25/ⅩⅡ.(日)2011
奥沢の入船すしで遅いランチ。店主は背の高い静かな人だが、珍しく向こうから話し掛けて来た。
「昨日、一昨日はすごく混んでいました。今日もさっきまで(は、満員)。
今年は震災以降、自粛だかで飲食業は皆、駄目でしたね。低価格の店は別ですよ。
でも、皆、ついに我慢できなくなったんだか、昨日・一昨日は満席で電話を頂いたお客さんもお断りしました。
すいてる時に、来てくれればいいんですけど(笑)、そうはいきません。
まぁ、どんな商売もそうなんでしょうけど。おたくは仕事はどうでした?まぁまぁですか?なら、良かった」と。
ちなみに店主は僕の仕事を知らない。「究極のまぐろ丼」という贅沢なものをたいらげ、新宿へ。
テアトル新宿で、「幕末太陽傳」を観るためだ。↓。
この映画は、キネマ旬報の映画遺産の日本編で小津安二郎の「東京物語」、黒澤明の「七人の侍」、成瀬巳喜男の「浮雲」、に続く4位に選ばれて、
日活が100周年を迎えるにあたり、後の100年まで残したい1本としてデジタル修復する作品に選んだものだ。
監督は川島雄三、落語の「居残り佐平次」を題材にした日本の喜劇映画史上の最高傑作と言っても過言ではない。
主演のフランキー堺がカッコよすぎる。
特に芸者をあげて遊ぶ場面で、タイコを叩きバチをクルっと親指と人差し指の間で回転させる(授業中にシャーペンをそうしたように)のは、
元々、フランキー堺は進駐軍でジャズ・ドラマーをしていて「フランキー堺とシティ・スリッカーズ」というコミック・バンドを率いていて、
そこには谷啓や植木等もいて、その音楽性は後のクレージー・キャッツに引き継がれていったことも思い出させて、感激である。
この映画には、50年代のオールスターが出演していて、石原裕次郎も高杉晋作役で出てる。↓。
そもそも「居残り佐平次」は、談志が<これこそが落語、人生成り行き>と代表作にしていたもので、
談志が死んだ時、NHKの「日本の話芸」の追悼番組でも談志の「居残り~」を放映していたっけ。
談志が死んだこの時期にデジタル修復版が上映されるのは喜ばしい不思議だと思う。
これは本当に面白い映画なので、騙されたと思って映画館で観ることを勧めます。
こはるのおはぎセット、という商品も売っている。こはるとは女郎のNo.1で南田洋子が演じている。↓。
これは、食べなくてもいいかも。でも、映画は面白いです。
テアトル新宿を少し駅の方に歩くと、新宿ピカデリーがある。
「幕末太陽傳」の興奮が冷め遣らないので、「けいおん」も観ることにする。
何度も観ると景品をくれることになっていたのだが、もう品切れらしい。
そのせいかどうかは知らないが、入り口でポストカードを配布していた。唯のノートを再現したものだ。↓。
映画のはしごをしていたら、すっかり遅くなり、最終電車で家に着いたら、遅い、と心配された。
そうか、今日はクリスマスだった。