11/Ⅱ.(水)2015 曇り
「うえさかすみれ、って何者ですか?」と最近、よく聞かれる。
それは、受付の内側の脇の壁にポスターが貼ってあるからで。↓。
うえさかすみれ、は、上坂すみれ、と書いて、すみぺ、が愛称です。
声優で、CDも出していて、ロシアやソ連が好きで、ミリタリーで、ゴスロリで、オタク趣味の美少女です。
そんな彼女が「革命的ブロードウェイ主義者同盟」を結成し、聖地・中野ブロードウェイに近い中野サンプラザで、
建国記念日に「総決起集会」というコンサートをします。
今年が2年目で、僕は去年も行っていて、確か、ブログに記事を書いてるはずです。
あまり大したことを書いてないはずだから、読まなくて良いです。恥ずかしいから。
僕は受付の採用面接で忙しい中、その合間をぬって、2年連続で参加して来ました。
すみぺ、は、アンコールで客席を回り、プレゼントを手渡しで配ってまわるファン・サービスをします。
それは、すみぺのいらなくなった私物や中野ブロードウェイで買って来た値札付きの小物が大半です。
それらをかごに入れて客をイジリながら、渡して行くトークも面白いです。
たとえば、「ファッションセンスが悪い人だから、ツアーTシャツをプレゼント」みたいな。
僕の当日の席は2階席だったのですが、すみぺは2階席にも回ってきました。
「この辺の人はチケット運が悪いなぁ。可愛そうだから1番後ろの人にブロマイドをあげましょう」
と階段を上がって来て手渡ししてました。
会場からは、「おめでとう~」という拍手と歓声が沸き起こりました。
すみぺは、かごを弄りながら、「次は、これだ」と言って、ピカチュウのフィギュアを見せました。
僕はたまたま通路側の席で、すみぺがピカチュウを取り出した時、すみぺは僕の真横にいました。
だから、僕は横からすっと手を差し出しました。
すると、すみぺは、ビックリして反射的に、「あっ、はい。じゃ、どうぞ」とピカチュウを僕の手の平に乗っけてくれました。
イジルのも忘れて。(笑)
こいつは春から縁起がいいや。
きっと、受付にも良い人が来てくれるだろうと、そんな予感がしました。
下が、すみぺにもらったピカチュウ。待合室のどこかに飾るので探してみて下さいね。↓。
中野ブロードウェイは解体されるという噂がありますが、来年もすみぺのコンサートは行われるそうです。
それも、2Daysだそうです。今年の4月にはファンクラブも出来るそうです。
すみぺのファンは、「同志」と呼ばれています。
そう言えば、この日の開場の際は、入念なカメラ・チェックが行われて、入場時に行列が出来ました。
僕が列に並んでいると、僕の顔を覗き込んでくる若者がいました。
彼は、しばらく僕の顔を眺めた後に、「もしかして、失礼ですが、川原先生ですか?」と話しかけて来ました。
そこで僕も彼の顔を見ると、「おぉ!」とお互いに叫びました。それは、元・患者さんでした。
元気そうだった。まさか、こんな所で再会するとは。彼は嬉しそうに僕のことを、「同志!」と呼びました。
同志で思い出したのですが、先日、A心理オフィスの内覧会に行きました。
そこの心理士さんが僕が前に勤めていた病院に現在、勤務していると聞きました。
この業界は狭いですね。
ちょっと話をしたのですが、僕がいた頃と今の病院の雰囲気は随分と違って聞こえました。
僕がいた頃の病院は、治療者の本気度がすごくて、真剣勝負で治療をしてました。(今がしてない、って意味じゃないですよ)
僕は医者なのでリーダーシップをとって、治療チームを牽引して行った自負がありました。
時には、経営サイドとも衝突して、治療の質を優先させました。
スタッフ全員の本気度が僕を後押ししたから、説得力や迫力があったのでしょうね。
経営サイドは、目先の利益より、治療者の誇りを優先してくれました。
だから、我々は失敗することは許されず、治療に責任と覚悟を持ちました。
そんな風に団結したチーム医療は、今思うと、奇跡、ですね。
でも、今思うと、あれは経営者が頭が良かったのかも。
そうやって僕らを焚きつけて、本気にさせて、質の良い治療を提供させる。
これは目先の利益より、長い目でみると評判とか宣伝効果にしたら換金率が高いからね。
僕はA心理オフィスの帰り道にそんなことを考えながら、ちょっと考えを改めさせられました。
僕は前の病院での僕の仕事は、僕の手柄だと考えていた節がありました。
でも、そんなことはないのです。
僕の同僚の医者やケースワーカーや病棟のナースや看護助手、そして心理のスタッフの誠心誠意の結晶だったのです。
そんな中でも僕にとって1番の同志は、K婦長でした。
K婦長は、立場上、経営サイドからの圧力を1番受けていたはずです。
だけど、僕がやる気を見せてる限りは盾になってくれてました。
僕はそんなことも忘れて、自分の都合の良い様に、武勇伝みたいに考えている自分を恥じました。
僕が開業してしばらくしてから、K婦長は病院を退職したと聞きました。
連絡も途絶えていて、ずっと気になっていました。
それが、本当についこないだクリニック宛に、K婦長から手紙が届きました。
ピンク色の封筒の中身は、元気そうな近況報告でした。良かった、元気そうで。
僕は手紙を何回も読み返すのに忙しくて、返事を書いてる暇がありません。
K婦長へ、もし、このブログを読んでたら、もう直に返事を書くので待っててね。
それから、一言。もっと早く手紙、寄こせよ!心配したんだから。
ま、そんなことを言っても、僕だって手紙の返事よりこんなブログ記事を先に書いてるんだからね。
言う資格ないね。
失礼しました。
僕は今、新しい受付の採用面接の最中です。心理も新しい人が加わります。
よくあるクリニックの縦割りの役割分担みたいなチーム編成など僕の眼中にはないのです。
K婦長たちと一緒にやったチーム医療の奇跡をもう1度、今度はクリニックで再現したいのです。
それが僕の野望です。
それがカワクリの未来です。
そのための同志を今、僕は探しているところなのです。
BGM.上坂すみれ「我らと我らの道を」
今年はまだ本気出してないだけ
正論は暴力よりタチが悪い。
今回のとらばーゆの応募文は僕がガチで書いたから、前回と比べて応募者数は激減です。
あまりに少なくて、一瞬、ちょっと凹みました。(笑)
同業の友人と電話をしていた時、この話をしてみました。
すると、彼はこう言いました。
「受付は受付の仕事だけしてれば、良いでしょ?受付に喋りは要らないよ。
余計なこと話されて治療が大変になったら、君の仕事が増えるよ。
そうゆうのって、君が1番良く知ってるでしょ?
あまり自分で大変にしない方がいいよ。
そんな難しいこと、書くから人が来ないんだよ」って正論を言われました。
やっぱり正論は暴力的だ!
そんな時は前髪がうまく決まらないもので、下の100円ショップでクシを買う。
レジで、「1円玉が不足してます。ご協力下さい」とあったから、百円玉1枚と一円玉を5枚出してあげる。
しばらく店員は沈黙していて、僕が<?>と首をかしげると、申し訳なさそうに店員は言いました。
「すみません。今、消費税8%なんです」だって。あら、そう。
なんか良いことしようとしたのに空振りで、余計に凹んで、前髪崩れる。
クシで梳かしても、すぐに前髪乱れる。
そうしたら、たまたま、マサキと電話で話して。
同じようなことを言ってみると、マサキは笑いながらこう言った。
「大体、君はそんなことを僕に相談しないでしょ?
君の方が専門なんだから。
それは君が1番よく知ってるでしょ?
やりたいことがあるんでしょ、好きにやったら」だって。
僕は人生で迷うことがあると、もしマサキならどうするか?、って考えてみることにしてる。
そしてマサキの気持ちになって答えが出たら、それとは逆の方を選んでいる。
今回ばかりはちょっと、見透かされたようだ。
(マサキって誰?って思ってるあなたへ。2014年12月15日「予告ブログ~生きること、死ぬこと」を参照して下さい。)
だけど、皆さん、朗報です!!
量より質なのです!!
今回の応募者は少なかったですが、質は高かったです。
正直、この中から、1人を選ぶのは難しい。
そのくらい、ハイレベルでした。
取り敢えず、マサキなら誰を選ぶかな?
BGM.よしだたくろう「知識」
受付だより~カワクリで働くこと編~
みなさま、こんにちは。おひさしぶりのフレッシュ小森です。
毎日寒いですね、今週は雪も降りましたね!
積もる積もるといわれて、いざ積もらないとがっかりされて。
でも、たいしたことないといって電車が止まったりすると、不満をいわれて。
気象予報士さんも大変です。
これから科学が進歩して、「絶対当たる天気予報!」なんて出たりして。占いみたいですね。
案外、下駄とかてるてる坊主のほうが確率いいかもしれません。
さて、みなさん先生の記事でお気づきかと思いますが、カワクリは今、来たる黄金時代に向けてメンバーの再編期を迎えております。
わたしとしましても、どんな人が来るのか気になるところです。
そんなソワソワ気分、やはり先生はお見通し。
「小森さん、採用面接に同席することはできないけど、こんな人と働くのはイヤだというのをブログに書いていいよ。応募する人に読んでもらおう。」
ですって!悪いお誘いですね~。
そうは言われましても、さすがにそんなことを公の場で書き連ねる度胸は、ない。
合う合わないは、善悪とも違いますし、そもそも善悪の基準だって人それぞれです。ディランが出てきそう。(ディランについては、12月記事を参照ください。)
今回は先生のお誘いは横においといて。
小森がどうしても許せない行動ベスト3を発表したいと思います!
まず第3位は…上司のご機嫌とり!
わからなくはないんですよ、そのほうが円滑に進むのでしょう。要領良くできる人がうらやましいと思ったこともありましたが、わたしは下手くそです。
続いて第2位…同調する女子!
女が3人集まると、2対1になりがちです。そして、牽制し合います。そんな匂いがしたら、わたしは進んで1を選びます。出た、反骨精神です(笑)
そして、わたしが許せないこと第1位は…出る杭を打つ!
今まで何度も言われてきたセリフ「まあまあ、波風立てないで。目立たないようにやりなよ。」
これまた反骨精神の賜物ですね。
あるある過ぎて、頷いていただける方も多いと思うのです。どこで働いても、必ずいると思っていました。
が、しかし!カワクリは違います!
そもそも、先生は出る杭街道を物ともせずつき進んでいますし、より良くするために破壊と創造を繰り返しています。
これから受付も3人となりますが、個々が自分のやるべきことにしっかり自覚を持って向き合えば、1対1対1の関係を築いていけることでしょう。
さあ、そこの迷っている方、ぜひ応募してみましょう!
そして、ずっとカワクリを応援してくださっているみなさま、これからも見守っていてください!精進して参ります。
結局、書いちゃった。てへ。
BGM.怒髪天「はじまりのブーツ」
プロの洗礼~「ヒーローは、敗北からスタートしている」
4/Ⅱ.(水)2015 くもり
※受付の求人の応募のための視察の方は、1つ前の、後藤さんが書いた記事を参考にどうぞ※
昨日は節分だそうで、今日は立春だそうで、カワクリも新しい人材が加入しつつある。
今日、緊急にお伝えしたいメッセージがある。
それは、僕の知っているサクセス・ストーリーは、皆、黒星スタートだ、である。
プロの洗礼、とでも言うべきか。
アントニオ猪木のデビュー戦は、大木金太郎に頭突きでフォール負け。
(ちなみに、同日デビューのジャイアント馬場は田中米太郎に勝っている)
その後のサクセスは猪木、という文脈で使っている。(反対意見もあるだろうが)
新人・長嶋茂雄の開幕戦は、国鉄スワローズの金田正一の前に4打席4連続三振。
世界のホームラン王・王貞治は、デビューから26打数ノーヒット。
下は、横尾忠則のポスト・カードの「ON」。王と長嶋だから、オーエヌ、ね。↓。
僕も研修医に成り立ての頃、無断欠勤がバレて、ペナルティーで「2週間連続当直」の刑になった。
今でもそうだが、医者の当直は、翌日も勤務である。
当直は当直室で仮眠して、呼ばれたらすぐ病棟や救急外来に行くのが仕事。
だから、運が悪ければ、2週間まともに寝れないのだ。
でも僕は、へこたれなかった。勿論、自業自得だと反省した、のではない。
2週間、当直室から家に帰れない泊り込みという状況が、「日本一のホラ吹き男」の植木等みたいだと思ったからで。
映画で、臨時雇いで会社に入った植木等が配属された部署は、会社にとって何の関係もない古い書類の整理。
皆、やる気がない。
「ここじゃ、いくら頑張っても出世はないよ」と先輩から言われる。
すると、植木等は、底抜けに明るいテンションで、張り切って、荷物をまとめて会社に泊まり込み、仕事をする。
「そんなにまでして残業代が欲しいのか」という皮肉にも、<いいえ、残業代はビタ一文、いりません>。
そして、1人で、書類を全部、片付けてしまう。
労働組合は残業して残業代を取らないことを問題視し、同じ職場の人間達は「仕事がなくなってしまった」と不満を言う。
そうして、会社は仕方なく、植木等を他の部署に係長待遇で異動させる。ここからホップ・ステップ・ジャンプ!
東京オリンピックの直後の映画で元・三段跳びの選手だったという設定の植木等は、三段跳びの様に出世して行く。
高度経済成長の時代のサラリーマンに元気を与えたと言われる映画だが、今、観ても色褪せないパワーだ。
なので、僕も植木等のマネをして、家から色んな物を当直室に持ち込んだ。
浅草のマルベル堂で、クレージーキャッツのブロマイドをオーダーメイドで引き伸ばしてもらった。
それを当直室の壁に貼った。
陰気な当直室が、まるで僕の1人暮らしの部屋みたいに衣替えした。
評判を聞いて、何人もの看護婦さんや他科の研修医も覗きに来た。皆、「お~」って言ってた。
精神科の先輩には、「川原、やりすぎ!」と注意されたが、怒られはしなかったから、スルーした。
今思うと、カワクリの空間作りのルーツは、この当直室に起源があったのかも。
クレージーの特注ブロマイドは、今もカワクリの待合室のテレビ側のソファの方に貼ってあります。↓。
丁度、半分の1週間が終った時点で、調子に乗った僕は、「トニー谷」のブロマイドの特注も発注した。
そのニュースに異常に反応した人たちがいた。
さて、問題です。
それは誰だと思いますか?
シンキング・タイム。
って言うか、皆さん、トニー谷、知ってます?
さて問題の答えです。
正解は、病棟のナース達でした。
意外と女性には、つらそうな姿をアピールするより、平気の平左、で明るく振舞った方が母性本能をくすぐるみたいだ。
ナースは一丸となって、僕の味方をした。
彼女らのナイチンゲール精神は組織立って、医者や教授や医局長に「いくら何でも可愛そうだ」と意義を申し立てた。
「過重労働でミスが起きたらどうするつもり?」
「川原先生だから笑って仕事が出来ているのよ」
「いえ、ああ見えて、顔で笑って心で泣いているのよ」
「あぁ、いじらしい」
「それに比べて、他の医者は川原先生に仕事を押し付けて、楽をしてるのよ」
「他の医者は、ズルイわ」
などと、本来、僕が無断欠勤したのが問題なのに、矛先が他の医者に向いた。
実際は、僕は研修医だったから、当直には必ず上級医の先生が日替わりで付いていてた。
「2週間当直」というのは、半分、洒落だった。
つまり、学生気分の抜けない僕に社会人の厳しさを教え込ませるための親心であり、問題を大きくしない配慮だった。
そして、2週間、毎日、日替わりで色んな先輩から、生の知識を吸収できるチャンスを用意してくれたのだった。
僕は、ゴールデン・ルーキーで、精神科医として期待されていたのだ。
そんな内輪な洒落は、ナースには通じない。
彼女らは、川原先生を守るためにはストライキも辞さず、の構えだ。
病棟でナースにストなどされたら、大変だ。
医者が、検温や配膳や採血や保清など、駈けずり回らなければならなくなる。
ナース・コールも医者がとる事態になる。
これには上層部もあわて、急遽、僕のペナルティーは1週間で解除された。
そして、医局長はナースの前で、僕を労う為の1席を自腹でもうける約束までさせられた。
憎憎しげに、医局長が、「川原君、何を食べたいんだい?」と僕にだけ見える角度で恐ろしい顔をして質問した。
僕は、<●●のうなぎ>と高級な鰻屋の名前を告げ、<個室で、コースにしてね>と答えた。
ナースを納得させるには、そうとでも言うしかない。それが最善の策だった。
そして、僕と医局長は週末、本当に二人きりで、鰻屋の個室でコースを食べたのでした。
さすが、名店!、うまかったですよ。
もう皆さん、ご承知かもしれませんが、僕はこういう空気、平気なんだ。
えーと、何を言いたいかと言うと、<始めから上手く行く人はいない!>、ということです。
最初は皆、黒星スタートなんだから、皆、そんなものだよ、ってことです。
だから、腐らずに頑張ろう!、というカワクリ新スタッフへの、エールのつもりで書いたのですが…。
趣旨、伝わったかしら?
もし情報にノイズが発生していたら、それはきっと植木等のせいだと思う。
猪木とONのエピソードだけ読み直して、その後はカットで。
BGM. 植木等(ハナ肇とクレイジーキャッツ)「無責任一代男」