ミーちゃんとつげ義春

2/ⅩⅡ.(木)2010 その3
ミーちゃんのことばかり考えたいたら、つげ義春の「峠の犬」という漫画を思い出した。
 ある行商人の隣の家に「五郎」という名の犬がいる。この犬は、行商人が旅に出るときは街道の辻までついてきて、                                           旅から帰ってくるときもそのように迎えにきているはずだった。しかし、「五郎」はもう十日も前から行方不明になっていた。
行商人は、ある時、いつものように街道の左右に分かれるところで、気まぐれでいつもとは別の方の道に進んでみる。                                           そこは合掌峠といって、昔、この峠の頂上で乞食が西に向かって合掌したまま息絶えていたので、そう呼ばれるようになった。                                          その乞食は元は西国の偉いお坊さんだったそうだが、なぜ、仏門を捨て乞食になったのかはわからない。
峠の茶屋で行商人は、「五郎」と再会する。「五郎」はそこでは「ハチ」という名で呼ばれていた。
「この犬は変わり者で、一昨年、行方不明になったのがヒョッコリ戻ってきたのです。一年間もどこをうろついていたのか、                                             その気がしれません」と店の者は言う。行商人は、「ハチ」=「五郎」の行方を知っていることになるのだが、それは黙っていた。「五郎」と「乞食」と「行商人」の、「生きる道の選択」と「引き返す/引き返さないの理由の有無」の対比を軸にした、暗い作品だ。
僕は、なんとなく、ミーちゃんはこの漫画の「五郎」みたいにフラリと帰ってきそうな気がする。
ミーちゃんは、この間、僕の夢にも登場して、僕と話をしたのだけれど、長くなるので、その話はまた今度。
BGM. サザンオールスターズ「猫」


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