詩集のシチュウー

目覚めには、ビリー・ジョエル、オヤスミには、ジョージ・ベンソン、が近頃の定番なの。
最近の男性って妙にカッコつけてて、あまり好きになれないぞなもし。
「女性はパーフェクトな男性に魅かれるもの」なんて決めつけてるんじゃないのかナ?
そんな不自然なひとより、ちょっと頼りなくてもナイーブで悩み多き男性の方が魅力的なんだけどナ、私。

…と、杉山さんを80年代初頭のオールナイターズ風に仕立てあげて、なりすましてみました。
田舎のお母さん、みてる?ビリー・ジョエル聴いてますか?きょうび、聴いてないっスね。すまん。

そんなカワクリでは、平成の世には、川原と受付3人のイラストの合作(競作)を大相撲の本場所のある奇数月に発表していました。
受付のメンバーもかわり、新しく渡辺さんが入り、元号も令和になり、さすがに渡辺さんに「イラストを描け!」というのも酷だろうから、
新企画、「ポエムを作ろう!」を立ち上げました。これがそのチラシ。↓。

受付には、見本として、僕の昔の「作詞集」をみせたりしてました。
18-9才から、23-4才頃の大昔の物ですが、今読んでも恥ずかしいですね。↓。

そもそもイラストが大変だからと発案したポエムの方がかえって大変だという声も聞こえてきますが、大変さとは、恥ずかしい、という一点のみでしょう。
だから僕はあえて自分の恥ずかしい詩集をみせつけておいて、3人の拒否権を取り上げる作戦をとったのでした。
でも、これは逆効果。ポエムって、他人のなのに読むと恥ずかしくなる魔力がありますからね。

6月ごろには、お見せできると思います。乞うご期待。
その時は、コメントも、ポエム調でお願いしようかナ。

BGM. ビリー・ジョエル「アップタウン・ガール」


※ブログ読者全員サービス※

こんにちは。受付うかいです。

 

5月も後半に入り、お天気が夏に向けてウォーミングアップをしていますよね、確実に。
その前に梅雨がありますね。雨なので家の中で過ごすことが多くなりそうですが、
紫陽花が綺麗に咲く貴重な時期でもあるので、あじさい寺へ行くことをオススメします。
紫陽花はものすごく写真映えするんですよね。

そんな中、カワクリも写真映えスポットになりつつあります。

 

『ブログみたよ』を合言葉に、クリニックにある”ぬいぐるみ”を抱っこして、
かつ、ご自分の携帯で写真を撮ってあげるサービスをはじめました。

川原先生考案企画、題して【読者全員サービス】です。

 

見本の写真と共に、対象ぬいぐるみを紹介していきますね。

・ゴジラ 蒲田くん

先生の足の躍動感が伝わりましたか?
バタバタさせています。誰かの真似みたいですよ。
ちなみに、蒲田を襲ったゴジラだから蒲田くん、らしいです。

・エスパーにゃんこ

エスパーにゃんこは「やれやれ」とでも言いたそうな顔をしています。

・デデデデのうさぎ おんたん&門出ちゃん

先生は一途なので、高木さんに夢中になるあまり、門出ちゃんの名前が出てきませんでした。

・赤井秀一

ちなみに、先生が帽子をかぶっている理由は「変装」だそうです。

・ピカチュウ 叫び

このピカチュウはいつも受付の中にいるので、触れるのは貴重ですよ。

・ギー太

こんなかっこいいポーズも出来ちゃいます。

・唯ちゃん 特大クッション

小さいあずにゃんのぬいぐるみを持っている、部屋着の唯ちゃん可愛いですね。

・唯ちゃん クッション(大)

顔マネをしているらしい先生。同じ顔で撮ってみるのもアリです。

・椎名林檎 特大パネル

崇めている先生。

 

こんな風に、カワクリにある【お気に入り】と、写真を撮ってみませんか?

合言葉は受付で「ブログみたよ」と言ってくれればOKです。

恥ずかしければ、自撮りをしていただいてもいいですよ。


心の護美箱⑩~ときの杉ゆく山に

25/Ⅳ.(木)2019 くもり 心の護美箱⑨がいっぱいになったので、⑩を作りました。

春の風が私の髪を通りすぎて、商店街はいつものにぎわいなのに、
季節は私にだけ知らんぷり、意地悪ですね。

先生は昔、何かでこりたのかしら?スタッフの誰かが髪を切っても他の誰かにこそりと、
「アレ、髪切ってる?」とウラをとってて、女性に「髪切った?」と質問するのはセクハラだと信じてるみたい。
用心深いですね。

私も陰でそんな噂をされていたらしいことを最近、知りました。

新元号が決まって、季節が少しあたたかくなった近頃になると、週明けにきまって先生が挨拶代わりに、
「髪、切った?」と聞いてくる。全然、切っていないのに。
でも、そんな風に直接きいてくれるのは、私がこのクリニックにずい分、なじんできた証拠なのだと少し嬉しく思う今日この頃だ。

と、杉山さんになりすまして記事を書いてみました。田舎のお母さん、みてる?

 

こんにちは、杉山です。途中まで私と思ってくれた方は、さてはて居たのでしょうか・・

私は文章を書くのが苦手なので、知的な杉山が居ると思ったら、それはゴーストの仕業になります。平成の私はゴーストでの締めくくりとなりましたが、令和の私はどうなるのでしょう・・?


恋の空中カルタ

4/Ⅳ.(木)2019 はれ 4月1日は新元号騒ぎに気をとられ、ポプテピ見逃す。

今朝、大岡山のファミマに寄って朝ごはんに納豆巻を買ったらレジで店員さんに、
「ベビメタ、行くんですか?」と聞かれた。僕はよくあの店で発券するから覚えているらしい。
僕は、<もう、ゆいちゃん、やめちゃったから…>、と言うと、「ですよね~!」と言われた。
なんだ、オレ、この町に来て10年、すっかり馴染んじゃった。

ベビメタと言えば、ファンじゃない人は知らないだろうから教えますが、ファンクラブらしきものがあって、
「THE ONE」と言います。
シンガポールの格闘技団体に似たような名前のものがあるから間違わないように。
で、ベビメタだが、タオルのようなものを購入して、そのシリアルコードを登録するシステムが従来のファンクラブと違いますね。
この下のアルミホイルみたいのを10円玉とかでこするとナンバーが出てくるからそれを入力するのですが、
僕はメカ音痴なので、明日できることは今日するなの精神で、ついつい先送り、後回し。

でも、これ期限があって3月中にやらなきゃいけなかった…。つまり、タイム・オーバー。↓。

どうも僕は1人好きになると他の人に目が行かなくなるタイプで、せっかくモテてるのに、浮気がすぐバレるスタイル。オレたちのとんだ失敗は純情だけ。
そんな僕が今、夢中なのは、からかい上手の高木さん、で、下はイラスト集。↓。

これの付録についてるのが5枚組のブロマイド。↓。

これは優れもので裏がカルタみたいにその場面の高木さんのセリフになっています。ひっくり返してみました。↓。

これをカラーコピーして、交互に貼って行こうと企画案を出しました。診察室の入口にスペースも作りました。↓。

ところが伝達の齟齬があり、担当のうかいさんが、これを実物通りに、表裏一体に完璧に再現してしまったのです。
これはものすごい手間だったと思いますが、これではこのまま貼ったら、裏が見えなくなって企画の趣旨と異なります。
でも、折角の力作だし、なんとも勿体ない。
これを活かす手はないか?
そこで考え付いたのが、空中から吊るす、です。
こうすれば、カルタみたいに両面が見れるし、手に取れて、皆さんも楽しめますね。
うかいさん、吊るし中。↓。

正確には、空中から吊るす、じゃなくて、天井から吊るす、ですね。
うかいさん、吊るし中。↓。

そして、これが出来上がり。↓。

丁度、空調の下で、クルクル回って、隣のカルタにからまっちゃったり、離れたり。からまり上手もご愛嬌。
まるで、2人の仲みたい。2人の恋も同じです。↓。

からかい上手の高木さん、に出てくる広い空き地や自然や石だたみは、
藤子・F・不二雄とかにも共通する、僕らが子供だった頃の風景に似ていてノスタルジックで、
海水浴場沿いの歩道とか自動販売機やサイクリングロードは懐かしいけど架空のものかと思ってたら、聖地は小豆島らしい。
アニメの場面と聖地巡礼の写真を比較してアップしてる人がいた。
そのままである。
すごく面白い。
小豆島かぁ…。10連休に行こうかな。

えっ?ところでお花見に一緒に行った「かどやのごま油リカちゃん」はどうした?って?
それが…、
ちゃっかり診察室にいるのです。ミトンを手にはめて。↓。

BGM. 吉田拓郎「純情」


狐祭りと、びっくりアート

2/Ⅲ.(土)2019 はれ 花粉症、はやる。

クリニックのインテリアに今日、二つ仕掛けを作った。カワクリお得意の、遊び心だ。

まずは、診察室にある、偽物語の月火ちゃんのポスター。↓。

さて問題です。この中に、狐は何匹いるでしょう?5匹ですか?不正解ですよ。ヒント。↓。

ここにも隠れています。だから正解は、6匹です。↓。

ついで、診察室前の通路にある美術館コーナーより、デルボーの絵画のポスター。↓。

この中に裸体の女の人は何人いるでしょう?3人ですか?不正解です。ヒントはここ。↓。

何かが飛び出てますね。これを引っ張ってみましょう。↓。

1人隠れていました。正解は、だから4人です。この絵は、受付の大平さんが作って仕込んでくれました。面白いでしょう?クリニックに来た時、みてみて下さいね。

BGM.P-MODEL「美術館で会った人だろ」


風景の起源

13/Ⅱ.(水)2019 はれ少しあたたかい 「ラテンの黒豹」ペドロ・モラレス、死ぬ。76才。

お恥ずかしい話だが、研修医に成り立ての頃、無断欠勤がバレて、ペナルティーで「2週間連続当直」の刑になった。
今でもそうだが、医者の当直は、翌日も勤務である。
当直は当直室で仮眠して、呼ばれたらすぐ病棟や救急外来に行くのが仕事。
だから、運が悪ければ、2週間まともに寝れないのだ。
でも僕は、へこたれなかった。勿論、自業自得だと反省した、のではない。
2週間、当直室から家に帰れない泊り込みという状況が、「日本一のホラ吹き男」の植木等みたいだと思ったからで。

映画で、臨時雇いで会社に入った植木等が配属された部署は、会社にとって何の関係もない古い書類の整理。
皆、やる気がない。

「ここじゃ、いくら頑張っても出世はないよ」と先輩から言われる。
すると、植木等は、底抜けに明るいテンションで、張り切って、荷物をまとめて会社に泊まり込み、仕事をする。
「そんなにまでして残業代が欲しいのか」という皮肉にも、<いいえ、残業代はビタ一文、いりません>。
そして、1人で、書類を全部、片付けてしまう。

労働組合は残業して残業代を取らないことを問題視し、同じ職場の人間達は「仕事がなくなってしまった」と不満を言う。
そうして、会社は仕方なく、植木等を他の部署に係長待遇で異動させる。ここからホップ・ステップ・ジャンプ!
東京オリンピックの直後の映画で元・三段跳びの選手だったという設定の植木等は、三段跳びの様に出世して行く。
高度経済成長の時代のサラリーマンに元気を与えたと言われる映画だが、今、観ても色褪せないパワーだ。

なので、僕も植木等のマネをして、家から色んな物を当直室に持ち込んだ。
浅草のマルベル堂で、クレージーキャッツのブロマイドをオーダーメイドで引き伸ばしてもらった。
それを当直室の壁に貼った。
陰気な当直室が、まるで僕の1人暮らしの部屋みたいに衣替えした。
評判を聞いて、何人もの看護婦さんや他科の研修医も覗きに来た。皆、「お~」って言ってた。
精神科の先輩には、「川原、やりすぎ!」と注意されたが、怒られはしなかったから、スルーした。

クレージーの特注ブロマイドは、今もカワクリの待合室のテレビ側のソファの方に貼ってあります。僕が医者になったのが平成元年だから、今年、31才になるポスター。↓。

これは最大限に引き伸ばしたから、ラミネートが出来ないので、結構、ボロボロになっていた。
それを受付の大平さんが、補修してくれることになったので、カメラマンとして同行する。
まずは、ポスターを一時、撤去。↓。

処置室に移動して、そこでテープで切れ目を丁寧に貼ります。↓。

綺麗に出来上がりました。大平さんの髪も綺麗です。↓。

元に戻しに行きましょう。↓。

話を、2週間連続当直、に戻そう。

丁度、半分の1週間が終った時点で、調子に乗った僕は、「トニー谷」のブロマイドの特注も発注した。
そのニュースに異常に反応した人たちがいた。
それは誰だと思いますか?
正解は、病棟のナース達でした。

意外と女性には、つらそうな姿をアピールするより、平気の平左、で明るく振舞った方が母性本能をくすぐるみたいだ。
ナースは一丸となって、僕の味方をした。
彼女らのナイチンゲール精神は組織立って、医者や教授や医局長に「いくら何でも可愛そうだ」と意義を申し立てた。

「過重労働でミスが起きたらどうするつもり?」
「川原先生だから笑って仕事が出来ているのよ」
「いえ、ああ見えて、顔で笑って心で泣いているのよ」
「あぁ、いじらしい」
「それに比べて、他の医者は川原先生に仕事を押し付けて、楽をしてるのよ」
「他の医者は、ズルイわ」

などと、本来、僕が無断欠勤したのが問題なのに、矛先が他の医者に向いた。
実際は、僕は研修医だったから、当直には必ず上級医の先生が日替わりで付いていてた。
「2週間当直」というのは、半分、洒落だった。

つまり、学生気分の抜けない僕に社会人の厳しさを教え込ませるための親心であり、問題を大きくしない配慮だった。
そして、2週間、毎日、日替わりで色んな先輩から、生の知識を吸収できるチャンスを用意してくれたのだった。
僕は、ゴールデン・ルーキーで、精神科医として期待されていたのだ。

そんな内輪な洒落は、ナースには通じない。
彼女らは、川原先生を守るためにはストライキも辞さず、の構えだ。
病棟でナースにストなどされたら、大変だ。
医者が、検温や配膳や採血や保清など、駈けずり回らなければならなくなる。
ナース・コールも医者がとる事態になる。
これには上層部もあわて、急遽、僕のペナルティーは1週間で解除された。

そして、医局長はナースの前で、僕を労う為の1席を自腹でもうける約束までさせられた。
憎憎しげに、医局長が、「川原君、何を食べたいんだい?」と僕にだけ見える角度で恐ろしい顔をして質問した。
僕は、<●●のうなぎ>と高級な鰻屋の名前を告げ、<個室で、コースにしてね>と答えた。
ナースを納得させるには、そうとでも言うしかない。それが最善の策だった。
そして、僕と医局長は週末、本当に二人きりで、鰻屋の個室でコースを食べたのでした。
さすが、名店!、うまかったですよ。
もう皆さん、ご承知かもしれませんが、僕はこういう空気、全然、平気なんだ。

えーと、何を言いたいかと言うと、カワクリの空間作りのルーツは、この2週間連続当直に起源があったのかも、と今思う。

BGM. 植木等(ハナ肇とクレイジーキャッツ)「無責任一代男」


くよくよするなよ

12/Ⅱ.(火)2019 はれ少しあたたかい 猪木、ジャイアント馬場没20年追善興行~王者の魂~に登場!

平成も終るという。昭和・平成・●×の3つの元号を生きることになるのか。
父は、大正と昭和しか知らない。
母は、大正・昭和・平成を生きた。
親を抜いたり、肩を並べたりで、感慨深いものである。

僕が医者になったのは平成元年で、だから、精神科の経験年数を聞かれたら、今が平成何年かの数字を
そのまま言えばよくて、楽させてもらっていた。たとえば、今なら「31」年目である。
これからは足し算を駆使しないといけなくなるのか。

平成という時代は、精神科の中でも色んなことがおきた。
法律が改正されたり、アメリカの診断基準が大流行してドイツの伝統的な診断学が鳴りをひそめた。
「分裂病」「躁うつ病」「痴呆」という疾患名が「統合失調症」「双極性障害」「認知症」にとって変わった。

「痴呆」の進行を防ぐのに役立っていた薬たちが追跡調査で全部「効果なし」と判定されて市場から消えた時は驚いた。
アリセプトが出る前の、薬たちである。

うつ病の仮説も、モノアミンからセロトニンにかわってSSRIが登場した時、革命が起きたように思った。

「トラウマ」の概念も僕が研修医の頃と今では、180度ちがう。
当時は「心的現実」を重視するあまり、「外的現実」にはノータッチだったが、「いじめ」や「虐待」が深刻になり、
治療は「外的現実」の調整に重きを置く必要が出て、精神科医のケースワーカー化、などと揶揄された。

今後も医学の進歩や、社会の運動で、精神医学の「常識」は覆って行くのかもしれない。
それを発展と言うなら、それに対応して行かなくてはならないが、それに振り回されるだけでなく、
変わらぬ精神科医のアイデンティティーを持っていたいものだ。

昔、立川談志が、ざこば、と芸談をした時の話を聞いたことがある。
談志が「落語とは人間の業の肯定」と言ったら、ざこば、は、「うけりゃいいおまへんか」と答え、
それに対して、談志が「うけなくなったら、どうするの?」と返すと、ざこば、は、「何が言いたいねん?」。
談志は「うけりゃいいと思っていると、うけてるうちはいいけれど、うけなくなったら困るでしょ?」、ざこば「…」。
談志「だから、落語とはこういうものだと定義しておけば、うけなくなった時に困らないでしょ?」
ざこば「そんなもんでっしゃろか」だって。

話は変わるが、昭和の爆笑王・林家三平さん(今の笑点に出てる三平のお父さん)は、私生活でも人を笑わせることを生き甲斐にしてたようで、
キラ星のようにエピソードがたくさんある。
その中でも有名なのは、三平さん(さん、まで入れて呼び名。今の、所さん、と同じシステム)が脳梗塞で倒れて、
救急車で病院に運ばれた時、意識の覚醒水準を確認するため、看護婦さんが「お名前は?」と尋ねたら、
「加山雄三です(当時の2枚目俳優)」と答えたという。命がけで人を笑わしてる。

太宰治が、晩年(遺書代わりに書いたから、タイトルが処女作なのに、晩年)、で、自分の事を、道化、といって、
もし自分が死んだら、「この人は一生涯、ひとを笑わせるために生きた人です」と墓石に刻んで欲しい、というようなことを言ってたと思うが、
それは三平さんにこそピッタリだと思うし、僕もそういう生き方をしたいと思う。
三平さんのことを書くと長くなっちゃうから、この辺にしとくが、談志が、
「もし、三平さんが、皆さん、真面目に生きなきゃダメですよ、なんて言う時代が来たらそれは末世だ」と言っていた。
もう三平さんも談志も死んでるけど、今の世の中って、そういう意味じゃ「末世」かな?なんて時々思う。

僕は談志の説く「落語論」と、精神科医の仕事って似てるな、と折に触れ思うことがある。
たとえば、忠臣蔵の四十七志は英雄として語られるが、家来はおそらく300人以上いて、その中の47人だから、250人以上は逃げちゃってるのである。

でも落語は実際そうなったら、死ぬのを覚悟で討ち入りに行くより、逃げた人間にスポットを当てて、
「本来、人間って逃げちゃうでしょ?」というのが、歌舞伎や講談との違いはそこで、それを談志は、
「落語とは人間の業の肯定」と初期に定義した。

精神科はと言えば、根性論や、気の持ちようだという精神論で追い詰められた人に、
「いい加減」をすすめ、「テキトーに」やろうとアドバイスし、決して「がんばれ」とは言わない。そういう仕事だ。
そして、そういうことを患者に言うには、そういう価値観を持ってる必要があるが、お医者さんは総じて頑張り屋が多いけど、僕は例外で、性分として精神科向きだと思っていた。

ところが世は末世である。
三平さんが「皆さん、真面目に生きましょう」と言わなければならないように、我々の臨床でも、

困難があらわれると避けることで自分を守る「回避性パーソナリティー障害」や、
やりたくないことに対して、いやだ、という代わりにわざとゆっくりやったり忘れたフリをする「受動攻撃性パーソナリティー障害」と言う人が、
訪れて来るようになって、「ちょっとがんばった方がいいんじゃない?」とアドバイスすることもたまにある。

精神科医がそんなとことを言うようになったら、それこそ世も末だ。
ましてや僕がそんなことを仕事とはいえ言ってるなんて知ったら、教師や親戚は一斉に「お前が言うな!」とツッコミを入れると思う。
そうなると、精神科医のアイデンティティーというのも難しくなってくる。

そこで参考になるのは、やはり談志で、談志は「落語とは人間の業の肯定」が通じなくなった現代で、落語とは「イリュージョン」だと言った。
これは弟子たちの中でもよくわかってない人が多かったそうだが、これも精神科領域と近い関係にある。
イリュージョンは、こっち側から説明した方がわかりやすいと思う。カワクリのHP「クリニック紹介」から抜粋。

心にとって、「病気と健康」や「異常と正常」などに明確な境界線があるものではなく、中間の領域がある。
多くの精神の病気は、この領域がやられてしまい、保てなくなっているようだ。
病気を発症する時には必ずこの中間領域を通過するし、回復期にも同様に中間領域を通って良くなる。
川原クリニックでは、この中間領域を大切に考えている。
中間領域は、他にも「日常と非日常」や「常識と非常識」や「夢と現実」や「赤ちゃんと大人」の間にもある。
そこがうまく機能すると、「遊び」が生まれる。
日本語の「遊び」にはplayという意味の他に「ブレーキのあそび」のように余裕という意味がある。
このような言葉遊びやなぞなぞやジョークやナンセンスが中間領域の代表で、芸術の世界にも発展して行く。
クリニックの空間が遊びに溢れていて、始めはビックリしても、次第に居心地が良くなるのは、そんな計算もある。

僕のアイデンティティーは今の所、そんなところで落ち着いているのだが、一つ心配なことがある。
それは、談志が死ぬ直前に、「落語とは江戸の風が吹く」と言ったことだ。
江戸の風、については、談志はあまり説明してないから、僕もあまりピンと来ないのだ。
それに今は、「イリュージョン」で事足りているから。
でも、この先、また悩むことがあるかもしれないから、少しだけ考えてみるか。

ここでヒント。
晩年の談志は小さん師匠のネタをかけたりしていた。原点回帰か?
さらにヒント。
志の輔は、追善落語会の最後のゴタゴタの中で、「俺は富山の風だ」と言っていたこと。

そうやって考えるとなんとなく、その出自というか、ルーツのようなものの雰囲気が伝わる、あるいはそんな空気感になるってことかと想定できる。

僕の生まれ故郷は、湘南の茅ヶ崎。
東京からみると、藤沢、と、平塚、にはさまれた別荘地で、海水浴場で有名だ。
しかし、藤沢や平塚が区画整理されて綺麗な道路があるのに、茅ヶ崎はクネクネした道がとても多い。
まれに真っ直ぐな道があると、よほど珍しいのか、逆に、鉄砲道(てっぽう・みち)なんて通称がついたりする。
それは茅ヶ崎は、戦争の時に、ほとんど空襲を受けてないからだそうだ。

僕の思い出の中の茅ヶ崎も、温暖で平和なイメージだ。ちなみに僕の出身小学校の名前は、「平和学園」だ。そこに6年通った。平和な小学生だった。
僕の誕生日は、7月24日で、母がよく言っていたが、僕の生まれた日は、とてもお天気のいい、真夏の昼間だったらしい。

だから僕の最終(?)目標地点は、暫定的にここに決めておこう。
つまり、何もしなくても、何も言わなくても、クリニックに来てくれた人が、暖かい気分になってくれること。
お日様を浴びたような風を感じてもらうこと。とりあえず、そうしてみた。だから僕は、くよくよなんかしてられないのさ。

BGM. ヒカシュー「20世紀の終わりに」


一声叫び

 

こんにちは。受付うかいです。

11月の模様替えをご紹介します。
 

大相撲本場所のある奇数月は、先生と受付のイラスト更新月ですね。
11月は、大相撲九州場所で、福岡です。
福岡といえば受付の杉山さんの出身地です。
というわけで初メンバーの杉山さんを迎えてのイラストは、初の試み、【リレーマンガ】です。

リレーマンガとは、4コママンガをそれぞれ1コマづつ描いて1つの作品にするのです。

先生からこの提案を聞くその数時間前、わたしは某アイドルがリレー小説をしている動画を観ていました。
それがすごく面白くて出勤途中の電車のなかで肩を震わせていました。
その後に【リレーマンガ】なるものを聞いて、なんの偶然!?とびっくりし、そのことを話すと
「シンクロニシティーが起きた時は、今の自分の生き様と方向性が正しい証拠だ、とユングと横丁のおばさんが言ってた」と、
川原先生は言い、今回決行にいたりました。

一般的には、1コマ目を誰かが描いたら、次の人がその続きをリレーのように繋いでいくのですが、
今回は、前の人の絵を見ないで、ブラインドで描く趣向です。
みんなの息が合えば、うまくストーリーになりますが、バラバラに書きますから、下手するとカオスになります。
これまでが個人プレーだったのに対し、今回は連帯責任ですから、プレッシャーは倍以上です。

「起承転結」を、1コマ目は【起】、2コマ目が【承】という具合に担当します。それをあみだくじで決めるのです。
まるでドラフト会議の抽選みたいにドキドキです。
みんな「【起】が当たれ~」「せめて【転】」、「【結】だけは避けたい~」と祈りながらくじ引きをしました。
その結果、【起】を引き当てたのが私ことうかいでした!
【承】は大平さん。思わず、ガッツポーズです。
【転】はニューフェイス、杉山さん。良かったね!【転】だから突拍子がないことを描いても大丈夫!
そして、神様はいるものですね、【結】を川原先生に割り当ててくれました。

みんな胸を撫で下ろし(先生以外)、それでは「リレーマンガのタイトルを決めよう」と。
川原先生がいくつか候補を出して、その中から私たちが組み合わせて選びました。
題して、「真冬の帰り道~あぁ、上野駅~」に決まりました!
でもいくらなんでも、これだけでは話が繋がらないので、主人公の設定だけは決めようということになりました。
大平さんの鶴の一声で、「勝手にしやがれ的な男」になりました。
こうして各々が描いた作品を順番に見て行ってもらうとリレーマンガの出来上がり。
おとなしい中学生が授業中にやりそうな遊びです。

最初に出来上がったのは、【結】の先生でした。
わたしたち受付三人は、出来上がった先生のイラストをこっそり見て
主人公の男の人だけ真似しました。

そうして出来上がったそれぞれのイラストはこちらです↓↓

【起】 うかい


私の描いた主人公だけ、なんだかイケメン風です

【承】 大平さん


先生のイラストを見た大平さんは、あるものをマネして描き足しました。
それを見たわたしと杉山さんも描き足しました。
主人公の男の人以外に、4つ全部に共通して描いてあるのは何でしょうか?

【転】 杉山さん


「絵を描くのは苦手です、下手なんです」と最初に言っていた杉山さんですが
セリフもないのに、どういう状況なのかが一発でわかるイラストを描けるのってすごいですよね。

【転】 川原先生


伝言板が出てくるのがレトロですよね。
いまでもあるんですか?伝言板。

この4つの作品を4コマとして一つの作品にするとこんな感じです。


イラストだけですが、なんとなく物語になった気がしませんか?
初の試みでしたが、成功!した気がします!

イラストも新しくなったので、こちらも新しく先生が作ってくれました。


この写真を撮る時、どうしても猫の顔にフォーカスされてしまい、ちょっぴり怖かったです。

 

 

さて、寒くなってきましたが、皆さん風邪予防はしていますか?
風邪予防には体を温めることと、加湿をすることが重要らしいですよ。
さっそくクリニックでも加湿器をつけはじめました。

カワクリのウォーターサーバー横には、飲み物のティーバッグなどが置いてあります。
お好きなものを飲んで体を温めましょう。
これで風邪予防はバッチリですね。

ちなみに、ウォーターサーバーに貼ってあるなぞなぞも新しくなりました。


最近はほんとうに色々な方がチャレンジしてくれるので嬉しいです。

 

 

そして、この間の一問一答に書いた、うかいのお気に入りの場所(inカワクリ)が進化しました。


ドア横のキャンパスアートが飾ってあるその下に、ぺろりん先生が仲間入り。
月めくりのカレンダーもあります。
可愛いですね。

 

 

皆さん、今年の11月16日が何の日だったか知っていますか?
正解は、ポケモンのゲームの発売日です!

ピカチュウやイーブイのコラボ商品などがたくさん出ているのですが、
川原先生が『ムンク展』へ行った際に、ゲットされたグッズが可愛すぎるんです!

ポケモン×『叫び』のクリアファイル。
ピカチュウ

イーブイ

ミミッキュ

モクロー

コダック

美術館風に展示してみました。

『叫び』ピカチュウのぬいぐるみ


かわいいです。かわいすぎます。
川クリスタッフはみんなこの子の虜です。

 

 

最後に、マンガの新刊と新しく仲間入りした本たちをご紹介します。


・私の少年5巻
・ゼロの日常2巻
・犯人の犯沢さん3巻
・亜人13巻

 


・時事漫才爆笑問題
難しいのかな?と思いきや、読んでみると思わず「ぷっ」と吹いてしまうほど面白い!
ブラックユーモア盛り沢山です。
ニュースや新聞から遠ざかっている方にこそ読んでもらいたいです。


浅野いにお短編集
心がえぐられる、心がほっこりする、少しきゅんとする、色んな物語がこの分厚い一冊にぎゅっと濃縮されています。
私と川原先生のオススメは『D』です。
ぜひ読んでみてください。絶対二度見することになりますよ。
先生のアイデアで、わかりやすいように『D』のページには付箋を貼りました。

 

 

寒いですね。美味しいお鍋が食べたいです。
年々寒さに弱くなっているわたしですが、寒いときに食べる肉まんやお鍋には
相変わらず幸せを感じてしまいます。
どんなお鍋にもきりたんぽを入れるのがマイブームです。
美味しい鍋の食べ方がありましたら教えてください。

 

 

P.S:憂ちゃんも寒そうだったので冬服Verに。


これも、クルズス?~カワクリふしぎ発見8件

8/ⅩⅠ.(木)2018 雲の切れ間に日差しが見える 父の命日 「そだねー」2018流行語大賞候補に。

11/1から、受付に新たに「杉山さん」が加わった。
カワクリは、コミュニケーションを大事にしてるから、あえて名札は作らない主義。
でも、今回は気まぐれで、早く彼女の名前を皆さんに覚えて欲しいから、例外的に名札を作りました。
僕の手作りです。

背景はピンクと水色のチェックにして、これは動脈と静脈のイメージカラーで子宮のメタファー。
安心してね、というメッセージに、緑色の「K」はカワクリのロゴ。その上に彼女の名前をマジックで太書きしました。

業界用語では「六本木を、ギロッポン」、「寿司を、シース」というように逆様にするから、
「杉山さんだ」もひっくり返して、「サンダー杉山」にしました。

そんな彼女に、僕が教えるクルズスは、まずは「受付業務・医療事務」を覚えてもらわないといけないから、
時間もないから、「ナントカ予備校」みたいに、ウエブ授業にしてみました。

もしも、カワクリ紹介のブログ記事を書くのなら、「僕だったらこうするよ」というレクチャーです。
名付けて、「カワクリふしぎ発見(8件)」です。
面白スポットを、8つ選んでみました。発見と、8件をかけたのですが、「8」は末広がりだし、嘘っぱちの「8」でもあります。
11/8は、父の命日でもあるから、その「8」にもちなんでみて、こじつければいくらでも出来ますね。

それでは、カワクリふしぎ発見(8件)、スタートです!

1/8件目、昭和天皇陛下崩御

クリニックに入って、向って右手にテレビのある待ち合いコーナーがあります。
「けいおん」のタペストリーが目印です。ここの向って一番右のソファに座りましょう。

そこからちょっと首を左に傾げてみて下さい。天皇陛下崩御の新聞紙の一面が貼ってあります。朝日と東スポ。

2/8件目、ウルトラセブン

ウルトラセブンの「ノンマルトの使者」は、「もしも人類が侵略者だったら?」というテーマでした。
海底開発センターの船上基地が大爆発を起こして沈没。
その事件を予告した少年は、
「海底を侵略すればノンマルトが黙っていない。地球はノンマルトのものであり、人間はノンマルトを海底に追いやった侵略者だ」という。
ノンマルトは怪獣ガイロスを操って攻撃を開始してきた。

ウルトラセブン第42話「ノンマルトの使者」において、
一つの星(地球)の主導権を握る人間ともう一つの種族(ノンマルト)の戦いに巻き込まれたウルトラセブンは、
宇宙の平和のために戦っているつもりだったが、それはうぬぼれに過ぎなかったのか?と悩む。

その放送の直後に、町にウルトラセブンが来ると聞いた。親に連れてってもらって写真を撮ってもらったが、
幼稚園児だった僕は、悩めるウルトラセブンに何と声をかけていいのかわからず、目を合わせられず、ソッポを向いた。
自動ドアの横の壁の、川原少年時代写真コーナーにあります。ちょっと、ピンぼけ。
これがベトナム戦争の風刺だと知ったのはもっと大人になってから。

3/8件目、カラオケ表彰状

僕が医学部の1~2年の頃、付き合いで赤坂だか六本木だかの「カラオケ道場」に行った。
当時はまだ「カラオケ・ボックス」は存在せず、カラオケするには、スナックかパブに行かなければならなかった。
カラオケ道場は、大きなステージがあり、各テーブルから1人づつそのステージに上がって、持ち歌を披露するのを、
元・歌手のオーナーが審査して、「何級」とか「何段」とかのランクと賞状をくれるのが売りだった。

僕は人前で歌を歌うことは好きじゃないので、他の客の歌を聞いてるだけだったが、その時、
ステージで歌ってる人が突然、ぶっ倒れた。
店中は大慌てで、「お医者さんはいませんか?」と叫ばれたが、その場に医者はいなかった。
仕方がないから、僕が出て行ったのだが、医学部の1~2年と言えば、まだ教養課程で専門的な勉強はしていなかった。
つまり、何も医学的な知識はないのである。
僕は仕方ないから、オーナーに、「119番!」と指示をした。

ただ、それだけなのだが、オーナーには大変感謝されて。
「お礼と言っては失礼だが、初段、を差し上げる」
と歌ってもないのに、賞状を貰った。

その賞状にはオーナーの慌てぶりが表れていて、「川原達二殿」のはずが「河原達二殿」となっていて、
皆で笑った思い出がある。
面白かったし、別に実力で貰った勲章でもないから、そのまま直さずに貰っておいた。。
クリニックに飾って、皆で笑って貰おうと思って、喫煙所にあります。

たばこを吸わない人も、良かったら見てみて下さい。
認定書の日付を見たら、昭和58年6月27日だって。
まだ生まれてない人もいるのでしょうね。患者さんの中にもスタッフの中にも。

4/8件目、キックボクシング

大岡山北口商店街には、RIKIXというキック・ボクシング・ジムがあり、僕はそこに入会していた。実質、幽霊部員だったけど。
下は、入会時に作った練習メニュー。「かんなぎ」の「つぐみ」ちゃんをレイアウトして、やる気をかきたてた。

その時の会員番号が、キリの良い、100番でした。

5/8件目、紅い花・滝の少女

喫煙所からお手洗いの方に向う廊下の突き当たりに、つげ義春の「紅い花」の限定100部の額装ポスターがあります。

これは、「紅い花」のヒロイン・「キクチサヨコ」が滝に水を汲みに行くシーンです。

これは、結構、貴重で、つげ義春の直筆サインが絵の左上に通しのナンバーと一緒に書かれています。
僕のは、ジャスト、100番です。オオトリです。

6/8件目、あなたは死なないわ、私が守るもの

これは、エヴァで、綾波レイが、シンジ君に言い放った名セリフのポストカードです。
これは自動ドアの上に貼ってあるので、帰りに目にすることがあるでしょう。
一度だけ、診察をおえ、会計も済んで、クリニックを出ようとした患者さんが、ユーターンして来たことがあります。
自殺を考えていたようですが、診察では言えなかったらしくて。
でも、帰りに、これをみたら、「やっぱり言おう」と思ってくれたみたいで、戻って来てくれました。
何が幸いするか、わかりませんね。

7/8件目、ラットフィンク。

東京都教育委員会の仕事で、都立高の校医を何年か前から、引き受けてるのだが、初日は想い出深い。
約束より少し早く着いたので、駅ビルの雑貨屋で時間を潰した。
「印鑑を持参して下さい。シャチハタでも可」と言われていたので、シャチハタを素手で握っていた。

レジの付近にミニ・ライターをいれるケースのようなものが飾られていて、僕は、何の気なしに、
そのシャチハタを「ラットフィンク」のそれに突っ込んでみた。
そうしたら抜けなくなって、店員にもやってもらったが、どうにもこうにも抜けなくて、仕方なく買い取った。

それで学校に着くと、東京都の職員2名と、学校の校長先生と養護教諭が待っていた。
その頃、髪色が緑だか赤だったので、一瞬、向こうは驚いた表情をしたが、人の外見なんて5分もすれば慣れちゃうもので、
「いい先生に来てもらって良かった」って話が丸く収まった。

最後に、ここに印鑑をいただけますか?、と書類が出され、僕がシャチハタを出したら、たいそう皆、驚いた。
ラットフィンクは、ミッキーマウスのお父さんという設定の、ディズニー非公認のキャラクター。

8/8件目、あずにゃんを探せ!

これは、まだ新人だった頃の大平さんが作った、クイズです。
まずは、トイレの扉をみて下さい。「けいおん」の5人のジャケットが順に並んでいます。

ただし、1番上の段の、あずにゃんの分だけ、ラミネート用紙が足りなくて、貼れなかったのです。
そこで、彼女が機転を利かせて、「あずにゃん、遅刻中」と、その場をしのぎました。
すぐに、ラミネートは出来たのですが、そのまま貼っても面白くないので、別の場所に貼り、
急遽、あずにゃんを探せ、というクイズにしました。

ヒントは、トイレの扉から2歩以内。受付と喫煙所の方に向ってみましょう。受付のほうに目をやると…
何やら、あやしい猫の足跡らしきものが。

この扉を思い切って開いてみましょう。

ここに、あずにゃんがいたという訳です。

どうでしたか?意外と見落としてたものもあったのではないですか?興味があったら確認してみて下さいね。
尚、カワクリ内は撮影OKです。
ただし個人情報に配慮して、カルテや人物が入らないように気をつけて下さいね。

それでは最後に、皆さん、見たいでしょ?「杉山さん」のネームプレートをお見せして、今日のクルズス、終了です。

BGM. バスター「すてきなサンデー」


クルズスしようよ

1/ⅩⅠ.(木)2018 はれ、ちょっと肌寒い ハロウィンも済んで、今年も残すところあと二ヶ月

11月から受付にニューフェイスを補強する。それにあたり院長、自らクルズスをやろうと下準備中です。↓。

皆さんにも、ほんの一部を紹介しましょう。

①なぞなぞ、を作った意味

…日本は視線恐怖の文化である、と言われる。
昨今は欧米風に人の目をみて喋れ、と言うが、日本人は「人の目をみると失礼」という文化もあり、
「ナニ、ガンつけてんだよ!」ということにもなる。
そのため、名刺文化といい、相手の目をみない、三角形の構図を作った。

クリニックに来た患者さんには、なるべく色んな人と話して欲しい。
「気がついたら一週間、誰とも喋らなかった」「一回も笑わなかった」という人もいるから。
しかし、大抵、そういう人は緊張しぃで、視線(対人)恐怖気味である。
だから、共同注視する小道具として、なぞなぞを作った。

三角形の構図になってるでしょ?
なぞなぞ、は遊びだから、解けた時の快感と、そこで笑いが生じれば、喜ばしいことである。

②ブログの効能

…遠方に行ってしまった人や、「卒業」をした人にも、カワクリは実家のようでありたい。
今に奉仕する退行、という言葉がある。
退行とは、赤ちゃん返りみたいに良くない文脈で使われることが多いが、懐メロ効果のように、
過去の自分が今の自分にエネルギーをくれることがある。
朝青龍がバッシングを受けてた頃、勝手にモンゴルに帰ってサッカーやってて、余計にバッシングを受けたが、
朝青龍はそれで元気を取り戻した。
それと同じように我々も「帰れる場所」が欲しいし、そういう「帰れる場所」でありたい。
だから、今通っていない人も時々、覗きに来てもらって、「相変わらずだな」と笑えるブログの記事を提供したい。

③定例会の意義

…ほうれんそう、という言葉が出来始めた時、報告・連絡・相談、をほうれんそう、とするセンスに嫌悪感を抱いたが、
でもそんなことを言っていられないくらい、ほうれんそう、が日本人は苦手っぽい。僕も生粋の日本人。
ヘルメットにアンテナがついてて、それをかぶると何も言わなくても、以心伝心、みたいな道具があるといいな、と思う。↓。

そんな漫画みたいなことも言ってられないし、そこはやはり人と人とのコミュニケーションが大事になる。
それで普段の日常だけではわからないプライベートな部分や人柄を知り合う機会を、まぁ、酒でも酌み交わしながら、
無礼講でぶっちゃけ、普段のストレスを共有する会にしようと作ったのが月1の飲み会、定例会。
僕は不満の矛先・標的になるのは覚悟の上なのだが、全然、皆さん、お行儀よくて、肩透かし。

④コミュニケーションについて

…コミュニケーションには、バーバル・コミュニケーションと、ノン・バーバル・コミュニケーションがある。
バーバルとは、旧約聖書のバベルの塔、が語源で、民衆が神に近づこうとバベルの塔という高い塔を建てるが、
旧約の神様は気が短いから、怒ってこの塔を壊して、さらにもうこんな密談が出来ないようにと、皆の言葉をバラバラにしてしまって、
それで言語というものが出来たという。バーバルは、バベルから派生した言葉。

一方、ノン・バーバルとは日本語にすれば、非言語。
「ごめんなさい」がバーバルだとすると、それを涙を浮かべて汗だくで前かがみで言うのと、
足を組んで鼻をほじりながら言うのでは、受け取り側の意味が全然違うでしょう?
つまり、バーバル(謝罪)よりノン・バーバル(態度)の方がメッセージ性が強いのだ。それを受付は知っておくべきだ。
ちなみに声のトーンでも差が出ますね。それは、ボーカル・コミュニケーション。

⑤うつ病に「がんばれ」はダメ?

…AKB総選挙をみてたらメンバーの家族がインタビューで、「あれだけ頑張ったんだからこれ以上、頑張れとは言えない」と言っていた。
「うつ病」に、がんばれ、と言っちゃいけないというのは同じ理屈だ。
一方、3.11のあと、CMでSMAPが「がんばろう!日本」と語りかけて、被災者を勇気づけていた。

がんばれ、って言っていいの?悪いの?よく聞かれる質問だ。
こんな話がある。
野茂がメジャーに行く前は、アメリカの野球は大リーグといい、元・大リーガーは助っ人外人と有り難がられて日本に来た。
正直、テキトーな奴が多かった。
それでも真面目な選手もいて、スランプに陥った時、日本のコーチにアドヴァイスを求め、元々、素質はズバ抜けてるから、
すぐに勘を取り戻し、「サンキュー」と言った。
2人の間には言葉の壁があるから、練習には通訳がついていた。
コーチは、選手に向って、「がんばって!」と答えた。

するとその助っ人外人は激怒したという。「お前は俺が頑張っていないというのか!」と。
これは通訳のミスで、コーチの「がんばれ」を「Do Your Best」と訳してしまったのだ。
これはつまり、さっきの例でいうと、AKBの親が言えない、と言ったパターンを言ってしまったのだ。
それでこの場合の正しい訳は、「Good Luck」なんだって。幸運を祈るよ、応援してるよ、という意味で、つまりSMAPの方だ。

日本語の「がんばれ」「がんばって」にはこの二つの意味がある。
どっちの意味で使っているのかを使い分けるセンスを持つといい。
「うつ病」の人に「がんばれ」と言ったら、ただちにダメという訳ではない。それは言葉狩り。
ノン・バーバルが大事なのでしょう。

⑥守秘義務

…クリニックに来る人は色んな悩みを抱えてくる。それを告白することには、不安もあるだろう。
診察やカウンセリングとは、「ここだけ」の話をしに来るところだから、そういう意味で我々の仕事で一番重要なのは、
守秘義務、になるだろう。
仕事で知りえた情報は、たとえ家族にも恋人にも話してはいけない。それがここで勤める鉄の掟。

⑦うつと不安のメカニズム

…これまでは心構え的なことでしたが、徐々に病気や薬の説明や、心理学的な規制の説明もしていきましょう。
たとえば、こんなシェーマを用いたり。↓。

その後も、⑧山あらしのジレンマ、⑨反復強迫、⑩喪失体験、⑪ペットロス、⑫宗教と精神科のちがい、⑬世代間伝達、など。
でも、これはもっと先の話かな。焦らず、ゆっくり、何度も繰り返しレクチャーして行きましょう。
同じ話は3回言ってやっと入るのが普通でしょ?1回で覚えられるのは、天才か、思い出が少なくて容量に空きの多い人。

 

ざっと話してみましたが、皆さんの視点からみて感想があれば教えて下さいね。
クルズスとは、ドイツ語で、講習や授業のことを言います。

BGM. よしだたくろう「まにあうかもしれない」