27/Ⅴ.(金)2022 雨 サンリオのスリッパ、届く。診察室履き。
マニアックなファンの中には、アルバム未収録の曲をシングル盤できちんとコンプリートしている人がいる。そういう層が一定数いるからだろう、「シングルB面コレクション」などという企画物もあるほどだ。しかし、こういう希少なものは出回らないのにはそれ相応の理由があって、はっきりいうと駄作なのである。
今回、川原達二の昔のマンガ作品を2回にわけてご紹介したが、勿論、選に漏れたものもある。「つまらない」からである。しかし、ファン心理というのは完全コンプリートしたいというオタク心を熟知した作者ゆえ、あえて今回はそれらの駄作を集めてみました。題して「B面に恋をして」。言っときますが、そういう趣旨なのでつまらないですよ。掘り出し物があるといいですね。
まずは、これは年代不明のイラストです。僕の未来の彼女が朝食を作ってくれてるのですが、フライパンから目玉焼きを落としてしまう決定的瞬間です。彼女はお料理が苦手なのかな?タイトルは、「だってカエルが見てたんだもん」。

これは角川の森村誠一の「証明」3部作に感化されて、当時のマドンナ「マリちゃん」との友情を描いています。最後のコマでマリちゃんが石野真子の「わたしの首領」の決めポーズをしてるところに川原の本気度が伺えます。
前回まで同様、「川」の字の書き順の様に、左上から下へ、そして真ん中上から下、最後は右上から下で「完」という独特な読み方をして下さい。


僕のマンガは女子へのラブレター=プレゼントなのですが、これが現存するということは受け取ってもらえなかったということなのです。マリちゃんは原宿の「東郷会館」という女子寮に住んでいました。続きます。マリちゃんの好きな男のタイプが「たよりがいのある、たのもしい人」と聞きつけて描きました。

伊賀さんというのは高校時代の先輩でした。先輩が同級生というのは気を遣うもので、こんなマンガで距離を測ってみました。

化学の実験で試験管を洗うのが面倒くさくて、その嫌さをマンガに昇華しました。

これは「巨人の星」の飛雄馬と左門の対決をモチーフにした、マリちゃんの応援が兄弟愛に勝つという求愛行動です。これも拒否されてますね。

前にご紹介した「岡野の青春」の予告編です。桜井さんの本名は「さくらいまり」と言いました。

これは石川ひとみの「まちぶせ」をタイトルにしたかっただけで何のひねりもない駄作ですね。

これもマリちゃん主役。ことごとく返されてますね(笑)

これは一人暮らしに憧れてた頃の夢想です。

これは実話かなぁ?妄想かなぁ?こんなうまい話しありっこないから妄想でしょう。「いけない子供」というタイトルは、吉田拓郎が自分のバックバンドでもあった「猫」というバンドに書いてあげた曲の名前です。「猫」には「地下鉄にのって」や「雪」などの代表曲がありますが、「いけない子供」はまさにマニアックな曲で今回の趣旨にピッタリです。

文化祭で喫茶店をやることになり、その「ケーキセット」のチケットの販促目的で作成しました。

これは長年、僕のマンガのファンだった人からも「面白くない」と酷評を受けたトラウマのような作品です。単なるダジャレだけでは通用しないって訳です。

前回のショックからペンネームを「カクマ・モナリーザ」に変更しました。当時はマルイで月賦でデザイナーズブランドの流行の服を着る時代だったから、そんな風潮に反対して主張してみました。早川義夫の「かっこいいことはなんてカッコ悪いんだろう」と蛭子能収の「私はバカになりたい」を足して2で割ったタイトルです。

アイスホッケー部のトモエ君を怒らしてしまったのでマンガを描いてご機嫌をとろうとした川原の外交の手腕が垣間見える作品です。未完。そして「カクマ・モナリーザ」としても最後の作品になりました。「飛び出せ青春」の最終回をパクった作品になるはずでした。歴史的にはこの後、「JAT(ジェイミー・アデノイド・タツジ)」になる訳です。


BGM, ナイアガラトライアングル「A面で恋をして」