心の護美箱(47)~今年の11月も悲観的?

26/ⅩⅠ.(金)2021 寒いんだか暖かいんだか。 大谷翔平、国民栄誉賞に続き岩手県民栄誉賞も辞退。

私は知り合いの生き死にの多くが「11月」なので、勝手にこの季節は苦手と決めている。言霊みたいなもので、そう思うとそうなるもので、卵が先か鶏先か、わからなくなってきた。研修医の頃からお世話になって、最近は文通もしていた教授が先日亡くなった。また「11月」。11/21は談志の命日だから特番や関連書籍が続々。もう「11月」云々と言ってる場合じゃないのかもしれない。プロ野球&プロサッカー選手の「4月・5月生まれ多い説」も最近では疑われ出して、現に早生まれの選手が活躍してるらしい。阿部慎之助は3/20生まれ。

さて、そんなに季節や運気に縛られて生きるのもバカバカしいので、気分転換は形から、新しいネイルです。冬は手荒れがひどいので、手荒れの目立たないデザインにしました。ある若い子に「ハロウィン模様ですか?」と言われましたが、違います。大体、ハロウィンって終わってないか?

僕の髪型は毎回美容院で色んな髪色にカラーしてたから、こないだスキンヘッドにした時にはビックリされた方も多かったでしょう。美容院は、ブリーチと言って脱色する作業を2回して、その後に白くなったキャンパスに色を乗っける訳で長時間かけて、一回「3万2千円」くらいかかります。高いですよね。それである日、バカらしくなったのもあり、衝動的に近所の床屋で坊主にした訳です。床屋は剃刀を使えますから、頭のてっぺんから顔まで剃刀を当ててくれるので良い気分転換になります。それで「4000円」です。随分、安上がりになりますね。ところがどっこい、スキンヘッドは数日で産毛が生えて来て物凄く痒くなります。だから床屋の親父に聞くと「週に二回」で丁度らしい、です。つまり4000円×2=8000円が一週間の床屋代。ひと月は4週ですから、×4すると、一か月の散髪代は8000×4=32000円です。これじゃ、美容院と同じですね。「経済」というか「物の値段」ってうまく出来てるんですね。

そして今回の記事のタイトル「今年の11月も悲観的?」とも関係あるのですが、毎回、坊主にするのと、たまにモヒカン刈りにするのとどっちが良いかと考えたのです。頭の中央の頭頂部のあたりの毛だけを残してみるのです。題して、「今年の11月モヒカン的?」です。でもモヒカン刈りってもっと手入れが面倒くさそうなので、坊主にしました。クリニックの劇・「シラノ・ド・ベルジュラック」で使用した「鼻」を再利用して撮影してみました。精力絶倫男みたいでしょう。男性誌の真ん中あたりの広告に出てくる、「スッポンスープ」とか「オットセイのエキス」のモデルにスカウトされそう。断りますが。↓。

頭寒足熱とは言いますが、この頭で外へ出るとさすがに寒いです。だから外出&移動用に様々な帽子を冠ります。今日は「水兵さん」。心理の松井さんに「その帽子、似合いますね」と褒められたから、まるで「ゴーバンズの、カッコいいいダーリン」の歌詞の一節にあるように褒められたらずっとそれを冠っています。すると心理の松井さんの言う事にゃ、「学生服を着て葉っぱを咥えてるイメージです」とオーダーを頂きまして、早速、学生服がないので代わりにセーラー服に着換え、葉っぱはその辺にある植木鉢から粋の良いのを一本千切って、咥えてみました。↓。

受付にも「みてみて」と同じポーズを披露したら、「その葉っぱどうしたんですか?」と聞かれたから、入口の植木鉢…と答えたら、受付のうかいさんに「キャー、駄目です!あれは私が育ててるシクラメンなんです!」と激怒されました。下が被害にあったシクラメンのかほり。↓。

心の護美箱(46がいっぱいになったので、(47)を作りました。心の護美箱がなんだかわからない人はバックナンバーを見て下さい。ま、簡単にいうと愚痴を書き込めるページです。「非公開」希望の人はそう書いてくれば内容はアップしません。

皆さんは高校数学で「証明」というのをやったのを覚えてますか?ある「命題」があってそれを「真」と証明するには演繹法なり数学的帰納法を駆使して「すべての場合で成立する」ことを示す訳です。でも、ある「命題」が「偽」だと証明するのは「すべての場合でなく、たった一例、成立しない」ものを見っければ終わりです。これはコロンブスの卵みたいに目から鱗が落ちるようにスッキリします。

たとえば、さっきの例で言うと、「プロ野球で成功するのは4月、5月生まれである」を否定したい場合、「たった一つ、違うケース」を見つけてくればいいのです。大谷翔平=7月5日、イチロー=10月22日、江川卓=5月25日、江夏豊=5月15日、金田正一=8月1日、と微妙ですが、確かに「早生まれ」はいないですね。ここで「ビッグな早生まれ」を一人見つければ、証明が完成します。そしてみつけました、それはなんと、長嶋茂雄=2月20日です。85才。どうですか、文句ないでしょう!皆さんも自分の好きなプロ野球選手やサッカー選手の誕生日をみてみたら面白いですよ。

そもそもこの仮説(偽であったが)は、同一学年で、4月生まれと3月生まれだと約1歳の差があるからものすごく体力差があり、幼い頃の体験で「俺はうまいんだ」とか「俺はダメだ」と錯覚したまま育つので途中であきらめたり、自信を持てることの「根拠」に挙げられていた「嘘」でした。

ちなみに、2月20日はすごいですよ。アントニオ猪木もそうです。78才。さらに志村けんもそうです。享年、70才。さらにもっとびっくりすることを教えてあげましょうか?なんと石野陽子も2月20日生まれです!同じ誕生日同士のカップルってどうなんでしょうね?なんか仲良さそうですね。

BGM. 志村けんのだいじょうぶだぁ 「パイのパイの体操」


心の護美箱(46)~11月はうわの空

9/ⅩⅠ.(火)2021 冷たい雨。 日ハム・新庄ビッグボス、清宮に減量指令。

’83年、長嶋茂雄の肩書は、「ミスター」だった。ミスターは色んな地域の少年野球チームに招かれ実地指導をしていた。ミスターが来ることにカチコチに緊張したのはコーチや監督や父兄であって、少年たちにとっては「長嶋茂雄」なんて「ただのおっさん」である。長嶋は三塁ホットコーナーに自らグラブをはめ守備につきノックを受けてお手本を示す。痛烈なゴロに突っ込む「ミスター」。打球と自分の身体を衝突させるように飛び込む「ミスター」の姿をはじめは子供たちは笑ってみていた。しかし、「ダッシュだ!つっこめ!ダッシュだ!」と叫びながらゴロをさばく姿に少年たちの表情が突然に変わる。さっきまで半笑いだった顔が呆然&唖然となるのである。何故かと言うと、ミスターの一塁への送球がすべて大暴投なのである。それでも、ミスターは叫ぶ。「ダッシュだ!取ったらすぐ投げろ!暴投なんか気にするな!」。一瞬にして少年たちの心を掴んだ。これこそがミスター・長嶋茂雄の素顔である。

そんなミスターは球界人初の文化勲章をとって、ミスター行きつけの田園調布の焼き鳥屋はお祝いの旗をかざしてます。↓。

 

心の護美箱(45がいっぱいになったので、(46)を作りました。心の護美箱がなんだかわからない人はバックナンバーを見て下さい。ま、簡単にいうと愚痴を書き込めるページです。「非公開」希望の人はそう書いてくれば内容はアップしません。

11月は僕の亡き両親の誕生日があったり、父の命日があったりで「家族」や「生死」について考えさせられる月です。だからちょっとうわの空になったりします。母は短歌を詠む人でした。下は母の遺歌集。↓。


中の写真に、自宅前とあるが、これは近藤先生というお方のお家を訪問した時に、近藤先生のお宅の玄関先で撮ったもの。それが、自宅前にて、となってるから、この本が出版された時、さぞかし近藤先生は驚いたことでしょう。この歌集の編集の一部は僕がやりました。僕のミスです。近藤先生、すみません。お家、乗っ取っちゃって。↓。


母の死後、押入れから、僕が子供の時に描いた絵が出てきた。これは近所の養鶏場で描いたもの。形見分けの時に、兄に、「持って行け」と言われたので、診察室に置いてあります。↓。


裏を見ると、絵画教室で描いた油絵みたい。↓。


小学校の何年生だったか忘れたが、夏休みの宿題が終わってなくて、一番大変だったのは、「自由研究」。母は何の変哲もない木箱を持って来て、その蓋に、僕に絵を描かせた。僕は、蕎麦屋の前の置物の、タヌキ、の絵を描いた。母は、趣味で、鎌倉彫、をやっていたから、僕のタヌキを上手に彫って、色をつけて、上にニスを塗って完成。これが優秀だと評判になり、神奈川県の賞をとり、どこかに展示された。「子供らしい視点、自然との調和と、子供らしからぬ技術の確かさ」みたいなことが評価された。母は、ニワトリの絵はとっておきながら、その鎌倉彫、は捨てていた。僕が作ったものじゃないからかな。親心って、そんなもの?

BGM. 八九寺 真宵(加藤英美里)「帰り道」


文化部通信~その弐拾参~

こんにちは、文化部通信23弾。文化部長スーです。

さぁ、今月は”11”月!ということで、”11”をクリニック中探しましたが、何も見つかりません。

デスノートDVD Vol.”11” 初回限定版フィギュア「魅上照」

…のみです。
”11”はイレブンなので、サッカー関係も探しましたが何もなしです。
カワクリ内には野球や相撲やプロレスやスケボーやカーリングや空手はあっても、サッカーだけありません。
先生は「人間が猿から進化した1番のあかしは、手を使えることだ」と言ってサッカーを嫌っています。サッカーに恨みでもあるんでしょうか?もしかして若かりし頃、好きな彼女をサッカー部の男子にとられたのかもしれませんね。

そういう訳で、川原クリニックではサッカーに詳しい方がいるので、”11”に関連したサッカーの記事を書いてもらうことにしました。
心理のとくださん、お願いします。

こんにちは、サッカー担当とくだです。
最近は、サッカーの試合、日本代表戦もアウェー戦だとDAZNに入ってないと観られません。。。加入しないと観られないとなるとハードル高くなってしまいますよね。

ただ、今日本代表は10月、11月(11/11と16)、大切な時期なんです!(慈英さん風)
2022年W杯アジア最終予選、真っ只中です。ホームアンドアウェーで10戦あるうち4戦終わって、勝ち点6。森保ジャパンは、ギリギリ首の皮一枚で繋がっているようなハラハラする展開になっています。
あと地上波で観られる、高校サッカー選手権も第100回大会、年末に恒例の開幕です。こちらも控えていて、これもまた楽しみです。

私なりのサッカーの楽しみ方としては、
1、観戦する(生の試合をなるべく観たい)!
テレビやスタジアムでJリーグの観戦。旅行でもサッカースタジアムに行きます。たくさんは行ったことないのですが、ご当地グルメも含めて楽しめますしね。

2、かっこいいプレーに注目する!
個々の選手のプレースキルの高さはやっぱりかっこいいですね。トラップの仕方とか、よくそんなにきれいに止まるな!!とか、あとはゲームメイクできる選手にはどうしても目がいきます。そんな展開!と視野の広さなどを感じるとワクワクしてきます。フリーキックやコーナーキックからのセットプレー、攻撃だったらキックのスキルはもちろんですが、こぼれたボールによく詰めていた!とか、そういうのもワクワクします。セットプレーで守る時は、壁の作り方も注目ポイントですね。そうやってコースを絞って蹴らせるのか、と。この前のオーストラリア戦でも権田選手が細かく設定していましたね。

3、注目選手を追う!
高校サッカー選手権を見続けて、もう結構な年数経ってきましたが、高校生だったあの選手がこんな活躍を・・・と。時には同年代、は言い過ぎか、まぁ現実の年齢と心の中での年齢って違ったりもしますけど(笑)、とにかく時には、選手に近い気持ちで勇気をもらいながら、
だんだん選手よりさすがに年上になってきて、最近ではなんだか選手の成長を見守る親戚のような気持ち?で勝手に感動してます。

一昔前よりも、海外でプレーする選手も今は大分増えました。そして、海外で一通り活躍して、最近はJリーグに帰ってきてくれたり、解説者として活躍されていたりする選手も多いです。
海外から帰ってきた選手たちの話で、よく聞くし気になるのは、『欧州のサッカーと日本のサッカーの違い』です。別物、らしいんですよね。何が別物なんだろうと思っていたのですが、最近見聞きした話を考えると、ボールへの距離感というか、対人的な距離感というのか、それがまず大きく違うようです。
私も素人でよくわかってないのですが、どうも欧州のサッカーは、攻撃していく時に、相手のセンターバックにもどんどん当たりにいく、肉弾戦もいとわず正面から向かっていく感じのようなんです。ボールが奪われてもプレッシャーのかけ方が速い。一対一の当たりが強いのかな。一方、日本のサッカーは、距離感がもう少し保たれている、この辺りをどう説明したらいいのか難しいのですが(汗)センターバックに当たることも厭わずというよりは、サイドに流し、肉体的に当たりが強くなる可能性もある中央突破をするよりも、そうではなくて、ボールの位置をサイドにずらし、なるべくパスコースの選択肢を消すことを念頭におくようです。
ちょっとした前提の違いですが、こういうところ一つとっても、おそらく全体のゲーム運びが変わってくるんだろうと思います。

あとは発想の違い、ということもあるのではないかという面白い考察を、元アントラーズの岩政さんが解説されていました。欧州は、逆算型で達成したい目的をまず先に考える。ゴールに向かう、そのためにどんなパスが必要か、ということかな。日本の考え方は積み重ねていく、積み上げ型、っていっていたと思うんですが、まずは止める、蹴る、といったことからでしょうか。そういった一つ一つが積み上げられてゴールに至ると考える。そういう違いもやはり、ゲーム運びの違いとなっていくんでしょうね。

こうやって考えると、欧州の当たり前と、日本の当たり前、前提が違うところがたくさんあるんだなぁと実感します。心理(特に精神分析)の世界でも、欧州からの輸入文化で、日本に入ってきた時に、色々と先人の抵抗も大きかったのか、独自の発展の仕方をしている。そのあたりはどう考えていけばいいのか、今、私たちが向き合っていけるとより日本の心理臨床も深みが増すのではないかとは思います。ただ、実際向き合おうとするとなかなか難しいです。興味深いポイントなんですが。1人で考えすぎるとこれは悶々とするので、ディスカッションをしながら、臨床に携わる私たちが考えていきたい課題の一つだなと感じています。

さて、少しそれましたが、ありがとうございました。
では、話を戻して、11、といえば、ですね。スーさん、お返しします!

とくださん、ありがとうございました!勝ち負けだけじゃなく、色んな楽しみ方があるんですね。日本と欧州の違いってスポーツの世界でもこうも違うんだとびっくりしました。どっちもかっこいいですが、やっぱり私は日本型なんだなぁ・・と。。
サッカー見る時はとくださんの解説ありで見てみたいです!笑

では、11月生まれの10人?のイラストです。どうぞ。

1「亀井静香 11/1」

2「いかりや長介 11/1」

3「手塚治虫 11/3」

4「明治天皇 11/3」

5「野口英世 11/9」

6「忠犬ハチ公 11/10」

7「田中邦衛 11/23」

8「フワちゃん 11/26」

9「ブルース・リー 11/27」

10「バカリズム 11/28」

9人+1匹でした。
先生に教えてもらったんですが、手塚治虫さんって医師免許持ってるんですね。
あんなに面白いマンガをかけて頭までよろしいんですか…すごい…。
ブラックジャックがあんなにリアルで面白いのも納得です!
また久しぶりに読みたくなっちゃいました。

 


心の護美箱(45)~ヒーローは、敗北からスタートしている

23/Ⅹ.(土)2021くもり 眞子さま&磯山さやかの誕生日、眞子さま30才&磯山さやか38才。

僕は六星占術でいう「大殺界」の3年間が今年でやっと抜けるらしくホッとしたのも束の間、来年からは「厄年」らしい。もう何を信じたら良い物か。結局、自分に都合の良い物しか信じないという大方の人と同じ結論になる。我慢した「3年間」を返せと言いたい。

しかし、重なる時は重なるもので、色んな方面からストレスは一度に来るもので、そんな時、僕は、ガッツ石松、を思い出す。ガッツ石松は若い頃、繁華街で10人組のチンピラとケンカになった。いくらガッツが腕自慢でも10人相手では、かなうまい。そこでガッツがとった戦略とは?ガッツは、行き止まりの細い路地をみつけ、そこは大人1人くらいしか通れない狭さで、ガッツはそこに入り、突き当たりのカベに背を向け臨戦態勢。相手は1人づつしか入って来れないから、1人づつ順繰りにぶんなぐって、全員、倒したという武勇伝。
ガッツ石松と聞くと、世間の人は「バカ」と誤解しているが、なかなかの策士だ。問題山積とは、辞書で調べたら、片付けるべき問題が山積みにたくさんあることを言う。昔の人は、分散して1年中悩まされるくらいなら、少々大変でもいっぺんに来てもらった方が気が楽だ、と強がったと聞く。たくさん色んな方面のストレスからキャパシティーオーバーになった時や、スケジュール帳が真っ黒になった時は、脇見をせず、目の前のことを一つづつ、ガッツ石松方式でがんばることにしている。

心の護美箱(44がいっぱいになったので、(45)を作りました。今回は、緊急にお伝えしたいメッセージ、それは、僕の知っているサクセス・ストーリーは、皆、黒星スタートだ、である。プロの洗礼、とでも言うべきか。
アントニオ猪木のデビュー戦は、大木金太郎に頭突きでフォール負け。同日デビューのジャイアント馬場は田中米太郎に「股割き」で勝っている。
新人・長嶋茂雄の開幕戦は、国鉄スワローズの金田正一の前に4打席4連続三振。金田は3三振を奪った後の4打席目でも臆せずブンブンとバットを振り回してくる新人・長嶋茂雄に恐怖を抱いたと言う。世界のホームラン王・王貞治は、デビューから26打数ノーヒット。長いスランプからのスタートで、27打席目の安打がホームランであった。

私事ではあるが、僕も研修医に成り立ての頃、無断欠勤がバレて、ペナルティーで「2週間連続当直」の刑になった。今でもそうだが、医者の当直は、翌日も勤務である。当直は当直室で仮眠して、呼ばれたらすぐ病棟や救急外来に行くのが仕事。だから、運が悪ければ、2週間まともに寝れないのだ。でも僕は、へこたれなかった。勿論、自業自得だと反省した、のではない。2週間、当直室から家に帰れない泊り込みという状況が、「日本一のホラ吹き男」の植木等みたいだと思ったからで。映画「日本一のホラ吹き男」で、臨時雇いで会社に入った植木等が配属された部署は、会社にとって何の関係もない古い書類の整理。皆、やる気がない。「ここじゃ、いくら頑張っても出世はないよ」と先輩から言われる。すると、植木等は、底抜けに明るいテンションで、張り切って、荷物をまとめて会社に泊まり込み、仕事をする。「そんなにまでして残業代が欲しいのか」という皮肉にも、「いいえ、残業代はビタ一文、いりません」と1人で、書類を全部、片付けてしまう。労働組合は残業して残業代を取らないことを問題視し、同じ職場の人間達は「仕事がなくなってしまった」と不満を言う。そうして、会社は仕方なく、植木等を他の部署に係長待遇で異動させる。ここからホップ・ステップ・ジャンプ!東京オリンピックの直後の映画で元・三段跳びの選手だったという設定の植木等は、三段跳びの様に出世して行く。高度経済成長の時代のサラリーマンに元気を与えたと言われる映画だが、今、観ても色褪せないパワーだ。なので、僕も植木等のマネをして、家から色んな物を当直室に持ち込んだ。浅草のマルベル堂で、クレージーキャッツのブロマイドをオーダーメイドで引き伸ばし、それを当直室の壁に貼った。陰気な当直室が、まるで僕の1人暮らしの部屋みたいに衣替えした。評判を聞いて、何人もの看護婦さんや他科の研修医も覗きに来た。皆、「お~」って言ってた。今思うと、カワクリの空間作りのルーツは、この当直室に起源があったのかも。クレージーの特注ブロマイドは、今もカワクリの待合室のテレビ側のソファの方に貼ってあります。↓。

丁度、半分の1週間が終った時点で、調子に乗った僕は、「トニー谷」のブロマイドの特注も発注した。そのニュースに異常に反応した人たちがいた。それは病棟のナース達でした。女性には、つらそうな姿をアピールするより、平気の平左、で明るく振舞った方が母性本能をくすぐるみたいで、ナースは一丸となって、僕の味方をした。彼女らのナイチンゲール精神は組織立って、医者や教授や医局長に「いくら何でも可愛そうだ」と意義を申し立てた。
「過重労働でミスが起きたらどうするつもり?」
「川原先生だから笑って仕事が出来ているのよ」
「いえ、ああ見えて、顔で笑って心で泣いているのよ」
「あぁ、いじらしい」
「それに比べて、他の医者は川原先生に仕事を押し付けて、楽をしてるのよ」
「他の医者は、ズルイわ」
などと、本来、僕が無断欠勤したのが問題なのに、矛先が他の医者に向いた。実際は、僕は研修医だったから、当直には必ず上級医の先生が日替わりで付いていて「2週間当直」というのは、半分、洒落だった。つまり、学生気分の抜けない僕に社会人の厳しさを教え込ませるための親心であり、問題を大きくしない配慮だった。そして、2週間、毎日、日替わりで色んな先輩から、生の知識を吸収できるチャンスを用意してくれたのだった。僕は、ゴールデン・ルーキーで、精神科医として期待されていたのだ。そんな内輪な洒落は、ナースには通じない。
彼女らは、川原先生を守るためにはストライキも辞さず、の構えだ。病棟でナースにストなどされたら、大変だ。医者が、検温や配膳や採血や保清など、駈けずり回らなければならなくなる。ナース・コールも医者がとる事態になる。これには上層部もあわて、急遽、僕のペナルティーは1週間で解除された。そして、医局長はナースの前で、僕を労う為の1席を自腹でもうける約束までさせられた。憎憎しげに、医局長が、「川原君、何を食べたいんだい?」と僕にだけ見える角度で恐ろしい顔をして質問した。僕は、「●●のうなぎ」と高級な鰻屋の名前を告げ、「個室で、コースにしてね」と答えた。ナースを納得させるには、それが最善の策だった。そして、僕と医局長は週末、本当に二人きりで、鰻屋の個室でコースを食べたのでした。さすが、名店!、うまかったです。
何を言いたいかと言うと、「始めから上手く行く人はいない!」、ということで、ヒーローでさえ最初は皆、黒星スタートなんだから、仮にそうだとしても腐らずに頑張ろう!、というエールです。

BGM. 植木等「スーダラ伝説」


ちょんまげを切る

22/Ⅹ.(金)2021 寒い 磯山さやかデビュー21周年記念日、ちなみに明日が誕生日で同学年は小倉優子

今回はファッション記事、冬の装いを。下は、カーディガンのヒョウ柄と合わせて、後はマット(艶消し)仕上げです。↓。

別角度。↓。

今日はこんな帽子を冠ってみました。ブルーの無地のチューリップハットに好きな缶バッジで装飾しました。↓。

下の大きめのバッジは「化物語」の「君の知らない物語」で流れる絵です。「P」のマークは「パーマン」のバッジ。「ニンニクラーメンチャーシュー抜き」は綾波レイが「なんとか作戦」が成功した後、葛城ミサトさんにシンジとアスカと共に屋台のラーメンをおごってもらう時にオーダーしたもの。本当に「肉」は苦手だったってオチにニッコリしてしまいます。↓。

「実はルパン4世」って自己紹介です。「パーマン5号」という同種のバッジもありますが、実は原作では「パーマン5号」は実存します。「目をとじなさい」はつげ義春の「ねじ式」の汽車を運転する少年のセリフ。↓。

カワイ子ちゃん、3連発。上から丸尾末広「少女椿」、みうらじゅん「アイデンティティ」より主人公の彼女、「けいおん」から平沢唯ちゃん。↓。

これも自己紹介編。「B型」、「次男」。「Youやっちゃいなよ!」だけ何故かジャニーさんの名言を。↓。

川崎ゆきお「猟奇王」は僕が最も愛するマンガの一つです。「猟奇王・玉手箱」を買った時の特典バッジです。↓。

これも綾波レイの名言。「あなたは死なないわ、私が守るもの」。クリニックの出口にも同じフレーズのポストカードを貼ってあります。帰り際の心細い時に見てくれるといいな。↓。

季節の変わり目はアレルギー・シーズン。僕はおでこに髪の毛が触ると刺激されヒリヒリするから、鵜飼さんにカチューシャを買って来てもらい、その場をしのぎます。↓。

しかし、これでは無理なので昨日のお昼休憩に大岡山の床屋に飛び込み。すると床屋のおやじが僕をみて、「うちは普通のことしか出来ません」という。僕は「OK、OK.ハゲにして」と言います。ハゲってことはないですね。「スキンヘッド」と言い直します。おやじさんは、ここまでやるのは「10年ぶり」だそうです。↓。

昔は大学に落ちた人が、丸坊主にしたそうで、ツルツルにしてくれと言ったそうです。「ツルツル」って滑る擬音ですよね。厄落とし的に先に滑っておくのかしら?思い出にふける床屋店主。↓。

入念にマッサージを施す店主。自撮りをする僕に、「うしろ姿も撮りますか?」と乗り気です。↓。

ではうしろ姿も撮ってもらおうと、カメラを渡すと、自撮りモードのままになってるから、カメラを覗いたおやじはビックリして、「あっ、私が写ってる!?」だって。モードを切り替えて、シャッターを押す。↓。

さて大喜利です。このスペースに何を書く?

しかし、急に寒くなって来ましたね。こんな時期にわざわざ長い髪を切るなんて僕と小室圭さんくらいですかね?ちょっと社会風刺的に終わってみました。

BGM.磯山さやか「風のゆくえ」


心の護美箱(44)~しあわせになる方法

12/Ⅹ.(火)2021 くもり 眞子さま&小室圭さん結婚を祝福、国民の5割強!

石野真子35th Aniversary TOUR 2013「しあわせのレシピ」を観に行った。

石野真子は、このライブの数日前に「徹子の部屋」にゲスト出演した。ライブのプロモーションなのでしょう。番組は、黒柳徹子が石野真子に関する情報を事前に調査し、それを質問して行くという進行。そこでは、「石野真子は実はキューバでは国賓的な扱いを受けている」とか「アイドル時代、キャンディーズやピンクレディーや石野真子の親衛隊同士は仲が悪く、会うとすぐに喧嘩になっていたが、それを(アイドル連合)としてまとめ仲良く応援しようと尽力したのが、石野真子の親衛隊だった」というエピソードが紹介された。こういう自慢話や美談は、ライブのトークで語られてもいいネタだ。ふさわしい、と言っても良い。
だけど、石野真子はそういう話しは一切しない。当然、そんなマコちゃんだから当時の暴露話やぶっちゃけトークなんかは勿論、しない。ただ、「35年、あっと言う間だったね。…色々、あったか(笑)。皆もそうでしょ?」としか言わない。月日は経って、それぞれ、色々、あったけれど、出会った関係性に終りはない。石野真子は、このことを確認したかったのではないかな。続いてはいなかったけど、ずっとつながっていた。だから、渋谷公会堂ではなくて、ファン1人1人の顔が見える近さのライブハウスを選んだんじゃないかな。なんて、そんな風に思うのは、2回も結婚して離婚して芸能界に戻った彼女と僕の和解の勝手な憶測。しかし、最近の若いもんはしょうがない。アイドルで稼いでたくせに「自分で卒業しといて即、暴露話解禁」。金返せ、とよく言われないな。ファンがたるんでるのかな。だから二次元に客を取られるんだよ、とブツブツ言いたくなる。

心の護美箱(43)がいっぱいになったので、(44)を作りました。今回は心理部門の紹介です。

カワクリ心理部門ではマニアックな心理テストも取り揃えてあります。現物を出すのは著作権の問題だあると嫌なので、受付の大平さん(※当時)に類似品「なんちゃって心理テスト」を作ってもらいました。
①ロールシャハテスト
元々、ヨーロッパの子供の遊びだったみたいです。左右対称のインクの染みをみせて何にみえるか聞くテストです。あいまいな物を無理矢理何にみえるか答えなければなりません。「インクの染み」という答えはNGです。↓。


これは、「逆さまにした方が皆さん、想像しやすそう」との絵描きの提案で、ひっくり返してみました。何にみえますか?。↓。


②P-Fスタディ
Pはピクチャー、Fはフラストレーション。ムカつく場面のひとコママンガの吹き出しにセリフを書きます。自分の内面を投影させるため、テストのマンガは表情や髪型などがあいまいで限定しにくくなっています。スタンリー・キューブリックの「時計じかけのオレンジ」でも登場しました。下が、大平さん版P-Fスタディ。↓。


③SCT(sentence completion technique:文章完成法テスト)
書き出ししかない不完全な文章の続きを書いて文章を完成させます。これが何故、投影法かというと、この質問に対しては色んな答えが出来るはずです。それを一つだけ書くことで、その人が何に囚われてるとか執着してるとか固着してるかをみます。逆に、答えにつまる、なんてのも意味がありますね。国会答弁の「記憶にありません」みたいで怪しいですね。下が、大平さん版SCT。↓。


④TAT(Thematic Apperception Test:絵画統覚検査)
意味ありげな絵画をみて、物語を作ります。こども版もあって、その中の一枚はRCサクセションのシングルマンのレコードジャケットになっています。↓。


シングルマン、は名盤なのですが、一時期は廃盤でした。ファンの再販運動があってレコード会社がわびて復刻されました。まさに日本の音楽業界の本質をみる目をテストした結果になった訳です。
下が、大平さん版TAT。皆さんもやってみましょう。出来るだけ想像力を働かせてドラマチックな物語作家になって下さい。過去にどんなことが起きていたのか?そしてこの絵の場面では何が起きているのか?登場人物達は何を考え、どう感じているのか?さらに今後物語りはどう展開して行くのか?その辺の紙片にでも書き留めてみましょう。↓。


どうですか?意外と難しそうじゃないですか?人生は戦いに喩えられます。人生における「しあわせのレシピ」は、「己を知り敵を知れば百戦危うからず」ではないでしょうか。それならば、まずは順番通りに、己から。でも、心理テストで1発で測ろうとせず、ゆっくりカウンセリングで対話を通じて自分のストーリーを紡ぎ治す方が自己理解にはおススメです。…散々、心理テストを紹介してから言うのもなんですが…。

BGM. 中山千夏「あなたの心に」


文化部通信~その弐拾弐~

こんにちは、文化部通信22弾。文化部長スーです。
10月といえば、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋、芸術の秋・・どれをとっても楽しい季節ですね。初日の台風を乗り切ったと思えば夏の暑さが続きますが、あと少し耐え抜きましょう。
さて、クリニックもすこーしだけハロウィンチックになっています。

こっそりたたずむカボチャマンが可愛いですよね。

それでは、”10”です。

椿三”十”郎

久生”十”蘭 (久しく生きとらんの意)

”10”ナンバーズ・からっと

”重”(じゅう)音部(BABYMETAL)…ベビメタは「さくら学院」の部活。「重音部」が出発でした。先生も大好きなさくら学院でしたが、今年閉院してしまいましたね。

セーラー服と機関”銃”(じゅう)

”翔”(と)んだカップル

Number”10”は、長嶋茂雄特集

怪”獣”(じゅう)ブースカ

デスノートDVD Vol.”10” 初回限定版フィギュア「メロ」

イエスの”十”字架

「時計 ”10”時か」

・・・はい(笑)。
それでは、10月生まれの10人のイラストです。
先生と私の順でどうぞ。

1「クリス松村 10/2」

2「北島三郎 10/4」

3「プーチン大統領 10/7」

4「坂田利夫 10/7」

5「ジョン・レノン 10/9」

6「正岡子規 10/14」

7「フリードリヒ・ニーチェ 10/15」

8「イチロー 10/22」

9「パブロ・ピカソ 10/25」

10「マツコ・デラックス 10/26」

正岡子規の横顔を使った騙し絵は、技ありですよね!
素朴な疑問として、正岡子規はなぜあんなに横顔が有名なんでしょう?
調べたら分かるのかもしれませんが、調べるまではない疑問でした。

おわり。


心の護美箱(43)~磁場

30/Ⅸ.(木)2021 台風16号迫る 河野太郎完敗。敗因は「石破氏と組んだことがすべて」。

勝負の世界では時々、「作戦勝ち」という言い方を聞く。圧倒的な兵力の差がある相手と戦う時に有効なのは頭脳戦である。おそらく頭脳戦とは、①心理的な罠を仕掛け、②精神的に苛立たせ、③相手の持ち味を封じ込め、④攻撃を空回りさせ、⑤動きが雑になったところを仕留める、クレバーな兵法ではないか。それならば僕はかつて頭脳戦のお手本みたいな試合を観たことがある。ジャイアント馬場vsスタン・ハンセンの一戦だ。
全盛期を過ぎた馬場は勢いに乗るハンセンに破れPWF世界ヘビー級ベルトを奪われた。リターン・マッチが組まれたが、もう誰も馬場が勝つとは思わなかった。しかし、馬場はここでハンセンにものすごい頭脳戦を仕掛けたのだ。タイトルマッチが決まった日から、報道陣に「次の試合に秘策がある。ハンセンがウエスタン・ラリアートを仕掛けて来た時に‘16文ラリアート’を打つ」と言うのだ。
それを伝え聞いたハンセンは慌てた。「ナニ?‘16文ラリアート’だと?16文は馬場の足のサイズだろ?ラリアートは腕を使う技だ。どうやってやるんだ?そもそもラリアートは俺様の得意技だ!」と激高し、記者たちに八つ当たりした。
ジャイアント馬場は余裕しゃくしゃくに「ま、当日を楽しみにしてよ」と太い葉巻を吹かし、記者たちの質問を煙に巻いた。ハンセンのイライラがピークに達した頃、決戦の火蓋は落とされた。普段のスタン・ハンセンの試合ではなかった。
いつものハンセンらしい破壊力が陰をひそめた。‘16文ラリアート’を恐れるばかりに踏み込んだ攻撃ができないからだ。その為、馬場に決定的なダメージを与えられないのだ。一進一退の攻防の中、焦りから不用意に飛び込んだハンセンをクルっと馬場が「小包固め」に丸め込んで3カウントを奪って勝利した。
「小包固め」とは、相手の首に自分の腕を巻きそのまま自分の足を相手の足にひっかけクルっと前転させエビ固めにするセコイ技である。馬場は勝利者インタビューで、「16文ラリアート?そんなモン無いよ。16文は足のサイズ、ラリアートは腕を使う技。出来る訳ないだろう」と笑い飛ばした。ハンセンは‘16文ラリアート’という亡霊に負けたのである。馬場の談話を伝え聞いたスタン・ハンセンは「ガッデム!」と悔しがったという。

心の護美箱(42がいっぱいになったので、(43)を作りました。今回はクリニックの紹介です。

実は、教科書的な治療空間作り、というのが存在して、刺激の少ない白い壁、音楽はクラッシックかイージー・リスニング、絵も風景画、刺激を少なくする工夫なのでしょう。これが書かれたのは何十年も前のことで、その間に世の中は激変しているのに、誰もそれを見直そうとしてないようにみえます。
カワクリも開院当初は、教科書的に作りました。以前の記事をみてもらえれば、今と全然違うのが判ります。今の受付が書いてくれた記事ですね。
でも、僕は思ったのでした。病院っぽさに抵抗を示す人も少なくないぞ、と。「刺激が少ない」と決め付けてられている「その風景画」や「そのクラッシック音楽」に嫌な思い出が有るかもしれない。正味、万人に共通する刺激の少ないもの、なんてこの世に存在しないだろう。どうせ何をしたって誰かしらに何かしらの「影響」があるなら、いっそ、「本当の川原先生のお部屋」を作って出迎えよう!、と今のスタイルになった次第です。

以前、刑事さんがクリニックに訪れたことがあって、「ここはお住まいですか?」と聞かれたことがあり、あらゆることに鼻が利く刑事さんが勘違いした位の我が家感です。(笑)。患者さんの反応は真っ二つで嫌な人は最初の時点でビックリして、診察を受けずに帰っちゃう(泣)。反対に「ここが落ち着く」と言ってくれる人もいる。有り難いのは、そう言ってくれる人の多くが、決して、アニメやアイドルのファンだという訳ではなく、そんなものと縁遠いお年寄りだったりすること。「ここが落ち着く」と言って貰えると嬉しい。診察日以外にも、マンガの続きが気になったと読みに来たり、勉強だけしに来る学生も出てくる。そうすると空間が力を持つのです。磁場ですね。
僕は実はそれを見越していて、設計の時点でカウンターテーブルを勉強しやすい高さに作ったのです。以前の病院で、外来の待ち時間に、暗がりで、膝の上にテキストブックを置き、テスト勉強をしてる子をみて、それが印象に残っていたから、ここのクリニックを作る時に真っ先に考えたのが、勉強に適した高さのテーブルでした。それを受付スタッフが見守れる位置に配置。受付の応援してくれるまなざしを背中から感じるアイデアは、僕の過去のプラスの実体験による。それは医師国家試験の追い込みの時期で、僕は毎日、近くのカフェテリアで1日勉強をしていて、そこには女性店員が3人いて僕を見守っていてくれて、たまにお水を入れに来てくれたり声をかけてくれたりして随分と力になった。だから、その恩返しみたいな気持ちがあるのです。

BGM. 吉田拓郎「おいでよ」


どうするニッポン?どうなるセカイ?

18/Ⅸ.(土)2021 台風14号上陸 次は、佳子さまの乱(週刊新潮)

コロナ禍で、病気を治す妖怪・アマビエ、が人気になりましたね。僕は子供の頃から「妖怪博士」だから勿論知っていました。ただし、本当は「アマエビ」だと言う事実も知ってました。下は、水木しげるの日本妖怪大全。↓。

弘花三年(1846)肥後(熊本)の海中に毎夜毎夜光るものが出た。役人が行くと、「私は海中にすむ’アマエビ‘」と名乗り、「これから豊作だが、やがて病気が流行ったら、私の写しを早々人々にみせよ」と予言めいたことを言い、海中に消えたという伝説。予言だけでなく病気を治す能力も同時に兼ね備えていたから、妖怪というより神に近い存在か。下が、水木しげるの、アマエビ。↓。

僕はこの本を何度も何度も熟読してるから、アマエビ、が本当で「にわか」が「アマビエ」と言い間違えてると思っていた。だからブームの頃、論争をしたが、大抵は「甘エビはお寿司でしょ」と笑われて終わり。そこでよく調べたら、この本の誤植のよう。これは初版本なので、貴重なミスですね。1991年第1刷。↓。

コロナの世の中、神も仏もないから、妖怪頼りもしたくなりますね。そこで、アマビエ、にスポットが当たったみたいです。そもそも、出典では、「写し」を人々がみれば効果があるというから、感染症でも濃厚接触せず、SNSで拡散すればいいのが現代にマッチして流行ったのでしょう。

下は昨日の僕のお昼ご飯。アマビエならぬ、カレエビ。カレー南蛮うどんの上に海老天をトッピングしてもらったメニューにない、オーダーメイドです。↓。

しかし、世間は大変ですね。コロナ禍に総裁選。国内がてんやわんやしてると見たら北朝鮮がミサイル撃って来るし。こっちが忙しい時に限って「かまってくれ」とせがんでくる女のようです。しかし今度のは凄いですね。汽車に見せかけてロケット搭載してるの。そこにさらに台風だもの。どうなってるんでしょう?人間たちの暴走に自然界が怒って「ウイルス」や「天災」を仕掛けてきたのでしょうか。人類への最終通達。旧約聖書の「ノアの方舟」みたいに選ばれし者だけ残して人類終了なんて、終焉があるなら見届けてみたいです。もし少しでも自惚れる自信のある人は、「もし自分が人類代表として生き残る」ごっこをすると幼児的万能感が満たされて面白いですよ。一人(もしくはパートナーと二人)で生き残っても寂しいから一定数の人類は残してあげれます。その時、自分の権限で20人まで死なないで済みます。その20人のリストを作りなさい。どうですか?面白くないですか?ちょっと「神」になった気分に浸れますよ。暇なシルバーウィークになかよしと楽しんでみてもいいですね。

そうそうコロナ以前には接触が出来たからブログで聖劇をやったものです。その一つに「ノアの方舟」があります。今では考えられないソーシャルディスタンスです。

BGM. 南沙織「純潔」


心の護美箱(42)~よくある質問

16/Ⅸ.(木)2021 はれ ゲレロが45号、大谷を抜く。ペレスも44号。本塁打王争い1差で3人の大混戦。

知り合いの風俗嬢は友人と食事に行く時、割り勘でも「少し多め」にお金を出すという。彼女は自分のお金は「綺麗なお金じゃないから負い目がある」と泣く。綺麗じゃないか。

僕は中学の頃、借りてもないお金を友人に「返して」いた。友人は「貸したっけ?」と不思議な反応をするが、こちらが強く「返す」と大抵の人は受け取った。後に岸田秀という心理学者の本に似たような体験が書いてあって、「それは親に借りを作りたくないから、別の場所で借りを返してるのだ」という解説で妙に納得した。

前の病院で「芸術療法」を専門にしてる先生がいてその人に教えてもらった話。「智恵子抄」で有名な智恵子はその晩年は高村光太郎と会話が出来なかったそうだ。しかし智恵子が切絵に興味を示すのを発見した高村光太郎は智恵子の為に毎日、綺麗な千代紙を買って帰ったそうだ。智恵子は夢中で切絵をする。光太郎はそれに答えるように違う千代紙を探しては買って帰る。これは高村光太郎が智恵子の為に買ってるようにみえるが、実は智恵子が光太郎が喜ぶから切絵をしてあげていた、という逆転現象がいつしか起きていたのだという。「愛」ってよくわからないけど素敵な話ですね。

医学部の科目の中に「精神科」があるのはよく考えると不思議だ。「精神」って特定の臓器ではないし「脳」とも違うし解剖しても見当たらない。「こころ」を扱う学問やジャンルは他にもある。哲学や宗教学や芸術や文学の方がより的確に「こころ」の本質をとらえているかもしれない。だけどあえて「こころ」を医学に置こうとした人の発想が興味深い。

心の護美箱(41)がいっぱいになったので、(42)を作りました。よくあるご質問への回答です。

幼稚園の頃、ブツブツと独り言を言いながら近所を徘徊している老婆がいた。乳母車に古い赤ん坊の人形を乗せて、その人形を本当の赤ん坊だと思っているという。「すずめ」を捕まえて食べてるという。「タッちゃん、あの人に話しかけてはダメですよ」と教えられていた。
ある日、狭い路地で、乳母車の老婆と鉢合わせになった。
僕は思わず、「すずめ、って食べれるの?」と聞いた。
すると、老婆は「坊や、そんな可哀想なことをしてはいけないよ」とビックリするほど優しい声でそう言った。やがて僕らは仲良くなり、老婆は乳母車から赤ん坊を抱え上げて、「ほら、こうするとお日様が透けて見えて綺麗なんだよ」と教えてくれた。セルロイドの人形に夕陽が差し込んでキラキラ反射して輝いて虹のように見えた。
同じ頃、家に時々、「乞食」(←これは不適切な表現なのでしょうが、差別を助長する意図ではないので使用します)が来た。「タッちゃん、乞食が来たら、食べ物をあげちゃダメですよ。クセになってまた来るから」と言われた。
ある日、僕しか家にいない時に勝手口から女の乞食が、「何か恵んで下さい」と入って来た。僕は、「お前に、何かあげるとクセになるから、やらない」とピシャリと言い放った。すると女の乞食は、「坊ちゃん、もう何日も何も食べてないのです。約束します。今日だけですから」と懇願した。この人が嘘をつくようには見えなかった。僕は台所に置いてあった塩むすびを持って来てあげた。女乞食は何度も何度もお礼を言い、約束は守る、と言って帰って行った。毎日、「ねぇ、今日、乞食、来なかった?」と聞くのが日課になった。大人達は、「変な事を気にするのね」と笑っていた。女乞食は約束を守ったのだ。
僕はこれらの事を通じて、大人達の言う事はかなりいい加減なものだぞと思った。そして、それ以来、この世の「常識」とか「普通」とか「規則」とか「一般」などを疑ってかかるようにした。
将来は、「常識」や「普通」で不当に差別や誤解を受けてる人達を助ける人になりたいと思った。そのためには「パワー」が必要だ。僕の父は医者だから「精神科」というものがあることを知っていた。それだ。僕は精神科医になって医者と言う権威を武器に、差別や誤解で苦しんでる人や不自由に生きている人達の心の味方であろう。それが僕が精神科医を志した初心で、よくある皆さんからの質問への答えで、今でもそう思っている。

BGM.ムーンライダーズ「九月の海はクラゲの海」