主人公

8/Ⅲ.(火)2022 寒い ゼレンスキー氏「キエフにとどまる」

さだまさしの功罪について考えてみた。グレープの時代は別にしても、ソロになってからのさだまさしの人気はすごかった。「雨やどり」は爆発的に売れたし面白かったし。立川流の談春も、談志が死んでからさだのファンを公言するようになり、松本人志もさだまさしは自分の師匠だと発言しててビックリした。でも我々の世代で影響を受けなかった人はいないと思う。僕も「風見鶏」と「私花集(アンソロジー)」という2つのLPを持っていた。僕は山口百恵のファンだったから「さだが『秋桜(コスモス)』の作者だからLPを持ってるんだ」という言い訳も用意した。当時はまだたけしが世に出ておらず、タモリの影響力が大きく、深夜ラジオでタモリが「名古屋ダサい」と「さだまさし軟弱」とバカにしてたから男子としてはさだを聞くなんて軟弱だと思われそうで恥ずかしかった。もし急に女子が家に来て、「エロ本」か「さだのLP」のどちらか一つしか隠す時間がなければ迷わずさだを隠していたと思う。しかし時は魔術師だ。談春が大みそかのさだのコンサートで落語をやり、松ちゃんがワイドナショーで堂々とそんなカミングアウトをする。そしてそれがどれほど大事なことかを知ってる人も少なくなった。

僕の中高時代は、どんなにませてても「生きる意味は?」なんて考えてる子は周りにいなかった。それほど自分の価値にうぬぼれていなくて、言葉にこそしなかったが、「生まれたから死ぬまで生きてよう」くらいに生きていた。自分の人生にそんなに期待してなかった。アントニオ猪木が好きなのも長嶋や王を応援するのも「自分には出来ないこと」をやってるからで、「彼らと同じ時代に生まれて良かった」「同じ空気を吸えて幸せ者だ」と思っていた。

それがいつからだろう。ヒーローがインフレを起こしたのか、「自分の人生」を考えるようになった。僕はそれはSMAPの「世界に一つだけの花」のヒットによるもので、「ナンバーワンでなくてもいい、元々特別なオンリーワン」の呪縛だと思ったりもした。しかし、SMAPも一夜にしてならず。これがどんなに名曲だろうとなんの滑走路もなくいきなり飛び立てるはずがない。何か「プレ・SMAP」的な自己啓発的な力があったに違いない。それは何かをずっと考えていた。主に自分の小学生、中学、高校とその時代の背景にある文化を洗い直してみた。そこで浮かび上がったのが、さだまさし、であった。

さっきも言ったが僕は2枚さだを持っているが、さだまさしの「私花集」のB面のラストに「主人公」という歌がある。これはファンの中での人気投票では必ず1位になる~あなたはあなたの人生の主人公だ、というメッセージの歌である。これまで日本人で日本人に向かってこんなことを言った人を僕は知らない。北山修も吉田拓郎も岡林もユーミンも誰も言ってこない角度からの直撃弾だ。

 

こないだこんな夢を見た。僕は空を飛んでいて、きっと僕は花粉かおしべで風に乗り森の中を川の上を自由に飛び回る。人間のいない世界だ。僕の役割はめしべ的なものをみつけて、遺伝子情報を伝えるべく受粉することだ。僕は次の何かにバトンを渡す役割の象徴化だった。

僕は結構長いこと生きてきて、僕のアイデンティティーの核にあるのは、「僕は母に愛されていた」という体験だった。それはきょうだい葛藤の勝者という意味でもあった。それが近頃、何か忘れていた記憶が蘇って、夢などに出てくる。それらはかけらみたいなものなのだが、パズルのように合わせてみると、なんと「母は僕より兄を愛していた」という数々の場面だ。ずっと封印していた光景だった。僕はもうすぐ60才になるが、還暦というのは人生が一回りして再スタートらしいが、まさかの「たっちゃん愛され神話」の崩壊である。僕は僕の人生の主人公から転げ落ちた。さて、そうなると僕の存在意義とは何なのだろう?兄や親や妻や友人の人生に必要な「モブキャラ」だったのか。それともさっきの夢が暗示するように僕は次の世代に何かを伝える「送りバント」のような役割なのか。

西洋の小説で主人公の祖父はそこそこ名声があったが大酒のみで~などという配役があり、その祖父の残したトラブルの種や未解決の葛藤が世代間伝達され数世代先の主人公たちにちょっとしたスパイスを与えるなんて描写がよくあるが、僕の生きてる意味は子供やその子供たちという主人公の人生を彩る舞台装置の一つなのでは?という新しい落としどころも見つけられるようになった。さだまさしに出会う以前の自分に戻ったようだ。幼い僕の面影たちが優しい笑顔で「お帰り」という。さよなら、主人公。

BGM. さだまさし「主人公」

 


春が近い

1/Ⅲ.(火)2022 SMAPの反戦曲「Triangle」が歌詞サイト1位

冬来たりなば春遠からじ、とは、つらい時期でも辛抱してたらなんとかなるよ、という前向きなおまじないのように思ってる人が多いでしょう。下は、そんな春の訪れをイメージしたネイルです。

寒梅、紅梅などをあしらって。

冬来たりなば春遠からじ、には、「春」が近寄ってきたら「冬」はとっとと引っ込めという後進に道を譲れ、的な意味もあるそうで政治の世界に言えそうですね。バイデンが大統領になった時、77才、と聞いてビックリしました。トランプの4つも上でした。日経テレ東の「リハック」という番組にゲストの田原総一朗(87才)に対し、成田さん(東大主席卒、イエール大学助教授。35才)が「田原さんは朝生の司会をひろゆき(45才)さんに譲って、『俺も引退するから皆、一緒に引退しよう』と知り合いの政治家さんたちに言ったらどうでしょう?」とソフトな物腰で真正面から提案してました。さすがのひろゆきも別の番組で「成田さん、失礼すぎる」と呆れてました。日本では政治家の若返りは難しそうですが大国ロシア相手に頑張っている、ウクライナのゼレンスキー大統領は大統領就任時は、41才、だったそうです。

日本も若くて、芸能界出身の人と考えたら真っ先に思いついたのが、ロンドンブーツ1号2号の田村淳(48才)です。本人も政界進出を否定していません。こないだのMXTVの「訊きたい放題」をみたら、こんな間違いがありました。クイズです。わかりますか?

田村淳はコロナで1週間休んで復帰会だったのですが、1週間で顔を忘れられてしまったのかしら?総理は遠いですね…。

それよりこの番組で気になったのは東京都立大学教授・憲法学者の木村草太(42才)の髪型です。

昔は角刈りみたいな頭だったのに、なんとも清潔感に欠ける挑発的な長髪です。もっとも本人の主張するポリシーは一貫してるので、ひょっとしたら「髪型で人を判断するな。校則で髪形を拘束するのは違憲だという意見」を体現されたのでしょうか?

日曜の「7days」にゲスト出演した筑波大学教授・ロシア政治の専門家、中村逸郎(65才)は久々にインパクトのある文化人でした。安住紳一郎(48才)に「中村先生は島根県出身なのに何故、ロシア政治に興味を持たれたのですか?」という質問をされ「私は小さい頃から怖いものや、気持ち悪いものが大好きで、そしてロシアを好きになり、プーチン(69才)が出現してしまいました」と答え、さすがに皆が「この人、ヤバくない?」と思った瞬間、ビートたけし(75才)が「先生、何、バカなこと言ってんだよ」と突っ込みを入れました。安住さんもすぐに「いえいえ」とフォローしてましたが、こういう時に生まれる変な間を即効で処理する突っ込みの力はまだまだ若手はたけしに敵わないなと思いました。その証拠に中村先生もこの笑顔。

この中村先生はユーチューブで探してたら、「プーチンは3人目。今のプーチンは頭にAIが入っている」と言ってました。その証拠に何かの国の代表が集まる会でみんながシャンパンで乾杯するのに、プーチンだけ持参したタンブラーを持っていたという。「その中身は、おそらく、ハイオク」と真顔で答え、インタビュアーに「先生は、大学でも生徒さんにそんなこと言ってるんですか?」と引かれていました。そんなことと関係あるかどうかはわかりませんが、今朝の羽鳥慎一モーニングショーのゲストコメンテーターに「筑波大学助教授でロシア政治の専門」という肩書で女性の人が出てました。「筑波大学のロシア専門なのに、中村先生じゃないんだぁ」と思ったものです。

そんな「7days」の裏番組で、世界中が「ロシアとウクライナの戦争」を注視してる中、小倉優子(38才)が早稲田大学を受験する企画をやっていました。何してるんだ、ゆうこりん。

僕が小倉優子を認知したのは、よみうりランドのポスターに起用された時で当時、小田急線を利用してた僕は毎朝見かけた。
・水着姿でプールサイドに無表情で座り小首をかしげて、
「学生、来て来て!安くするわよ」と入園料学割。
・水しぶきを浴びる絶叫マシンで髪を逆立てて悲鳴をあげ、
「ヤダーッ、こんなにビショビショ」。
・暗がりで怯えながら、
「一日三回もなんて…。もう許してぇ!」はお化け屋敷。
さすがにこれはマズイだろうな、と思ってたら案の上、差し替えになった。12チャンの夕方の帯番組「シブスタ」でライセンスと、後番組「ぶちぬき」で雨上がり決死隊と組んで司会を勤めた。「ぶちぬき」の初回では生番組なのに終始、仏頂面。そしてお別れの挨拶の時に、ゆうこりんは、「えっ、これリハーサルじゃないんですか?」と言って初共演の宮迫(現在51才)を驚かせた。僕個人は色々ときつい時期で、どれだけこの番組に救われたかわからない。毎回録画して観た。こりん星キャラが完成していく過程が見れた。CD『フルーchu・タルト』の一曲目、「ビタミンLOVE」で毎朝、起こしてもらった。恵比寿リキッド・ルームでやったシークレット・ライブにも行った。「ビタミンLOVE」は2曲目だった。オール・スタンディングなので前の方で観れた。この頃の、小倉優子は可愛かった。小倉優子の失策は、何かのインタビューでコスプレをちょっと馬鹿にする発言をしたことだ。ゆうこりんはコスプレ写真集も出してたのだから、間接的に、ファンを見下した発言だった。その結果、ファンは中川翔子(現在36才)に、流れた。あっ、この場合のファンとは僕です。

その後のゆうこりんは、そこら辺の二流のグラビアアイドルとの違いをまざまざと見せつけて行きます。真鍋かおり(現在41才)のバーターで出てるバラエティー番組では、必ず大物ゲストの発言のしっぽに「え~」などと音をかぶせる。その結果、編集でのオンエア率は真鍋を超えた。こりん星キャラは自身で中学の時に考えたオリジナルの持ち込みだったが、これで1冊本を出し、それも限界が来たと思うとまだ需要があるうちに「こりん星を爆発」させる。さんまのスーパーからくりテレビにレギュラーになるとさんま(現在66才)に気に入られ、小倉優子音楽隊、という企画を作る。途中参加の「さかなクン(現在46才)」が面白いと評判になると、いつのまにか「さかなクン」を音楽隊から脱退させる政治力も見せた。それからおバカキャラは封印し、料理がうまい、ママタレ、子育て、シングルマザーでも強く綺麗に生きる姿が共感され懸案だった女性人気もゲット。そこに早稲田入試である。僕はもう小倉優子が何をしても絶対驚かない。大学の客員教授になっても、政治家になろうと、日本初の女性総理大臣になってもだ。

ウクライナのゼレンスキー大統領は「国民のしもべ」というドラマで高校教師が大統領になるというフィクションからそうなった人と民放では説明されてるが、マルチな芸人で歌や踊りやコントの様子もテレビで流れてた。さすがに地上波では聞いたことないが、過去には全裸芸で「男性のイチモツ」を使ってピアノを弾くという珍芸もみせてたそうだ。そういうイロモノっぽさを嫌いなウクライナ人も多かったらしいが、今回、自分の命が狙われてる、アメリカから国外に逃げるように言われても、「キエフにとどまる」「戦う」という姿勢とSNSを使った発信力が認められウクライナ国民の支持率は91%だそうだ。がんばれ、小倉優子。目指せ、日本のゼレンスキー。あっ、渡部(現在49才)も行けるな。

「歴史とは勝者の記録だ」というから戦争を片っぽ側から語るのはどうなのか?そう思って「プーチン大統領」のTシャツを買ってみた。全体にマリンティストで仕上げてみました。

テーマは「銃口に花を」です。

BGM. 小倉優子「ビタミンLOVE」


ワリエワより低学年

24/Ⅱ.(木)2022 女性天皇に7割超が容認。

買ってしまいました。寝そべりジャンボぬいぐるみ・からかい上手の高木さん。

横からみると、ちゃんとセーラー服姿。

こうなると後姿が気になりますね。安心して下さい。はいてますよ。

こないだの「高木さん」は、高木さんが知り合いの犬をあずかって散歩する回で、そこで(犬好き)の西方を呼び出します。二人並んでお散歩です。高木さんがリールを持っています。

西方は犬好きですが、恥ずかしいから内緒にしてますが、からかい上手の高木さんはお見通しだから、西方にリールを渡し、「この子、走るの好きみたい」と言います。すると、西方は犬とダッシュします。さて問題です。この絵で変なところはどこでしょう?

わかりましたか?

正解は、犬が西方の「右側」にいることです。犬を訓練する時には左側を歩かせるから、です。

でも、これを犬を飼っているスタッフに聞いたら、「それは大会に出る犬くらいで、左右はどっちでも関係ないです」とのことでした。今回の記事は内容が薄いので物足りない方は以前の記事ですが、「愛のひだりがわ」をどうぞ。

 

下は僕の私物。定期入れやキーホルダー。

診察室の風景はおなじみですね。

本棚のフィギュアは、かえりみち編。

待合室のコミックスコーナー。

さて最新の高木さん情報です。こないだのテレビ放送の合間のコマーシャルで情報を解禁しました。

夏までは生きていようと思いますね。太宰治の「晩年」みたいに言ってみました。

BGM. 高木さん「学園天国」


心の護美箱(51)~元気です

22/Ⅱ.(火)2022 日本芸術院の新会員候補に、つげ義春(84)が選出。

けいおん、メンバーと合宿。カトリック?決まりがうるさい。ご飯の前のお祈りから、洗濯物の使う水分量や、歯磨きに使うブクブクのカップの量や時間も決まってる。女子と男子の洗濯物の使い分けや、下着は手洗い、お風呂の時間なども細か。でも、男子と女子のトイレは中が一緒。ご飯を食べる時、お祈りして目を開けたら誰もいなくて、夢?ドッキリ?かと思ったら、僕がお祈りし過ぎてた。

寝る時、唯ちゃんが横にいて、もう寝なきゃね、と言って、ちょこっと雑談して、寝るふりして、また少しして、唯ちゃんは寝れないな、と言ってちょこっと雑談の繰り返し。唯ちゃんは、その間、僕と手を繋いで寝てて、時々、僕の指の絆創膏の上から彼女の指がそれをなぞった。ザラザラした。修道院生活の夢をみました。

去年までの3年間、六星占術でいう大殺界だった僕は、今年やっとそれが明けたと思ったら、細木数子が死に、なんだか信じてて損した気がした。そしたら今度は同じ水星人(+)の人に「先生は今年、厄年ですよ」だって。もういい加減にしろ。占いなんか信じない。そう思うのだが、朝のワイドショーで今日の占い「12星座で一番運が悪いのは、ごめんなさい、獅子座のあなたです」なんて言われるとムカつくし、「その悪い運気を克服するラッキーアイテムは、ポトフ」なんて言われても「どこで食えんだよ」とイライラするから僕は占いを信じる人間なのかもしれない。

そんなことを思いながら、こないだの人間ドッグの結果が返ってきて、「膵臓の腫瘍マーカー」が通常の3倍あるとのこと。膵臓癌って昭和天皇が亡くなった病気でみつからない奴だろう。発見された時には遅くて、すい臓だけに、スイスイスイと進行してしまう病気だ。せっかく大殺界が明けたのに、厄年だから、癌になってしまったのか?僕の友人には医者が多いから聞いたら、病院に行け、とごく当たり前のことをいう。最近体調が良かったのだが、これは蠟燭の火が消える直前に炎が大きくなるという奴か。唯ちゃんとの合宿も体の不調を心がかばって、「楽しい夢をみさせてくれる最後の思いやりか」などと悪いことを考えて、病院に行ったら、「酒の飲みすぎでしょう」とのこと。ビックリさせんなよ、って話でした。だから僕は元気です。

 

心の護美箱(50がいっぱいになったので、(51)を作りました。心の護美箱がなんだかわからない人はバックナンバーを見て下さい。ま、簡単にいうと愚痴を書き込めるページです。「非公開」希望の人はそう書いてくれば内容はアップしません。

 

今日はせっかくなので「大病」と「明るく生きる」の両立の話です。

 

談志に癌がみつかった直後の落語会はワイドショーのレポーターがいっぱい取材に押し寄せて来てた。その日の談志の演目は、居残り佐平次、だった。居残り佐平次、を、ある落語評論家は「落語の品位を落としている」というが、談志は「これこそが落語の料簡だ」という。
談志は、落語とは人間の業の肯定だ、という。それはどういう事かと言うと、人間とはそもそもだらしなく、いい加減な者なのだ。でも、それでは世の中が成り立たないから、常識というルールを作り、それを子供の頃から押し付けられて生きる。でも、それには無理がある。そこで落語は常識ではなく非常識を語ることで、その無理を語り、時にはそれから解放してやるのが役割なのだ、というのが談志の落語の定義なのである。
佐平次は、人生成り行きと決めつけ、金もないのに何人も引き連れ女郎屋でさんざん飲み食いし、夜中のうちに連れを帰し、自分が居残りをする。居残った後もまるで反省の色はなくいい加減の限りを尽くすが、これが全部うまく行く。努力も苦労も悩みもしないで成功する。それこそ、コツコツやる奴ぁ~ご苦労さん!の世界だ(by植木等)。その非常識さとバイタリティーには大いに憬れる。
川島雄三というカルト人気のある映画監督が、フランキー堺・主演で、幕末太陽傳、という映画にもしている。日本の喜劇映画の最高峰の作品だから、機会があったら観るといいです。シロクロだけど、面白いです。
その幕末太陽傳でも、落語の原作でも、佐平次は肺病を患っている、という設定になっている。
単にいい加減な奴が成功してはしめしがつかないからリスクを背景に作ったのか、あるいは究極的な非常識を体現できるのは死と対峙した者だからこそ達した境地とでもいいたいのか。そうでもないと、世間のルールと辻褄が合わないのは確かである。しかし談志は、佐平次を肺病にしなければいけない理由が判らない、と、談志の落語では、佐平次が肺病だという描写はない。「人間の業の肯定」のための「交換条件」を不要と判断したのだろう。
ところが、談志は癌になった。癌を患った談志が、佐平次、を演じる。命をかけて悲壮なまでに「いい加減」を演じる談志。まるで、ジグソーパズルの最後のピースがおさまったみたいで、談志は、この日のために佐平次を病気にしないでとっておいたのではないかとさえ勘繰りたくなった。その迫力たるは、背筋がゾッとした。今、目の前で繰り広げられてるものこそが、「居残り佐平次・完璧版」なのだ。その日に立ち会えたのは、僕にとっては今では勲章のように思っている。1997年のことだ。もう25年になる。

BGM. 矢野顕子&忌野清志郎「ひとつだけ」


不器用富豪

17/Ⅱ.(木)2022 ドーピングの是非や競技の技術は門外漢だが、カミラ・ワリエワ(15才)はダントツに美少女だと思う。

生前、立川談志がジミー時田のことを「あいつはだらしなくて、酒癖が悪く、女にはすぐ手を出し、貸した金は返さない、うそつきで、貧相。なのに、ギターを弾かせたら、『どうでぇ、これが俺の友達だ』と自慢したくなる奴」と評していまいた。

「器用貧乏」という言葉があります。 複数のことを何でも問題なくこなせるが、どれも極めることができないことを言います。 「器用貧乏」の「器用」とは、「要領が良い」「処理能力にたけてる」「抜け目なく動ける」で、最近の若い人はそんな印象です。大谷君の二刀流ほど凄ければ別格ですが、芸能人もマルチになんでもこなすソツがない人が多いです。一方で、日本人の国民性は「これ以外にとりえがない」という不器用な人も好きですね。そこで今回は「器用貧乏」の真逆で、ジミー時田のようにこれしか出来ないからそれこそ「プロ」という人を「不器用富豪」と名付けてみたい。

今回はそういうお話です。

 

こないだ亡くなった「ドカベン」の作者・水島新司が作画だけを担当した「男どアホウ甲子園」は、主人公の藤村甲子園が活躍する野球マンガ。おじいちゃんが大の虎キチで、甲子園球場のグランドキーパーの仕事をしていて好きが高じて孫の名前を「甲子園」と名付けた。その子が野球をするために生まれてきたような天才児。地肩も強いし、度胸はいいし、根性もある。野球をするために生まれてきたは誉め言葉だが、裏を返せば野球以外にとりえがない。

藤村甲子園はピッチャーで剛速球の持ち主。キャッチャーは、豆たん。主人公・甲子園の子分みたいなものだ。豆たんは、色んな経緯があるが、甲子園と同じ道を歩む。それは男心に男が惚れた、キャッチャーとは女房役というものであんさんの行くところ、あっしもお供しますぜ、ってな感じ。二人の掛け声は、「行くぜ!豆たん!」「はいな、あんさん!」。男どアホウ甲子園。変化球なんか投げたりしない。直球1つで勝負する。
その後、藤村甲子園は東京6大学で一番弱いチームを優勝させる、と男気をみせるが、6大学で一番弱いのは東大だ。藤村甲子園は野球どアホウ、勉強なんか出来ないが、そこはカンニングを使ってちゃっかり合格。天才の進む道にはいつも神風が吹く。そういうものだ。豆たんも合格。そして史上初、東大を大学日本一に導くのだ。(これは漫画の話しで、まだ東大は6大学で優勝したことはない)
そしてプロ入り。阪神に入団。
阪神球団は絶対的な評価として、村山実(2代目ミスタータイガース、天覧試合で長嶋にサヨナラホームランを打たれた投手)のつけていた永久欠番である背番号「11」をプレゼントするという。
これは「巨人の星」で星飛雄馬が川上哲治の永久欠番「16」を貰い受けるのと比較して欲しいが、入団会見で甲子園はそんな名誉を断るのだ。「エースナンバーは、1番。村山はんはダブルエースの11番。ほんならわれはトリプルエースの111番じゃーい」と歴史は自分で作ると言わんばかりだ。さすが、野球どアホウ。
そして背番号111をつけて豆たんと一緒に阪神に入団。豆たんの背番号は222。
藤村甲子園の速球はプロでも目を見開いたが、プロ野球はそんなに甘い世界じゃない。直球1つで通用するものか。その証拠に同期で入った小野田は剛球カーブや剛球シュートや剛球ドロップなど、速球のままで手元で変化する球を見せ付けた。
嫌がる甲子園を説得し、カーブを覚えさせる豆たん。甲子園はカーブも覚え投球にも幅が出来るが、それを喜ばないのが野球どアホウ。
1軍に昇格し、ミスタージャイアンツ・長嶋茂雄との対戦だ。
甲子園は自慢のストレートを2つ続けて投げた。長嶋はフルスイング。打球は2球ともバックネットにつきささる。甲子園の球威に長嶋が押されたともみれるが、タイミングがぴたりとあっているとも言える。勝負の3球目。ミスターも甲子園も、男と男の戦い、直球で勝負の心づもり。
そこで豆たんが、甲子園に出したサインはカーブ。豆たんは甲子園の分身みたいなものだ。なぜここでカーブを要求?プロ意識の目覚めか?豆たんの自己主張なのか?
葛藤する甲子園。直球1本に的を絞るミスター長嶋。カーブのサインを譲らない豆たん。気持ちを決めた甲子園は大きく振りかぶって3球勝負。投げた球はストレート。待ってましたと長嶋茂雄。バットがボールの芯をとらえた。
次の瞬間、甲子園の球威に長嶋のバットが折れ、ボールはそのままチップして背後に飛ぶがキャッチャーミットにおさまり3球三振。それを受け止めた豆たんのミットの構えはストレートを待つ姿勢だった。
豆たんはあえてカーブのサインを出しその通りにしない甲子園の行動原理を理解した上で、甲子園の潜在能力を怒りとして引き出したのであった。長嶋はネクストバッターズサークルの王貞治に「すごいのが現れたぞ。ワンちゃん、あとは頼む」と言い残す。時代は昭和49年、ミスター長嶋茂雄が引退する年のことである。

どうですか、藤村甲子園、「不器用富豪」だと思いませんか?

富豪で思い出したのですが、筒井康隆の小説に「富豪刑事(デカ)」というのがありました。主人公は富豪の御曹司。でも正義感に燃え、刑事になります。しかし、現実は勧善懲悪が通るほど甘くないです。例えば、悪者は証拠を金庫に入れ、その鍵を海外の湖に沈めてしまい証拠が得られません。ここで本来ならギブアップなのですが、富豪刑事のすごいのはここからです。海外の湖を個人で買い取り、水を全部抜き、底にあるカギを発見するのです。悪役は「なんて馬鹿な」と呆れます。しかし、正義のためならいくらでも私費を使う富豪刑事。こんな人が本当にいたらいいですね、という話です。

しかしどうでしょう?もし善意のお金持ちが全部問題を解決してくれたら人々はそれに甘えて努力を怠ったりしないでしょうか?自分で功労して成果を得る喜びや承認欲求も放棄しておんぶに抱っこになりやしないか?それは福祉や手当や保証も同じでどこまでやるのがいいんだか。必ずしも手厚いのが「より良い世の中」や「自己実現」を後押しするとも限らないではないか。最後に難しい問題になってしまった。

 

さて、先日、「複数の女性と多目的トイレで不倫して謹慎してた」アンジャッシュの渡部建がテレビ復帰を果たして世の中をざわつかせています。渡部は事件が発覚する直前は大人気で「グルメ」だ「高校野球」だ「女子力」だとその多才さで清水ミチコをして「調子に乗ってる」と言わしめた、いわゆる「器用貧乏」な売れっ子だった。

しかし、元はと言えば、アンジャッシュのコントは生前の立川談志も一目置いていて、僕は国立演芸場の「談志ひとり会」の前座で、アンジャッシュのコントをみたことがある。談志のひとり会の前座は、「志の輔」や「志らく」や「談春」レベルがやってた「客も一筋縄でいかない奴ら」でした。そこでアンジャッシュはちゃんと笑いを取っていて、僕は感心したものです。談志が生きてれば、きっと渡部をかばっていたと思いますが、誰も芸能人は助けてくれないですね。むしろ仲間内の評判が悪そうです。

そんな渡部ですが、仲間の人望がないということは、きっとクズな男なのでしょう。ホテル代をケチってたのも女に渡してた金額もちょっとでセコサもイメージを悪くしましたね。きっとろくでもない人間性なのでしょう。

しかし、人生は長い。
一度しくじったからそれで終り、ではなく、セカンドチャンスは与えて欲しい。
この男の罪がどの程度のものなのかは知らないが、きちんと罪をつぐなったら、コントで復活すればいい。どうせこの男はコントしか能のない、コントどアホウなのだろう。自粛期間に豊洲でバイトなどせずに、ひたすらネタを作るべきだ。きちんとネタが出来る芸人は少ないぞ。渡部よ、お笑い界のジミー時田になれ。「不器用富豪」は作ったばかりだから、まだ空席だぞ。

BGM. 南沙織「春の予感」


EBPM

10/Ⅱ.(木)2022 雪 ここに来て保育園で「ノロウイルス」も流行だと。

コロナが流行っていますが、アニメ「けいおん」で唯ちゃんが風邪で倒れた回があって、どうしてもメンバーが音合わせをしなくてはならないから、内緒で妹の憂ちゃんが束ねた髪の毛をほどいて唯ちゃんに成りすまして参加します。メンバーは全然気づかないのですが、なんとなく違和感。それはいつもの唯ちゃんより「リズム感が良くて演奏がしっくりくる」からです。真相を暴露する前に、お茶の間の視聴者にはヒントが与えられていて、途中でアップされる「唯ちゃん=憂ちゃん」の上履きの色が「1学年下の指定の色=唯ではない」というワンカットです。こういう隠し味を気付かなくても作品鑑賞には影響しないけど、気付くと嬉しいというオタク心をくすぐる仕掛けでした。なんでそんなことをいうかというと、こないだの「からかい上手の高木さん」です。

高木さんは、お弁当に「ピーマン」が入ってるのを嘆きます。残すとお母さんに怒られる、と。すると隣の三白眼の男子(西方ではない)が、さっとお弁当箱からピーマンをとって食べちゃいます。高木さんはびっくりして「何よ?」すると、男子は「食べれないんだろ」と言って廊下に出て行きます。高木さんが「なんで勝手に食べるのよ」に男子は「好きだから」。高木さんは笑って「な~んだ、ピーマン好きなのか」に幼馴染が「あいつ、ピーマンきらいだよ」。高木さん、「でも好きだって…」。幼馴染「それは、あんたを好きなんじゃない?」に高木さんが1秒考えて真っ赤になります。あれ?いつもの高木さんらしくないですね。ここで、画面は高木さんの上履きを映します。その色はいつもの高木さんの履いてる色じゃないのです。1学年下です。それは何を意味するか?実はこの「高木さん」そっくりの子は高木さんの娘・ちー、が大きくなった姿で、娘(ちー)はお母さんとはあべこべで好きな子にからかわれるという世界観なのです。これもさっきの「けいおん」の技法を上手にオマージュしてますね。

最近の世界は暗いニュースばかりですね。ま、オリンピックが始まりましたが羽生君は惜しくも4位でしたね。僕は携帯でよくヤフーニュースをみるのですが、よく見かけるのはユーチューバーでプロレスラーの「シバター」のニュースです。年末はしょこたんと朝倉兄弟の弟の海がユーチューブでコラボすると、「しょこたんへ、海はやめろ。海は童貞だから痛いぞ」と言って海を怒らせて、コラボ動画でボコボコにされるとか。朝倉兄には前もってブック(八百長のシナリオ)を渡して、「わざと負けて下さい」と土下座までして、本番でボコボコにされるとか。年末のRIZINでは、元K-1チャンピオンの久保優太に八百長を誘い、本番で裏切って劇的勝利をおさめ、久保に暴露されバッシングを浴びても臆せず、逆に久保選手も炎上し自身がアスペルガーでものごとを全部真剣にうけとってしまう、というしなくてもいいカミングアウトをさせられ、久保選手の妻で派手な格好をして試合を盛り上げるサラちゃんとは離婚話まで出るこじれよう。それに対しても、既婚者シバターは、「サラちゃん、好みです。おれとつきあいましょう」と発言。こんな記事が毎日、上位に来ます。「シバターってすごい人気だね」とスタッフに聞くと、「それはネットの検索エンジンがその人の好きそうなニュースを上位に持ってくるんですよ。私のところには来ませんよ」だって。

そう言われれば、学校の先生が生徒に性的なことをするというニュースも多いです。特に最近は男性教諭が男子を買春したり、男子トイレを盗撮したりという記事が多いですが、これもスタッフに聞いたら、「聞いたことない」そうです。僕はそんな記事があると必ず読むから機械にそういうのを好む人間だと思われてしまったようです。

さらにもっとも最近目立つのは、「パパ活」や「ギャラ飲み」や「風俗」で儲けたお金にも税金がかかるから後になって追徴課税がくると大変ですよ、という忠告記事。僕はこれらと縁がないのに、なんで来るのか不思議です。そう言えば、1度だけ、仕事の書類がたまって休日返上でやらなくてはならず、知り合いの女子に「僕がさぼらないように見張ってて」とアルバイトを頼みました。すると彼女は「それはパパ活みたいだからお金はいらないけど漫画読んでてあげます。ご飯なら付き合いますよ」というからご飯だけおごりました。帰りのお車代とかあげるべきかなと思ったら「それはギャラ飲みになりますよ」と受け取らず注意されました。そのくらいしか思い当たりません。なんか生活がすべて監視されてるようで怖くなりますね。

BGM. 成田悠輔「22世紀型のEBPMについてのプレゼン」


おっぱい談義

5/Ⅱ(土)2022 今期のアニメでは「その着せ替え人形は恋をする」がおすすめ。amazonプライムでもみれます。

男性は「巨乳」が好きだと思い込んでる女性も多いようですが、ひとから聞いたのですが「おっぱいパブ」なる風俗店もある一方、「貧乳」専門のデリヘルもあるらしい。それなりの需要があるらしく、「巨乳派」と「貧乳派」におっぱいフェチは分かれるそうだ。僕はあまりどっち派でもないのだが、おっぱいで一番直近でショックを覚えたのは、コロナ以前の、さくら学院の文化祭の、アンコールで出て来た「ワンファイブ」というユニット。そもそも、さくら学院は、小中学生で結成される学校をモチーフにしたアイドルグループで、ファンのことを「父兄」と呼び、色んな部活もある。今を轟く、BABYMETAL、も元は、さくら学院の「重音部」でした。さくら学院は、中3を終えると自然に「卒業」になる、成長期限定ユニットです。この子たちは頑張り屋だったり天然だったりハツラツだったり芸達者だったりして、あまり「性」を感じさせない「安心感」が好きでした。ところが、「ワンファイブ(15歳の集まりって意味です)」。
中3の4人が、大人っぽい女のコーディでメイクしてそれっぽい歌を歌うのですが、こちらには、戸惑いしか生まれません。中3ですよ。妙に体の線を強調する服で、バストのフォルムとかクッキリみえて、目のやり場に困りました。

ワンファイブが一旦はけて、残りのメンバーがその感想を言い合うわけですが、「女性らしい、すてき~」みたいな反応なのです。
そこにワンファイブが、さくら学院の制服に着替えて何の反省もなく参加するわけですが、これがまた不思議で、さっきあんなに強調されてた胸がぺったんこなのです。
デビュー当時の小柳ルミ子は、アイドル演歌路線だったので、胸の大きいのはマイナスだと胸にさらしを巻いていたといい、アグネスチャンも、その愛くるしいルックスに、大きなバストは、日本男児が萎縮するといけないからと、さらしを巻いたという同様の噂を聞きました。だから、僕はこのワンファイブも、出番が終わって制服に着換える時に控え室で、スタッフにさらしでグルグル巻きにされたに違いないと、その光景まで頭に浮かんだものです。そんな「さくら学院」もコロナ禍の中、閉院してしまいました。

でも、よくよく考えたらそんなに驚くことでもないかもしれません。山口百恵など15歳の時に、月刊明星とか平凡で、黒のビキニとか披露してて、僕は毎月、そういうのを普通にみていたから。でも、百恵ちゃんは、僕の4学年上だから、「15歳の水着を見てる僕は12歳」なのでOKであって、「15歳のワンファイブをみてる僕は50代」なのだから、ちょっと何かと問題がありそうだ。

ところで、アイドルとバスト問題だが、やっぱり男は女が怖いから、日本のアイドルの場合はバストが小さい方が良いとされてきた歴史がある。…本当か?
堂々と胸を売り出す場合(榊原郁恵・河合奈保子・細川ふみえなど)キャラは「バカ」だった。(実際は違うのだろうが)そうやってちょっとバランスを女性側でとってくれないと、男はインポテンツになってしまう。だから、胸の大きい女性は不当に、バカという汚名を背負わされてた屈辱もあると思う。その悪い歴史に終止符を打ったのは、小池栄子だと思う。

僕はその場面をリアルタイムでみてたのだが、それは「爆笑問題の検索ちゃんぴおん」という深夜番組で、爆笑問題が司会で小池栄子がアシスタント、お笑いタレントがパネラーで、ネットの噂を出題するクイズ番組だった。もちろん、爆笑問題がやるのだから普通のクイズ番組ではなく、例によって、太田光が暴走するのである。
ある時太田は制止する小池栄子に、「お前なんか、オッパイだけのタレントじゃねぇか」と口が滑った。さすがの太田も発言のあと、しくじったという顔をした。パネラー達(芸人)が色々とフォローする中、小池栄子は冷静に「はいはい。オッパイだけでここまで来たタレントですよ」と返して、進行した。
これにはパネラーの土田も「さすが!大人!」と拍手し、皆が絶賛。太田もペコペコ謝っていた。
それ以来、胸が大きい=バカ、という図式をあまり見なくなりました。

僕の青春暗黒時代によくしてくれたお姉さんがいて美人で優しくて憧れてたのですが、彼女はおっぱいが小さいらしく、何かの時に、「私は貧乳だから」と自虐的に言うから、僕は「全然そんなこと魅力と関係ないよ」と言ったのですが、彼女はやさしく笑って、「タッちゃんは子供だからよ」と相手にしてくれませんでした。その頃、斉藤由貴が「微・少女」というビデオを出していて、「美少女」と「微少女」をかけてる妙だったから、それを真似して僕は「貧乳ではなく微乳だよ。微乳じゃなくて美乳だよ」と言ったら、彼女は真面目な顔をしてこちらを真っすぐにみてました。今だったらセクハラなのでしょうか?

これもひとから聞いたのですが、最近は「貧乳」を「品乳」と書いて「品格のある乳」と意味づけしたり、「貧乳」を崇め奉る「ヒンニュウー教」というカルト的なひとたちもいるそうです。全然関係ないですが、アニメにもなった「かんなぎ」のコミックスの帯を思い出しました。

僕の母は乳癌で僕が生まれた時はもう乳房がなくて僕は母乳をもらった記憶がなくて(みんな記憶はないか)おまけに赤ちゃんの時は母と離れてたので、そこへの執着から「おっぱいフェチ」になりそうですが、そうなりませんでした。変態とかフェチってそうそう単純なものでもないのですね。でもおっぱいに関しては、小学校の頃何かのマンガで読んだ、アマゾネスという女の部隊が馬に乗って弓矢を打つのですが、その時、おっぱいが邪魔になるから、片方の乳房を切り落とすというシーンになんとも言えぬ、エロスを感じた思い出があります。

小学校高学年になると、「泣くなおっぱいちゃん」という歌をボインの歌手が歌っていて、キャンペーンで茅ケ崎に来て、レコードを10枚買うと「おっぱいを見せてくれる」、20枚買うと「おっぱいを触らせてくれる」、30枚買うと「おっぱいにキスさせてくれる」というお色気企画がありました。子供ってそういうのが好きじゃないですか。僕らも盛り上がったのですが、正直、「おっぱいにキスする有難味」が分からず、「まぁ、俺は20枚だな」とうそぶいてました。レコード1枚400円の時代です。20枚で8000円です。お年玉を使ってなかったのでその代金はありました。同年代の奴らにマウントを取りたかったのでしょうか、僕は本気でそのキャンペーンに行くつもりでした。するとそれを知った親は当然止めるのですが、母は僕が止めても聞かないのを知ってますから、父が止めに入りました。当時の人気はなんと言っても天地真理です。天地真理の本名は斉藤真理といい、どうも茅ヶ崎駅前の斉藤不動産が実家との噂でした。父はそれを持ち出し、「お前が大人になったら斉藤不動産にかけあってやるから、泣くなおっぱいちゃん、は止めろ」と言いました。僕も子供ですから、天地真理と結婚出来るなら、と提案を飲みました。アイドルの寿命は短いもので、また天地真理はなんだか「おかしな転落の仕方」をして人気がなくなります。その内、僕は中学生になって東京に出てきます。
父は趣味でカメラをやっていて、その知り合い筋から、「今度、デビューさせるモデルの四つ切ポート」を2カット貰って来たと言い、僕にくれました。その外人モデルは豊満な胸をしていて、ビキニで海岸に寝そべっている生写真でした。父はきっと昔の、泣くなおっぱいちゃん、の約束をこれでチャラにしようとしたのでしょうね。ふてぶてしいですね。
ただ、僕はそのモデルのバストより童顔な表情がキラキラしたお日様見みいだったから気に入って、額に入れ部屋に飾りました。
しばらくしたら、そのモデルは色んな雑誌に出るようになって、あっという間に世間の男の人気を独り占めしました。すごい人気でした。僕は先に知っていた優越感から父のおかげで学校でもカーストが上位になりました。ちなみに、そのモデルの名前は、アグネス・ラムと言い、「うる星やつら」のラムちゃんの元ネタです。今も診察室の天井にいます。

そういえば、「からかい上手の高木さん3期」はとても実験的で賛否分かれてますが、僕は好きです。こないだ、高木さんが、ラムちゃんのコスプレに一瞬変わる、サービスショット(原作になし)があり萌えました。

おっぱいの大きな人は、男の人が「胸ばかり見てる」と分かるそうです。男もそんなにジロジロみないと思いますが、一瞬の目の動きのような気配でわかるというのだから、すごいですね。そう言えば、女性で「男の人の股間ばかり見てしまう」、という人がいます。それは「巨乳を見てしまうスケベ男」と違って、「見たくない」のに気になって、「見まい」とすればするほど「見てしまう」という「強迫行為」みたいなもので、「病気」です。恥ずかしがって中々打ち明けませんが、意外とそういう女性は多いのです。だから、もし自分もそうだ!という人がいたらそれは治療すればよくなるから診察で言って下さいね。

BGM. サザンオールスターズ「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」


心の護美箱(50)~救世主願望

2/Ⅱ.(水)2022 鈴木福、初のキスシーン挑戦。

僕らの界隈では、集団があるカップルを「付き合ってるんじゃない?」とはやし立てたり、からかったりする、群集心理を「救世主願望」と呼びます。それは、学校ではイケメンの男性教諭・田原先生と、マドンナ先生・聖子先生の仲が「あやしい~」と生徒がキャッキャしたり、病院では若いドクターと美人ナースのあうんの呼吸が「お似合い~」と噂になるのは、単なるゴシップではなく、学校や病院でのストレスや不安を、その二人が救ってくれる救世主になってくれるのでは、という期待が込められてると考える心の動きのことです。まれに、患者同士や理想の先輩同士でも祭り上げられるカリスマカップルもいます。僕らはそういうのを目にすると、「ここの集団は、所属してるメンバーに共通する不安があるのだな」「救世主を求めてるのだな」と思うものです。

受付に実際そういうことあったか?と聞いたら、実体験としてはないが、「すがまさき&こまつなな」がそうでは?という。僕はその人たちのことを知らないから何とも言えませんが、昔でいうと、天皇陛下と雅子さま(美智子さま、紀子さまでも可)のご成婚や、山口百恵&三浦友和、貴花田&宮沢りえ(破局)、マッチ&中森明菜(破局)などの世間のフィーバーぶりと「親戚感覚の喜びの共有」こそ、「救世主願望」だったなと思い起こします。皇室ネタは、小室さんが終止符を打ったから、当面は佳子さまのご相手が注目ですね。

 

心の護美箱(49がいっぱいになったので、(50)を作りました。心の護美箱がなんだかわからない人はバックナンバーを見て下さい。ま、簡単にいうと愚痴を書き込めるページです。「非公開」希望の人はそう書いてくれば内容はアップしません。

「救世主が必要な時代は、救世主がいない時代より不幸である」と誰かが言ってそうな名言っぽいが、「救世主が必要な時代は、救世主がいない時代より生きるのが大変だ」。それがまさに今だと思う。

そう言う訳で、もしも今、熱愛中のカップルや不倫中で周りにバレたくないのにバレちゃって噂になって困った時、「それは皆が救世主を求めてるから、そんな風にみえるのではないですか?」と言い訳に使えるから覚えておくと便利ですよ。

BGM.左卜全とひまわりキティーズ「老人と子供のポルカ」


心の護美箱(49)~自分から行く

25/Ⅰ.(火)2022 からかい上手の高木さん三期は実験的!評価は真っ二つ。

今を生きるのだ、という人がいる。それは「未来」のことばかりを考えてる人は「不安」ばかりで取り越し苦労の一人相撲。一方、「過去」のことばかり「あの時にああしとけば良かった」「あの時にああしなけりゃ良かった」とウジウジしてる人間を「うつ」と呼ぶ。ハンフリーボガードではないが、「昨日は何をしてたの?そんな昔のことは覚えてない」「今夜はどうするの?そんな先のことはわからない」、などと言って、トレンチコート着て、ウヰスキーの小瓶をポケットに入れて、カサブランカダンディみたいに決めるのが僕のキザの理想。しかし実際はそうもいかないのが現実で過去を振り返ると後悔ばかりだ。人生は航海である、いや、人生は後悔である。この歳になって思うのは、もっと積極的に行けば良かったなと思う事。特に恋愛についてはそんな思い出ばかり。どこかで振られるのが怖かったり、断られた時に傷つかない「保険」をかけてしまったせいで消極的になってしまったのだと思う。

何年かたてば、恥も外聞もなくなる。だから今、恋で迷ってる人がいれば、素直に自分から行くのがいいと思う。

心の護美箱(48がいっぱいになったので、(49)を作りました。心の護美箱がなんだかわからない人はバックナンバーを見て下さい。ま、簡単にいうと愚痴を書き込めるページです。「非公開」希望の人はそう書いてくれば内容はアップしません。

 

上岡龍太郎はテレビのレギュラーを何本も持っていて人気絶頂期に廃業した珍しい芸能人だ。上岡は横山ノックらと「漫画トリオ」という関西で人気のお笑いトリオを組んでいたが、僕の世代にはいまいち馴染みが浅く、晩年に鶴瓶とやってた「パペポテレビ」や日テレの「EXTV」がしっくり来る。

昔は西と東の笑いには溝があったと思う。昭和40年代、人気者の立川談志が大阪に行った時、漫画トリオを訪れ、「僕はあなたたちのファンです。お友達になりましょう」と握手を求められ上岡龍太郎はビックリしたそうだが、それから付き合いがはじまって、後には立川流Bコースに入り談志の「弟子」になった(高座名・立川右太衛門)。横山ノックが大阪市長選挙でハ二―トラップに引っ掛かってマスコミから総攻撃受けた時など、談志は激高し、「ノックさんなんて元々そういう人なんだ。それを知ってて選んだんだろう。それを今さらなんだ。大阪芸人よ立ち上がれ」と言った。僕は客席でそれを聴いていたのだが、良い友情だなぁと羨ましく思った。そして良い関係を作りたければ自分から行かなきゃダメだと思った。

BGM. 南野陽子「話しかけたかった」


恋愛至上主義的堕落論

13/Ⅰ.(木)2022 ロネッツのロニー・スペクター(ヴェロニカ)死ぬ。癌。78才。

ナンシー(仮名)はソラナックスを10粒だけもらいに来て、半年くらいはそれでしのげる。必要な時にだけ飲むのだが、最近は、恋人が出来たらしく、「デートの前に飲む」らしい。「いつになったらやめれますか?」と言うから、「慣れだよ」といい加減な答えをしておいた。実際そうだし。

「処女は非処女になりたがり、非処女は処女になりたがる」ということわざがあるが、今はうぶでドキドキしてるうちが華で、そのうち常態化すると今のときめきを懐かしく思うのだろう。

人間は本能が壊れた動物だから「何か生きて行く目的」がないと生きて行けない。種の保存を淡々と発情期に従って自殺も考えず生を全うする他の動物たちとの違いは、難儀なものだ。まだこれが軍国主義だ、一神教だと縛りがあれば盲目的に生きれるのだが、なまじ価値が多様化されると自分で生きる目的を見つけないといけない。そんなものは実は「ない」のだから、いかに上手に自分をだませるかの勝負になる。そしてその目的がある程度の人数に共有されている必要もある。無難なのは、「家族愛」「学歴」「お金」「権力」「宗教」「国家」「天皇制」「共産主義」「世界平和」「民主主義」「自由」「権利」「恋愛」などであろうか。頭のいい人ほど、こういうものに疑いを持ち、これらを「共同幻想」だと見破る。しかし、幻想がないと生きて行く意味がみつからないから、廃人になるか狂人になるか犯罪者になるか自殺するしかない。上手に騙されるのも生きる知恵だ。「生き甲斐=アイドル」や「譲れないもの=ロックスピリッツ」でもいいと思うから何かを見つけましょう。

僕はロマンチストなので断然、「恋愛」至上主義者です。これは一夫一妻制の世の中では生きづらいですね。それはともかく僕の好む「恋愛」は、たけしの映画「Dolls」に出てくる「つながり乞食」のような運命共同体で「共依存」どころか「心中」するような「二人組精神病」のような一体感です。幸い、これまでの僕の人生では僕と均質な恋愛観をもつ人と出会えてないので、狂わず、かつ社会生活を送れています、心中もせずに。

僕が小学校の頃によく耳にした歌謡曲の影響も性格形成に反映されてるかもしれません。

・大信田礼子「同棲時代」:できることならあなたを殺してあたしも死のうと思った。それが愛することだと信じよろこびにふるえた。

・西城秀樹「ジャガー」:君が死んだら俺は死ぬ。

・山口百恵「湖の決心」:いつも私あなたのためならすべてを投げ出す覚悟が出来てます。そしてそれでふたりの間が終りを告げてもいいのです。

・さくらと一郎「昭和枯れすすき」:この俺を捨てろ。なぜこんなに好きよ。死ぬ時は一緒とあの日決めたじゃないのよ。世間の風の冷たさにこみあげる涙。苦しみに耐える。二人は枯れすすき。

 

こないだクリニックのことを自身のブログに書いててくれたアイドルがいて、「アイドルやアニメや漫画や映画など色んなものあります」と。そんな折、文化部長のスーちゃんとクリニックの中を探索し、「キュンとくる」胸キュンものを探したのですが、まぁ、ないです!僕は恋愛至上主義を謳いながら、どこかそれが破滅の道に進むと思っているからかしら?

・沢田研二「時の過ぎゆくままに」:時の過ぎゆくままに、この身をまかせ男と女がただよいながら堕ちて行くのもしあわせだよと、二人つめたい体あわせる。

BGM. ロネッツ「ビー・マイ・ベイビー」