です」
大平「アワビのおかゆ!」
杉山「鶏のたたき!」
大平「そういう、うかいさんは、何ですか?」
鵜飼「カニ!」

大平「では質問の番です。今まで食べた物の中で1番美味しかったものは何ですか?その時のエピソードとともに教えて下さい」
鵜飼「昔バイトしてたところに『自分の店を持つことが夢なんだ』と言っていた板前さんがいて、その人が作ったふろふき大根です。杉山さんは?」
杉山「私は、祖母の家に行った帰りに必ず買っていた、鶏のたたきです。今はお店無くなっちゃったんですが、私は復活するのを祈っています・・。」
鵜飼「大平さんの答えは何ですか?」
大平「リスボンで食べたエッグタルトです!あの時、不機嫌になるくらいお腹が空いてたのですごく美味しく感じたんですよね」

鵜飼「じゃあ逆に、今まで食べた物の中で1番不味かったものは何ですか?」
大平「私不味いものいっぱい食べてますよ。ドリアンの飴も不味かったし、中国のナゾの干し肉も不味かったです」
杉山「ナゾの干し肉は怖いですね・・私はタイヤを食べているかのようで有名な、ハリボーのシュネッケンっていうグミです」
大平「うかいさんは?」
鵜飼「私は高校生の遠足で某牧場へ行ったんですけど、そこで羊を見て可愛い~って言っていたあとに食べたジンギスカンです」

 

杉山「気がついたら私たち、食べ物の話ばかりしてません?」
鵜飼「杉山さんの天麩羅から始り、外食が出来るか。1番食べたい食べ物、1番美味しかった食べ物、逆に1番不味かった食べ物、
ガールズトークの鉄板ネタ“秘密の話”にいたっては、【食べ物の写真】【グミを噛まないで食べきる】【猫を餅に見立ててひっくり返す】ですから
…思い返せばスタートの先生の、食欲×変態、の話からですよ」
大平「口唇期(こうしんき)固着!」
鵜飼「大平さん、いきなり難しいこと言いますね。寝言は寝た時、言って下さい」
大平「クルズスで覚えたんですよ」
杉山「私のクルズスは、ジョークでしたが…」
鵜飼「まぁ、徐々にだからね」

大平「説明しましょう。口唇期退行は、大人だとチェーンスモーカーや酒呑みになります」
杉山「退行って幼児退行の退行ですか?」
大平「そう。お姉ちゃんに妹が出来たら、指しゃぶりしたり爪かみしたり、するあの退行です」
杉山「あんまり、いいイメージじゃないですね」
大平「それは違います。人生とは障害物競走みたいなものです」
鵜飼「ハードルを跳び越えないといけませんね。でも、なかなか上手く行くとは限りません…」
大平「そこです!その場所で垂直跳びみたいにジャンプしていても障害物は超えられません」
杉山「では、どうしたら良いのでしょう?」
鵜飼「それで、いったん逆戻りして助走をつけてから、跳び越えるのですね!」
杉山「それなら体感的にわかります。なるほど、先に進むために、あえて逆戻りするのですね。
勇気ある撤退、ですね」
鵜飼「そう!戦場で生き残る兵士は必ずしも勇敢な兵士とは限らない、という言葉がありますね」
大平「それは心も同じです。我々は、心理的な課題を跳び越えるために、退行、を必要とすることがあるのです」
杉山「おぉ」
大平「会社の社長さんが、入院すると赤ちゃんみたいにバブバブして看護婦さんに甘えるっていうじゃないですか。
赤ちゃんプレイ、もその延長ですね」
鵜飼「大平さん、ひとこと、余計…」

杉山「口唇使うなら、トランペットとか草笛でもいんじゃないですか?」
大平「そうです!おしゃべりとかカラオケでもいいのです」
杉山「おしゃべりは十分しましたね」
鵜飼「じゃ、二次会はカラオケにしましょう」
大平「私は、1人カラオケ、はしない主義ですが、3人ならOKです」
鵜飼「お腹も空いたしね。行こうか!」
大平「何か口に入れてないと気が済まないのも、口唇期…」
杉山「次、行きましょう。じゃ、電源、落しちゃいますね」
3人「では皆様、良いお年をお迎えください」

 

BGM.(川原選):太田貴子「ガールズ・トーク」
(大平選):TWICE 「LIKEY」
(鵜飼選):TWICE 「Dance The Night Away」
(杉山選):TWICE 「ONE IN A MILLION」


志らく

23/ⅩⅡ.(日)2018 雨 天皇誕生日

朝9時くらいに起きて、ふとんの中でゴロゴロして、お風呂に入って、湯舟につかって、うちは風呂場でTVがみれるから、
爆笑問題の「サンデー・ジャポン」と、松本&東野の「ワイドナショー」を交互にみてた。
昨日の外来は混んでいて、待合室に補助椅子まで出していたから、暇で疲れるよりはやり甲斐があったからいいけど、
さすがに疲れた。
疲れをとるには、お風呂が一番。ゆっくりつかっていた。
気の利いた女でもいれば、日本酒と、あて、でも差し入れてくれ、サイコーなのにと現実のニュースをTVが垂れ流すままに、
右から左へと他人事のように消費した。

僕は誰かと何かをやるというのが多分、嫌いなのだと思う。
出来ないか?と聞かれれば、それはきっと逆に、うまい方だと思う。
上手/下手、と、好き/嫌い、はまったく別の次元の話だと思うのだ。 

好きなアーティストは生で観たいし、映画はどんなに家のシステムが完備してようが映画館で観た方が臨場感がある。
僕は、ネットで育った世代じゃないから、やっぱりライブというか、足を運ぶということで、自分の時間をわざわざ割いてでも、
行くということに、対象に対する愛を表現するものだという(古い)考えに縛られている。
だけど、近頃は、映画館で隣の客がスマホみてたり、格闘技会場で格闘技を知らない奴が無料招待されてて不真面目で、
「殴り殺してやろうか!」と血気盛んになるが、そこはぐっと我慢して、むしろ自分が行くのを辞めようと思っていたくらいだ。

でも現代人のマナーの悪さは兎も角として、僕の発想自体は「正しく」て、たとえばテレビ電話とかスカイプ(?)とか、
家にいながらにして、対話できる技術は便利なのだと思うけど、国際サミット(?)のような各国の首脳が集まる会談って、
そういうことでは済まさないで、どこかの国にわざわざ集まる理由は、皆で記念写真をとって、
それを世界に報道することも意味があるんだろうけど、それより、人間としての最低限の誠意として、
お互い忙しいけどプライベートの時間を削ってでも、こうやって集まるくらい、この会を大事に思っているんですよね、という、
価値観の共有や意気込みと誠実さの共有だと思う。
だからどんなに、アプリ、が便利になって、僕は時代に取り残されても、人間としての「正しい」側にいるのだと思う。

今年の夏、ドラえもんの劇場版映画「宝島」をみた。
たしか、さくら学院のライブ・ビューイングをバルト9で観る予定の日で、上映まで時間があったから、時間つぶしにみたのだ。
何か、おまけのオモチャをもらった。↓。

その映画は、宝島の地図を手に入れて、皆で、探検に行こう!という夏休みっぽいテーマだったのだが、
ドラえもんが「じゃ、これ」と四次元ポケットから、どこでもドア、を出したら、のび太が、のび太のくせに生意気に、
「雰囲気、出ないんだよなぁ」と言って却下して、冒険に出る筋で始る。
僕はこの、のび太発言と国際サミットの意義って近いんじゃないかとなと思って、結構、インパクトを受けて、
肝心のストーリーをまるで覚えていない。

そんなことを思いながら、僕は浴槽に入浴剤を追加した。 
そこで談志がよくサインに書く、「銭湯は裏切らない」というフレーズを思い出した。
僕は談志の言うことは大体、共感するのだが、このフレーズだけはどうも合点がいかない。
現実、談志がそういうから、普通の町の銭湯から、スーパー銭湯などいくつも行ってみたが、
結局、周りの客がウザくて、不快な気分をして帰ってくるだけだった。やっぱり人間は嫌いだ。

そこで、「あれ?何か忘れてないか?」と思った。

思い出した!
12/23は、談志の弟子、志らくの、今年最後の独演会で、これは談志から引き継いだ由緒正しい会だ。
手帳に記入してなかったから、チケットはとってあるのに、まったく忘れていた。
肌寒さの皮膚感覚の体感温度が記憶の倉庫を刺激して、記念日反応的に、思い出させたみたいだ。

僕は入浴中。時計は12:00だ。あわてて、体をふいてチケットを確認したら、13:00開演だった。急げば、間に合う。
でも、外は雨だ。気持ちも長湯で副交感神経優位になっているから、「よし、行くぞ!」という気にはなかなかなれない。
こういう時に、どこでもドア、があると便利なのに。

ドラえもん、のひみつ道具事典というのを受付に置いていて、それをみた杉山さんが発見したのが、「かべかけテレビ」。
「これはもうあるじゃん」と皆で笑った。↓。

だから、どこでもドア、もそのうち出来るかもしれない。
どこでもドア、があれば、しずかちゃんの入浴中でも忍び込めるから、マンガならいいけど、実用的にはセキュリティーが問題になる。
電話でも、着信拒否とか非通知拒否が出来るように、どこでもドア、もそうしないと犯罪に結びつく。
未来の、セコム、が何かアイデアを出すとは思うのだが。

そうなると、実際、どこでもドア、の使い道って、制限されて、あまり便利じゃない道具になるかもしれない。
観光地や美術館や景観が売りのところは、非アクセスにするだろう。
たとえば、生徒は遅刻ギリギリで、どこでもドア、を使いたいかもしれないが、学校はそれを非指定地域にするだろうから、
結局、最寄り駅に皆が集うから、今の満員電車と同じようになって、ラッシュになって、激コミして、
「今、アクセスが集中しています。しばらくたって、使って下さい」みたいなことになりそうだ。

それで思い出したのだが、筒井康隆の「日本列島七曲り」という短編集に入っていた、「郵省」という小説だ。
主人公がある日、同級生の女子のことを想像して、オナニーしてると、その娘の部屋に瞬間移動してしまう。
当然、彼女は悲鳴をあげ、彼は不審者扱い、学校でもまったくシカトされてしまう。

ところが、これが「オナニー中にテレポートする=オナポート」として着目され、科学的にも解明され、誰でも使えるようになり、
国が乗り出して管理して、その省庁の名前が、「郵省」。

小説では、遅刻ギリギリにオナポートして学校の校庭に着地する、あこがれの君、を目撃する主人公の複雑な視線が印象的だった。

だけど、現実には、どこでもドア、も、オナポート、もない。
外は雨。季節は真冬。大脳生理学的には、セロトニンが低下するから初動に時間がかかる。
そもそも人間は寝起きが一番、意志が弱い。せめて、前の晩に気付いていたら行ったんだろうけど、
そういう訳で、志らくの、今年最後の独演会、サボりました。

近所の寿司屋で、のどくろ、と、あんきも、をつまみに、カニ酒を呑んでいる。
たった今、となりのカウンターに座ってる常連の紳士から、
「すみません。今、何か作品を執筆中なのですか?」と質問された。店は高級店。僕の髪色は、赤と緑。
昼間から酒呑んで、ノートにペンを走らせてたら、何かそういう現代風の作家とご一緒出来た、と勘違いされたのかもしれない。

僕は相手の夢をこわさないように、
「新作の下書きです」と答えた。新作、ってまさにこの記事なんだけど(笑)、嘘じゃないし。
相手は大きくうなづいて、「うん」と勝手に納得していた。
見知らぬ男への、1日早いX’masプレゼントを送った。

BGM.ダーレン・ラヴ「クリスマス」


心の護美箱⑧~僕のかわいい人

22/ⅩⅡ.(土)2018 雨のち曇り 心の護美箱⑦がいっぱいになったので、⑧を作りました。

君の髪の毛のカールが頬にかかってて、働き者の君には邪魔そうにみえるけど、それでもそうした工夫なんだろうね。
ポーズの、決め、が、ガッツ・ポーズ、なんだけど、それがとてもやわらかい。
ちょっとおすましした顔は、もうちょっと愛想を振舞ってくれたら可愛いのに、冷たくないから良い人なのだと思う。
なだらかな君の胸を強調する店の制服に、僕は少し目をそらす。

あまり器用じゃない君は洗い物ばかりしてる。
それは仕事があんまり出来ないからだろう。
でも僕は君に、オーダーしたくて待ってるんだけど、
君のことを待っていたら30分もお酒がおあずけだから、
テキパキした美人にたのむと、その娘はとても愛想がよくて、ちょっと良い感じのサービスをするから、
僕は君のことがとても心配だ。

君は今日まで、どんな恋をしてきたのだろう。気になる僕なんだ。

君は頬を紅くして、僕と全然関係のないテーブルに、生ビールを運んだり、お水を注ぎに届けたりしている。
まっすぐしか物をみないんだね。
もう少し、視野を広げてくれたら、僕が君の視界に映るのに。

一度に二つ以上のことを言われるとわからなくなるんだね。
時々、おこられてるところをみるけれど、君は自分の落ち度をちゃんとわかっているね。
スピード感が遅いから店の仲間にイラつかれてるけど、それはきっと「慣れ」だと思うよ。
がんばって欲しいと思うんだ。
だって僕がここの店に来る理由の半分は、君がここにいるからになってきたんだよ。
他のよっぱらった、いやな客が君の年令をきいてるのをきいたよ。

そんなことを断れない、君がとても心配だ。

BGM.よしだたくろう「話してはいけない」