18/ⅩⅡ.(土)2021 寒い。磯山さやか、2022年卓上カレンダー届く。
子供の頃に聞いた歌でアメリカの民謡だと思うのですが、「きつね」という変な歌があります。きつねのお父さんが家で待つ家族のためにガチョウを狩りに行くという滑稽な歌で、お腹を空かせた女房や子供たちのために稼ぐ男の生き様なのだと子供心にみてました。それと同じ頃、「サザエさん」で波平が酔っ払って帰る時に、お土産に家族に寿司折を持って帰ると、子どもたちが小躍りして喜ぶ様がセットで刷り込まれています。「これが男の生きる道」。
だのにうちの家族は薄情で僕が酔ってお土産を買って帰っても、「誰も食べないから買って来ないで」と言います。仕方がないので朝マックやドトールやスタバでパンや飲み物を買って受付にあげるのですが、「クリニックに来てから、●キロ太った」と言われ遠回しに遠慮されてる気がします。昔うちにいたスタッフが新人に教育してるのを小耳にはさんだことがあるのですが、「先生はご馳走するのが趣味だから断っちゃいけない」と戒めていました。これもハラスメントですか?何ハラですか?「ごちハラ?」。カワハラ?
心の護美箱(47)がいっぱいになったので、(48)を作りました。心の護美箱がなんだかわからない人はバックナンバーを見て下さい。ま、簡単にいうと愚痴を書き込めるページです。「非公開」希望の人はそう書いてくれば内容はアップしません。
僕はこないだ身内のおじさんが死にまして、でもコロナだから葬儀もなく、お金や花をおくればいいのですが、ついつい先延ばし。もう年を越しそうなので、日曜日、アポなしで家に行きました。
おばさんは78才ですが、耳が遠くなかなか呼び鈴を押しても出て来なくてしつこく鳴らし続けたら出て来て、僕が挨拶すると中に入れてくれました。
僕は差し入れの「水谷隼のカレー」を5箱、渡すと、「何これ?」と怪訝な顔で箱ごと脇に放っぱりました。
お金を渡すとそののし袋をみて、「あら、やだ!たっちゃん?よく来てくれたわね~」って、これさ、僕だと分かってから家に入れた方が良くないかな?老人への「オレオレ詐欺」がなくならない訳ですね。(オレオレ詐欺と言えば、今や、Netflix「浅草キッド」の映画監督である、劇団ひとりの、小説「陰日向に咲く」を思い出す人も多いでしょう。)で、まぁ、散々色んな思い出話や苦労話を聞きました。コロナ禍だから面会も出来なかったそうです。
おばさんは僕のお見舞いをとても喜んでくれ色んなお土産をくれました。化粧品・歯磨き粉・栄養ドリンク・ビタミン剤など。そうです、おばさんは薬局をやってるのです。「シャンプー・リンスもいる?あっ、その頭ならいらないか」だって(笑)。それでもまだ何かあげれる物がないかをシャッターを閉じるギリギリまで探してて、最後に「馬油」をくれました。さすがプロですね。ネイルで着飾って目くらまししてるつもりの僕の手の甲の荒れを見逃さなかったのです。
おばさんは最寄り駅まで送ると寒い中、送ってくれました。僕はここで風邪でもひかれたら俺がコロナを伝染したと怪しまれそうなので断ったのですが、「いいから、いいから」と強引です。ちょっとの再会の時間が二人の関係性の時計が巻き戻され、おばさんは30代で僕は幼稚園生くらいに世話を焼かれる立場にタイムスリップ。おばさんは道すがら銀杏並木の歩道に黄色い葉っぱがたくさん落ちてるのを指さして「ほら、イチョウ」と教えてくれます。「知ってるよ」(笑)です。おばさんは駅の改札越しにバイバイした後もふり返るとこっちを見てて目が合うとお辞儀をするからこっちもお辞儀を返して、数歩歩いて振り向くとまだこっちを見てるからお辞儀して。そんなことを10分くらいしてました。大切な人に何かをあげたいというのは結構、人間の普遍的な心理なのかなと思いました。皆さんはどうですか?それとも「川原家」の血脈かしら?
BGM. ザ・フォーク・クルセダーズ「きつね」