アマゾン

2/Ⅲ.(水)2016 少し暖かい
第6感とは、6番目の感覚という意味だろう。
医学的に感覚とは、みる・きく・かぐ・あじわう・さわる、の5感を言い、
それぞれに感覚の「覚」の字をつけて、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚と呼びます。
第6感とは、直観みたいなことを言うけれど、昔は、人間にも備わっていた感覚なのだと思う。
たとえば、沈没しそうな船からネズミが逃げるとか、震災の前に一斉に鳥が飛び立つとか。
人間にもそういう感覚はあったのだろうが、文明の進歩によって、劣等器官になってしまったのだろう。
メカを使うから、使う必要が減って、退化してしまった能力とも言える。
僕は中野ブロードウェイによく行く。
そこには幾つもの店が入っていて、同じ商品でも、店によって値段が違う。
店を比べて、商品を買うのだが、グルっと回ってるうちに売れてしまっていることもあるから、
どのタイミングで買うかがポイントだ。
こうして、足で買い物をしているうちに勘が養われて行く。
<ここで買わないとなくなる>とか<まだ一回りしてきても大丈夫だ>などが理屈じゃなく判るのだ。
僕は同様に中古レコードや古本屋にもよく行くが、<今日はこの町だ>という勘が働く。
ある日、いきなり高田馬場だとひらめいて、クリスタルズのLPを手に入れたことがある。
この感動をみんなと分かち合いたいんだけれど、なかなか、判ってくれる人がいない。
ま、それは置いておくとして。
問題は、アマゾン、だ。
僕は、あまり、アマゾン、を利用しなかった。
理由は単純にネットが苦手だから。
でも、アマゾン、はそんなに高級なスキルを必要としないと判り、何気なしに探してる本を探してみた。
すると簡単に買えた。
別の日に、探してるCDを、アマゾン、で買った。
これは便利だと思い、しばらく利用した。
とても便利だった。
そして、僕はある日、中野ブロードウェイに行き、変なダダ、を見つけ、買おうかどうか迷ってるうち、
爆買する外国人に(たぶん)買われてしまった。
それだけでなく、いつもならここの町に行けばあるはず、という勘がことごとく外れた。
そうかぁ、アマゾン、に頼ったため、第6感が退化してしまったのだ。
文明は恐ろしい。僕はあやうく人類と同じあやまちの道を歩むところだった。
それ以来、僕は、アマゾン、を封印した。
そうしたら、翌週から、僕の第6感は復活した。手遅れにならなくて良かったと思った。
そんな僕なのだが、先日、急に昔、読んでた本を読み返したくなった。
本屋に問い合わせたが、絶版だった。
どこの古本屋にもなかった。
この本は、僕が二十歳の頃、人生とは何だろう、と悩んでる頃に出会って、羅針盤のようになった本だ。
当時の飲み仲間と、この本の内容をつまみに、朝まで、歌舞伎町の「北の家族」で語り&飲み明かした。
当時のそいつらとは、現在、一切、連絡をとってないが、その頃の思い出は今も僕の宝物だ。
そう思ったら、読み直したくなるのが人情じゃないですか?
それでですね、僕は恐る恐る、禁を破って、アマゾン、にまた手を染めてしまったのです。
そうしたら、あるのですよ、アマゾン、には、その本が。
僕は葛藤しました。
勘が鈍るのは嫌だけれど、本は読みたい。何より<この本は自分の足では見つけられない>という勘も働いたし。
そこで僕は妥協案として、状態の悪い本を選ぶ事にした。
楽して、良い状態の本をゲットすると罰が当たりそうだが、状態が悪い物なら、見逃してくれるかと思って。
それで、「書き込みあり」といういかにも駄目な状態のものを選んで購入した。送料しかかからなかった。
本は数日で届いた。
僕は懐かしくその本を開いた。
ノスタルジックな思い出は鮮明に記憶しているが、本の内容までは覚えてなかったが、ページをめくるうちに、
懐かしいなと思い出しながら、なんか見覚えがあるなぁ、とも思った。
そりゃそうだ、当時、散々、読み倒した本だからね。↓。

本の後半部分は、「書き込み」が増えている。
綺麗な色使いだ、アカデミックなのにカラフルでポップだ。
胎児の頃の記憶があるという人がたまにいるが、共通するのは、色で、薄いピンクや水色や紫、だと言う。
僕の考察では、それは赤ちゃんの視覚記憶で、子宮の中の静脈や動脈の色なんじゃないかと思う。
この本のアンダーラインに使われてる色も、同じ色合いだ。
これが懐かしい感じがするのは、胎児の記憶と同じ色のチョイスだからかな。
それもサブリミナルにはあるかもしれないけど、この色合いは当時僕がよく使っていた組み合わせだ。
こんな色使いをする人が他にもいるのかな?
俺以外に使うかな、こんな色。
これ、ひょっとして、俺のじゃないか?
つまり、当時、僕が読んでいて、引越しか何かの時に売り払った奴がまわりまわって、手元に戻ってきたんじゃいかな??
多分、そんな気がする。その位、見覚えあるもの、この色使い&この線のタッチ。↓。

とりあえず、そういうことにしておこう。
その方が、ロマンティックだし。
もし、本当にそうだったなら、すごいな、俺の勘。アマゾン、に勝った!
僕は本に、<お帰り>と言ってみた。
BGM. 西城秀樹「ブーメランストリート」


22 Replies to “アマゾン”

  1. 先生、おはようございます。
    本に線を引く、という行為をしなくなって随分時間がたったなぁと自分のことを思いました。
    勉強してないって事ですね。
    今はせいぜい、自分の手帳の「○○独演会発売日」とかに赤鉛筆で印を付ける程度です。
    それにしても、線を引く部分が長いですね。(この本が帰って来た本だとして)
    線を引いていた頃の私は、一番肝心な箇所だけ引いたり、線(アンダーライン)と、丸で囲んだ単語を、矢印で結んだりしていました。色分けする熱心さが無かったので、線だらけだと全部強調されてしまい、大事なところがぼやけると思ったんです。
    精一杯画像を拡大して、何の本だろう?と読もうとしましたが、雰囲気しかわかりませんでした。
    専門書なのですよね?
    支障がなければ、タイトル教えていただけませんか?

    1. トモトモさん、こんばんは。
      確かに、線を引く部分が長いですね!
      松本ちえこの「ハイ!授業中」という歌の中に、
      ♪字引にやたらと線を引き、覚えた気になる英単語♪
      という歌詞がありましたが、まさにそんな感じですね(笑)
      この本は、フリッチョフ・カプラの「ターニング・ポイント」という本です。
      理論物理の分野で、デカルト・ニュートン的な弁証法的二元論から、量子力学(光が波動性と粒子性の2つの性質を併せ持つ)への
      パラダイム・シフトが起きたように、政治や経済、心理学・医学でも同様の動きや変化が21世紀には起きる、というような内容でした。
      でも、2016年になりましたが、世の中は相変わらず、単振動の振り子のように陰陽論のように、両極を一定のリズムで揺れ動いてるだけのように見えますが。
      そんなことより、問題なのは、志らくの鎌倉、落ちました…

  2. カワハラ先生
    最近ブログを読み始めて
    初めてコメントします。
    その本がカワハラ先生のだったら本当に素敵ですね!
    そして、カワハラ先生のかどうかわからないのもまた
    素敵です!
    私はアロマテラピーを始めて
    嗅覚から自分の感覚が研ぎ澄まされていくのを感じるのですが
    同時に第六感も磨かれているように感じています。
    ちなみに
    目覚めた感覚が気付かせてくれたことの一つに
    こんなものがあります。
    いつか川原クリニックに
    アロマテラピー部を立ち上げたい!
    です。(笑)
    時々コメントしに遊びに来ます。
    どうぞよろしくお願いします。

    1. ネロリさん、こんばんは。
      初コメント、ありがとうございました。
      投稿した時に、変な英語が出てきて驚きませんでしたか?
      ところで、5感の中で、どの感覚と相性が良いかで、その人らしさが判る気がします。
      嗅覚が優位な人は、洗練されたイメージですね。
      名探偵が、よく「におうぞ!」なんて言うように、天才肌な感じもします。
      僕もアロマテラピーには興味があって、自分は詳しくないですが、将来的に治療に使えるのではと睨んでいるので、
      アロマテラピー部、楽しみにしています。
      ではまた気の向いた時にコメント下さいね~

  3. ストロング金剛デス
    よい話ですね。
    自分は、古物屋巡りしなくなりました。時間がない?いや、心の余裕が無くなったのだと思います。その余裕の無さが第六感を失わせている様に感じます。
    いまや自分は、むしろネット依存で、音楽もグーグルのストリーミングで聴いています。CDですらめったに聴かなくなりました。
    池袋、新宿、渋谷でレコードを探している頃が懐かしく、珍しい物や探していた物を見つけた時の喜びは、体験した人にしかわからないですよね。
    むかし、自分はレコード屋巡りしてて、なんか街に人が多いな~と思ったら、その日がクリスマスイブだったことにきずいたなんてことを思い出しました。
    歌舞伎町での思い出も良いですね。現在、その人たちと音信不通というのがまた泣かせますね。それはそれでよいのかもしれないですね・・・・
    それではオマタ~

    1. ストロング金剛さん、こんばんは。
      今、TVbrosの表紙を「おそ松さん」の六つ子がジャックしてるのですが、
      僕は6冊揃えるべく、直観で新宿の紀伊国屋書店に行き、予感的中!全部、揃えました。
      その後、新宿アニメイトに寄ったら、「一松」だけ売り切れだったので、自分の勘の良さに惚れ惚れしたのもつかの間、
      ネットで調べたら、6冊同時購入できるみたいでした。
      時代は「足」より「ネット」になって来ていますね…
      昔は、池袋・新宿・渋谷のレコード屋めぐりしましたね。
      あと、お茶の水・秋葉原(まだ電気街の頃)にも行きませんでしたか?
      クリスマスイブのエピソード、似たような事が僕もありますよ。
      歌舞伎町の仲間は、今はまだ照れくさくて、会えないですね。
      他の奴らも、そう思っているんじゃないかなぁ。
      では、股。

  4. 川原先生、こんばんは。
    今日はご迷惑おかけしました。
    アマゾンはおすすめです。
    今やコンビニ払いやコンビニでの受け取りも
    できるみたいです。
    私は現在、ヨドバシ、利用です。

    1. コマさん、こんばんは。
      こちらこそ、今日は、失礼しました。
      アマゾンはおすすめですか?
      ヨドバシ利用ってのもあるのですね。ちょっと調べてみます。
      ではまた~

  5. 先生、おはようございます。
    カプラさんの本、探してみます。ありがとうございます。
    でも、たぶん、チンプンカンプンになる予想が…。
    10代の頃はブルーバックス読んだり、大人になってからも、ガロアが決闘して死んだとか、フェルマーの最終定理の証明の時の家族の様子とか、そういうのだけ覚えてます。
    あと、カプラといえば、積み木の一種の名称で、そちらにピンと来ました。
    鎌倉の志らく、まだ一般発売ではありませんから、上手くいきますように!

    1. トモトモさん、おはようございます。
      ターニング・ポイント、図書館にあるといいけど。
      僕は、カプラという積み木は知りませんでした。
      調べてみます。
      志らくの件、ありがとう。オータム・マウンテンに頼んでみました。
      トモトモさんは、今日は大変な日ですよね。慌しそうだから、気をつけて下さいね。
      では行ってらっしゃい~。

  6. 今やアマゾンなくしては生活が出来ない・・・・・・
    と、そこまでは行きませんが、自分の足で散々探して見つからないものも、
    アマゾンやヤフオクではあるものです。
    でもそれでも見つからないものがあります。
    それは、20年以上前に発売されたコンピューターゲーム タイムゾーンです
    オリジナルはアップルですが、その後日本に入り、FM-7や98、88に移植されたのですが・・・・
    どこにも売ってないんです。
    誰か情報しってたら教えて下さ~い

    1. sinさん、こんばんは。
      いつもコメントありがとうございます。
      皆様へ、sinさんに成り代わってお願いします。
      どなか情報知ってたら教えて下さい。

  7. 川原先生、こんにちは。
    アマゾンで状態の悪い本を恐縮しながら買うという行為は川原先生の本質だと思います。
    「なに言ってんの?」と言われると思いますが、第六感というものを私は信じています。
    2週間寝込んでいたのに急に起き上がり、「今日、あそこのフリーマーケットに行かなくちゃ!」
    と思い立ち、うろうろしていたら20年間探していた音楽雑誌のバックナンバーを見つけたのです。
    (誰も信じてくれませんがそんなことは知ったことではありません。)
    神田、神保町で散々探しましたが見つからず、すっかり諦めていたのにこれは奇跡でした。
    話は変わりますが、ある行動が大きな奇跡を生みました。先生には後日ご報告に伺います。
    とても泣ける話なので、話さないかもしれません。「どっちなんだよ!」卒業シーズンが近いですね。

    1. やられメカさん、こんばんは。
      フリーマーケットの話、すごいですね。
      僕はその第六感を信じますよ。
      最後の段落の話は、例の一連の話の続きですか?
      それとも、別の奇跡??
      ここで聞くのもなんなので、今度、会った時に教えて下さいね。
      ではまた~

  8. こんばんは。 まさかの、深夜・書き込みです。
    へぇ~~~~~。   アマゾン(Amazon)への反応って、 すごいんですねぇ。   びっくらコキますただ。
    ・・・で。   超・利用者でもあります。   ワタシ。
    だって、 便利なんすもん。 えぇ。
    『中のヒト』 として 生き抜く上では、 あっといて欲しいシステム。 なのかな? そんな風に向き合って15年くらいですだ。 多分・・・

  9. 先生、こんにちは。
    「ターニング・ポイント」をやっと探しました。
    少し離れた図書館にあるのですが、貸し出し禁止で、閲覧のみ可、でした。
    理由はわかりません。本の状態が良くないのかもしれません。
    禁止と言われると、よけいに読んでみたくなります。
    体力のある時に行ってみようと思います。
    今日はおそ松グッズ第二弾開始日で、午後に行ったらほとんど残っていませんでした。
    急に暖かくなったのは嬉しいですが、我が家は湿気も高いので、なんとなくだるいです。

    1. トモトモさん、こんばんは。
      ターニング・ポイントが貸し出し禁止ですか??
      何故でしょうね?
      禁止って言われると反骨精神が騒ぎますね。
      おそ松グッズは、前にここのコメント欄で教えてくれましたよね。
      そのお陰で、今朝、コースターを完全コンプリート、出来ました!
      でも、クリアファイルはお目にかかれませんでした。
      おそ松グッズ、ヤバイですね。
      体調、大丈夫ですか?
      明日は天気が悪いと誰かに聞いたから、温度差もあるから気をつけて下さいね。
      ではまた~

  10. ミルラです。眠れず連投です。
    Amazon、中毒性の極めて高いツールですよね。24時間やってて、ぽちぽちしてけば翌日には届いちゃったりするし。南米のアマゾン川の混沌のごとく「こんなものまで⁉︎」ってなものが取り扱われていたり、空に勝手に色々勧めてくれちゃたりして。中古との比較もできて、こんなに便利なものはないと、本屋レスの大岡山人は思ってしまいます。たまにリアル本屋で平積みされている書籍をみて、こんなの売れてんだんだー、とか特段興味のないジャンルの棚に行ってみるのも楽しい。最近は椅子やカフェ併殺のお店も多いですしね。リアル本屋にとっては厳しい時代だと思いますが、いつまでもあって欲しいですが、街の本屋がガンガン潰れて寂しい限りです。
    余談ですが、アマ〇ンで買った本の装丁の紙質などについて期待を裏切られると、やるせない気持ちにも成ります。やはり目や手で確認せねば、ですね。
    それにしても大岡山にTSUTAYAがあった時代が懐かしいです(セレクトは売れ線基本でしたが)
    なんで大岡山って大学があるのに本屋はないんでしょ?理系の民は専門書ばかり読むのかな?

    1. ミルラさん、こんばんは。
      僕は大岡山にTSUTAYA(今のレンタル店ではない)があったのを知らないのです。
      本当に何故、大岡山に本屋がないのか不思議ですね。
      僕の妄想は、大岡山に「ヴィレ・ヴァン」の支店と「フルーツパーラー」を、僕がオーナーになって店を出します。
      「フルーツパーラー」は商店街入口の「マコトフルーツ」と事業協力をします(あくまで妄想です)。
      ところで、ミルラさん、1行目、心配です。

  11. ヴィレバンはどこか鼻につくところがあるような気がするけど(絵本のセレクトとか)、あるといいなあ。すっかり引きこもりで自由が丘にすら出かけなくなってしまったので、もしも大岡山出来たら嬉しいな。
    フルーツパーラーのトッピングは、
    ストレート
    ヴァニラアイス
    そこにかけるホットチョコレート(苦め)
    たっぷりの生クリーム
    から選びたいです。
    ところで、マコトフルーツって、あのイチローフルーツですか?
    野球教室とかしちゃうのかな。
    夢は膨らみますね。
    まだ宵の口の方も沢山いらっしゃると思うけど、わたしは23時就寝を目指しており、とうの昔に薬も飲んだのにこの有様です。ブルーライト浴びてるからですね。消します。ちゃお。

    1. ミルラさん、こんばんは。
      マコトフルーツは、イチローです(笑)
      精神療法より、野球教室や千本ノックをした方が良くなりそうな人はいますが、●×ヨット・スクールのパクリになってしまうから、NGですね。
      ヴィレ・ヴァンは、確かにあの絵本コーナーはうざいっすね。でも、楽しい本屋さんですね。
      ではまた、今日はよく眠れますように!

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