ランチにちらし

27/Ⅶ.(水)2011 ゲリラ豪雨の予報も、快晴
お昼は、珍しく早く終わったので、徳田さんを誘って、電車で一駅、奥沢の「入船」というお寿司屋さんにランチのちらし寿司を食べに行く。
この店は、僕の大学時代の教授が贔屓にしていた店だ。
おいしかったし、おなかもいっぱいだし、お天気もいいし、<大学生だったら、このまま帰るナ>って、ふざけて僕が言ったら、
「当然!」って徳田さんが答えたので、少し度肝を抜かれた。
てっきり、「そうですね」とか「そうかも」くらいの柔らかいリアクションを予想していたから。
…当然、かぁ。徳田さんは、時々、そういうとこがあるなぁ。
お店を出てから徳田さんは、「ちらしのかんぴょうって、何故、おいしいんでしょう?」と答えようのない感想をモノローグ風に
口にするから、負けじと僕は、ゴダールの「勝手にしやがれ」やルイ・マルの「地下鉄のザジ」の日本公開当時のポスターが
飾ってある古本屋に案内してみる。
…30秒もしないうちに、鑑賞終了。
帰りの奥沢駅のホームに着くと、まるでベルトコンベアみたいに、すぐに電車が来て、我らを大岡山まで運んで行った。
帰りに徳田さんが、お花を買うというので、付き合うことにする。
僕らは、「暑いですね」、<暑いね>という会話を2、3回繰り返して、花屋を2軒まわる。
徳田さんがお花を選んでる最中、僕はおじいさんのように店の椅子に勝手に腰掛けて待つ。
彼女は、お花屋さんに、お花が長持ちするコツを聞いていて、お花屋さんは「氷を入れることです」と答えていた。
クリニックに戻ったら、早速、徳田さんは冷蔵庫から氷を見つけ出し、診察室の花瓶にも氷を入れてくれた。
角氷を4つ入れてくれて、透明な袋で出来ている花瓶だから氷がよく見える。
氷は、あっつという間に小さくなって、1分もしないうちに水になってしまった。
さて、なぞなぞです。「‘みず’を1秒で‘こおり’にする方法は何でしょう?」。
答えは、漢字の「水」に「‘」をつけて「氷」にする、です。


今日は立川

20/Ⅱ.(日)2011
立川(たちかわ)に立川(たてかわ)談志一門会を観に行く。かねてより落語をみてみたい、と言うA子を誘って行く。
A子は、ワタシ地図を読むのが苦手なんです、と満面の笑みで、まるで、ワタシ趣味がフットサルなんです、
というみたいに自己紹介をする人だから、あてにできない。
駅から徒歩13分のアミュー立川というホールに、途中々々、人に道を尋ねながら歩いてゆく。
2人で道に迷ってる風に見えたのだろう、信号のところで自転車に乗った親切なおばさんが、「どちらに?」と声をかけてくれた。
「アミュー立川」と答えると、「あぁ、それなら、あの白いビル…」と教えてくれた瞬間に信号が青に変わって、
おばさんは自転車をこぎながら続きを喋るから、それを聞き取るにはこっちも横断歩道を走って追いかけないといけない。
せっかく親切なんだから自転車から降りて教えてくれればいいのに、と僕が言うと、急いでいるんでしょう、とA子にさとされた。
でも、おかげで無事たどりつけ、開場と同時に係りの人がチラシやアンケートを手渡すのだが、
なんと!僕に手渡してくれたのがさっきの自転車のおばさんだった。
そうか、それで急いでいたのか。A子の言う通りだ。おばさんに、さっきはありがとうとお礼を言う。
演目の前半は、談修、談笑、志らくの落語3席。談修は若い頃から知ってるけど、上手になったなぁと感心した。
親戚のおじさんの気分になった。談笑はたくさん笑いをとった。志らくによると、去年の1月は談志のXデー(死ぬということ)は近い、
と皆で心配していたが、驚異的な回復力をみせているという。
むしろ志の輔のXデーの方が早いのではと、予測していた。志らくって、平気でこういうことを言うんだよなぁ。
中入り後、談志は回復したとはいえ声がでないので、スペシャルトークの予定だったのに、紋付袴で登場した。
昔、お前ら志ん生や文楽をみてないだろう、と言う時代が来ると言ったものだが、本当にその通りになり、
さらに談志もみたことないよ、という時代が直にそのうち来ると談志は言った。
そして8代目文楽の得意とした演目「明烏」を、文楽の調子でやります、と文楽のまま演じてみせた。
声はガラガラだが、文楽を、そして伝統を現代に残したのだ。僕はちょっとセンチメンタルな気持ちになってしんみりしたけど、
A子が喜んでくれたのは嬉しかった。

立川は不案内なので中野まで出て、ご飯を食べよう。志村けんが「うまい!」と言ったダチョウの肉を食わせる店か、
しょこたんが「うまい!」と言う焼肉屋のどちらかに行こうと僕が提案すると、A子は、ダチョウはちょっと…、と敬遠するので、
ダチョウに行くなら3人だな、と冗談を言い焼肉屋にゆく。
近頃A子はレバ刺しにハマってるらしく張り切って注文したが、ごめんなさい市場がしまっててレバーが全滅なの、
と言われてA子はショックを受けていた。小さい声で、たぶん平仮名で、「ぜ…ん…め…つ…」と復唱していた。
それでもA子は、メニューのレバ刺しの写真の写ってる面を裏返して、気を取り直した。2人で結構、呑んで食べた。満腹感。
おいしくて安かった。「だるま」というお店で「とらじ」の姉妹店らしい。皆さんも中野にお立ち寄りの際は、行ったらどうでしょう。

僕とA子は、お互いの仕事ぶりや、落語は面白かったねとか、焼肉はおいしいねとか、日本の喜劇人についての話をした。
帰り際、A子が、今度ダチョウを食べる時は誘って下さいね、と言ってサヨナラした。
BGM. 高田渡「自転車にのって」


イブ!

24/ⅩⅡ.(金)2010 クリスマス・イブ
昨日の祝日と、年末年始が重なり、診察終了がpm11時すぎ。今日の方、お待たせしてすみませんでした。
これは、Nさんに頂いた紙製のクリスマス・ツリー。「作る時間ないでしょうから」とこさえて来てくれた気の利き方。ありがとう。


帰りに、塚田さんと「ココイチ」へ。遅くまで働かせてしまったので、カレーをおごる。
BGM. ダーレン・ラブ「クリスマス」


川原3大好物 γ

21/ⅩⅡ.(火)2010 冬い寒の日
川原3大好物の最後は、うぐいす餅。家の近所にはおばあちゃんが住んでいて、僕は暇な時におばあちゃんちに寄っていた。
相撲をやってるシーズンは相撲中継を、それ以外の時は時代劇の再放送を見ながら、おやつを一緒に食べるのである。
たまに、お茶菓子を買ってってやるのだが、年寄りなのでケーキなどは好まず、消去法的に和菓子屋に行く。
そこで季節に応じて、団子やらおはぎやら桜餅やら草餅やら黄身しぐれやらを土産に買う。
そんなある日、僕の目を奪ったのが、鮮やかな薄みどり色の和菓子だった。和菓子屋は、その色をうぐいすに喩えたが、
僕はイグアナとかカメレオンを想像した。僕は爬虫類や両生類の生き物が大好きで、それは勿論、怪獣や恐竜に似てるからだ。
このうぐいす餅の薄みどりは、刺激の少ない老人とのやさしい時間の中で、東宝ゴジラ・シリーズのガバラやゴロザウルスを連想させた。
僕はゴジラ・シリーズでも、彼らのような敵役や脇役が好きだった。理由は、「寿司××」の時と同じ。
下の写真が、ガバラ。子供の時のをまだ持っている。↓。

これが、ゴロザウルス。これは、大人になって復刻版を入手した。↓。

以上、川原3大好物の巻、おしまい。
BGM. ザ・カーナビーツ「好きさ好きさ好きさ」


川原3大好物 β

20/ⅩⅡ.(月)2010 寒い冬の日
昨日、「川原3大好物」のうち「鳥皮」を紹介したので、今日は残りの2つを紹介しよう。
あまり知りたくもない個人情報でしょうが、「鳥皮」しか紹介しないと残りの2つが可哀想だから。
…と言うわけで、川原3大好物2つ目は、穴子寿司。正確に言うと「寿司××」の穴子握り。
子供の時、寿司の出前は高級な「寿司○○」と決まっていたが、僕は近所の立ち食い寿司屋の「寿司××」の方が好きだった。
子供ごころに「寿司○○」は気取って見えたし、性分としてのアマノジャクと判官贔屓もあった。
さらに、親に怒られて家から締め出されると、家のお金をチョロまかして「寿司××」に寄っていた、常連気分も手伝った。
僕は、穴子の甘いツメが好きで、マグロもエビもタコも全部ツメで食べたが、穴子が断然旨かった。
「寿司××」のおじさんは笑って、「それは、ツメは穴子から作るんだから当たり前だよ」と教えてくれた。
それ以降、10年以上、僕は寿司屋では穴子しか食べなくなるのである。
だから、家で寿司の出前をとる時も、「寿司○○」で大きな桶を頼む時は、僕用に「寿司××」で穴子だけを注文した。
そんなある日、「寿司○○」の出前と「寿司××」の出前が玄関で出くわしてしまった。桶の大きさが全然ちがう。
「寿司××」のおじさんの決まりが悪い風に見えて、「寿司××」のおじさんに嫌な思いをさせたのではないか、と大変気にした。
それを知った母は僕に、「タツジの1番は『寿司××』なんだから、堂々としていればいい」と言い、僕は「なるほど」と思った。
BGM. 今井美樹「PRIDE」


川原3大好物 α

19/ⅩⅡ.(日)2010 寒い冬の日
鳥皮をつまみに、奥沢の焼鳥屋でいっぱいやる。塩10本にタレ10本。鳥皮は、「川原3大好物」の1つである。
小学校の頃、母の買い物は日本橋の三越か横浜の高島屋で、付き添い役は僕。
横浜の帰りは、ダイヤモンド地下街というところの『鳥○○』で釜飯を食べた。
その手の焼鳥屋さんがそうであるように、釜飯が炊き上がるまでの間、焼鳥をつまみながら待つのである。
僕は偏食なので、鳥皮を30本とか40本とか食べるのである。そして、母の釜飯を少し分けてもらう。
鳥皮だけを馬鹿のように食べる小学生を見て、店のおじさんは「この子は、将来、大物になるよ」とあきれ返り、
それを真に受けた母は喜んで、「このお店だって繁盛するわよ」とお世辞で返してたのが微笑ましい。
ちなみに、今、その店はない。
BGM. 美空ひばり「川の流れのように」


カッパと少女

10/ⅩⅠ.(水)2010 くもり、暖かい日
今日のお昼は、ジャジャン麺キュウリ抜き。僕の好き嫌いは激しいが、中でもキュウリが嫌い。
だから、注文はキュウリ抜き。
よく、「何故、キュウリが嫌いなのか?」とか「キュウリを嫌いな理由が見当たらない」などと言われ、めんどくさい。 
理由?。匂いかしら?。でも、スイカやメロンは好きです。だから、好き嫌い。
今は、大人なのでキュウリを食べろと強要されることもない平和な日々だが、昔は断るのが一苦労だった。
「このキュウリは、本当にウマイから食べてみろ!」って。
だ~か~ら~、嫌いだ!っていうの!。
一時期は、「子供のとき、高い所から落ちたが、下がキュウリ畑で命拾いをした。だから、キュウリを食べないようにしている」 
と言い訳を作って胡麻化したりしていた。
これはキッスのドラムのピーター・クリスが「何故、猫のメイクなのか?」という質問に、
「昔、飛行機事故にあったが、下に大量の猫がいたので助かった」と言っていたのをアレンジしたものだ。
小学生の頃、好きな女の子の家に遊びに行って、夕飯にお寿司をとってもらったことがあった。
お寿司にはカッパ巻が何本か入っていた。弱ったあげく、僕はその内の1本を丸呑みして水で流し込んだ。
すると、それをみていた女の子が、
「無理に食べなくていいんだよ」と言って、お箸で残りのカッパ巻きを自分のおけに移した。
 
僕は、それ以来、勇気をもって、嫌いなものは嫌い、と言うようにしている。
BGM. キッス「ハード・ラック・ウーマン」


めし焼きそば

9/ⅩⅠ.(火)2010 くもり
お昼、徳田さんとランチへ。メニューが新しくなっていて、‘めし焼きそば’というのがあった。                                       なんだろ?と思ったので、注文してみる。徳田さんに「あなたもコレにする?」ときくと、彼女は「私は別のにします!」とキッパリ言い切った。
先日NHKで、桂三枝が若き立川談志との思い出を語る中で、皆でレストランへ行った時に談志がチキンライスを頼んだので、
皆も遠慮して同じチキンライスにすると、談志は怒って「お前ら、別のにしろ!俺は、1人でチキンライスが食いてぇんだ!」と
注文を変更させたというエピソードを紹介し、三枝はそれをみて、「この人は、いつも他人とは違っていたい、個性を大切にする人なんだなぁ」と感心した、と言っていた。
こんな談志とあんな徳田さんが、僕にはダブってみえた。ちなみに‘めし焼きそば’は、焼きそばにお米が混じってるものだった。
そんな今日のトップニュースは、小倉優子のプロポーズ受諾だ。どんなお相手かは知らないが、いい人だといいな。                       下は昔、小倉優子からもらった年賀状。↓。

↑この衣装は、♪オンナのコ、オトコのコ♪。
BGM. 南こうせつ「僕のグラフティー」


「う」のつくおいしさ。

19/Ⅷ.(木)2010 はれ
暑い夏を乗り切るため、「う」のつく食べ物を、森国さんと食べる。
さて、問題です。うな重の「上」と「特上」はどう違うでしょう?
正解、浅草の老舗のうなぎ屋で店主に聞いたところ、「うなぎの大きさ」。
大きさだけなら、「上」でいいかと思うが、店主曰く、「お客さん、特上にしな。あと、俺のやる気が違うよ」ですって。
子供の頃、祖母が蕎麦屋から「もりそば」の出前を取り、海苔をたくさん千切ってかけて
「ざるそば」にしているのを発見した。
祖母が言うには、「ざる」と「もり」では百円の値段差がある。
それなら、自分の家で海苔をかけた方が良いと言うのだ。
帰ってそのことを母に話すと、大きな溜息をつき、昔は、「ざるそば」と「もりそば」では御つゆが違ったものよ~、と現代そば事情(当時)を嘆いた。
僕は、この親子はアベコベだな、と思った。
BGM. ナット・キング・コール「暑い夏をぶっとばせ」


味の違いがわかる男。

1/Ⅶ.(木)2010 はれ
イタリア人(かフランス人)にプロレスの技をかける。僕が考案した『オシリマクッチャウ~ノ、タタイチャウ~ノ』という技。                     その后、その男は『地下鉄のザジ』のように踊りながらスラップスティックしてくる。
僕はただ「ポワゾン、ポワゾン」と答えるだけ。
鞄の中には、一日前の大船軒の「鯵(あじ)の押し寿司」があり、賞味期限が少し気になる。そんな夢を見た。
「たちばな」さんから自家製の鯵の開きをいただいた。大阪湾で揚がった鯵らしい。
脂がのってて、とてもおいしい。
僕は茅ヶ崎生まれなので、アジにはちょっとだけうるさい。
BGM. ラジオっ娘(Lady oh!)「茅ヶ崎サンライズ」