レディー・ゴー!

30/Ⅷ.(木)2012 晴れ
帰国後、1日目にして、夏休み最後の日。美容院に行き、ヘアカラーを2学期モードにチェンジした。
紅葉を意識して、ちょっと赤っぽくした。
1週間未満でも日本を離れてただけで、向こうじゃ日本のニュースは入ってこないから、日本が恋しくなるもので、
僕は美容院の後、その足で、その髪で、新宿へと向かった。
アニメイトやアドホックを見て、モンスナックでカレーを食べた。
モンスナックとは紀伊国屋書店の地下にあるカレー屋で、店の壁に来店した有名人のサイン色紙がたくさん貼ってある。
美輪明宏とか井上ひさしとか永六輔などに混じって、蛭子さんのサインもマンガ入りで2・3枚、貼ってあって、
複数枚あるのは蛭子さんだけで、僕はいつもカレーを食べながら、<これ、書くと只になるのかな>と蛭子さんのことを
考えることに慣れていたから、今日、店の壁から蛭子さんのサインが全部撤去されていたのには、驚かされた。ビックリ。
俺が日本にいないまに何があったんだ?。どうしたんだろう?。モンスナックと蛭子さんの関係。
今度、店の人に聞いてみようかな。
ま、そんなことはどうでもいいとして、いよいよ明日から診療開始です。
夏休み中に大家さんがエアコンを新しいのと交換してくれました。まだまだ暑いですね。こちらは準備万端です。
BGM. マーサ&ザ・バンデラス「ヒート・ウェイブ」


いよいよ、ロンドン五輪!

ここ2週くらいは、夏らしく、麦わら帽子をかぶって診察をしていました。
今日の僕のファッションは、ステテコみたいなハーフパンツにアロハシャツ。
それに麦わら帽子をかぶって家を出ようとしたら、
朝のワイドショーでロンドン・オリンピックの特集をしていました。
急遽、帽子を麦わらからユニオン・ジャック柄に変更しました。
下が、そのユニオン・ジャックの帽子。↓。

とは言うものの、僕はオリンピックにはまるで興味がなくって、きっと何の種目も見ないと思う。
意外とそういう人、多いんじゃないかしら。
学校や職場で話題についていけないんだよね。ま、しゃらくせぇし、いいんだけどね。
やっぱりユニオン・ジャックと言えば、ロックですね。
ロンドンと言えば、映画「けいおん」が思い出されますね。
DVD/BLもつい先日、発売されたばかりですね。
せっかくだから、「ほぼ等身大パネル」の平沢唯ちゃんにも帽子をかぶってもらいました。↓。

ロンドン・オリンピックの開会式では、式典の最後にポール・マッカートニーが「ヘイ・ジュード」を歌うそうです。
それだけは録画して見ようかな。日本時間28日の朝方だって。


カレンダーのひ・み・つ

お気づきの方も多いと思うが、診察机の卓上カレンダーには、黄色やグリーンやピンクや水色で丸印がしてあります。
今の時期、コレをみると、「この日は、夏休みですか?」などと聞かれますが、いいえ、コレは僕のためだけの目印なのです。
黄色は学校関係の仕事、グリーンは落語やコンサートなどの予定、ピンクは勉強会や研究会で、毎日、目にするカレンダーの
忘れてはいけない日に目印をつけて気をつけている訳なのです。だから皆様は、どうぞ気にせず。
ちなみに、ブルーはアニメなどのブルーレイの発売日です。ブルーレイだけにね。↓。

近頃のアニメのDVD/ブルーレイは全巻購入すると、店舗により異なりますが、各巻毎とは別に豪華特典がつきます。
だから予約したのを忘れないようにしないと、景品をゲットできなくなるから、カレンダーに印をつけておくのです。
最近で言えば、『日常』が全巻出揃い、7月7日の七夕の日にその特典を入手しました。
それは、坂本さんの1/1スケールぬいぐるみ、です。いいセンスしてるなぁ、企画担当の人。
知らない人のために、‘坂本さん’とはアニメ『日常』に登場する、人の言葉を喋れる黒猫の名前です。
本棚に飾ってみました。↓。

せっかくなので場所を変えて、撮影してみましょう。
今週のお花・バラと一緒に。‘坂本さん’、お誕生日か何かのお祝いみたいですね。↓。

↑この写真の豪華なバラは、今週の植物係の渡部(わたべ)さんがお花屋さんにすすめられてチョイスしてきたものです。
渡部さんはカワクリ受付に入ったばかりの新人ですが、先輩の岡田さんや少し先輩の小谷さんともうまくやれています。
‘坂本さん’も渡部さんを見習って、カワクリの先輩ぬいぐるみである‘イーブイ’と仲良くやってね。↓。

カレンダーの話に戻ります。グリーン印の落語などについては、後に「7月の文化活動」としてまとめて報告しようと思います。
以上、カレンダーのひ・み・つでした。
BGM. 大瀧詠一「恋するカレン」


梅雨?

ここのところ良い天気が続いていますが、テレビが言うにはまだ梅雨明けではないそうですね。
だからクリニック正面入り口のポスターは、まだ『日常』の梅雨バージョンです。↓。

そうそう先日、修理に出していた回る地球儀が戻って来ました。
結局、修理は出来ず、新品と交換されました。
今まで同様、猫に持ってもらいます。これでクリニックも円滑に回って行きたいところです。↓。

すると不思議なもので、何かの手違いで製造が遅れていた「唯ちゃんのアラームクロック」が今頃、届きました。
これは「けいおん!!」の平沢唯のバースデイ記念で去年の11月に出る予定だったのです。ね、今頃、でしょ?。
しかしカワクリ的にはタイムリーだと解釈されるのです。待たせた甲斐だけあって製品は中々の優れものです。
唯ちゃんの声で、おはようボイス3種類・ティータイムボイス1種類・おやすみボイス2種類がきけるのです。
例をあげてみると、おはようボイスその1。
「朝だよ~起きて~。
 ふっふっふ。目覚ましより早く起きるために、ずっと起きてたんだよっ!
 あーでも眠くなってきちゃった。おやすみなさい…。」
と言った風です。
おはようボイスなのに何故かおやすみボイスになってる、そんな「けいおん」テイストが計6ボイスです。↓。

さて、話を梅雨に戻しましょう。前回の徳田さんのブログ記事にもあったアジサイのお花を紹介しますね。
写真は、カワクリ写真部部長の徳田さんに撮影してもらいました。↓。

風物詩風に言うと今年は、隅田川の花火を東京スカイツリーの上から見下ろすのが人気だそうです。
みのもんたが今朝のワイドショーでそう言ってた。
そんなニュアンスで、アジサイも上空から激写。撮影は同じく徳田部長。↓。

7月は僕の誕生月だし、カワクリメンバーには他にも7月生まれや獅子座もいるし、後は梅雨さえ明ければね。
そうそう冒頭の『日常』のポスターはリバーシブルになっていて、裏側は虹バージョンになっている。
梅雨が明けたら、引っくり返そう!。↓。

BGM. よしだたくろう「伽草子」


6月の文化活動

6月はあわただしかったのですが、趣味の時間も充実していてバランスを保てました。それをまとめて報告しますね。
まずは、3日、初代タイガーマスク・佐山サトルのセミナーに出席してきました。↓。

50人程度の参加者で、僕はせっかくだから真ん前に座りました。
ゲストには新間寿が来て、猪木vsM.アリ戦の90億円の借金を一夜にしてチャラにした裏話や、お父さんお母さんを大切に
しよう、という教えを聞かされました。下は、3名様限定のサイン入り冊子です。僕は真ん前に座ってたから貰えました。↓。

続いての佐山サトルの講義は圧巻でした。
「自分はプロレスラーとは思っていません。格闘家とも思っていません。思想家です!」と述べ、
その自己紹介に偽りはなく、仏教やフロイトや脳内物質や人種と宗教の問題や共産主義や自由主義やユダヤ人や武士道や陽明学や戦争や不動心や
催眠術について2時間くらい語りました。
佐山は、「まずは服装からしっかりしないといけない!」と力説し、
さすがにこういう会に来る人はマニアックな佐山ファンなので、ほとんど皆スーツにネクタイで参加していました。
僕は、短パンにロンT.で真ん前に座っていたから、佐山は僕と目が合うと、
「Tシャツが悪い訳ではありませんよ。ここではいいです。ただし、TPOは必要です!」とフォローしてくれた。
優しいね、佐山。
10日には、立川志らくの劇団・下町ダニーローズの談志追悼公演『談志のおもちゃ箱』をA.を誘って観に行きました。↓。

これは談志の狂気を引継ぐと言われる弟子の志らくが、談志がこよなく愛した映画や、談志の名言、好みの酒、懐メロなどを
これ以上ないとばかりに埋め尽くしたお芝居でした。
パンフレットに志らくとミッキー・カーチスのサインをしてもらいました。↓。

パンフの裏面には、お芝居にも出演してる談志の娘さんのサインを、「人生、成り行き」とメッセージも添えてくれました。↓。

見終わった後、僕とA.はタイ料理を食べに行き、劇の感想などを語り合いながら、僕は料理のカラさで疲れてしまいました。
そして、人は何故、自殺をするんだろうね、なんて真剣な話をしたりもしました。
翌日、僕は1人でもう一度、観に行きました。それはとても面白かったから。談志はいい弟子を持って幸せだなと思ったから。
下は、劇場に設けられていた談志の祭壇。↓。

6月は、フィギュアも幾つか買いました。下が、2012年ワンフェス限定の「ゼットン・金バージョン」。受付に飾ってあります。↓。

それから、『化物語』の千石撫子のフィギュアも集めました。今週のお花のひまわりと一緒に撮影。↓。

下は、つげ義春の大型ポスター。これは、『ねじ式』をモチーフにしていますね。相談室と処置室の間の壁に貼ってあります。↓。

これは中野ブロードウェイの3階にある「タコシェ」という本屋で千円で購入しました。お買い得でしょ?。
まだ有りましたよ。欲しい人は、今すぐ、タコシェに急げ!。


消しゴム

1/Ⅵ.(金)2012 はれ
ずっと診察室の机の上に黒いボールペンの跡がついていて、丁度、それが短い髪の毛みたいに見えて、
ほぼ99%の人が髪の毛と見間違えて、取ってくれようと指で触れても取れなくって、「あっ、ペンの跡かぁ」、と気付く、
ということが続いていた。そして僕は、それを放置したままで来た。
今年も今日で6月になり、気分一新、その髪の毛みたいなペンの跡を、消してみようと思い立った。
理由は、今日から6月だから、というたったそれだけ。
普通の消しゴムで消えるかな?、とは思ったけれど、試しにゴシゴシとやってみたら、消しゴムのカスが、
ニョロニョロニョロと、まるで気の良い寄生虫か何かのように、いっぱい湧き上がって来て面白かった。
しかもその効果で、ペンの跡はキレイに消えました。
今はもうだれも、髪の毛だと見間違えることはないでしょう。
僕らの人生は、過去を振り返ると「汚点」というのでしょうか、消してしまいたい記憶が誰にでも有りますね。
そんな汚点を消せる消しゴムがあれば、欲しがる人も多いのでしょうね。
寺山修司の実験映画に、その名もズバリ、「消しゴム」という作品があって、色んな思い出を消して行って、
確か、最後には自分自身を消して終るんじゃなかったかな?。そんなフィルムが有りました。
僕らの仕事は、過去の嫌な記憶を消すことではありません。
どんなに嫌な記憶にも、それぞれにはそれぞれの意味があったのだろうし、消せない事実なのだとしたら、
それらの一つ一つに納得の行く意味付けをしてあげて、心の置き場を見つけてあげる必要があるのでしょう。
そんな作業の手伝いをする。
そういうのが精神科・心療内科・カウンセリングの仕事なのだと思います。


前髪

先日、吉田さんの送別会をした時、久々に会った彼女から、「先生、髪、伸びましたね」、って言われた。
後ろでゴムで束ねてたからかも。あれから、さらに時は過ぎている。つまり、さらに髪も伸びている。
という訳で、日曜日、近所の美容院に行きました。
最近、ちょっと気になる芸能人の写真を持ってって、<こんな風に>と差し出したら、美容師さんはしばし困惑していた。
美容師さんの腕が悪い訳ではない。4時間以上、時間もかけた。だが、出来栄えは、全然似ていない。
元(素)が違うんだから、そりゃしょうがないか。しかし、からっきし似てないよ。
笑っちゃうくらい似ていない。恥ずかしくて、元ネタが誰かなんて、聞かれても言いたくないよ。
言えないもの、似てないから。だから言いません。
ちなみに、これはクイズではありませんから、答えませんよ、念のため。
月曜日は休診日だが、クリニックで用事を済ませ、その足で新宿へ。天気快晴なれど、昼過ぎに大雨&雷。
アニメイトで、「ウツボラ」の2巻を購入。これで完結です。クリニックに置いてあります。↓。

下は、新宿地下道の壁一面に貼られていた‘きゃりーぱみゅぱみゅ’の告知。↓。

皆、前髪パッツンだ。
通えないから退会することにしたキックの会員証の写真も前髪パッツンだ。この当時は、銀髪だ。↓。

退会する時は、会員証を返却する決まりなのだが、会員番号がジャスト100番だから、なんだか返すの惜しいな。


久々の野音への来日です。

6/Ⅴ.(日)2012 晴れ、雨、晴れ
今日は中川翔子のデビュー10周年を記念したライブ「超☆野音祭」。
日比谷の野音は、RCかキヨシのユニット以外では行った記憶がない。
昼くらいに目が醒めたら、よく晴れていた。
しょこたんは雨女だから、心配していたが、これなら大丈夫そうだ。
家を出て行こうとすると、家族が「今日は5時から雷雨だって、予報よ」と教えてくれた。
昔のRCは台風が接近していても、普段ならアンコール曲に使う「雨上がりの夜空に」をオープニングから演奏して、
台風をぶっ飛ばしていたっけ。
<ザマァ、ミヤガレ>とキヨシが言ってたのが今でも耳に残ってる。
僕は、この年齢(とし)で一人で屋外で濡れるのは嫌だなと思い、人形をリュックに入れて同伴した。
開場15時、開演16時。
僕は15時半ごろには野音に着いた。
しょこたんのコンサートだから、沢山のレイヤーさん(コスプレをする人)がいて、
彼女らは、3時間前に来て撮影してるらしい。
せっかくだから、僕もリュックから人形を出して、マイナスイオンを発する緑の中に、人形を出してやり記念撮影した。↓。

すると、どうだろう、この写真を撮った直後から、雷鳴が轟き、大粒の雨が降って来た。
家族の言ってた天気予報が当たった。
雨足は強くなり、そのうちヒョウの様な痛い物まで降って来た。
さすが、しょこたん、雨女。
グッズ売り場で、猫耳雨合羽、を買い、それはピンクの雨合羽で、フードが猫耳になっている。
バックプリントで背中中央に、shoko nakagawa と筆記体で白字がピンク地に浮かび、
お尻の辺りに猫の尻尾がクルンと描かれている。
左の襟の辺りにワッペン風に「雨女」という文字がこれも白く描かれてるのが愛嬌だ。
屋外でこの天気だから、このピンクの猫耳雨合羽が飛ぶように売れて、会場は半分くらいピンク色だった。
雨は降ったり止んだりで、それでも僕は人形をリュックに避難させ、雨合羽を着て、ライブに備えた。
オープニング、しょこたんはギターを持って登場した。
曲は、「つよがり」。バスツアーのミニライブでも登場に歌われた曲だ。
何かのPVでギターを持ってるシーンがあったが、それは持ってるだけだったが、なんと!今日はちゃんと弾いてた。
練習したんだ~。気合が入ってるな。
しょこたんは、1曲目を歌い終わるとMCで、「宇宙が喧嘩を売って来ました」と言い、空に向かって、
「おい、宇宙!われら貪欲者達(どんよくしゃたち)との全面戦争だ!」とタンカを切った。
すると演出のように強風が吹いて、虫の死骸や葉っぱがステージに風に乗って飛ばされて集まった。
今回のライブはロック・テイストが強く、皆、サイリウムを手に持っているが、僕はうっかり用意してこなくって手持ち無沙汰。
すると隣の人が、サイリウムを2本くれた。しょこたんのファンは皆、親切なのである。前にも、貰ったことがある。
ちなみに観客層は男女半々、子供から(ポケモン、ディズニーの影響大)50代の人まで、老若男女だ。
コスプレ率が高いが、今日は非コスプレの人も、さっきの猫耳雨合羽を着てるから、
何の集まりだ?という様相を呈していた。
まさに、カオス!。
しかし、それが良かったのか、宇宙との戦いに我々は勝利し、雨雲は空から消え去った。
新曲の振り付けをその場で習い、皆で合わせて踊ったりしたのも良かったのかな。
雨乞いみたいで。あっ、それじゃ逆か。
僕は、義務教育で音楽や体操やお遊戯みたいなものを何故するのかちゃんと理解して来なかったのだけれど、今日、解った。
こういう時の為なんだ。
♪スフレ・スフレ・スフレ♪ってフレーズで、指で小さな丸から中位の丸そして大きな丸を順に描く振り付けが可愛かった。
アンコールの恒例は観客達が「空色デイズ」のサビの部分を大合唱するのだが、この日は野音だし、雨雲は追い払ったしで、
見事な空色が頭上にあった。アンコールでしょこたんは、「空色デイズ」を北京語バージョンで歌った。
しょこたんは、今年はデビュー10周年でアジア・ツアーも行われる。北京語バージョンは北京で披露するらしい。
確か香港観光親善大使にもなったしね。アニソンで世界を平和にするのだ。
しょこたんは興奮して最後の最後には、ステージ上でシャツをまくってお腹を見せたりしていた。「anan」ネタかしら?
そうそう、「しょこたんバス・ツアー」の記事はもう少し、お待たせで。
ところで、僕の人形はどうしたかと言うと、ちゃんとこのような形でステージを見ていました。↓。

先日の「スランプ」という記事の中で、「歴代の彼女」という表現が一部で反響があり、
僕のキャラ付けが軟派になってゆく気がしたので少し補足を。
僕の好きなジョークで、「あいつ100人の女と付き合ったらしいぜ」、
<お前も言いたきゃ、そう言えば?>って言うのがあり、
それに近いものですね、「歴代の彼女」って。
でも、実際のところは好きなアイドルやタレントのことで、
部屋のピンナップやポスターを人形がずっと見て来たという意味です。
山口百恵、高田みづえ、竹下景子、石野真子、柏原よしえ、オードリー・ヘップバーン、伊藤つかさ、
キューティー鈴木、三田寛子、浅香唯。
でも、僕の人形が生のライブを見たのは今日が生涯で初じゃないか?
楽しめたかな?
疲れたかしら?
どっちもかな。
BGM. 近田春夫&ハルヲフォン「レインコート」


平成中村座~追悼疲れ

20/Ⅱ.(月)2012
立川談志追悼公演、落語立川流 In 平成中村座を観に、Aを誘ってゆく。
Aとは、この1月に立川志の輔の落語に行き、その帰りに「くじら」を食べて、
今度、こんな機会があったら「どぜう」を食べようと約束していた。
平成中村座は、浅草にあるので「どぜう」を食べるには持って来いで、まさか、こんな早くにそんな機会が来るなんて。
(2012年1月『志の輔らくご in PARCOを観る』を良かったら読んで下さい)。
僕は、前々日の同窓会で大騒ぎしたから声がかすれて、晩年の談志のようで、まさに立川談志追悼にピッタリ。
同窓会で出会った友人から情報を集めて、落語終了後のお店も大体、目星をつけておいた。
僕は番傘の新しいのが欲しかったので、Aを早目に誘い出して、買い物に付き合わせるのを口実に、
せっかくだから浅草見物を楽しんだ。下が、僕が買った番傘、陰干しをしてるところ。↓。


Aは浅草は中学の遠足以来だと言って、機嫌も良く、揚げ饅頭をおごってくれた。
Aはプレーン味、僕は胡麻味にした。仲見世通りを歩いて、浅草寺にお参りに行こうということになるが、
その手前に‘かつらや’があり、Aはそこの店の前で、
このあいだ中国の女の子が長い黒髪をバッサリと切って売っている番組をみて、
かつらにするには人口毛が高く売れるのだとというテレビから得たウンチクをかつらやの前で話し出し、
僕はちょっとだけヒヤヒヤした。別に、Aは何も悪くないんだけどね。なんとなくね。
浅草寺でお参り、僕はAに<いくら入れる?>と聞くとAは50円玉をこちらに見せた。
「ご縁があるように」ということだそうだ。
僕は、ポケットの小銭を探したら、5円玉はあるが、50円玉はなかった。
語呂だけから言えば、僕の5円玉の方が「ご縁がありそう」だが、今どき、5円はないな、と思い、
100円玉と一緒に5円玉を賽銭箱に投げ入れた。合計105円、消費税みたいだ。
参拝をすませ、おみくじを見つけたから、<おみくじ、する?>って聞いたら、
Aは正月に‘大凶’を引いたから、もうコリゴリと断った。
Aの引いた大凶の内容というのは「あなたは外見ばかりを気にして、本質を見ていない!」というものだったそうだが、
それなら全然、気にする必要ないよ。僕がAを知ってるよ、Aは上っ面じゃなくて本質的な人物だってことを。
<だったら、そのおみくじが間違ってるんだよ>と僕が言うと、Aは「そういう発想はなかった!」と気を持ち直していた。
平成中村座は、中村勘三郎が昔の歌舞伎小屋をイメージして再現したもので、隅田川のそばにあり、
スカイツリーがすぐそこにそびえ立っていた。
談志と勘三郎は仲が良く、そのよしみで談志追悼の落語会にこの場を貸してくれたのだろう。
この日の立川流のメンバーも志の輔こそ(病欠)だったが、落語は、談笑・志らく・生志・談春と揃い踏みで、
おまけに最後にこのメンバーに高田文夫と中村勘三郎が加わって座談会をするというから豪華だ。


おそらく大衆芸能のレベルから言えば、歌舞伎は落語の数段上だろうから、
ここで落語が出来るのは記念というか名誉なことなのだろう。
さっきも言ったが、平成中村座は当時の歌舞伎小屋を再現した仮設小屋なのだが、
座談会で志らくは高田文夫が楽屋に入るなり第一声、
「なんだよ、ここは避難所みたいだな」と言ったということを中村勘三郎の前でバラした。
この一言のおかげで、有難みという名の肩の力がフッと抜けた。
高田文夫は志らくに向かって「シーっ」ってポーズをしてたけど。
座談会は談志の思い出話を語るのだが、そこは師匠の言いつけ通り、
芸人がしみじみしてどうするとばかりの、暴露合戦だった。
やはり、こう並ぶと志らくというのは飛び抜けて談志イズムを継承している不謹慎さだった。
勿論、ここで言う不謹慎とは褒め言葉である。
僕が、一番、不謹慎だと思ったのは、志らくが談志の下ネタにまつわるエピソードを話したあと、
談春が「今日は、ご家族もいらっしゃるんだから」と志らくをいさめると、
高田文夫が「ご家族じゃなくて、ご遺族!」とつっこみを入れた瞬間、
中村勘三郎が会場に響き渡る大声で膝を叩いて大爆笑していたことである。勘三郎、不謹慎だなぁ、と思った。
終った時間も結構、遅かった。高田文夫が「そろそろお時間で」と言っても、
勘三郎が「もう一つ、話して良い?」って伸ばしていたから。
夜通し、ずっと話していたそうだった。勘三郎、いい人だなぁ、と思った。
昔、談志が、ここでチンポコを出せと言われて出せるかどうかで人間性がわかる、と言っていたことがあり、
たけしや上岡龍太郎は出す、鶴瓶は言わなくても出す、勘三郎も出す、と言ってたのを思い出した。
昨年の11月に談志が死んでから、色んなテレビの追悼番組を見たり、弟子達の落語会に行ったりして、
今日はそのオーラスのようだ。中味の濃い、面白い、決して湿っぽくない明るい会だったが、そうは言っても、追悼の会。
終わると同時に僕はどっと疲れてしまった。
僕らは「どぜう」を食べに行くはずだったが、終演も遅かったし、浅草は店の閉まるのが早いし、
帰れなくなるのも困るので、取り敢えず渋谷まで銀座線で出ることにした。
Aは、地下鉄の中よく考え事をする、などと話していたが、僕は疲れて頭が呆っとしている。
<何、食べようか?>と僕が言い、「ここは虎ノ門」とAが言い、地下鉄が僕らのテリトリーに入って来たことを告げる。
<渋谷でどこか店、知らない?>と僕が聞き、「何を食べたいか?」とAが聞くから、僕は少し考えて、<ピザ>と答えた。
Aは、「ピザ?そりゃないでしょ」と言い、ここは自分がしっかりしなきゃいけないと思ったのだろう。
今日の志らくの演目の『疝気の虫』から、その噺の中でラーメンを食べるというアドリブがあるのだが、
それを例に出し、恵比寿に塩ラーメンの美味しい店があるからそこに行こうという。
Aは過去に3回その店に行ったことがあり、4回迷ったことがあるから、店に辿り着けるか不安だと言ってはいたが、
やはり人間というのは相方が頼りにならないとしっかりするもので、
底力と言うのか、潜在能力の発揮と言うのか、母性本能と言うのか、一発で迷わずに店に着いた。
Aは、ここの店はおごってくれると気前の良いことを言い、
塩ラーメンの旨い店だと聞いていたから塩ラーメンを注文した。
「トッピングは?」とAが聞くから、僕は<メンマ>と答え、「ビールは?」と言うから、じゃ、ビールもご馳走になろう。
Aは海苔をトッピングしていた。でも、トッピングって、ピザみたいな響だな。
ラーメンを食べながら、一昨日の同窓会の話をしたら、Aは楽しそうだと感想を言って、
自分はそういうのには絶対に呼ばれないと断言した。
<俺もずっと呼ばれなかったけど、年とると呼ばれるよ>と軽く答えたら、「いや、それはない」とAは口をつぐんだ。
僕は僕の知らないAの暗黒時代に思いを馳せるのだった。
Aは、「明日休みだったらよかったのに」、と言って手を振って別れた。
休みだったら、カラオケでその頃の歌が聞けたかな?。


談志が死んだ。

23/ⅩⅠ.(水)2011 勤労感謝の日 寒い、少し雨
夕方、寝ていたら息子に「談志が死んだ」と起こされた。
寝ぼけて、<ダンス・ハ・スンダ?>とミカ・バンドの歌かと思い聞き返すと、「立川談志が死んだんだよ」と大声で言われた。
そりゃ、大変だ、とあわててTVをつけると、4チャンが特集みたいにしてやっていたから、それを観ていた。
談志は「笑点」の初代司会だから、4は力を入れたのかな?ゲストが始めは「きくぞう」だったが、
後半に円蔵(昔の円鏡)が加わったのは良い人選だと思う。
円鏡は何度も、「洒落じゃないの?なさけないなぁ。生きてなきゃ。
洒落じゃないの?」と画面越しにもガッカリしてみえた。
談志と円鏡と言えば、「談志・円鏡の歌謡合戦」という番組が伝説だ。
談志の言うイリュージョンの世界だ。今はCDで聴ける。↓。

談志はおととい亡くなったらしい。
息子が、夜の9時から「ニコニコ生放送」が独占で遺族による記者会見をするという情報をゲットしたので、
8時半くらいから2人で、パソコンの前に椅子を並べ、中継を待った。
すると、8時51分に、「ご遺族の意向により、中継中止となりました」というテロップが流れた。
ここに一冊の手帳がある。
これは、1999年8月10日から2000年11月30日までの、談志の「ひとり会」や「独演会」に行った時に用いたものだ。↓。

爆笑問題の太田光が何かで談志と落語について語っていたことがある。
落語には‘まくら’と言って本題の前にウォーミングアップみたいな小話が入る。
そこで談志は漫談のようなことを長々と言うのだが、そのジョークの数々がウイットに富み、毒を含み、社会に切り込み、
そして爆笑をさらう。
それは自分たちの漫才よりもすごいものを見せつけ、
その立川談志が談志よりも落語はすごいのだと言って見せ付けられる「落語」にはかなわない、
という様な趣旨のことを言っていた。
僕はこの手帳に、その‘まくら’のジョークを走り書きでメモした。
その日の着物の様子も後で思い出せるようにスケッチした。↓。

国立演芸場の「ひとり会」は毎月欠かさず通ったし、その他の「独演会」もほぼ追っかけた。
99年8月10日の「ひとり会」の前座は、アンジャッシュと底ぬけエアラインが出演。
NHKの「オンエアバトル」の審査員を談志がして、目をかけた彼らを「ひとり会」の舞台にあげたのである。
12月9日の「ひとり会」の前座は志の輔がつとめ、談志は「もったいない前座。
今度は、小さんを使おう」と自分の師匠である小さんの名前をあげたりしていた。
2000年になると、談志の体調は悪くなり、落語が出来ず、テリー伊藤や毒蝮や山藤章二が舞台にあがりトークをしたりした。
ファンは、それで十分だった。
ただ、そこに座って、お茶を飲んだり、居眠りしてるのを見てるだけで十分だった。
しかし、談志自身が一番それを嫌った。
ファンに満足行く落語を見せれない葛藤を吐露していた。
1月11日の「ひとり会」は前座の後、談志が出るかと思いきや、
何と突然、円楽(笑点の司会をしてた、もう死んだ人の方)が登場して「蒟蒻問答」を一席演じた。
談志は、普段から「笑点は俺が作ったんだ。
あいつらは、俺のおかげで食えてるんだ」みたいなことを言い、円楽のこともバカにしたりしてたのに、
談志のピンチに円楽が駆けつけるとは思わなかった。
皆、ビックリして、そして歓迎した。
円楽が舞台を下りると、談志が登場し、
「風邪で今、ボーっとしてんだよ。それで、俺よりもボーっとしてる奴、前に出しゃいいと思ってね」と憎まれ口を叩いて、
友情への感謝の表現としていた。
そして毒蝮や山藤章二や西丸震哉も壇上に上がり、座談会をしようということになり、円楽も呼ぼう、ということになったら、
楽屋から「円楽師匠、お帰りになっちゃいました」という声。
ヒーローは颯爽と登場し、ピンチを救うと、姿を消す、みたいな感じだった。
だけど、円楽の方が、先に死んだんだよな。
久しぶりに、「ひとり会」のビデオでも観てみるかな。↓。

二期のサインには、「遺言がわりに…」と書いてある。
2000年正月だから、上記の円楽が助っ人に来た頃だ。↓。

せっかくだから、メモ帳に書かれてる中味を少し紹介しましょう。
・野球好きの2人。先に死んだ方が、天国にも野球があるか知らせようと約束。
1人が死んで、約束通り(幽霊になって)やってくる。
「良い知らせと悪い知らせがある。良い知らせは、天国にも野球がある」。
生きてる方は喜び、<で、悪いのは?>、「来週の火曜、お前が先発だ」。
・「あなた!変なことすると妹を呼ぶわよ!」。
<じゃ、俺も弟を呼ぼうか?>。
・酒は人間を駄目にするのではなく、酒は人間が駄目だということをわからせるためのもので、
呑んで後悔するためにあるもの。
・「人生は真面目に生きなさい」って言うけど、「そうはいかないよね。いいんだよ、ちゃんとしなくって」というのが落語だった。
それが、近頃、みんな、ちゃんとしなくなって、落語家が「ちゃんとしよう」と言わなくちゃいけなくなった。これを「末世」という。
・「芸人ってのは、どんなにつらくても客にサービスをして」って言うでしょう?
オレ、そういうのないから。
嫌でしょ?オレがそんなことしても。お互い、嫌な思いしても。
・(横山ノックが訴えられた時)芸能界では、女の人が来たら、お尻触ってやるのが礼儀ですよ。
触り方に、センスがいるんですよ。
・オレん所に来る客は一筋縄でも二筋縄でもいかない連中。良く言えば、マニアック。
社会から認められてない連中。傷を舐め合ってるんだ。
・(国立演芸場での「ひとり会」は今日でおしまい。毎回「ひとり会」の券を買うのが大変だったという話から)。
「もう走らなくっていいから。ごめんね、苦労かけてるって知らなかった。
でも、知ってると、心配したり、変に優越感にひたったりするから。
また、どこかでやる。引退なんて言ってないし、できない」。
2000年3月9日。
・酔っ払って、最後にチンポコ出して踊ってるんだ。一緒に連れてった、(ビート)たけしも出すよ。
小朝は出さないんだ。ここに差がある。下品ね、って言われりゃ、それまでだけど。
円楽は出さないね。志ん朝は出すかな。勘九郎は出すね。意外に、染五郎は出すと思うよ。鶴瓶は出すね。
ざこばは、言う前に出すよ。こういうところに差が出るんだよ。
立川談志、享年75才。家元、今まで、色々とありがとうございました。