番外編②~アイデンティティ・クライシス

15/Ⅶ.(金)2016 はれ、時々、激しい雨
気が付けば、7月に入ってから、具合が悪い。
体調と言うより、心の問題。
6月までイケイケだったのが、ちょっぴり弱気。トーンダウン。
軸はブレてないのだが、今までの強気が自分ではむしろ怖いくらい。
慎重になったり、<これでいいのか?>と立ち止まったり、考えたり。
そこで気が付いたのだが、僕の誕生日は7月24日なのです。
お誕生日になると、一つ歳をとるだけなのに、小さい頃からの学習で、自分自身を考えたりする風習があります。
これは刷り込み(インプリンティング)なので、自分では意識してないのに、7月当初からの真夏の暑さは誕生日を体感させ、
自分自身の生き方(アイデンティティ)に揺さぶりをかけたのでしょう。
そのことに自分で気がついたら、治った。
無意識の仕業だから、意識しちゃえば、魔法はとけたのです。
「つきなみトーク」じゃないけれど、無意識って怖いですね。
怖いものには、名前をつけちゃうのが効果的です。
お化けや妖怪が怖いのは、半分は得体が知れないから。
でも、それには名前があって、「ろくろ首」だ「ぬらりひょん」だって判ると途端に怖さが70%オフ。
むしろ、愛嬌さえ感じたりして。
だから、この現象にも名前を付けておきましょう。
名付けて、アイデンティティ・クライシス。
日本人は、「お正月」や「4月」や「誕生日」に自分の生き方を見直したり、他人と比較して調子を崩す人が多いです。
3つとも、同じ理由ですね。
だから、7月、8月生まれの人はアイデンティティ・クライシスに注意して下さい。
他人と比較したってしょうがないし、他人の目を気にして生きるなんてくだらないことさ。カッコ悪いし。
もっともらしい内容で悩んでる時こそ怪しいです。
心因論っていうのは、まずは疑ってかかれということです。
あれ、今日7月15日って、スタッフの誰か、誕生日じゃなかった?
BGM. クリープハイプ「ラブホテル」


番外編①~ニヒルの美学

14/Ⅶ.(木)2016 はれ、時々、激しい雨
このブログを始めて読む人には、何のことやら「?」でしょうが、しょこたんのライブ・レビューは順調です。
構想は頭の中で出来上がりました。とにかくボリュームが多くなりそうです。
<書いても皆、読まないんだろうな>と思ったら書く気が失せますが、でも、書きますよ。約束だから。
今日は、番外編です。夕方からの強い雨のせいで、ちょっと違うことを書きたい気分になりました。
先日、友人から「相談がある」と、ご飯に誘われました。
彼の相談には、過去に覚えてる限りで、2回乗ったことがあり、記憶が正しければ3度目の相談相手です。
彼は普段はブイブイ言わせてる成功者ですが、「孤独」だそうです。
時々、「不安」になるそうです。
「家族」も「信頼」出来ず、一人で悩む日々だそうです。
人にはそれぞれ悩みがあって、その重大性は人によって違うと思うのですが、彼は「君はいいなぁ」と言います。
「家族だって信用出来るでしょ?」。
隣の芝生は青く見える、という奴なのでしょうが、僕が相談相手に選ばれるのは、そういうことを言わないからでしょう。
<僕の家の芝生だって>なんて、不幸自慢みたいことは、試験前に「全然、勉強してないよ」と牽制する奴みたいで嫌です。
美学に反します。
だから、君にはうちの芝生がそう見えるんだね、ってスタンスでいます。
もちろん、そんなことさえ言いませんよ。
僕は人間関係においては、もっぱらニヒルです。
しかし、僕はそんな彼がちょっと羨ましいです。
それは、彼には僕がいるからです。
僕には、彼にとっての僕みたいな存在がいません。
弱音を誰かに吐く、という発想がまるでありません。
だけど、誰かいればいいなぁ、とかも思いません。
弱味を握られて、優位な立場に立たれるのも怖いしね。
時々、不安に押し潰されそうになることは、皆さんと同様にありますが、愚痴をこぼせる相手はいませんね。
でも、それはクリニックに来談される方には、いいことだと思うのです。
僕も、プロだから、お金をもらって、守秘義務があるから、ここで話したことが外に漏れることはありません。
ただ、聴く側の人間が、先の友人のように、自分が相談してプラスの体験があると、性善説のような態度で聴くのでしょう。
「さぁ、安心して話して下さい」なんて。
そんな奴に話したかないよね、自分の悩み。それは僕の性格の問題か。
しかし、僕と似て屈折している人にとっては僕のスタンスの方が治療者として信頼出来るんじゃいかな?と自負しています。
そんなことを思いついたので書いてみました。
BGM. 吉田拓郎「流星」


すき

20/Ⅳ.(水)2016 はれ、あたたかい、暑い?
女の子も大変だ。
登校時、痴漢にあって、保健室でそう訴えると、「あなたに、すき、があるんです!」と怒られたり。
品行方正で利口な美人には、何故か男の子が近付かなくて、「モテる女は、すき、がある」なんて言われたり。
<じゃぁ、どうしろって言うんじゃあ~!!>
と、女子の声を代弁してみました。
そこで今回は、すき、について考えてみましょう。
上の2つの例文は、あまりに短絡的過ぎるかもしれませんね。
なぜなら、本当にすごい人とは、すごそうに見えない、らしいですから。
達人同士の真剣勝負とは、刀をかかげて、にらみ合い、お互い一歩もゆずらず、
その間を自転車がスーッと通って行くものだとか。すごさが、誰にも判らない(笑)
現役当時の長嶋茂雄も、そうだったそうです。
六大学から鳴り物入りで巨人に入団した長嶋と、初めて対戦した時の稲尾(西鉄ライオンズ)がそう言ってました。
その前に、稲尾の紹介をしておいた方が良いですね。すぐ終わります。
稲尾和久は西鉄ライオンズの黄金時代のエースで、ものすごくコントロールの良いピッチャーだったらしい。
ある日の稲尾は絶好調で、ギリギリの球を2球続けて、ボール、の判定を受けた。
それで頭に来て、ド真ん中にストレートを投げ込んだら、これも「ボール」と言われて。
稲尾は、審判に歩み寄り、「なんで今のが、ボール、なんだ」とアピール。
審判は、「俺がルール・ブックだ」で有名な名審判の、二出川延明。
二出川は、「大投手の投げる球にド真ん中のストレートはない」と答えて。
すると稲尾は、ニヤリと笑い、残りの3球を外角低めいっぱいに投げ込んで、三振に切って取った、というエピソード。
そんな稲尾が長嶋を打席に迎えた時、「なんだ?これが噂の長嶋か?すき、だらけじゃないか」、と驚き、
外角低めいっぱいに自慢のストレートを投げ込んだら、難なく、ライト前にヒットを弾き飛ばされたという。
稲尾はそんな、すごそうに見えない長嶋をすごいと恐怖した、という回想をしてたのを昔、読んだことがある。
そう考えると、すき、があるから痴漢にあう、とか、すき、がある女がモテる、ってのはちょっと浅い議論なのではないか。
たとえば、数学で半径「1」の円を単位円、という。
x座標とy座標がともに、「0」の位置を、角度を「0」とすると、その座標は下の黒丸だ。↓。

これを反時計周りに、90度動かすと、こういう座標になる。↓。

さらに、90度動かすと、90+90で180度動いたことになる。
これまでと大幅に方向を変えることの表現として、180度の方向転換、などと言ったりするが、図示するとこうだ。↓。

つげ義春の「噂の武士」の主人公は、宮本武蔵のふりをする偽者だが、誰がみても、すき、のない人間に描かれている。
0度が、すき、だらけだとすると、この武士は180度の座標にいるのでしょう。↓。

そして、グルっと一回転すると、360度。
360度は、0度と同じ座標になる。
つまり、ものすごく考え抜いた人と何も考えない人が同じ立場だったりする、ことを数学的に意味しているのだと思う。↓。

ブッダに出てくる、ナラダッタ、は、修行を重ね、到達したのが、動物と同じ姿で、これは360度まで行っちゃいましたね。↓。

さて、皆さん、お忘れかもしれませんが、今は、カワクリ心理部門のコンテストの最中です。
本当なら、心理のメンバーが順々にブログの記事を紹介して、広く心理療法を啓蒙したり、
自分のカウンセリング・スタイルやポリシーを競い合う場のはずなのですが、皆、推敲に熱が入り過ぎ、
タイムラグが生じています。
それを埋める為の記事を書いてみました。
すき、について考える、なんて了見も心理療法には大切な資質かなと思いまして。
しかし、心理の皆さん、いくら考えても、結局、グルっと回って、360度、1番最初の思い付きに戻るだけじゃないかしら?
BGM. 柏原よしえ「第二章・くちづけ」


他愛ない話

2016年3月22日 晴れだけど、風がつめたいです
 
どうも、小森です。受付まわりを、ちょこっと模様替えしました。
受付向かって左に、ふくろうの時計があります。あ、これ耳がありますね、みみずくだ。

みなさんご存知ですか?ふくろうとみみずくの違い。
先生が前に記事に書いていたような。あった、あった!こちらをご参照ください↓
2013年6月15日インテリア
その、みみずくの時計の下にバルテュスがきました。

こちらは「地中海の猫」。
シーフードレストランのために描かれたもので、店内に飾られていたそうです。
絵が1枚飾られただけで、ずいぶん受付の空気が変わりました。
  
さて意外と紹介されていませんでしたが、バルテュスけっこう飾られています。
まずは診察室。
みなさんが座る席の、右手ソファの後ろですね。
バルテュス、ポール、バルテュスとなっています。
まずは左「週に四日ある木曜日」

こちらの絵については、先生がバルテュス展へ行ったときの記事から拝借。
”当時、フランスの小学校は木曜日が休みだったため「木曜日が4日ある週」とは「決してあり得ない」
という言い回しに使われていた”そうです。
そして真ん中にポールがいて、右「夢見るテレーズ」

みなさん、この写真をよーーく見てください。テレーズの横に・・・
 
 

真子ちゃん!!
これには先生の意図があるようで。なんと、テレーズと石野真子が同じポーズなのです!プリティー・プリティー!
 
こちらは、スタッフ控え室の入口横。
「美しい日々」

右奥に、暖炉に薪をくべている男性がいます。
わたしには彼が、三浦友和に見えてしょうがないんですよね。
 
先週はそんな感じで、魚の絵とか漁師がチラチラしていたもので、頭の中は魚でいっぱいになっていました。
先週は、仕事終わりに友人と会う日が2日続きまして。
わたしは居酒屋をリクエストしたのですが、1日目はワイン居酒屋で魚なし。
2日目は、なんだかアメリカンな店で魚なし。
もう限界だ。お刺身が食べたい!!と思っていた金曜日のこと。
その日の午前診療は、いつもより早く終わりました。
先生はおもむろに、「今日はちらし寿司だな。」と言いました。
先生(正確には、先生の先生が)ご贔屓のお寿司屋さんは隣の駅にあるので、時間があるときでないと行けません。
平静を装って「わかりました。」と答えましたが、心の中は「ひゃっほーーー!!」でしたよ。
わたし、魚が食べたすぎて、知らないうちに口にしてたのかと思いましたよ。
クリニックはお昼も受付は開いているので、全員で行くことはできません。
ごめんよ、大平さん。大平さんの分まで堪能してくるね。あとはまかせた。
でも先生は、とっても優しく思いやりのある方なので、お留守番の受付にはお土産に太巻きを買ってきてくれます。
本当に川原先生って、とっても優しく思いやりのある素敵な先生ですね!
(ちらし寿司のお礼です。)
 
さて、わたしは昔、市場の魚屋さんで働いていました。
毎朝5時出勤で、月曜は1時出勤でした。朝じゃないですね、夜中です。
8年働きました。よく頑張ったな、わたし。
市場は、他の仕事と時間帯もちがうし、なんだか村のような場所でした。
働く人も、仕入れに来る人も職人肌で、人情とか義理とかがまだ残っていました。
よく言われていたのが、「市場の常識、世間の非常識」。
先日の、先生の記事にこのフレーズが出てきて、市場のことを思い出しました。(また魚!!)
わたしが働いている間に、同業も街の魚屋さんもどんどん閉店していきました。
大きな安売りスーパーがあちこちにできて、そこには肉も野菜も日用品もあるので、買い物も1度で済むし
仕入れの量も多いから、値段も安い。
魚は肉よりも高いし、若い人たちは生ゴミがにおうからと家で調理しない、需要は減る一方。
90歳のおじいちゃんがやっている魚屋さんも、跡継ぎがおらず70年続けたお店を閉めました。
すごいですよね、70年て。
わたしの祖父母の世代とは違い、現代は生き方も仕事も選択肢はたくさんあります。
でも、だからこそ、自分はこう生きたいという意思や意志がないと、つらいなあと感じています。
わたしのイメージですが、目の前に分かれ道があって、右へ行くと安泰、左は未知の世界、さあどっちを選ぶ?ならば
わかりやすいですよね。選べるかどうかは置いておいて。
これが現代バージョンになると、目の前には5本くらい道があって、全部未知の世界行き、安泰な道なんてないんです。
選択肢も増えて、自由もあるけど、どこへ進むのか自分で決めないといけない。
要するに、いまわたしが悩めるお年頃だってことですね。
こんなとき、カウンセリングは有効?それともこれは、人生相談?
BGM.フィッシュマンズ「いかれたBaby」


アマゾン

2/Ⅲ.(水)2016 少し暖かい
第6感とは、6番目の感覚という意味だろう。
医学的に感覚とは、みる・きく・かぐ・あじわう・さわる、の5感を言い、
それぞれに感覚の「覚」の字をつけて、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚と呼びます。
第6感とは、直観みたいなことを言うけれど、昔は、人間にも備わっていた感覚なのだと思う。
たとえば、沈没しそうな船からネズミが逃げるとか、震災の前に一斉に鳥が飛び立つとか。
人間にもそういう感覚はあったのだろうが、文明の進歩によって、劣等器官になってしまったのだろう。
メカを使うから、使う必要が減って、退化してしまった能力とも言える。
僕は中野ブロードウェイによく行く。
そこには幾つもの店が入っていて、同じ商品でも、店によって値段が違う。
店を比べて、商品を買うのだが、グルっと回ってるうちに売れてしまっていることもあるから、
どのタイミングで買うかがポイントだ。
こうして、足で買い物をしているうちに勘が養われて行く。
<ここで買わないとなくなる>とか<まだ一回りしてきても大丈夫だ>などが理屈じゃなく判るのだ。
僕は同様に中古レコードや古本屋にもよく行くが、<今日はこの町だ>という勘が働く。
ある日、いきなり高田馬場だとひらめいて、クリスタルズのLPを手に入れたことがある。
この感動をみんなと分かち合いたいんだけれど、なかなか、判ってくれる人がいない。
ま、それは置いておくとして。
問題は、アマゾン、だ。
僕は、あまり、アマゾン、を利用しなかった。
理由は単純にネットが苦手だから。
でも、アマゾン、はそんなに高級なスキルを必要としないと判り、何気なしに探してる本を探してみた。
すると簡単に買えた。
別の日に、探してるCDを、アマゾン、で買った。
これは便利だと思い、しばらく利用した。
とても便利だった。
そして、僕はある日、中野ブロードウェイに行き、変なダダ、を見つけ、買おうかどうか迷ってるうち、
爆買する外国人に(たぶん)買われてしまった。
それだけでなく、いつもならここの町に行けばあるはず、という勘がことごとく外れた。
そうかぁ、アマゾン、に頼ったため、第6感が退化してしまったのだ。
文明は恐ろしい。僕はあやうく人類と同じあやまちの道を歩むところだった。
それ以来、僕は、アマゾン、を封印した。
そうしたら、翌週から、僕の第6感は復活した。手遅れにならなくて良かったと思った。
そんな僕なのだが、先日、急に昔、読んでた本を読み返したくなった。
本屋に問い合わせたが、絶版だった。
どこの古本屋にもなかった。
この本は、僕が二十歳の頃、人生とは何だろう、と悩んでる頃に出会って、羅針盤のようになった本だ。
当時の飲み仲間と、この本の内容をつまみに、朝まで、歌舞伎町の「北の家族」で語り&飲み明かした。
当時のそいつらとは、現在、一切、連絡をとってないが、その頃の思い出は今も僕の宝物だ。
そう思ったら、読み直したくなるのが人情じゃないですか?
それでですね、僕は恐る恐る、禁を破って、アマゾン、にまた手を染めてしまったのです。
そうしたら、あるのですよ、アマゾン、には、その本が。
僕は葛藤しました。
勘が鈍るのは嫌だけれど、本は読みたい。何より<この本は自分の足では見つけられない>という勘も働いたし。
そこで僕は妥協案として、状態の悪い本を選ぶ事にした。
楽して、良い状態の本をゲットすると罰が当たりそうだが、状態が悪い物なら、見逃してくれるかと思って。
それで、「書き込みあり」といういかにも駄目な状態のものを選んで購入した。送料しかかからなかった。
本は数日で届いた。
僕は懐かしくその本を開いた。
ノスタルジックな思い出は鮮明に記憶しているが、本の内容までは覚えてなかったが、ページをめくるうちに、
懐かしいなと思い出しながら、なんか見覚えがあるなぁ、とも思った。
そりゃそうだ、当時、散々、読み倒した本だからね。↓。

本の後半部分は、「書き込み」が増えている。
綺麗な色使いだ、アカデミックなのにカラフルでポップだ。
胎児の頃の記憶があるという人がたまにいるが、共通するのは、色で、薄いピンクや水色や紫、だと言う。
僕の考察では、それは赤ちゃんの視覚記憶で、子宮の中の静脈や動脈の色なんじゃないかと思う。
この本のアンダーラインに使われてる色も、同じ色合いだ。
これが懐かしい感じがするのは、胎児の記憶と同じ色のチョイスだからかな。
それもサブリミナルにはあるかもしれないけど、この色合いは当時僕がよく使っていた組み合わせだ。
こんな色使いをする人が他にもいるのかな?
俺以外に使うかな、こんな色。
これ、ひょっとして、俺のじゃないか?
つまり、当時、僕が読んでいて、引越しか何かの時に売り払った奴がまわりまわって、手元に戻ってきたんじゃいかな??
多分、そんな気がする。その位、見覚えあるもの、この色使い&この線のタッチ。↓。

とりあえず、そういうことにしておこう。
その方が、ロマンティックだし。
もし、本当にそうだったなら、すごいな、俺の勘。アマゾン、に勝った!
僕は本に、<お帰り>と言ってみた。
BGM. 西城秀樹「ブーメランストリート」


携帯アニミズム

20/Ⅹ.(火)2015 はれ
僕の携帯は壊れていて、カメラ機能が使えない。黒と紫の光りしかファインダーに写らない。
もうスマホかな、と思いつつも、時代に迎合する抵抗もあって、メカ音痴を言い訳に、そのままにしてた。
電話とメールは使えるから、慌てることはない、ってね。
前回の記事に載っけたスリーショットは、実は壊れかけの携帯で撮った。
こういうイベントは普通は「チェキ」なのだが、今回は「写メ会」で自分の携帯で撮影してくれる。
並んでて、気が付いた。
僕のカメラ機能は壊れていた事に。
ケルト神話やアメリカインディアンの話には、先祖の霊が物に宿ると言う。
世界各地にこういう言い伝えは散見され、そういうのをアニミズムというそうだ。
日本でも「「九十九(つくも)神」なんて言うし。
100年くらい使った道具には、魂が宿るということで、付喪神、と書いたりもする。
物語シリーズの、斧乃木余接が付喪神ですね。↓。(スマホby後藤さん)

携帯の寿命はどのくらいなのだろう?
僕の携帯は、けいおん、のシールが貼ってあるけど、まだ4人の絵柄です。
けいおんは、去年がアニメ化5周年だったから、少なくとも6年は使ってる。
だけど、そんなシールを買ってすぐの携帯に貼る訳がない。
多分、もう10年くらい使ってると思う。
そう言うと皆にビックリされる。電池パックがどうのとか。
だから、携帯10年は、九十九神、と同等に見做して良い長さかも。
そう思ったのは、後付の理由なのだけれど、その時の僕は必死だった。
しょこたん&さちこ、とのスリーショット。
僕は携帯に念を送りながら、頼む動いてくれ、とお願いをした。
すると奇跡的に、カメラ機能が稼動した。
写してくれる係りの人が戸惑っていたが、後で見たら、11枚連写されていた。
ちなみに僕の携帯に連写機能はない。
最後の力を振り絞って、記念写真を残してくれたのだと思う。
僕が開業前のバタバタから、ともに働いてくれていた携帯だ。同志のようなものだ。
うちの母が死ぬ間際に使い始めた携帯だ。守護霊みたいなものだ。
これから僕は、時流に流されて、スマホを買うのだろう。
だけど、こいつは、終身名誉携帯として、僕の心の宝箱にそっとしまっておくだろう。↓。(スマホby後藤さん)

BGM. 太田裕美「最後の一葉」


恋の噂

3/Ⅳ.(金)2015 はれ
昔の病院の同僚の女医さんと、お互い、経営者は大変だね、って気持ちを分け合っていたはずだった。
確か、最初はそんなメールのやりとりだった。
メールを何往復かしてるうちに、心理士の話になり、僕が開業をする時に前の病院から引き抜いた心理士は、
僕の新しい恋人、だという噂があった、という話を聞いた。
マジか?
知らなかった。
それに、新しい恋人、って、まるで古い恋人、の存在を暗に言ってるじゃん。
でもね、僕が引き抜いた心理士って、男なんだけど。
俺は、ホモか?
そう答えると彼女は、びっくりして、「川原先生と働くからには、絶対に女性だと決め付けてました」だって。
そして、「まぁ、川原先生には恋の噂は絶えませんでしたからね、フフフ」だって。
まぁ、今さらこんな正論を言っても始まらないが、人の噂など気にしててもしょうがない。
山本リンダの歌ではないけれど、噂を信じちゃいけないよ。
人の口には戸が立てられない。
あれ?このことわざ、意味、違っちゃうか?
だけど、僕のイメージってそんな風に思ってる人もいたんだ。
それも共有されていて。そんな空間がこの世にあっただなんて。
あ~、でも、ゲレンデで恋をするな、みたいな話かな。
スキー場から帰って、街で会ったらガッカリ、みたいな。
シチュエーションの魔法。
病院での医者って、白衣なんか着ちゃってるから、カッコ良く見えちゃったり。頼もしく見えちゃったり。
そういう類かな。
それなら、有るのかな?恋の噂。
それでも、今のカワクリのスタッフに言ったら、皆、ビックリするだろうな。
およそ、そんなイメージないと思うよ。おそらくね。
あっ、でも、そうか。
今は白衣を着てないから、シチュエーション・トリックが稼動しないのかも。
ま、稼動されても、困るのだが。
そんな僕も、一応、白衣は1枚、持っているのです。
何年か前の夏に冷房が効きすぎて、寒くなって、薄着で羽織る物がないから、白衣を着たことが1回だけあった。
そしたら、なじみの患者さんに、「どうしたんですか?コスプレですか?」って真顔で言われて、それっきり、着ていない。
BGM. 研ナオコ「うわさの男」


スウェーデンの桜

21/Ⅴ.(火)2013  曇り、のち晴れ
僕のスウェーデンの友人からメールが届きました。スウェーデンもようやく春になったそうです。
桜が咲き始めたと書いてあったので、僕はスウェーデンの桜に興味が湧き、<写メを送って>と返信メールを出しました。
そうしたら友人は、わざわざ近くの公園に行って、急いでスウェーデンの桜を撮って来て、送ってくれました。
それがこれです。↓。


スウェーデンの桜も、こないだまでいっぱい咲いていたのに、もう葉桜だそうです。↓。


しかし、スウェーデンの空は澄み切っていてビューティフルですね。↓


皆さんにも、お裾分けしようと思って、スウェーデンの友人の許可をもらって、アップしました。
どうですか?少し、元気になりませんか?
来年には、満開の写真を撮って送ってくれるそうです。日・ス開花交流が出来そうで、今から、楽しみです。
BGM. 志村 香「曇り、のち晴れ」


君主論

12/Ⅲ.(火)2013 はれ、暖かい
職業柄、家で仕事の話はしないのだが、採用面接をしてることくらいは、家族は知っている。
それでかどうかは知らないが、先日、下の子が、「これ読めば?」と一冊の本をくれた。
それは、マキアヴェッリの語録集。
マキアヴェッリは「君主論」の著者ですが、マキアヴェッリという人自身が君主だった訳ではないようです。
マキアヴェッリは君主に遣える身で、その視点から理想の君主像を提案したのが、「君主論」ということのようです。
そんなマキアヴェッリの語録集には、現代でも通じるリーダーシップの有り方が書かれているのでしょう。多分。
ひょっとしてブログとか読んだのかな?。下の子なりの思いやりなのでしょうね。僕は就寝前に読んでいます。↓。

しかし、この本は、アインシュタインの「相対性理論」に匹敵するものがあります。読み出して、1分もしないで眠りにつく。
BGM. ザ・ビートルズ「デヴィル・イン・ハー・ハート」


わな

31/Ⅰ.(木)2013 晴れ
しょこたんのバスツアーが2月に開催されるので、中川翔子のホームページを見ていた。
すると、ネットには関連記事みたいな見出しが出ているから、それに誘われるままついていった。
ある所で、「20才以上ですか?」「以下の人は退室」、となったので、「YES」をクリックしたら大変なことになった。
画面から、しょこたんが消え失せ、ランジェリー姿の美女の画像に「アダルト・サイト登録完了」というお知らせに切り替わった。
これは、もう料金が発生するらしく、問い合わせは、下記の電話番号に、という一方的な通達というか広告だった。
これがいわゆるワンクリック詐欺か、と理解した。料金は払わなくていいにしても、問題はこの画像が消えないのだ。
それも、クリニックのインターネットだから、早いところ消さないと、明日の朝、他のスタッフに見られたら誤解を受ける。
それで、もう夜の11時を回っていたが、大学時代の友人や高校時代の同級生に片っ端から電話した。
この画面を消す方法を誰か知らないかと思って、「ねぇ、コンピュター、詳しい?」って。
10人近くに電話した。そのうち、半分の5人が電話に出てくれた。
皆、一応に、「おお、懐かしいね、どうした?こんな時間に?」という反応だった。
僕が事情を説明すると、そこからの反応はマチマチだ。
「いよ、元気だね!」とか、「俺もそれ引っ掛かったよ」とか、「俺が同じ立場なら、もう12時回ってるから寝るなぁ」とか。
そういう答が欲しいんじゃないんだよな。皆、コンピューターに詳しくなさすぎ!
でも、唯一、ワッキーという大学時代の親友が、すごく親身になって協力してくれた。
電話機の向こうで、自分もパソコンを開いて、「画面右上のボタンをクリックして」「次はカーソルを空欄に合わせて」と、
試行錯誤しながら、1時間以上付き合ってくれた。
そんなに良くしてもらっておいて、こんな事を言うのも人としてどうかと思うが、途中で眠くなっちゃったよ。
学生時代も試験前の一夜漬けを、こんな風に協力してもらったっけ。
「もう、いい俺は寝る」、「ダメだ、寝るな!。あきらめるな!」って。
ここだけ見たら雪山で遭難してる2人の会話みたいだな。
でも、お陰で、画面からエロチックな広告は消滅した。
悪は滅びた。良かった。スタッフにバレなくて。恥をかかずに済んだ。
翌朝、クリニックへ着くと、早番の小谷さんが、申し訳なさそうに、
「画面に変な広告が出てるのですけど」と困惑していた。
昨日の夜、ワッキーのお陰で、駆除したはずのものが、再登場していた。あ~あ。
困った僕は、クリニックのホームページを管理してくれている「セットアップ」という会社の成田さんに助けを求めた。
成田さんは、この件にはあまり詳しくないですが、と前置きしながらも、対処策を教えてくれた。
さすが成田さん、さすがプロだけにコンピューターには詳しい!。
あまり詳しくないと前置きしたのは、どうやらアダルト・サイトにという意味だったようだ。
成田さんに教わったやり方を、小谷さんに実行してもらったら、簡単に消すことが出来た。
小谷さんも、感心していた。
ま、結局、スタッフには見られてしまったが、良く考えたら別にヤマシイことをしてる訳ではないから、気にしなくていいや。
皆さんも、気をつけて下さい。もっとも、僕のような初歩的なミスをする人も少ないでしょうが。
下が、成田さんに教わった対策。万一、同じ目に遭った方には役立つはずです。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4932375.html?from=navi_recommend
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6271922.html?from=history
BGM. 千賀かほる「真夜中のギター」