9/Ⅴ.(水)2018 水曜日に雨は多くないか?雨も水だからか?
僕に出来ないことは色々あるが、男子として割と恥ずかしい欠点は、「泳げないこと」と「自転車に乗れないこと」だ。
泳げないことは、中学の時、吉田拓郎(よしだたくろう・当時)も泳げないと知って、<だったら俺もいいや>と、
早々に投げ出した。
日本のフォーク系ミュージシャンには泳げない人がたくさんいて、六文銭の及川恒平はお風呂も怖いらしい、
とラジオで拓郎が笑って話してたのを、僕も笑って聴いていた。
自転車に関しては、友達の後ろに乗っけてもらったり、僕は足が速かったから、伴走したりしていた。
茅ヶ崎から辻堂くらいの距離だったら、自転車と一緒に走れた。
今思うと、友達が随分加減して走ってくれてたのだと判るが、当時は、<俺は自転車より速い>と自慢してたのだから、
全然空気を読んでなかったのだなぁと思う。
そういうまわりに支えられてたから、自転車を乗るという場面は回避して生活して来れた。
女の子とサイクリングに行く時は、普通は男子の自転車に女子がつかまって乗るのだろうが、僕は逆だった。
これはちょっと恥ずかしい絵で、まぁ20才も過ぎると、皆、車に乗るから、自転車に乗るという機会は減るが、
僕は自転車に乗れないくらいだから、自動車も乗れる訳がなく、大抵、他の人の助手席に乗った。
女の子とドライブする時も、助手席に乗った。
そう言えば、こないだフィギュアスケートの羽生結弦が「自転車に乗れない」と告白したニュースを知った。
僕はもう大人だからいいが、僕と同じように自転車に乗れなくて肩身のせまい想いをしてる男の子がいるとしたら、
僕にとっての、よしだたくろう、と同じように免罪符としての効果があるのではないかと思った。
「羽生結弦と同じならいいや」的な。
僕が自転車に乗れない理由は、母のせいである。
いとこ達と自転車で遠くに行くという企画があった時、母は「達二は行かないわよね」と哀願した。
だから、僕はそれに応じた。
とは言え、うちの兄は自転車に乗れるし、その後も自転車に乗れるようになるチャンスはいくらでもあった。
いつの時代も練習を手伝ってくれる面倒見のいい友人はいるもので、
「タッちゃんは運動神経がいいから、すぐ乗れるよ」と励まし応援してくれたが、てんで乗れなかった。
まるで母への忠誠心を言い訳にしてるみたいだが、僕はやれることとやれないことが極端なのである。
これも母のせいにしてしまうのだが、いわゆる家事というものが一切出来ない。
これも多分、母が自分がいなければ何も出来ない子供に仕立てて、所有物みたいにしたせいだと思う。
こないだサランラップを切ろうとして、指を切った。
耳掃除は母が楽しみにする作業だったから、自分でやると加減がわからず必ず出血する。
このあいだ耳鼻科に行って耳掃除をしてもらったら、やんわりとお医者さんから、
「このくらいのことで来ないで下さい」と言われてしまった。
家に帰って、爪を切ったら、深爪した。
そんな僕にとって大学生になって家を出たことは、物理的に母と距離をとり、自立するチャンスだった。
しかし、悲しいかな人間は、同じようなことを相手をかえて繰り返す。
一人暮らしをしても家事など出来ないのを知ったクラスメートの女子が、医学部は面倒見のいい人が多いから、
ローテーションを組んで、掃除や洗濯をしに来てくれた。
さすがにそれは申し訳なさ過ぎたから、今でいうニートやひきこもりな男友達を自分のマンションに呼び寄せ、
家賃はとらない分、家事をしてもらった。
僕が学校に行ってる間、彼らが部屋の掃除や洗濯をして夕飯を作って待っていて、
夜は僕の録り溜めた歌謡曲やプロレスのビデオをみながら、人生や本の話をした。
朝は僕だけ起きて学校へ、彼らは寝てるが、僕が帰ってくるまでに家を綺麗にしてくれてるから、ギブ&テイクだった。
彼らは家に居場所がなかったから、僕が居場所を提供し、寄生させてたつもりだったが、僕の方が精神的に彼らに寄生していたのかもしれない。
その後も季節が変わるように関係性は変わるが、身の回りのことをしてくれる男女が途切れることなくいたから、
僕はいまだに食器の洗い方や洗濯機の回し方や衣替えやATMの使い方や小包の出し方を知らない。
よく結婚相手に母親と似たような人を選ぶというが、うちの奥さんと母は全然似てないと思う。
ただ、やはり家事という点においては、僕に何もさせないから、結果的に身の回りのことは完全に奥さんにやってもらってる。
そう言えば、マイナンバーとかも知らない。マイナンバーが何なのか、番号なのか、何桁の数字なのか、
あるいは保険証みたいなカードなのか、実物をみたこともない。何かの時に必要になるのかな?
こうやって考察してみると、奥さんと母は似てないが、僕と奥さんの関係と、僕と母の関係はとてもよく似ている。
移動手段として自転車に乗れない僕は自動車にも乗れないので、自家用車は奥さんが運転している。
僕はたまに助手席に乗るのだが、うちの車の車種が何だかも知らない。
車にまったく興味がないので、ポルシェとカローラの区別もつかない。
母はここ(ブログ)では美化されているが、光あるところに影がある。
今回の自転車の記事は、母の欠点の部分だと思う。あえて、母の日近くに、ぶち込んでみた。
BGM. RCサクセション「日隅くんの自転車のうしろに乗りなよ」